折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

能登さいはての地、高度一万メートルの空を見上げた。 By空倶楽部

2016-10-29 | がんばれ能登

禄剛埼(ろっこうさき)灯台を包むように広がる秋の空。

ここは能登半島最先端の地。

一面に、うろこ雲が広がっていて、今年の秋いちばんの空を楽しむことができた。


ところで、このうろこ雲。

人によって、いわし雲やさば雲とも呼ぶらしいが、

気象学的には巻積雲といって、5,000~15,000mの高さにあるのだとか。

雲は高度2,000m付近から形成されるらしいから、かなり高い空を眺めたことになる。

それでつけたタイトルが、ざっくりと「一万メートルの空を見上げた」。


さらにウンチクをもうひとつ。

巻積雲は低気圧が近づいているときに出やすい雲で、天気が崩れる予兆だそうだ。

この日は早朝に金沢を出て能登へ。

快晴の空を行く先々で眺めながらぐるっと能登を一周し、

最後に仰いだのがこの壮大な空。

このあと、次第に雲が多くなり、

3時間後、金沢へ帰り着くころには本降りになっていた。


なるほど、うろこ雲の予兆。

大当たりである。


折にふれての一曲...

とは言い難く、写真とはまったく関係ない、最近ハマっているシカゴ・ブルースから。

ベス・ハート(ボーカル)、ジョー・ボナマッサ(ギター)による名曲「I'll Take Care Of You」

 

Beth Hart and Joe Bonamassa - I'll Take Care Of You

 

 

「9」のつく日は空倶楽部の日   

詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 

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能登はやさしや土までも

2016-10-24 | がんばれ能登

秋晴れの中、久しぶりの能登。

母が輪島出身ということもあって、子供の頃は頻繁に輪島へ来ていた。

とくに夏休みなどは、1か月以上も母の実家に預けられ、

海、山と駆け回っていた思い出がある。

ところが、現在、観光スポットになっている地域の記憶はほとんどない。

母の実家が山あいの地にあり、市街地へ出ることが少なかったこともあるが、

当時の輪島は今ほど観光地化しておらず、

例えば、日本で三本の指に入るといわれる朝市でさえ、

コンビニはもちろん、スーパーさえもない時代、

観光地としてではなく、日常生活の一風景として記憶の中に溶けこんでしまっていたのかもしれない。


その朝市の風景。

 

朝市が閉まる正午間際にもかかわらず、この人だかり。

先にも書いたとおり、元々は地元の人が日常的な食材を求める場所として利用されていたが、

今は、地元食材に加え、加工品や民芸品など観光土産を販売する店が多い。

ふと、子供の頃の記憶が甦り、

朝市での仕事を終えた高齢の女性たちが大きな荷物を担いで、街をゆく姿を思い出したが、

今ではそんな生活臭さなどまったく感じない 。

よく見ると街並みもすっきりと整備され、輪島がすでに成熟した観光地になったということなのだろう。

 

次に、近年、夜はライトアップされるなど、すっかり観光名所として定着した千枚田へ。

子供の頃から、この場所は知っていたが、

母の実家の近くにも急斜面を切り開いた田や畑があって、

平地の少ない能登ではよくある光景と、特に気に留めることもなかった。

ところが、今や全国挙げての棚田ブーム。

大きな駐車場が整備されたことで、ここにもたくさんの人が訪れる。

観光土産の売店、さらには、いったい何を眺めるのかコイン式の望遠鏡まで設置されている。

小さな棚田が連なる先は海と空だけ。

その能登の原風景の中にいることが、非日常の体験そのものということだろう。

(ライトアップ設備まである田んぼが原風景と言えるかどうかは疑問だが...)

ともあれ...秋晴れの中、潮風にあたりのんびりとつかの間の時間を楽しむ人たち。

能登のやさしい風景にふれた、そのしあわせ気分を分けてもらったような気分になった。

 

さらに、ついでとばかりに足を延ばして、能登半島先端の地へ。

禄剛崎(ろっこうざき)の見晴らし台。

ここからは、海からの日の出と海に沈む夕陽を居ながらに楽しむことができるという。

東京、釜山、上海、ウラジオストックの距離標識が目を引いたが、

最近、地方にまで及んでいるインバウンド需要が能登も潤していると聞けば、

この程度のサービス精神は当然といったところかもしれない。

 

さて、輪島での所用ついでに、のんびりと能登を巡った一日。

その写真を整理していて思い出した言葉が、

「能登はやさしや土までも」。

土はもとより人までも、と能登の人の素朴さ温かさを評する言葉である。

能登の血が半分入っているから言うわけではないが、

人はもちろんのこと、海も空も風も、すべてがやさしい能登だった。


 

秋空の中、どこか遠くへいざなってくれそうな

ライ・クーダーの素朴な名曲。

 Always Lift Him Up _ Kanaka Wai Wai   Ry Cooder  

ところで、曲名の後にあるKanaka Wai Wai(カナカ ヴァイヴァイ)とはハワイではよく知られた讃美歌で、

この曲の間奏部分に使われている心やさしいメロディがそれなんだとか。

 

 

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寅さんの琵琶湖

2016-10-22 | 近江憧憬

長浜市西浅井町菅浦付近からの琵琶湖。


俳優の渥美清さんが亡くなって今年で20年だそうだ。

「男はつらいよ」シリーズについては今さら語る必要もないと思うが、

毎回、旬の女優をマドンナを迎えての人情喜劇。

寅さんとマドンナの成らぬ恋に一喜一憂したものだが、

もうひとつの楽しみが、映像美として映し出される日本の原風景や祭りなどの習俗だった。

そんなシーンのなかで、とりわけ印象的な風景がある。

第47作「拝啓車寅次郎様」の舞台となったのが滋賀県長浜市で、

マドンナ役のかたせ梨乃演じるアマチュアカメラマンが撮る朝霧にかすむ琵琶湖の風景がそれだ。

気になりながらも、当時は調べるすべもなく、その印象もいつの間にか忘れてしまっていた。

ところが、没後20年の記念番組で偶然にもその場所が奥琵琶湖の菅浦であることを知った。

湖北、琵琶湖に突き出た葛籠尾崎(つづらおさき)の入江に菅浦集落がある。

47作のロケからすでに20年以上も経っているが、

ここには当時から変わらない琵琶湖の原風景がそのまま残されている。

早朝、ここで撮影となると、サラリーマンの身ではなかなか困難であるが、

いつまでも変わらない原風景、リタイア後の楽しみとして大切にとっておこうと思う。


 

ようやく秋らしい空になってきた。

「天使の歌声」と評されるアート・ガーファンクルの美声はこの季節にぴったり。

 

Miss You Nights   Art Garfunkel

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能登、渚の風景 By空倶楽部

2016-10-19 | がんばれ能登

 

とある日曜日の早朝。

秋晴れの中を所用で能登輪島へ向かった。

金沢から輪島、車だと自動車専用の「のと里山海道」を走るのが一般的で、

その行程は時間にして2時間といったところだ。

この道路、「海道」の名が示すように、金沢の起点から30キロ以上も海岸線を走り、

雄大な日本海をパノラマさながらに楽しむことができる。

また、随所でインターチェンジを降りて、渚の風景を間近にできることもこの道路の魅力だ。


この砂浜にはもうひとつ大きな魅力がある。

浜砂がしまっていて、海岸を車で走行することができる渚として全国的に知られていて、

中でも、8キロにわたる「なぎさドライブウェイ」は特に有名だ。

 

あらためて、そんな渚の風景。

早朝とあって、走行する車はほとんどなく、

無数のタイヤ痕が幾何学模様のように渚を飾っていた。


秋晴れに合わせて、なんとなく選んだなつかしい曲。

美しく、親しみやすいメロディライン。

いかにもフィラデルフィア・ソウルといったスリー・ディグリーズの「天使のささやき」。

 

Three Degrees   When Will I See You Again 

  

「9」のつく日は空倶楽部の日   

詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 

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秋の日に...ボブ・ディラン

2016-10-13 | 折にふれて

秋の日に...

飛び込んできた意外な知らせというか...うれしい知らせ。

ノーベル文学賞、「なるほど」ととってつけたように納得。


 

「風に吹かれて」もいいけど...

「I Shall Be Released」はもっといいぞ...

とは極めて個人的な押しつけ・・・悪しからず。

I Shall Be Released - Bob Dylan and The Band - 1976

ボブ・ディラン&ザ・バンドとなっているが、

1976年11月25日、ディランの盟友、ザ・バンドの解散ライブ、いわゆる伝説の「ラスト・ワルツ・コンサート」のひとコマ。

エリック・クラプトン、リンゴ・スター、ニール・ヤング、ジョニ・ミッチェル...など豪華メンバー勢ぞろい。

 

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500マイルも離れて... 鉄写同好会

2016-10-11 | 鉄道写真

毎月11日は「鉄写同好会」の日。

詳しくは発起人てくっぺさんのブログ「高橋さんの写真記念館」をご覧ください。


 

まだ、朝霧が残る余呉湖。

その湖畔を、東海道と北陸を結ぶ特急「しらさぎ」が走り去っていく。

 

月に一度ほど、名古屋へ出張することがあって、金沢発の「しらさぎ」に乗る。

米原まで約2時間の乗車。

早朝なので、ほとんどまどろみ状態だが、

余呉駅を通過する一瞬だけは正気に戻り、

車窓に釘づけとなって、余呉の風景に目をこらす。

 

同じく早朝、その風景を遠く、対岸からファインダー越しに見つめる。

そこに、「しらさぎ」とともに、湖面に映しだされた白い車体が静かに流れていく。

この瞬間だけで、この日のしあわせを先取りしたような気持ちになった。

 


金沢から余呉までの距離は200キロあまり。

120マイル程度だから、この歌、「500マイルも離れて」は大げさだが、

故郷を遠くはなれた心情を歌うジョーン・バエズの澄んだ歌声が心に沁みた。

500 Miles   Joan Baez

 

私が乗る列車に乗り遅れたなら

あなたは私が去ってしまったことを知るでしょう

あなたにはただ汽笛の音が聞こえるだけ

100マイル離れてしまったなら

あなたには汽笛の音が聞こえるだけ

 

神よ、私は故郷から遠く離れていきます 

100マイルも、200マイルも、300マイルも、400マイルも、

とうとう500マイルも離れてしまいました

そして、私には着るシャツもお金もない

こんなに故郷から離れていてはもう戻ることもできません

 

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余呉、天の守護神  By空倶楽部

2016-10-09 | 空倶楽部

9のつく日は空倶楽部の日。

そして恒例、今月のお題は、「鉄塔のある空」

 

ということで、早朝の余呉。

山々にかかっていた厚い霧が消え始めるとともに次第に現れ始めた鉄塔。

余呉の町を覗き込むような姿は...

まるで「天の守護神」のよう。

 

 


「天の守護神」というタイトル。

実は、ラテンロックの勇、サンタナの大ヒットアルバムから拝借した。

調べてみると、「天の守護神」の原題「ABRAXAS(アブラクサス)」とは、

エジプト神の眷族であり、選ばれし者を天へ連れていく存在とある。

なんともよくわからないが、この神秘的な意訳「天の守護神」とは言いえて妙、よくつけたものだと思う。

そして、肝心の内容は、「僕のリズムを聞いてくれ」、「君に捧げるサンバ」など、サンタナのファンならずとも、

一度は聴いたことがある曲がめじろ押し。

さらに、その最大のヒットがこの「ブラック・マジック・ウーマン」。

Black Magic Woman-Gypsy Queen   Santana  

後年、グラミーを獲得した「Super Natural」ももちろんいいが、

サンタナ初期の代表作といえば、なんといっても「天の守護神」、そして「ブラック・マジック・ウーマン」。

 

「9」のつく日は空倶楽部の日   

詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 

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秋はいずこ?

2016-10-07 | 日常の中に

清々しい季節感を感じることなく秋ももう半ば。

どこまでも空高い秋晴れの日を存分に味わうこともなく、

金木犀の香も一瞬。

彼岸花など秋の花も咲き始めてはいるものの...

これほど季節感を楽しむことができない秋もめずらしい。

 

まるで、秋が途切れ途切れにやってきているよう。

今年の秋はいったいいずこ?


まだ青臭いころ。

秋から初冬にかけて聴いた曲。

秋を思わせる歌詞が出てくるわけではないが、

「黄昏のレンガ道」という、いかにも秋の季節感を煽った邦題とともに、郷愁を感じさせる曲。

 

Elton John - Goodbye Yellow Brick Road

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彼岸 當麻寺にて (平成二十八年 秋)

2016-10-02 | 大和路点描

秋、彼岸。

先祖の供養に當麻寺へ。

金沢から當麻まで、車で片道、約4時間の道中。

これを春と秋、彼岸の年中行事としてからかれこれ10年余りも経つ。

たまに一泊して大和路をゆっくり散策することもあるが、

ほとんどの場合は、早朝に金沢を出て、

夜、金沢へ戻る。

正直なところ、おっくうに思うこともあるが、

車中から、遠く當麻寺の塔が見えてくると、

それだけでもう気持ちが昂ぶってくる。

それほど、當麻には特別な思い入れがあるということかもしれない。

                   ※その経緯については 「彼岸 當麻寺にて」 2016.3.21

 

この日の當麻寺境内を点描。

9月後半にしては、30℃近い気温だったが、

高い空はやはり秋。

 

そして、刈り入れ間近の稲穂をゆらすここちよい風もやはり秋。

 


関西へ出かけたときに必ずチューニングするFM COCOLO

そして、この日流れてきたなつかしい曲が「サテンの夜」

The Moody Blues  Nights In White Satin

1970年前後、成熟し始めたロックから様々なジャンルが生まれたが、

ジャズやクラシックとの融合をはかる流れとして台頭したのがプログレシブ・ロック。

ピンクフロイドやキング・クリムゾン、エマーソン・レイク&パーマーなど

イギリスを中心とする流れだったと記憶しているが、

このムーディー・ブルースもそのひとつ。

彼らの代表作が「Days of Future Passed」で、

朝から夜に至る情景を組曲風にアルバムにしたもの。

「サテンの夜」はそのラストを飾る曲でかなりのシングルヒットだったはず。

 


 

そうだ!このことは書いておかないと...

中将餅。

よもぎの餅に甘さ控えめの粒あんを絡めた當麻名物。

土曜、休日は売り切れ必至。

當麻へお出かけの際はぜひお試しあれ。

 

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