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折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

ビブリオバウムの世界 ②

2025-03-06 | 金沢

ビブリオバウムの蔵書数は110万冊。

そして閲覧席は500席。

地元以外の図書館のことは知らないので

蔵書数に対して閲覧席の数が多いのかどうかはわからないが

心地よい閲覧にこだわっていることだけは

この光景を眺めるだけで理解できる。

閲覧席として机椅子はもちろん、ソファやスツールなど様々なデザインや形状の席が用意されている。

さらに書架と閲覧席が連続的に配置されているが

好きな本を好きな場所で手軽に

閲覧できるように工夫しているのかもしれない。

もちろん、テレワークの場として利用できるし

気の合った人同士がおしゃべりをすることもできる。

「図書館でおしゃべり?!」・・・ご心配なく。

読書に没頭したい人のためにサイレントルームも用意されている。

つまり「図書館だから」という固定観念がなく

常識的な配慮ができる人なら誰でも楽しみながら利用できるということだろう。

NHKの人気番組『ドキュメント72時間』にも取り上げられていたが

能登の震災に遭い、今は金沢で生活している男性の姿が印象に残った。

よく利用されていること以外多くを語ることはなかったし、

この方の静かな物腰から、

慣れない生活の中で心が落ち着く場所になったのかもしれない、と思った。

さて、今更ながらの話。

この日はただ写真を撮りたくて訪れて、そそくさと立ち去った。

図書館に来て蔵書に目もくれないのはおかしい。

今度は時間など気にせず、蔵書を手に取って、

居心地のよい席でゆっくりと過ごしてみようと思う。

 

 

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ビブリオバウムの世界 ①

2025-02-28 | 金沢

 

ビブリオバウムとは新しい石川県立図書館の愛称。

正式には、というか愛称に正式というのもおかしいが『百万石ビブリオバウム』だ。

金沢だからと言って何でもかんでも百万石をつけるのもどうかと思うので

個人的にはビブリオバウムだけでも充分ではないかと思っている。

ビブリオとはイタリア語で図書館のこと。

そしてバウムとはドイツ語で年輪のことを表すそうだ。

書架や通路など内部構造からの連想だと思うが

バウムクーヘンという洋菓子を思い浮かべると納得がいく。

ちょっと変わった図書館ということでメディアにも取り上げられて

開館から2年半ほど経つが入場者が百万人を超えたそうだ。

ということは21世紀美術館に次ぐ観光施設。

などと書いたら叱られるかもしれないが、

遅まきながらビブリオバウムの世界を何回かに分けてご紹介。

 

 

この稿続く。

 

 

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2024金沢・春 ④ 世界で最も美しい駅

2024-05-06 | 金沢

金沢駅。

鉄とガラスの大屋根が『もてなしドーム』そして、その先の木造モニュメントが『鼓門』だ。

 

この駅舎ができた当時、「なんだこれは?!」といった金沢市民感情だったが

アメリカの旅行情報誌の企画で「世界で最も美しい駅・14選」の6位に選ばれたと報道されるや否や

その反応は「やっぱり!」となり、今や市民の誰もがこの駅を自慢に思っている。

そして、その鼓門を下から眺めて見たのだが...

複雑な構造と建築意匠性はともかく

本音のところでは未だに「なんだこれは?」なのである。

ところで、今回も鼓門が撮影会の起点。

「鼓門の下で待ってます!」とメンバーにLINEしたものの観光客でいっぱい。

「駅を背にして右側の足の下」とか、具体的な待ち合わせ場所を

指定することをオススメする。

 

 

 

 

 

 

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2024金沢・春 ②

2024-04-27 | 金沢

金沢の観光名所、東山の茶屋街を案内するときには金沢駅からの徒歩をお奨めする。

バスの混雑を思うと歩いても20分。ついでに道中の古い街並みも楽しんでもらえればと思うからだ。

ということで『2024金沢・春』の2回目。

金沢駅から近江町市場を横目に尾張町の裏道に入る。

泉鏡花記念館を過ぎたあたり、久保市さん(久保市乙剣宮)の境内を横切ると

旅行雑誌などで紹介されることが多い「くらがり坂」の坂上に出る。

そして、坂を下ったところがこの風景。

「ひがし」、「にし」と並ぶ金沢の茶屋街のひとつ主計町だ。

右の建物はかつて「検番」と呼ばれたところで

芸妓の管理、風紀取り締まりのために置かれたということだが、今は芸妓の稽古場として使われている。

観光案内などには、「運がいいと稽古の三味線や鼓の音が聞こえてくる」とあるが

ちょうどその時、その運に出会うことができた。

同行の撮影メンバーの方々にも大いに面目が立った次第である。(実をいうと私も初めての経験でした)

 

そして、浅野川沿いに出てそぞろ歩き。

 

桜を眺めながら、ひがし茶屋街までは歩いて5分程度。

 

一見、観光客はまばらかに見えるかもしれないが

それは広角レンズの為せるところで実のところはたいへんな人出。

よく雑誌などで紹介される落ち着いた佇まいをお望みであれば早朝か夜間をお奨めする。

 

次に続く。

 

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2024金沢・春 ① By空俱楽部

2024-04-19 | 金沢

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


空倶楽部のchacha〇さん、lunayaさん、そして二科会会員のD師匠による5年ぶりの金沢オフ会。

前回と同じく満開の桜が出迎えてくれた。


  主計町(金沢市)   2024.04.13 Sony α7S2   FE24-70㎜/f2.8 GM2

 

満開の桜に申し訳ないが。。。

折り重なってたわわに咲くソメイヨシノよりも

枝の数や見事さは乏しくても、景色に溶け込む桜に惹かれる。

その理由をいちいち考えながら撮っているわけではないが、

この景色に限るなら、写真の出来はさておき、

大正時代に遡る主計町の歴史やそこに往来した人々の営みを感じたのかもしれない。

それを「心象風景と呼ぶのかな」と思いつつ、浅野川にかかる桜に目を向ける。


    主計町(金沢市)   2024.04.13 Sony α7S2   FE24-70㎜/f2.8 GM2

 

ちらほらと葉がのぞき始め、そしてはらはらと散った花びらが川面に浮かぶ。

明るい日差しの中、そして楽しい時間が流れる中ながら、

どこか寂しげな春の風景に思えるのも、過ぎ行く季節の心象操作かもしれない、と思ったりもした。

 

 

 

 

 

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金沢港夕景 By空俱楽部

2023-11-19 | 金沢

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


焼けてはくれないだろうなあ。。。と思いつつ訪れた金沢港。


   金沢港 2023.11.03 16:26 Sony α7R3   FE24-70㎜/f2.8 GM2

 

この日は空倶楽部の笑子さんと金沢を散策。

笑子さんのお住まいは埼玉県で言わば「海なし県」、

それで最後の撮影場所として金沢港をご案内したのだ。

金沢港は昭和38年の豪雪で陸上輸送が遮断された教訓から

海上輸送を目的として陸地を掘削して築港したものだ。

そのため、深い入り江となっていて

日本海に通じていながらも、方位的に海に沈む夕陽を捉えることはできない。

それでも、多少なりとも赤く染まった海と空を笑子さんに見せてあげることができたなら、と誘った次第だ。

この日の金沢は快晴。市内の観光地においては絶好の撮影日和だったが

夕景となるとその天気が裏目に出た。天気が良すぎると空は焼けてくれないからだ。

 


  金沢港 2023.11.03 16:18 Sony α7R3   FE24-70㎜/f2.8 GM2

 

さて、このところの金沢。

以来すっかりと冬めいて、雪模様とならないまでも冷たい雨の日が続いている。

それで、この日の写真を眺めつつ、

目を見張るような夕焼けとはならなかったものの、まずまずの夕景だったのかな、

と思えてもきたのである。

 

 

 

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お城日和

2022-03-13 | 金沢

この日の金沢は最高気温は17℃。

春の陽気に誘われて金沢城界隈を散策。


     金沢城五十間長屋  2022.03.12 11:01    Sony α7R3  FE2.8 16-35 GM (16㎜ ,f/5.6,1/800sec,ISO100) 

 

これまであまり気に留めてもいなかったが

城内所々に立てられた案内板を

しげしげと眺めてみると中々興味深い。

それで、今さら感はあるが、金沢城の歴史をざっとおさらい。

 

1546年に一向宗徒が建てた金沢御堂が始まり。   一向宗:のちの浄土真宗

その後、一向宗徒たちは弾圧する守護職富樫氏を滅ぼし、

以降百年に渡りこの地を支配、群雄割拠する戦国時代にあって、

「百姓が持ちたる国」と呼ばれる。

この頃、金沢の街が形づくられる。

1580年、織田信長の家臣、佐久間盛政が一向宗を攻め、金沢御堂を攻略。

金沢城を築く。

その後、佐久間盛政は本能寺の変後の権力争いで柴田勝家に組し

賤ケ岳の戦いで敗死。

1583年、加賀藩祖、前田利家が入城。

以降、明治まで三百年近く前田家の居城となる。

 

現在、広大な敷地にいくつかの建物があるが

城の象徴ともいえる天守閣は存在しない。

1602年に落雷により焼失し、それ以降は再建されなかった。

それどころか、三百年の間に城そのものが3度も焼失し、

そのたびに再建が繰り返されている。

現在の建物はふたつの重要文化財(石川門、三十間長屋)を除いては平成に入ってから復元。

現在も、藩主の住まいであり執政の拠点であった二の丸御殿再建に向けて調査が進められている。

                                      おしまい

 

ということで、この日の散策は題して「お城日和」。

 


午後、この記事を書いている最中。

ラジオ番組サンデーソングブックからこの曲が流れてきた。

 
 Roy Orbison - "Crying"  from Black and White Night

ロイ・オービソンのシルキーヴォイスが切ない。

山下達郎さんが選曲したバージョンは見つからなかったが

最晩年のライブ音源から。

 

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主計町冬景色 By空俱楽部

2022-01-19 | 金沢

金沢の雪景色。

とりわけ古都の雰囲気を撮りたくて主計町へとやってきた。

 


  金沢主計町 2022.01.15  13:02    Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/160sec,ISO100)    

 

主計町は金沢に三つある茶屋街のひとつだが、

他の二つ、「ひがし」と「にし」と大きく異なるのは

その歴史が新しいことだ。

といっても、その起こりは大正から昭和初期にかけてだから、

けっして新しくもないのだが、

他の二つが藩政時代に起こったことを思うと「新しさ」に頷けないこともない。

そして、「新しさ」を如実に語るのが、

木造建築ながら、また町家ながら三階建て構造であること。

さらには、大きく開口された掃き出しの窓が

組木細工のように整然と配置され、

幾何学模様として洒落ている。

ふだんは何気なく見過ごしてしまうのだが

この光景が記憶の中に留まっていたらしい。

主計町の冬景色を前にして、

それに、ふと気づき、カメラを向けた次第だ。

 

さて...。

今日は空倶楽部の日。

大きな窓への映り込みを目論んだが、そうはならなかった。

それで、「保険に」と撮っておいた別のアングルでの古都の空を掲載。


    金沢主計町 2022.01.15  13:00    Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/400sec,ISO100)    

 


    金沢主計町 2022.01.15  13:02    Sony α7R3  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/400sec,ISO100)    

 

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで

 


折にふれての一曲。

記事とはまったく関係ないが、

前回からまだ「Wall Of Sound」を引きずっている。

そのチルドレンのひとり、ジェフ・リン率いるエレクトリック・ライト・オーケストラ。

観客大盛り上がりのライブ映像を。

これこそが「Wall Of Sound」の魅力!


 Jeff Lynne's ELO - Turn to Stone (Live at Wembley Stadium) 

 

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浅野川光の風景

2021-08-13 | 金沢

停滞前線が列島に横たわって

しかも、向こう一週間は居座るらしい。

石川県でも能登の一部で観測史上最大の降雨量となっており、

非難など注意を呼び掛けているし、

すでに浸水など災害が出始めている地域もあるとのことだから、

人災にだけは繋がらないよう祈るばかりだ。

 

今日から後半の夏季休暇が始まった。

しかし、コロナ禍にこの雨。

撮影どころか外出もままならない。

「それなら...」と、過去の写真の整理を始めた。

それで、この休みの期間は遅ればせながらの「蔵出し」が続く。

 

2年前、桜の時期。

浅野川沿いの茶屋街、主計町の夜景。

      
 主計町(金沢市) 2019.04.13 20:11  Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 ZA SSM (33㎜  f/5.6,1/20sec,ISO1000)    


折にふれての選曲。


  Dark End Of The Street-Ry Cooder 

リンダ・ロンシュタットやパーシー・スレッジなど

各界の大御所がカバーするソウルの大定番曲。

この曲を知ったのはライ・クーダーのインスツルメンタル。

その時は、「道ならぬ恋」を歌った曲などどつゆ知らず

ただただ、しんみりとスライドギターに聴き入っていた。

 

 

 

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夕涼みの情景 By空倶楽部

2021-08-09 | 金沢

「9」のつく日は空倶楽部の日。

     ※詳しくは、発起人 かず某さん chacha○さん まで


「空倶楽部」8月のお題は「青い空白い雲」。

青い空に白い雲がもくもくと湧く光景は

この時期なら毎日のように目にするから

そう難しくもない「お題」と思ったりもする。

けれども、それを特別な風景の中で、

また何か主題を入れ込んで、と意図すると

なかなか悩ましい。

 

その日の夕刻は、所用で東山へ。

伝統的建造物保存地区に指定されており、

藩政時代からの木造建築物が数多く保存されているので、

「金沢らしい風景」が残る場所のひとつと言っても過言ではない。

その街並みの上に広がる空を撮ろうと

勇んで出かけたはずだったが...。

なんと、昼に湧き上がった雲が消えてしまっている。

遅かったか...と、少し残念に思ったがその日は7月の終盤、

まだチャンスはある、と気を取り直し

何枚か空模様を撮り、別の機会にかけることにした。

ところがである。

その後、十日間ほどの余裕があったにもかかわらず、

週末勝負のサラリーマンに「湧き上がる雲」は巡って来なかった。

 

ということで、その日のカットで、もっとも「お題」に近いと思ったものをやむなく掲載。

浅野川を渡り、ひがし茶屋街へと続く「竹の橋」に広がる夕刻の空だ。

 

 
                               東山・竹の橋(金沢市)2021.07.30  18:20     Sony α7S2  FE2.8 16-35 GM (20㎜ ,f/8,1/125sec,ISO100)   

 

ところで、その時。

この風景の中にあって、近頃あまり聞かなくなった言葉を思い浮かべていた。

「夕涼み」である。

夏の夕刻、夕飯を終えた後など家族で散歩に出かけたり

家の前で花火を楽しんだりもしたものだったが、

近年の異常ともいえる暑さ、さらに熱帯夜はそんな情緒を奪ってしまった。

「夕涼み」という言葉さえ長く忘れていたようだ。

この光景に向き合った時、

傾いた陽が欄干に落とす穏やかな影をファインダー越しに見つめながら、

顔や腕にあたる川風を感じていた。

そして、その涼しげな感触を楽しみながら、

「夕涼み」の記憶を手繰り寄せていたのである。

 


夏のドライブに欠かせない曲をひとつご紹介。

 
     Her Town Too    James Taylor and J.D. Souther

いかつい(?)男二人ながら、

アイコンタクトを取りながらのデユエットは

なかなか微笑ましい。

そして風貌に似合わず、力が抜けた爽やかな歌声が

火照りっぱなしの心と体を冷ましてくれるように思えるのである。

 

 

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