折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

エッセル堤のある風景 By空倶楽部

2024-08-09 | 三国港 エッセル堤

夏真っ盛りの三国港。

昨年秋の高波で大きく損傷したエッセル堤の復旧も終わったようで

いつもの夏同様に穏やかな風景が戻ってきた。

エッセル堤が完成したのは明治13年。

港湾整備を急ぐ明治政府が招へいしたオランダ人技師エッセルが設計したことから

エッセル堤という通称で呼ばれるようになったとのことだ。

以来、140年以上にわたって外海から港を守っているのだが

単なる防波堤としての評価だけではない。

我が国の近代化に果たした役割と貢献は大きいとして

平成13年に国の重要文化財に指定されている。

つまりエッセル堤は防波堤にしてレガシーなのである。

 

そして、三国港に隣接するサンセットビーチ。

 

レジャーが多様化する中で海水浴客が年々減り、海水浴場の閉鎖も相次いでいるが

ここサンセットビーチはまだまだ健在。

地元はもちろんのこと関西方面から訪れる海水浴客も多いようだ。

しかし、さすがに日没に近い時間ともなると人も疎らになる。

 

傾いた光に照らし出だされた人々が渚に作り出す「間」は

夏の盛りにもかかわらず、すこしさみしさも漂わす。

その風景に見入り、空写真として繋ぎとめた次第だ。

 

 

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 

 

 

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夏空  By空俱楽部

2024-06-19 | 三国港 エッセル堤

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空の低い位置に張り出した厚い雲。 

さらにその雲から天頂に向かって柱上の薄い雲が昇っているように見える。

雲が織りなすダイナミックな光景に驚嘆しつつシャッターを切った次第だが...

 

      
       三国港(福井県坂井市)2024.06.15 17:37  Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM 

 

「どうしてこんな現象が起きるのだろう?」「何て名前の雲だろう?」

興味津々にこの光景を眺めてもいたのだが

ひょっとして、こうして入道雲ができるのかも? と思ったりもした。

そうだとすれば、夏を代表する空模様。

季節折々に現れる空写真は面白い。そして奥深い。

 

 

 

 

 

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それぞれの5月5日 その2 By空俱楽部

2024-05-19 | 三国港 エッセル堤

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


おっと! 思わず忘れるところだった。

今回の空倶楽部も前回の「それそれの5月5日」別バージョンで参加。

 

 

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それぞれの5月5日 By空俱楽部

2024-05-09 | 三国港 エッセル堤

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部、5月のお題は「5月5日の空」。

どこでどんな空を撮ろうか、前日まで特に考えていなかったが、

3日間続いた晴天が5日の夕刻から崩れ始めると知って

それなら海で大きな空を撮ろうと思い立った。

というのも、天気の変わり目には雲が赤く染まりながら次々と変化するなど

躍動感あふれる空が現れることが多いからだ。

そんな空を広角レンズで撮ろうと、陽が傾く頃を目がけ三国港エッセル堤へ向かったのだが...。

堤には高い金網が張り巡らされ、その中には重機も置かれている。

昨年秋の高波で堤の一部が倒壊したのだが、その復旧工事が始まったのだ。

砂浜から海に向かって大きな弧を描いて伸びるエッセル堤と

その上に広がるドラマチックな空を当てにしていたのだが

これでは風景にならない。

「それなら!」と港の対岸に渡り、海に沈む夕日を望遠レンズで狙うことにしたのだが...。

これまた目論見が外れた。水平線近くに厚い雲が張り出し、せっかくの落陽を包み込んでいたからだ。

「今日は運がなかったか」と三脚を撤収しようとしたのだが、すぐに手を止めた。

テレ端にした望遠レンズに映し出される釣り人たちの姿に目を見張ったのだが、

思いそれぞれの人たちの姿がオレンジ色の空を背景に

まるで影絵物語のように見えたのだ。

 

家に戻ってからのこと。

後処理で暗い人影の明度を持ち上げて見たところ

釣り人たちが群像劇でも見るように生き生きと現れた。

そのとき、「そうだ、それぞれの5月5日を楽しむこの人たちを主題にしよう」と思いついたのだ。


自宅から三国港までは車で片道1時間半の道のり。

その帰り道。夕焼け空の余韻を思い返しながらこの人の歌声を沁々と聴いていた。

 
James Taylor - Fire and Rain

 

 

 

 

 

 

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三国港 光の春2 By空俱楽部

2024-02-29 | 三国港 エッセル堤

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


引きつづき「光の春」で空倶楽部に参加。

     
                    三国港(福井県坂井市) Sony α7R3   FE24-70㎜/f2.8 GM2

 

おだやかな波が沖から光を運んできて

その光を砂の上に置いていく。

ところが光は波が引くとたちまち砂の中にしみこんで消えてしまう。

ただそれだけのことが何度も繰り返される。

 


    Sony α7R3   FE24-70㎜/f2.8 GM2

 

その光景を飽きもせずにうずくまってながめていたのだが、

背中を丸めて波打ち際にカメラを向ける姿は

渚にいた人たちからするとかなり風変りに見えたに違いない。

今になって思えば、その所行、すこし気恥ずかしくもある。


さて、記事を書きながら、ふと思い出した曲が

『So Much In Love(邦題:渚の誓い)』だった。

アカペラの名作として様々なアーティストが取り上げていて

私がこの曲を知ったのはアート・ガーファンクルによるカヴァーだった。

日本のアーティストでいえば、「なるほど」とうなづける山下達郎。

また、桑田佳祐のによる楽曲もyoutubeで見ることができる。

どれにしようかいろいろと聴いて落ち着いた先が

 
The Tymes, "So Much In Love" 1963

本家本元、The Tymes のオリジナルだった。

60年前の録音ということもあるのかもしれないが

子供の頃に刷り込まれたなつかしい海の風景を思い起こさせてくれた。

 

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三国港 光の春 By空倶楽部

2024-02-19 | 三国港 エッセル堤

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


この日の気温は4月並みの21℃。

とは言え、海から吹き付ける風は冷たく

ましてや、陽が陰りはじめたころともなると

カメラを持つ手もかじかんでくる。

それでも、冬の北陸では晴れているだけでもご褒美。

ときどき、凍えた手をこすりながらも、1時間ほどは渚にとどまっただろうか。

ようやく三国港の「光の春」に出会うことができた。


    三国港(福井県坂井市) 2024.02.18 16:35   SONY α7RⅢ FE2.8/24-70 GMⅡ

 

さて、「光の春」とはロシアで2月のことをいう。

極寒の地において陽の光が戻ってくる2月を

春への希望を込めてそう呼ぶのだそうだ。

当ブログでも過去に何度かそのことを書いていて

2月になると「光の春」を探しに出かける。

そして今回の撮影でそれを強く感じたのがこの光景だったという次第だ。

 

 

 

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夕焼け強化月間

2023-11-15 | 三国港 エッセル堤

11月も早半ば。

更新頻度の低いブロガーにとっては季節の移り変わりの早いこと、早いこと。

北陸は時雨模様の日が増えて、雪こそ降らないものの、あたり一帯はすでに冬の装いだ。

こうなると晴れ間は貴重。とりわけ撮影機会の多い海辺ともなると

北西の強い風とともに波は高くなり、波打ち際に近づくことさえ難しくなる。

それでこの時期は決まって海の夕焼けを撮りだめする。

11月を「夕焼け強化月間」と決めているのである。

 

この日、持って出かけたカメラは2台。

広角レンズをつけた一台は手持ちで

アングルを変えながら名残の夕焼け空を大きく狙うことにした。


  三国港(福井県坂井市)2023.10.22 17:05  Sony α7R3   FE24-70㎜/f2.8 GM2 

 

天気が良すぎたせいか、真っ赤に染まってはくれなかったがこれはこれでよし。

 

そして、もう一台のカメラは三脚に据え、遠く沖合をめざす漁船に望遠レンズを向けた。

先の写真の水平線近く、夕日が沈むあたりに小さく点在するのがそれらだが、

500mmで引き寄せるとこうなる。


  三国港(福井県坂井市)2023.10.22 17:02  Sony α7S2    E150-500㎜  f5.6-6.7

 

誰が撮ってもこうなると思いつつ、オレンジ色に染まる空の背景に見入った次第だ。

カメラ講釈など不要だが。

24mmの広角と500mmの望遠、同じ方向を向いていながら、

これだけ見え方が違うという写真教室のような話が今回のオチ。

 

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夕焼け日和 By空倶楽部

2023-11-09 | 三国港 エッセル堤

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部。11月のお題は「夕焼け空」。

冬に向かうにつれて北陸の天気は荒れ模様の日が多くなる。

11月のお題ということもあったが、穏やかな空を撮り溜めしておこうと向かった先が三国港だった。


   エッセル堤(福井県坂井市)  2023.10.22 17:10   Sony α7S2 E150-500mm   

水平線近くに雲が張り出し、寄せる波は強く飛沫を上げるほどだったが

夕暮れの風景としては穏やか。

まずまずの夕焼け日和だったと思う。

 

 

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出航 By空倶楽部

2023-10-29 | 三国港 エッセル堤

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


福井県三国港。


  三国港(福井県坂井市)2023.10.22 15:37  Sony α7R3   FE24-70㎜/f2.8 GM2

 

三国港は北陸でも有数の漁港で

ここを漁業拠点とする漁船も大型の部類に入るものが多いように思う。

その規模、さらに複雑で重厚な漁具を満載する姿に写欲を感じ

夕焼け空を待つ間、それらの船をスナップ的に撮ることにした。

と、突然。大きなエンジン音がうなり始め、あたり一面に排気ガスの匂いが漂い始めた。

どうやら出航の準備が始まったらしい。

その時ふと、夕焼け空に向かって出向していく漁船が思い浮かび、

この大きな船たちが荒れた海を波を蹴散らして走る姿を想像したのだが。。。

 


 三国港(福井県坂井市)2023.10.22 15:37  Sony α7S2    E150-500㎜  f5.6-6.7

 

連なって外海に出た船は波に翻弄され

あえぐように沖へと向かっていく。

想像したイメージとはかけ離れた風景だったが、

それでも、うすく染まり始めた空に向かう漁船の存在感は充分。

ファインダーに映る光景に目を凝らしたのである。

 

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土用波の風景 By空俱楽部

2023-08-19 | 三国港 エッセル堤

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


水平線近くに薄く引いた雲はあるものの快晴。

また風もほとんどなく、猛暑を差し引けば気候的には穏やかと言える。

ところが、そんな穏やかさとは裏腹に寄せる波といったら、「ザバーン」と大きな音を立てながら

時折り砂を巻き上げて足元を濡らすほどに迫ってくる。

晩夏の頃にやってくる大きな波、土用波だ。


 三国海岸(福井県坂井市)2023.08.13 18:24   Sony α7S2   FE24-70㎜/f2.8 GM2 (45㎜  f/8,1/60sec,ISO100)    

 

今年の夏は記録的な暑さで7月の気温は観測史上、最も高かったとか。

さらに暑さは留まるところを知らず

8月に入ってからも北陸の気温は連日の35℃を越えている。

今年の夏はいったいいつまで続くのだろう、と閉口していたが、

土用波がやってきているということは

一見夏の様相ながらも確実に季節は刻まれているのだろう。

 

さて、この時期、毎年同じことを書いている。

太宰治が創作ノートに残した「ア、秋」の話だ。

「夏の中に秋がこっそり隠れてもはや来ているのであるが、

 人は炎熱にだまされてそれを見破ることが出来ぬ。」

と記されているように、夏から秋への季節の変わり目はわかりづらい。

春なら「春一番」、夏なら「梅雨明け」、冬なら「木枯らし一号」など

季節の到来を告げる事象がそれぞれにあるのだが、

夏から秋への移り変わりだけはあいまいだ。

それでこの季節になると「夏に隠れてやってくる秋」を見破ってやろうと

秋の気配を探しまわるのだが、それを土用波の風景に感じたわけだ。

 

ところで。

この時期、天候に関わりなく海が荒れることは

海に生業を求める人たちの間では古くから知られていたそうだ。

最近になってその原因が究明された。

土用波の正体は南方で発生した台風が起こす高波が

遠く地球規模で伝わったものだった。

種明かしをしてしまうと「隠れた秋」という

情緒などすっ飛んでしまうのだが

それはそれとして、この風景を秋の気配として楽しんだ次第だ。

 

 

 

 

 

 

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