折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

浜茶屋のある風景 By空倶楽部

2023-08-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


旧盆の頃、土用波が高くなると北陸の浜茶屋は短い営業を終える。


  三国海岸(福井県坂井市) 2023.08.13 17:46  Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/18,1/160sec,ISO100) 

 

この日の気温は夕方にして33℃。

まとわりつく暑い空気は真夏そのものだが

傾いた日差しのなかで人気のない浜茶屋を眺めると

その景色の中にしのび寄る秋の気配を感じてもいた。

ところで。

浜茶屋と表現したが、一般的には海の家。

そう呼ぶのは北陸など日本海側の一部の地域らしい。

学生時代に友人と出かけた神奈川の海水浴場で

うっかり「浜茶屋」と口にして、「何それ?」と笑われたことを思い出した。

けれども、子供の頃の記憶につながるこの夕景の主題は

「浜茶屋」にほかならないのである。

Seals & Crofts - Summer Breeze 

邦題は「想い出のサマーブリーズ」。

夏に吹くそよ風ということだが、

今回の写真同様、どこか秋を思わせる曲だと思う。

 

 

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土用波の風景 By空俱楽部

2023-08-19 | 日常の中に

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


水平線近くに薄く引いた雲はあるものの快晴。

また風もほとんどなく、猛暑を差し引けば気候的には穏やかと言える。

ところが、そんな穏やかさとは裏腹に寄せる波といったら、「ザバーン」と大きな音を立てながら

時折り砂を巻き上げて足元を濡らすほどに迫ってくる。

晩夏の頃にやってくる大きな波、土用波だ。


 三国海岸(福井県坂井市)2023.08.13 18:24   Sony α7S2   FE24-70㎜/f2.8 GM2 (45㎜  f/8,1/60sec,ISO100)    

 

今年の夏は記録的な暑さで7月の気温は観測史上、最も高かったとか。

さらに暑さは留まるところを知らず

8月に入ってからも北陸の気温は連日の35℃を越えている。

今年の夏はいったいいつまで続くのだろう、と閉口していたが、

土用波がやってきているということは

一見夏の様相ながらも確実に季節は刻まれているのだろう。

 

さて、この時期、毎年同じことを書いている。

太宰治が創作ノートに残した「ア、秋」の話だ。

「夏の中に秋がこっそり隠れてもはや来ているのであるが、

 人は炎熱にだまされてそれを見破ることが出来ぬ。」

と記されているように、夏から秋への季節の変わり目はわかりづらい。

春なら「春一番」、夏なら「梅雨明け」、冬なら「木枯らし一号」など

季節の到来を告げる事象がそれぞれにあるのだが、

夏から秋への移り変わりだけはあいまいだ。

それでこの季節になると「夏に隠れてやってくる秋」を見破ってやろうと

秋の気配を探しまわるのだが、それを土用波の風景に感じたわけだ。

 

ところで。

この時期、天候に関わりなく海が荒れることは

海に生業を求める人たちの間では古くから知られていたそうだ。

最近になってその原因が究明された。

土用波の正体は南方で発生した台風が起こす高波が

遠く地球規模で伝わったものだった。

種明かしをしてしまうと「隠れた秋」という

情緒などすっ飛んでしまうのだが

それはそれとして、この風景を秋の気配として楽しんだ次第だ。

 

 

 

 

 

 

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Hotter than July

2023-08-14 | 風の風景 光の風景

これほど家にこもる盆休暇も珍しい。

あまりの暑さに出かける気がしないのだ。

とは言え、6日もある休みが記憶に残らないというのも寂しいので

すこし暑さが和らいだ頃合いを見計らって、いつもの三国海岸に向かうことにした。

けれども、日没間近にして外気温は33℃。

「和らいだ」と思ったのは暑さに対する感覚がマヒしてしまった、ということだろうか。

              
        三国海岸(福井県坂井市)2023.08.13  18:33   Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (31㎜ ,f18,1/50sec,ISO100) 

7月は観測史上もっとも暑かったと聞いたが、

8月に入ってなお、連日「熱中症アラート」が発令されており

また、この後も近づく台風が持ってきた南の風による高温が続くというから

7月よりもさらに暑い8月になるのかもしれない。

 

さて、タイトルの『Hotter than July』のこと。

スティービー・ワンダー1980年発表のアルバムから拝借した。

ヒット曲『マスターブラスター』や『ハッピーバースデイ』、

後にエリック・クラプトンがカバーした『疑惑』など名曲ぞろいで彼の代表的なアルバムだ。

叩きつけるようなリズム、スリリングな曲構成、多用されるホーンセクションなど、

暑い夏にはもってこいの内容でこの時期よく聴いたものだが

中でも暑さで火照った体と心を冷ましてくれるようなこのバラードが印象に残っている。

Stevie Wonder - Lately

 

6号、7号と動きの遅い台風がもたらす大雨と暑さ。

やれやれ...の夏はまだ続く。

 

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オトナの遠足 By空倶楽部

2023-08-09 | オトナの遠足

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部、8月お題の「青い空白い雲」は友人たちとのゴルフの一幕で。

  

年に20回ほどラウンドするが、そのほとんどが仕事関係。

親睦が目的とは言え、何がしかの緊張を感じたりもする。

けれども、そんな中で掛け値なしに心から楽しめるのが友人たちとのゴルフ。

仲間うちの合言葉は「ピクニックに行こう!」だ。

  

その日の最高気温は35℃。

万全な熱中症対策のもとオトナの遠足を楽しんだ次第だ。 

 

 

 

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フェーン現象の怪

2023-08-06 | 折にふれて

連日猛暑の北陸。

こう暑くてはカメラを持って出かける気にもならず

「お蔵」から多少とも涼を感じる写真を引っ張り出してみた。


  橋立港(石川県加賀市) 2016.07.31 Sony α99  F2.8G/70-200㎜ 

 

北陸というと夏はなんとなく涼しげに思われがちだが本当のところは暑い。

各地で軒並み体温を超える暑さとなっていることに加えて

石川県の小松市、そして当ブログでもおなじみの三国港(福井県坂井市)で

39℃超える最高気温を記録している。

その原因となっているのがフェーン現象。

日本列島に南からの湿った風が吹き込み、

その風が列島中央部の山岳地帯を駆け降りるとき高温となって

北陸など日本海側の地域の気温が上昇するというものだ。

しかし、そもそも風が山を越えることでどうして気温が上昇するのだろう?

そのメカニズムを調べてみた。

『チコちゃん』流に表現するなら、「湿った空気と乾いた空気の温度変化に差があるから」ということなのだが

まずは気象庁のホームページから拝借した模式図をご覧いただきたい。

図の右、太平洋側から25℃の湿った風が2000mの山を越え

図の左、日本海側に33℃の乾いた風となって吹き込む様子を表している。

空気は標高が上がると冷やされ、逆に標高が下がれば温められる。

ところが、空気が含む水分量によってその温度変化は異なってくる。

湿った空気の温度変化は標高100mごとに0.6℃だが乾いた空気は1℃である。

したがって、25℃の湿った空気は2000mの山頂付近では13℃に冷やされるが

それが駆け降りることで33℃に温められる。

この条件での気温差は8℃。自然のヒートポンプともいえるメカニズム。これがフェーン現象だ。

 

さて、台風6号が九州南部に近づいている。

この位置に台風が来ると北陸には強い南風が吹くそうだ。

そのせいか、この先一週間は体温並みの気温が続くという。やれやれだ。

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