折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

都心の「小島」で 

2018-12-16 | 郷愁的東京

山手線の品川、田町間にできる新駅の名前、「高輪ゲートウェイ」が物議を呼んでいる。

公募にもかかわらず、その順位が130位と低かったものが選ばれているから、

まずは、その選考基準のあいまいさが問題なのだと思う。

確かにそれもある。

しかし、それよりも、なんとなくレトロ感が漂う山手線に「ゲートウェイ」というカタカナ名の駅ができることに、

違和感を覚えた向きが多かったのではないかとも感じている。

今ある山手線駅は昔ながらの地名をそのまま使っているものがほとんどだ。

すでに使われた地名との混同を避けるなら、

新大久保や西日暮里のように、元からある駅名と区別する配慮もできたはずで、

現に、「新品川」や「しながわ新都心」との候補もあったようだ。

それが、あえて玄関を意味する「ゲートウェイ」と名づけられたのは、

現在、新駅に隣接するJR所有の土地に、都心最後の大規模開発といわれる街づくりが進められていて、

その開発に対するJR側の思い入れが、「ゲートウェイありきの駅名選考に反映されたのでは」との見方が一般的だ。

いずれにしても、その駅名はともかく、どんな駅ができて、どう賑わうのか、

そして、どんな撮影スポットが新たに生まれるのか、興味は尽きない。

 

さて。

カタカナ駅名といえば、この駅の場合はどうだったのか。 


RICOH GR DIGITAL Ⅲ   F4.5,3.2sec,ISO-100 

 

天王洲アイル。

品川に隣接する天王洲に「小島(Isle)」を意味する駅名が誕生したのが平成4年。

空港へ向かうモノレール路線に、さらには高層ビルが林立する新しい街にできた駅だったことから、

その名前に違和感を覚えた人はほとんどいなかったのか、駅名をめぐる物議は記憶にない。

それどころか、当時のトレンディ・ドラマのロケ地としてよく使われたことを思うと、

「アイル」という、どことなく洗練された響きを、多くが憧れをもって受け入れたのではないか、とさえ思っている。

それから30年近くの時が経ち、開業当時の賑わいはすでに薄れているものの、

冬の夜、運河越しに眺める「小島」の灯りは、まだまだ心を惹きつける魅力を失っていないと感じた次第だ。


「彩」 スティーリー・ダン

すでに40年以上は経っているが、今聴いても色褪せない、都会的なセンス溢れる曲のひとつだと思う。


Steely Dan - Aja

 

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晩秋の記憶 丹後由良  鉄写同好会

2018-12-11 | 鉄道写真

毎月11日は「鉄写同好会」の日。

詳しくは発起人てくっぺさんのブログ「高橋さんの写真記念館」をご覧ください。


昨年11月に訪れた丹後。

舞鶴に一泊し、天橋立、伊根と、よく調べもせず、

それどころか、そう明確な目的すらないままに旅したのだが、

その時、立ち寄った先のひとつが、ここ丹後由良駅だった。


Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/2.8,1/1000sec,ISO500)   


Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/3.2,1/2000sec,ISO500)   

 

実はこの近くには由良川を渡る鉄橋があって、

撮り鉄にとっては絶景ポイントとして有名なところでもあるのだが、

列車の運行状況もよく確かめずに寄ったことや、

すでに陽が傾いていることもあって、早々に断念してしまった。

思い返せば、それが心残りで、

これら丹後由良駅での写真も、どことなく「ついで」といった感が否めず、

さらに、絶好のポイントを素通りした自分に嫌気がさしたのか、

すぐにお蔵入りを決め込んでしまっていた。

今回、ふとしたきっかけで過去の写真を探していたら、

偶然、この2枚に目が留まり、あらためて当時の苦い経験を思い出したのだが、

一年経って、あの「後悔」も癒えたのか、

この時期、「これはこれでありか」とさばさばした気分で眺めることができた。

晩秋。いや、すでに初冬の雰囲気を醸しているかもしれない。

手前味噌だが、もの悲しい旅情を感じていただけたなら幸いだ。


 

 しんと静まり返った夜に響く、アート・ガーファンクルの澄んだ声。


 Art Garfunkel - Miss You Nights

これもまた、もの悲しさを感じていただけたら幸い。

 

 

 

 

 

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空と渚とトキメキと  By空倶楽部

2018-12-09 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


Sony α99  Planar 50㎜ (f/5.6 , 1/800sec , ISO100) 

 

能登で一泊し、早朝の帰り道でのこと。

雲ひとつない見事な冬晴れ、

そして、横目に眺める海もこの時期にしては穏やかだったので、

ふと、渚ドライブウェイを走ってみたくなった。

波打ち際をクルマで走行することができるその道は、

(...というか、砂浜そのものなのだが)は全国的にも珍らしく、

観光スポットとしても、広く知られているのだが、

さすがに海が荒れる冬、そして早朝とあってはほとんど通行するクルマはない。

それで、その景色をひとり占めするつもりでやって来た...、はずだったのだが。

さえぎるものもなく、ただひたすら青い空と海にカメラを向け、まさにシャッターを切ろうとしたその瞬間。

あろうことか、ファインダーの視界に赤いクルマが滑り込むように割り込んできて、

しかも、ど真ん中に停車してしまったのだ。

気勢をそがれた...というか、期待が高まっていただけに、「ジャマをされた」と、その瞬間は思った。

だが、そもそも、景色は誰のものでもない。

「こんなこともあるか」と苦笑しつつ、場所を変えようと思ったが、

どうも、その場から見える風景が依然として気になる。

というのも、青く澄みきった風景の中で、赤い車体が鮮やかに、そして瑞々しく見えてきたのだ。

さらに、眺めていると、クルマから降りてきた家族が自撮り棒を持ち出して記念撮影をし始めた。

おそらくは、この風景に心を動かされたのだろうが、一連の所業がどこか微笑ましく、

無断ながら、その家族のトキメキを拝借したという次第である。

 

さて、空倶楽部、毎月9日はお題の日で今回は「空と○○」。

この、おおらかなテーマに感謝しつつ、

日曜日の朝、その日の幸せを先取りしたような瞬間を掲載させていただいた。


 

これほど、「渚」 という言葉が似合う人たちはいないのではないか。

「想い出の渚」という名曲もあるが、

明るい海にちょっとセンチメンタルな思いを忍ばせたこの曲もまた名曲。


ザ・ワイルドワンズ「白い水平線」

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冬を灯す

2018-12-06 | 抒情的金沢

金沢で冬の到来を告げる風景といえば、

兼六園の雪吊に、武家屋敷跡の土塀菰(こも)掛けがすぐに思い浮かぶ。

だが、金沢市民にとってみれば、地元の観光地へ日常的に出かけるはずもなく、

もっと身近な冬の風景を挙げるなら、ここ香林坊のイルミネーションとなるだろう。


Sony α99  Planar 50㎜ (f/2.8 , 1/60sec , ISO640)  

メインストリートを大きく覆うケヤキ。

その枝に取りつけられた10万個を超える電飾が冬の街を彩る。 

古いものと新しいもの。独特の時空感覚が交差する金沢の新名所でもある。


70年代のアメリカを代表する女性ロックシンガーのひとり、と言えばリンダ・ロンシュタット。

ところが、その激しさとノリはどこへやら...。

冬、そしてクリスマスが近づくとふと思い出す、

リンダのチャーミングな表情が印象的な一曲。


  Linda Ronstadt & James Ingram - Somewhere Out There

 

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