折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

テ・レ・コ・ム・サ・ク・ラ

2018-03-31 | 花歳時記

先週、仕事で訪れた東京お台場のテレコムセンター。

ゆりかもめで何度となく素通りしていたが、降りたのは今回が初めて。

「テレコムセンターってなんだ?...なにがあるの?」

不思議な駅名に惹かれながらも、結局はわからずじまい。

それはそれとして、満開の桜が出迎えてくれたからヨシ!

  
RICOH GR DIGITAL Ⅲ   f/5,1/500sec,ISO-64 

そして、その謎の駅名にちなんで命名... テ・レ・コ・ム・サ・ク・ラ


謎といえばこの人も。

それはそれとして、春を出迎えるこの懐かしくて切ないメロディ。

だからその謎もヨシ!


森田童子 ぼくたちの失敗

 

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春は若狭の海からやってくる By空倶楽部

2018-03-29 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


先週末に訪れた春の若狭でのひとコマ。


Sony α99  Planar 50㎜(f/5.6,1/2500sec,ISO100) 

雲ひとつない空と穏やかな海、

人っ子ひとりいない海水浴場の駐車場に停まっていた赤い車が

見渡す限りの青い風景に映えて印象的だった。

 

ところで...

北陸の春は若狭からやってくる...そう勝手に思っている。

子供染みた言い方をするなら、

「信じている」といってもいいくらいで、

それほど春の若狭への思い入れが強い。

「なぜ?」と尋ねられても明確な答えはないのだが、

あえてその理由を上げてみるなら、

まず思いつくのが、若狭は金沢からみて地理の上で南だということ。

しかしその緯度の差はわずかでしかなく、

若狭の気温は金沢とほとんど変わらないし、時にドカ雪も降る。

それよりも大きな理由とすれば、「北陸」ではあるけれども「北陸」ではないという若狭の印象かもしれない。

 

若狭は福井県嶺南地方(敦賀市以西)に位置する。

一方、古代の日本において、福井県嶺北地方(福井市を中心とした地域)から

石川県、富山県、新潟県、さらに山形県の一部は越国(こしのくに)と呼ばれた。

今でも使われる越前、越中、越後といった地域名称はその名残である。

そして現代、一般的には福井県から新潟県にかけては北陸と呼ばれる(新潟を甲信越と分類する場合もある)。

したがって若狭は福井県の一部ながら「北陸」ではなく、自分の地理的感覚ではむしろ近畿地方に近い。

また、かつて若狭は御食国(みけつくに)とも呼ばれ、ヤマト朝廷に豊富な海産物を献上していた。

その歴史も「北陸」でない若狭の印象づけになっているのかもしれない。

 

その若狭からの花便り。 


Sony α99  Planar 50㎜(f/6.3,1/250sec,ISO100) 

 

ちなみにこの日から一週間近く経ったが、金沢ではいまだに開花宣言が出ていない。 

いったい春はどこで足踏みをしているのやら...

そんなことをぼやきながら、さらに若狭の春を渚で見つけた。


Sony α99  Planar 50㎜(f/2.8,1/640sec,ISO100) 

 

ここちよい風にやさしい波。

この風景を眺めながら思い出した曲が...

 


The Beach Boys - Kokomo

トム・クルーズが主演の映画「カクテル」の挿入歌でもあるが、

ビーチ・ボーイズを聴くと、春を通り越して夏を思い浮かべる方も多いかもしれない。

 

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置き去りにできなかった空 伊根の秋 By空倶楽部

2018-03-19 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

昨年秋に訪れた丹後半島の伊根。

昔から変わらない海の暮らし、それが原風景として残る集落、

とりわけ舟屋が並ぶ風景を思い浮かべる方も多いと思う。

秋の長雨が上がり、曇り空が次第に青空へと変わっていく空模様が印象に残ったが、

どんな事情があったのか、思い出すこともできないが、つい出しそびれてしまっていた。

それで、空写真在庫が尽きたこの時期、恥をしのんで投稿。

題して「置き去りにできなかった空」、...というか、マヌケな所業。


 Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/6.3,1/320sec,ISO100) 


Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/6.3,1/1600sec,ISO100) 


Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/250sec,ISO100) 


 

伊根の風景を思い出していたら、

ふと、アイルランド民謡のダニー・ボーイのメロディが頭に浮かんだ。

たくさんのカバーがある中、選んだのがこのバージョン。


Danny Boy - Peter Hollens

すばらしいアカペラを聴かせてくれるPeter Hollensという人、

経歴を眺めてみると、音楽家、そして実業家とあるが、

いわゆるユーチューバーで、それもかなり知られた存在らしい。

さて、あらためてこの曲について調べてみると...。

民謡と紹介されるが、作られたのは意外と新しく1910年から12年にかけて。

この年代は第一次世界大戦勃発前夜で、

ヨーロッパでは外交の閉塞感や紛争の危機感が次第に高まっていたころ。

その世情を反映して、この歌は戦地に赴いた息子を思いやる母の心情を綴ったものとされ、

わが国では作詞家なかにし礼による訳詩がもっともポピュラーとのことだが、

その内容も反戦的な色合いを強く感じる。

ところが、このビデオクリップにある原文に忠実な訳詞を眺めていたら、

「すこし解釈が違うのでは...」と思えてきた。

故郷の描写に始まり、それが息子への思いへと綴られていく。

そんな親の心情を表わすひとつひとつの言葉に胸が熱くなった。

どんな時代であろうと、離れて暮らす子供を思う親の気持ちは不変。

それこそがダニーボーイの作者の真意ではなかったのだろうかと思えてきたのだ。

 

 

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「あの時」を刻む時計

2018-03-16 | 折にふれて

久しぶりに腕時計の革ベルトを新調した。

革ベルトというものは暑さ寒さ、そして湿気にも弱い。

この時計にしてもそう、使いだしてから10年ほど経つが、すでに何度かベルトを取り換えている。

使い勝手の悪さからか、最近、革ベルトの時計をあまり見かけなくなったのだが、

この古い時計には革ベルトを装着するしかなく、これまた古さゆえ限られたサイズの中から選ばざるを得ない。

そんなにしてまで使う値打ちがこの時計にあるのかということになるが、

実はこの時計、13年前に他界した父が使っていたもの、つまりは形見なのだ。

父が亡くなってまもなくのこと、遺品を整理していたときに出てきたオメガの手巻きの時計だったが、

文字盤には錆が浮いていて、アクリルのカバーにも細かいひび割れがある。

それどころかねじを巻いても、針はすこし動いただけですぐに停まってしまう。

とどのつまり、形見とは言ったものの使い物にはならなかったのだ。

しかし、子供ごころに父が腕に巻いていたことを覚えていたし、

当時としては高価なものだったのではと思うと、たとえ動かなくても捨てきれずにいた。

一度、オメガを取り扱っている時計店に持ち込んだこともあったが、

応対した店員は、「もう部品がありません」と手に取ることもなかった。

それから2年ほど経った頃だろうか、

小さな時計店の店先に「時計職人 1級技能士の店」と書かれてあるのを偶然見つけた。

駄目元と、この時計を見せたところ、

その職人さんは時計の裏蓋を開け、内部を丹念に点検した後、「何とか、なりそうだ」と言ってくれた。

「本当ですか!」と思わず聞き直しことと、その時のうれしさは今でも忘れていない。



そして、これが修理が終わった時計とともに職人さんがくれた写真。

職人さんが教えてくれたのだが、この時計には、Cal.286という型番のキャリバー(駆動装置)が使われていて、

それが製造されたのは1950年代の後半で、当時の値段は当時のサラリーマンの月給の2~3ヶ月分に相当したのではとのことだった。

公務員だった父が何を思ってそんな高価なものを買ったのか今となっては知る由もないが、

もし、父が記念に買ったとあえて想像するなら、その頃、父の身のまわりで起こった関心事とすれば私が生まれたことだったかもしれない。

「長男が生まれた記念」

想像でしかないのだが、そう考えると古くて見栄えも悪い時計だが動いてくれる限りは大切にしようと思えてくるのだ。

 


折にふれての選曲。

そのとき、そのときの気分で思いついた曲を紹介しているが、そもそもはたくさんの音楽を知っているわけではない。

限られたジャンル、限られた年代に聞いた音楽の中から選んでいるので

二度三度と同じ曲を貼りつけることもよくある。

思い入れの強い曲ということだろうが、

たとえば今回のように、昔のことをなつかしく思い出した時などに「ふと聴きたくなる」、

そんな曲のひとつがジャクソン・ブラウンの「Here come those tears again」である。


Jackson Browne - Here Come Those Tears Again

「あふれでる涙」という邦題がつけられているが、

原題では単なる「涙」(tears)ではなく、「あの涙」(those tears)」である。

ジャクソン・ブラウンが表現したい涙のワケは深くて、

彼はそのすべてを「those」という単語に込めたのだと思う。

「あの時」に起こったこと、感じたことが鮮やかに蘇り、涙があふれ出す。

たったひとつの単語に込めた万感の思い。

いかにもジャクソン・ブラウンらしい表現、

そして、その言葉が父の時計に刻まれた「あの時」を思い出させてくれた。

 

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春を呼ぶ Tokyo Sakura Tram  鉄写同好会

2018-03-12 | 鉄道写真

毎月11日は「鉄写同好会」の日。(...一日遅延しました。お容赦を。)

詳しくは発起人てくっぺさんのブログ「高橋さんの写真記念館」をご覧ください。


東京さくらトラム、荒川車庫前停留所付近。


RICOH GR DIGITAL Ⅲ   f/5,1/400sec,ISO-64 

さくらトラム・・・?聞きなれない路線...、と思った方も多いかもしれないが、

東京都交通局が運営する都電荒川線の愛称。

沿線には荒川公園や王子の飛鳥山公園、さらにはソメイヨシノの名の由来となった染井霊園など

桜の名所があることからそう名づけられたとか。

この愛称が定着するにはまだまだ時間がかかりそうだし、

今さら愛称をつける必要があるのかとも思っていたが、

やってきた桜色の電車を眺めていたら、

ボディに書かれた「Tokyo Sakura Tram 」の文字も悪くないなと思えてきた。

この日の東京は最高気温が10℃に届かず、時折り吹く風も冷たかった。

それでも、強さを取り戻した陽ざしと空の色は春そのもの。

桜の開花まで2週間あまり、今年こそ沿線の桜見物に行きたいものだ。


自分の中で、春の到来を表現する曲のひとつがスコット・マッケンジーの「花のサンフランシスコ」。

1960年代後半。

ヒッピーやフラワー・ムーブメントなどウェストコーストを中心に巻き起こった

若者カルチャーを象徴するする曲として覚えている。


San Francisco - Scott McKenzie

 

 

 

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春を告げる空 By空倶楽部

2018-03-09 | 空倶楽部

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


 

その日の金沢は快晴、本格的な春の到来を思わせる真っ青な空が広がった。

近年になかった厳しい冬が終わり、おそらくは今年いちばんの空模様だったに違いない。

今月の空倶楽部のお題が「日没後の空」だったこともあるのだが、

こんな日は澄んだ空を少しでも長く眺めていたくて、

陽が傾きだした頃に海へ出かけることにした。

白山市美川町。

県一の河川、手取川が日本海に注ぐところは遮るものがほとんどなく、

そこで、夕陽と日没後の空を存分に楽しむはずだったのだが...。

多少予感していたことでもあるが、

見事に晴れあがった日の夕方ほど空の表情が乏しくなることが多い。

この日の空は日没後、深い青色がそのまま漆黒に変わっただけで、赤く染まることはなかったのだ。

それで掲載したのが、日没寸前の空。


Sony α99  Distagon24㎜/f2.0 (f/5.6,1/250sec,ISO100) 

今年いちばんの空と気負って出かけたものの、残念ながらお題を満足する写真とはならなかった。

それでも、ゆっくりと海に沈みこむ夕陽を眺めることができたのは幸い。

春を告げるかのような空を一日中楽しんだ次第である。


 

投稿とは全く関係ないが、

会社からの帰り道でよく聞くラジオ番組から流れてきたなつかしい曲。

ピンクフロイド初期の小曲、「夢に消えるジュリア」。

子供の頃、親しんだメロディにこの日の夕景を重ねてみた。


Pink Floyd - Julia Dream

 

 

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金沢今昔物語3  犀川大橋は堅牢第一

2018-03-04 | 抒情的金沢

400年の時を超えて、戦禍や大災害を免れてきた金沢。

ゆえに昔と変わらない風景が残る。

犀川大橋もそのひとつで、

このシリーズで紹介している絵葉書の中にもその姿があって、

例によって戦前のものと思われる。


                                                                  絵葉書資料館 所蔵

思い返してみれば鉄骨の塗り替えなど化粧直しはあったものの

その姿はごく自然な街の風景として金沢人の目に焼きついている。

いったいいつ架橋されたものか、気になって調べてみたところ、

1924年(大正13年)とあるから、94年も前のことだった。

鉄橋には子供の頃から思い入れがあって、その中で一番のお気に入りが隅田川にかかる勝鬨橋なのだが...、

その勝鬨橋が架けられたのが1940年(昭和15年)というから

犀川大橋はそれよりも古い。

その長い歴史も意外だったのだが、

調べてみて、国の有形登録文化財に指定されていることを知り、

さらに驚いた次第である。

 

さて、その犀川大橋の現在の姿。


Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/500sec,ISO100) 

 

古い写真の解説に、

「堅牢第一を誇る犀川大橋」との記述がある。

94年経った今も国道157号線にかかる鉄橋として現役、

「堅牢第一」というキャッチフレーズに偽りなしである。


 

今日の金沢は満天晴れわたり、

最高気温も19度とのことで春の日和を存分に楽しむことができた。

まだ寒の戻りもあり、本格的な春到来には時間もかかるが、

こんな曲が聴きたくなる一日だった。

「緑の風のアニー」 ジョン・デンバー。


John Denver - Annie's Song  

 

**絵葉書の掲載について

絵葉書の掲載について発売元の「絵葉書資料館」様(神戸市)に問い合わせたところ、
個人のブログの場合、出所を明記することで容認とのご沙汰をいただきました。
ご厚意に感謝申し上げます。
そのお礼と言ってはなんですが、「絵葉書資料館」様のホームページアドレスを掲載させていただきました。

絵葉書資料館  http://www.ehagaki.org/
〒655-0037 神戸市垂水区歌敷山1-7-20
電話 078-705-1512

 

 

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