折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

春到来、渚の風景  By空倶楽部

2017-03-29 | 空倶楽部

春の海...とくれば、

「終日(ひねもす)のたりのたりかな」と、つい呟やいてしまうが...

3月も後半とはいえ、まだ春浅い北陸の海。

海から吹きつける冬特有の激しい風はすでに治まったものの、

その寒さ、体感的にはまだまだ冬、こんなところで、のたりのたり昼寝などとんでもない話である。

 

ところでここは、日本の渚百選にも指定される小舞子海岸。

美しいからの指定だろうが、海岸に散らばる無数の漂着物を眺める限り、とても百選とは言い難い。

しかし、それも長い春を辛抱した我々北陸人にとっては、ひとつの季節風物詩であって

「春が来た!」とどこかほっとする光景でもある。

 

そんな渚の風景を楽しんでいたら、声をかけられた。 

「イイダコは釣れますか?」

富山からわざわざイイダコを求めて立ち寄ったそうだが、

誰もいない渚で海を眺めている自分をみて釣り人と勘違いしたらしい。

「釣りはしたことがないので...」と答えると

バツが悪かったのか、「何を撮っているのか」「ここは有名なのか」と矢継ぎ早に聞いてきた。

つい「春を撮っている」と答えてしまったが、その後早々に立ち去って行ったところを見ると、

ひょっとしたら変人と思われたのかもしれない。

 

ともあれ、春の到来を楽しんだ渚でのたわいない話。 

 


春の海といえば、真っ先に連想するのがこの曲。

 

  Sea Of Love  The Honeydrippers  

ハニードリッパーズというユニット名であるが、

この穏やかなボーカルは意外にもレッド・ツェッペリンのロバート・プラント。

 

「9」のつく日は空倶楽部の日   

詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

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ゴッサムシティ  妄想の青い空  By空倶楽部

2017-03-20 | 語りかける街

空を突き上げるようにそびえ立つ高層ビル。

 

ここは東京新宿副都心、右のビルが東京都庁でもう一方が新宿パークタワーだ。

こうして眺めるとまるで肩を並べるように近く感じるが

地上での直線距離にするとおおよそ300m、

徒歩だと立体的に交差する道路を昇ったり下ったりして10分程の道程となる。

さて、新宿パークタワーは低層階にショップテナントを配した複合オフィスビルで

高層階は都内屈指のラグジュアリーホテルのパークハイアット東京となっている。

つまりは、東京都庁とはまったく異質の建物と言いたいのだが

このふたつの建物、空を背景に見事に調和がとれている。

それもそのはず、どちらの設計も建築家の丹下健三氏で

とりわけ東京都庁は竣工後25年を経過していて、

執務室などではそれ相応な年月の経過を感じるが、

この外観は今だもって新鮮に目に映る。

 

ところで。

ゴッサムシティという街をご存知だろうか。

アメリカのコミックで何度となく映画化されているバットマンに登場する街である。

当然ながら実存していないが、

この新宿副都心のふたつのビルを含む風景をながめていると

ゴッサムシティを連想してしまうのだ。

実際にそう思う人はほかにもいるらしく、

「ゴッサムシティ」で検索すると、新宿副都心の街並み画像がいくつもヒットする。

映画では薄暗く陰鬱に表現される街だが、

多少、雲が多めながら、キンと冷えた冬晴れの空の下、

この日の東京ゴッサムシティは明るくさわやかだった。


 

さわやかな空と高層ビルから思いついた曲。 

 

♪SKY-HIGH    JIGSAW

むかしむかし、プロレスファンだった方にとっては

仮面のプロレスラー、空中戦を得意としたミルマスカラスの登場曲としてお馴染みかもしれない。

 

 

「9」のつく日は空倶楽部の日  ・・・今回遅刻しました(^_^;) 

詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

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続 若狭 春の小浜駅 鉄道遺産編

2017-03-15 | 鉄道写真

春の気配を感じはじめたころに出かける場所がある。

そこは福井県嶺南地方、古くからの呼び名でいうところの若狭だ。

敦賀から海沿いの曲がりくねった道をのんびりと若狭の中心、小浜をめざす。

これといった目的はない。

極めて感覚的な話だが、ずいぶんと前にこの時期の若狭を訪れて以来、

北陸の春は若狭からやってくると思うようになった。

それで、春が待ち遠しくなると、居ても立ってもいられず、とにかく若狭へと心が逸るのだ。

敦賀から小浜、40㎞あまりの道程だが、かつては片側一車線の国道27号線しかなかった。

渋滞することが多く、とりわけ海水浴シーズンともなると

若狭の海へ押し寄せる車が北陸道敦賀インターまであふれるほどだった。

今は、若狭舞鶴自動車道が全区間開通したことで、所要時間はかつての半分以下の40分程度、

また、一般道も27号線が途中の美浜まで片側2車線に拡張されたことで恒常的な渋滞は解消された。

だが、春の若狭へ向かうにはそのどちらも通らず、

遠回りでも、若狭湾沿いの国道162号線を走ると決めている。

春を迎えに行く旅、どうせなら海も山も、その道中含めて春を存分に感じたいからだ。

多少、雲行きのあやしい日だったが、それでも敦賀から若狭湾へ出る頃には大きな青空が広がり、

穏やかな春色の海を横目に、目論みどおりのドライブを満喫することができた。

 

さて。

小浜へ来るといくつか立ち寄るところがある。

そのひとつが小浜駅だが、冒頭にふれたようにこれといった目的があるわけではない。

強いて言うなら、この駅のどこかなつかしい佇まいに惹かれるからということかもしれない。

ひと気のないプラットホームに立ってみる。 

なつかしさを感じさせる理由がこの写真の中にある。

木で組まれたホーム上屋がそれで、

遠い記憶の中にある金沢駅のホーム上屋も木でできていたと思う。

つまりは子供の頃、記憶に刷り込まれた風景がそこにあるというわけだ。

小浜駅は大正10年の開業というから、この上屋は100年近くの歴史を刻んできたことになる。

  

 

もうひとつ、小浜駅には重要な鉄道遺産がある。

しかし、それが実に残念なことになっていた。

かつて、小浜線を疾走した蒸気機関車に水を補給するための給水塔。

これも小浜駅が開業した大正10年から使われたもので、

煉瓦積みの容姿からもその遺産としての価値が理解できるというもの。

そのなにが残念なのか。

これが昨年春の写真だが...、

老朽化を理由に給水タンクが撤去されてしまったのだ。

調べてみると、この給水塔に愛着を感じているひとは多く、保存しようとする動きもあったようだ。

しかし、今はなんの用もなさない構築物、それゆえに鉄道遺産なのだが

今の世の中、郷愁だけではままらないことが多いということだろう。

小浜駅を後にする時。

親切な駅員さんが、「これを」と若狭の観光PR冊子を手渡してくれたのだが、

その表紙を飾っているのが給水塔だった。

それならば...

せっかくの貴重な鉄道遺産

風雪にたえた煉瓦造りの近景を記憶にしっかりと留めておくことにしよう。


 折にふれての選曲。

「ケンとメリー」だけではないぞ...とばかりにBuzzの名曲。

 

 

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若狭 春の小浜駅  鉄写同好会

2017-03-12 | 鉄道写真

毎月11日は「鉄写同好会」の日。

詳しくは発起人てくっぺさんのブログ「高橋さんの写真記念館」をご覧ください。


てくっぺさんが主宰する鉄道写真のサークル「鉄写同好会」の会員なのだが、

私個人としてはしばらく運休が続き、しかも今回は一日の遅延。

ということで、今回は春を迎えに出かけた若狭、小浜駅のワンシーンを

宿題を出し遅れた子供のように遠慮がちに掲載。

復帰後の肩ならしということでご容赦を...。

というか忘れられていると思う。

それにしても、のどかというか、このひと気のなさ。

ただ、春の気配だけが漂っていた。

 

                                                   この項続く。


 

Jackson Browne - Sleep's Dark And Silent Gate

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太陽があたる場所  By空倶楽部

2017-03-09 | 空倶楽部

空倶楽部、今月のお題は「日没後の空」。

湖北、穏やかな陽の光が冬の日を包み込む。

やがて、その陽が比良山系に落ちて、

琵琶湖に竹生島のシルエットを浮かび上がらせた。

 

そして...。

空倶楽部7周年おめでとうございます。

お祝いとともに発起人のchacha○さんとかず某さんのご苦労にあらためて感謝申し上げます。

私事ですが。

私が参加したのが2011年の3月でしたから、自分にとってはちょうど6周年となった次第です。

7周年を記念して、ここ一年のベストショットを掲載とのことでしたが、

実は先月、先走って掲載してしまったので、

今回は自分への記念として、

当倶楽部に参加した2011年3月29日の写真から選ぶことにしました。

 

日没間近の石川県白山市の徳光海岸。

早春の、雲がほとんどない日でしたが、

それまで、空一面に光をはなっていた陽が低い雲に隠れた瞬間、

空が輝きを失うと同時に、雲の間からいく筋もの光芒が海に降り注いだことをよく覚えています。


 「太陽があたる場所」  スティービー・ワンダー

Stevie Wonder - A Place in the Sun 

「9」のつく日は空倶楽部の日   

詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 

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桃の節句によせて 「雛人形」考 続き

2017-03-05 | 折にふれて

前回に引き続き、「雛人形」考。

お内裏様とお雛様 ふたり並んですまし顔...

内裏(だいり)とは御所のこと、つまりはやんごとなき方々の結婚式の模様であることは容易に察しがつく。

そこで、配役のメンバー紹介とともに、

その奥深さというか、リアリティへの「妙なこだわり」を紹介する。

 

まずは雛段のすぐ近くに控えるのが、ご存じ三人官女。

それぞれに、さかずき、長柄の銚子、短い銚子の

酒器を携えた接待係の女官たち。

ちなみに真ん中で三方に載せたさかずきを持つ女性は

お歯黒、すなわち既婚女性なんだとか。

「だからなんだ?」なのだが、

このような役づくりが「妙なこだわり」を感じる由縁で、このような例がこの先、随所にある。

 

次に並ぶのが、一般的には五人囃子。

役どころとしては元服前の少年たちによる能楽の演奏と謡い。

持ち物は、太鼓、大太鼓、小鼓、笛、扇子で、

扇子を持つ子がボーカル担当ということになっている。

ところが、である。

「一般的に」と紹介したが、実は「うちの五人」の持ち物は、

横笛、たて笛、火焔太鼓、笙の笛に鼓となっている。

彼らは正確には五楽人と呼ばれ五人囃子と区別されている。

また、演奏するのは能楽ではなく雅楽なんだとか。

この使い分けも「こだわり」のひとつ。

  

続いて控えるのが、ふたりの随身(ずいじん)で、今風に表現するならSP、いわゆるボディガードである。

左大臣、右大臣と呼ばれたりもするが、実はこれは誤りらしい。

左大臣、右大臣はかなりの高位であって、随身を兼務することはないからだとか。

赤い装束をまとった随身(写真)が若者でお内裏様の警護を、

また、黒い装束をまとった随身は年配者でお雛様の警護をそれぞれ担当するらしい。

ちなみにこの職務形態、若い随身をお雛様の警護にあたらせないのは、「まちがい」があってはならない

との配慮からだとか。

確かに...。

映画「ボディガード」で、ケヴィン・コスナーとホイットニー・ヒューストンが恋に落ちたことを思うと当然の「こだわり」かもしれない。

 

そして、最下段に控える三人組が仕丁(しちょう)といって、宮中の雑用係。

帽子掛けや立ち傘、沓台など出かけるときの用意をしていたり、

ほうきやちりとり、熊手など掃除用具を持った仕丁もあるらしい。

また、彼らは市中の民が駆り出されたもので、

怒り上戸、泣き上戸、笑い上戸など喜怒哀楽の表情、

市民感情丸出しの仕丁が実は一般的らしい。

 

さて、今は飾って楽しむ雛人形だが、

元はといえば平安時代に貴族の子女の中で流行った人形ごっこが起源だという。

現代なら、リカちゃん人形。つまりは、遊ぶことを目的としたものであったらしい。

それならば...。

題して、「桃の節句楽団」

いたずらが過ぎたが、五楽人に女性ボーカルを加えた様子に

思わず、こんな人たちを思い出してしまった。

 

恋の季節   ピンキーとキラーズ 

 

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桃の節句によせて 「雛人形」考  序

2017-03-03 | 折にふれて

桃の節句。

なんとも長閑で、そして明るい語感。

まさに早春の季節感を感じさせる絶妙の言葉だと思う。

まだまだ寒い日もあるだろうし、雪も降るだろうが、

この言葉には、春を心待ちにする気持ちに答えてくれるやさしさがある。 

その桃の節句を間近にした週末のこと。家内が突然、「お雛様を出そう」と言い出した。

毎年、そう切り出すのは私のほうで

そのたびごとに家内はおっくうがって、雛人形は10年ほども押入れの中で眠ったままだった。

おっくうな気持ちもわからないではない。

雛人形はただ人形を並べればいいというわけではなく、

狭い我が家ではまずは場所の確保、

そして、雛壇を組み立てることから始めて、人形を並べて小物を持たせる、

さらに調度など細々とした飾り付けなど、けっこうな仕事が必要になる。

また、出すときはまだしも後片付けを思うと、

それだけでも気詰まりになるのだろう。

家内が今年、どういう心境で飾る気になったのかはわからないが私としては大歓迎、

手伝うことを約束させられてから、やがて一時間、

そう役にも立たなかったらしいがなんとか飾り終えることができた。

もう30年以上も前、長女が生まれたときに、

父が酔った勢いで「雛人形を買ってやろう」と言いだした。

いちばん喜んだのが家内で、間髪入れずに人形屋さんで選んだのがこれだ。

詳しいことは知らないが「江戸木目込み」と呼ばれるものらしく

家内に言わせると、「真ん丸とした姿がなんとも愛らしい」...なのだそうだ。

その真ん丸とした主役のふたり、とくとご覧あれ。

  

話は変わる。

なんとなく雛人形のことをつらつらと書き始めてみたが、

雛まつりや雛人形のことを調べてみるとかなり奥が深い。

最近の雛祭り、バレンタインとホワイトデーの狭間でなんとなく影が薄くなった感もある。

しかし、そんな西洋由来の、しかもチョコレート屋の見え透いた戦略にのせられたような

ポッと出の季節イベントとは訳が違い(...義理チョコしかもらえないヒガミ)

雛祭りは日本古来、伝統的な格式に裏づけされたものだと再認識した次第。

しかしこの続き、長くなりそうなのと、もう少し調べ物をしたいので次回へ。

 


ムッシュも逝ったか、残念!

個人的だがムッシュが作った曲でいちばん好きなのがこれ。

ザ・スパイダーズ あの時 君は若かった

みんな楽しそう!

そして、若い。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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