折にふれて

季節の話題、写真など…。
音楽とともに、折にふれてあれこれ。

冬を灯す

2018-12-06 | 抒情的金沢

金沢で冬の到来を告げる風景といえば、

兼六園の雪吊に、武家屋敷跡の土塀菰(こも)掛けがすぐに思い浮かぶ。

だが、金沢市民にとってみれば、地元の観光地へ日常的に出かけるはずもなく、

もっと身近な冬の風景を挙げるなら、ここ香林坊のイルミネーションとなるだろう。


Sony α99  Planar 50㎜ (f/2.8 , 1/60sec , ISO640)  

メインストリートを大きく覆うケヤキ。

その枝に取りつけられた10万個を超える電飾が冬の街を彩る。 

古いものと新しいもの。独特の時空感覚が交差する金沢の新名所でもある。


70年代のアメリカを代表する女性ロックシンガーのひとり、と言えばリンダ・ロンシュタット。

ところが、その激しさとノリはどこへやら...。

冬、そしてクリスマスが近づくとふと思い出す、

リンダのチャーミングな表情が印象的な一曲。


  Linda Ronstadt & James Ingram - Somewhere Out There

 

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兼六園 紅葉の風景

2018-11-23 | 抒情的金沢

金沢の紅葉といえば兼六園。

と、誰もがそう思う。

けれど、すでに11月も終盤。

出遅れ感もあって、出かけることが、多少おっくうにもなっていたのだが、

そこは「年中行事」だからと、気をとり直し、兼六園へ向かったのだった。

一方で、水を差すようで、関係筋からお叱りを受けそうだが、

実は、兼六園はそれほど紅葉の名所でもない、とも思っている。 

というのも、常緑の松が多いせいか、

京都の紅葉のように、見渡す限り、真紅の絶景とはならないからである。

それで、これまではどこで撮ったかもわからないような紅葉で「お茶を濁して」いたし、

この日にしても、そんな程度の思いしか持たず、兼六園へとやって来たわけだ。

ところが、である。

霞ヶ池を周回する道の途中で、なにげなく目に入った光景に、ふと足が止まった。


Sony α99  Planar 50㎜ (f/5.6 , 1/320sec , ISO100)   

 

霞ヶ池越しに眺める唐崎松(からさきのまつ)の雪吊りとそれを垣間見せるように張り出した紅葉。

唐崎松は樹高があるので、実際にはその高さに覆いかぶさる紅葉はない。

つまりは、間近の紅葉越しに、遠くの唐崎松を眺めたわけで、遠近の取り合わせがとても新鮮な景色として映ったのだ。

唐崎松は兼六園でも人気の景観で、さらにそこに、雪吊りが施されたとあれば、

この松が見える場所はどこも、カメラやスマホを構えた人でいっぱいだ。

にもかかわらず、足を止めたその場所に限っては、

通り過ぎる人はいても、立ち止まって写真を撮る人はほとんどいない。 

そこは、うっそうと木々が茂り、言ってみれば裏通り。

立ったままでは、張り出したいくつもの枝がジャマして唐崎松は見えないから、

その場所で屈み、ローアングルで眺めることで、この景色に出会えたのだ。

おおげさだが、「自分だけの紅葉スポットを見つけた」と、ほくそ笑んだ次第である。

さて...。

四季折々に兼六園を歩いてはいるものの、ひと通り回ったら、さっさと引き上げてしまうことが多かった。

しかし、兼六園には、それぞれの季節が見せる「隠れた名所」がまだまだあって、

そんな場所を探し当てるのも悪くない、と思った。

今回の紅葉のように、少し屈んだだけで、これまで見たものとは違う景色が広がったわけだから。

さらに、こう思ったりもした。

そもそも、兼六園の名は 六つの景観を兼ね備えていることに由来する。

そして、命名からは、すでに二百年以上も経ったのだから、

そろそろ、ひとつやふたつ、その景観の数が増えてもよいだろう、と。

 


 

今日の金沢は時雨模様。

気温も10℃に届くか届かないかで、これからは、こんな日が多くなる。 

ということで、せめて音楽だけでも明るく。


Frank Sinatra  -  On The Sunny Side Of The Street  

 

 

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夜のオブジェ

2018-09-22 | 抒情的金沢

夜の8時を少し回った頃だったと思う。

その日は、本多の森で、あるコンサートを楽しんだのだが、

その余韻と、どこからともなく漂ってくる金木犀の香りに誘われて、

ようやく吹き始めた秋風の中、少し歩いてみることにした。

そして、兼六園横の広坂を下り終えたところ、

夜の暗がりの中に浮かび上がったのがこの風景だった。


Sony α99  Planar F1.4/50㎜ (f/3.2 , 1/60sec , ISO1000) 

 

新幹線開業以来、21世紀美術館の来場者は毎年200万人を超えているのだとか。

この数字、数ある全国の美術館に比べて、多いのか少ないのか、正直なところわからないが、

石川県の人口が100万であることを思うと、多い少ないは別の話として、

ともかくも県民数の倍を超える人が、金沢市内の一美術館に訪れたことは驚きである。

さて、ガラス張りの美術館、日中は人で溢れているのだが、

この時間ともなると、さすがに閑散としている。

もちろん、有料の展示ゾーンはすでに閉鎖されているが、

一部通路はまだ開放されていて、市街地への近道として利用する市民も多い。

それで、館内はまだ煌々と明かりがついているのだが、

その建物としての機能性はさておき、夜の闇をひときわ明るく照らす円形のフォルムを眺めながら、

美術館そのものが巨大な光のオブジェではなかろうか、と感じたのだった。

 


この光景に立ち止った時、ふと、頭をよぎった曲が...


青い影 プロコル・ハルム (A Whiter Shade Of Pale  -  Procol Harum)

洋楽を聴きだした頃の名曲。

その美しいメロディはいまだに色褪せない。

 

 

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金沢、ぜいたく時間

2018-06-01 | 抒情的金沢

5月のある日曜日。

金沢の観光名所、ひがし茶屋街。


 Sony α99  Planar 50㎜(f/1.4,1/1000sec,ISO100) 

 

 

つい先日、深夜ひとっこひとりいないこの街を紹介したばかりだが、

それから間もないこの日、馴染みの店でランチを楽しもうということになって、再びやって来た。

遠方からの知人友人を案内するのならともかく、金沢市民が休日の日中にここへくることはまずない。

その印象、うわさには聞いていたが、この人の多さ・・・、

正直驚きであり、新幹線効果に感謝するばかりである。(一市民の分際ではあるが...)

そして、ふと思ったのだが...。

若い女性が和服姿で歩いている光景、その艶やかな姿が地味で落ちついた街に彩りを添えている。

この写真、彩度とコントラストを高めて撮ってみたのだが、それを感じていただけたなら幸いだ。

 


さて、思いもかけず、街歩きを楽しんだ後は馴染みの店へ。

ここは茶屋街からほんの少し外れた通りにある。

「ひっそりと」などと修飾したら営業妨害になりかねないのでやめておくが、

その裏通りに迷い込んでくるのはバックパッカーくらいである。(じゅうぶんに営業妨害になったかも...) 

食のカテゴリーでいうなら和、もともとは蕎麦から始まっているので、店主が言うには「蕎麦会席」だそうである。

といっても昼は軽めのランチメニューを用意してくれる。

 

ということで、その一端を紹介。

まずは冷酒で景気をつけて...

日本酒だけでも地酒のほか、季節ごとに全国の珍しい酒を用意してあり

料理に応じて、「これはどうだ、あれはどうだ」とすすめてくれるので日本酒好きにはありがたい。

(ついつい調子に乗って飲みすぎてしまうのが難点だが・・・)

 

最初に供された料理が蕎麦豆腐。

 

蕎麦屋の定番と言ってしまえばそれまでだが、ここでは味つけや添えられるものは季節によって変わる。

この日はガス海老の刺身を添えて、そして枝豆のすりおろしで味つけてあった。

 

続いて、八寸。

旬のもの盛りだくさんで、これがこの店の特長でもある。

 

そらまめ、梅貝、子持ち昆布、鴨ロースの塩ゆで、海老、鳥貝、雲丹、厚焼きたまご...など、

品数の多さがうれしく、これで日本酒なら2合は飲める(笑)

 

この後、海老の天ぷらが出て(撮り忘れた)、

そして、〆は手打ちの蕎麦。

金沢では珍しく濃いめのつゆに薬味は辛味大根でいただく。

店主のこだわりで、ざるから水がしみ出さないよう、しっかりと水切りをするそうだが、

それでも、蕎麦そのものの瑞々しさは失われていない。

さらに、この後、デザート。(抹茶寒天に黒蜜と自家製の小豆あんを乗せたものだったと思うが、これも撮り忘れた)

 

そんなこんなで、初夏のような陽気の中、ひと足お先の暑気払い。

これも金沢のひとつの過ごし方、ほろ酔い気分でぜいたくな時間を過ごさせてもらった次第。


 なんとなくの選曲はジャニス・ジョプリンの隠れた名曲で。 


Janis Joplin - Maybe 

 

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ひがし 亥(ゐ)の刻 

2018-05-23 | 抒情的金沢

金沢、ひがし茶屋街、午後10時過ぎ


 Sony α99  Planar 50㎜(f/1.6,1/10sec,ISO10,000) 

金沢を代表する観光名所のひとつで、国の重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)に指定されている。

つまりは国が文化財としてその保存を推奨しているわけだが、

日中は足の踏み場もないほどたくさんの観光客で賑わっていて、ともするとその情緒も薄れがち。

しかし、さすがにこの時間ともなると観光客はもちろん地元の人でさえ歩く人もいない。

調べてみると、その歴史が始まったのが文政3年(1820年)というからすでに200年近く経過していることになる。

ひょっとしてこの夜景、その当時からそう変わっていないのかな、

と、妙に感心しつつシャッターを切っていたのだが、

このひと気の無さ、ふと、路地から辻斬りが現れるのでは...、などと思ったりもしていた(笑)

ということで、当時風につけたタイトルが、「ひがし 亥(ゐ)の刻」だったというわけ。


 

路地、横町からの連想で...。

スティングが自身の名曲「バーボン・ストリートの月」を

ラベック姉妹の姉、カティアのピアノでセルフカバー。


Sting & Katia Labèque - Moon over Bourbon street

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金沢今昔物語3  犀川大橋は堅牢第一

2018-03-04 | 抒情的金沢

400年の時を超えて、戦禍や大災害を免れてきた金沢。

ゆえに昔と変わらない風景が残る。

犀川大橋もそのひとつで、

このシリーズで紹介している絵葉書の中にもその姿があって、

例によって戦前のものと思われる。


                                                                  絵葉書資料館 所蔵

思い返してみれば鉄骨の塗り替えなど化粧直しはあったものの

その姿はごく自然な街の風景として金沢人の目に焼きついている。

いったいいつ架橋されたものか、気になって調べてみたところ、

1924年(大正13年)とあるから、94年も前のことだった。

鉄橋には子供の頃から思い入れがあって、その中で一番のお気に入りが隅田川にかかる勝鬨橋なのだが...、

その勝鬨橋が架けられたのが1940年(昭和15年)というから

犀川大橋はそれよりも古い。

その長い歴史も意外だったのだが、

調べてみて、国の有形登録文化財に指定されていることを知り、

さらに驚いた次第である。

 

さて、その犀川大橋の現在の姿。


Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/500sec,ISO100) 

 

古い写真の解説に、

「堅牢第一を誇る犀川大橋」との記述がある。

94年経った今も国道157号線にかかる鉄橋として現役、

「堅牢第一」というキャッチフレーズに偽りなしである。


 

今日の金沢は満天晴れわたり、

最高気温も19度とのことで春の日和を存分に楽しむことができた。

まだ寒の戻りもあり、本格的な春到来には時間もかかるが、

こんな曲が聴きたくなる一日だった。

「緑の風のアニー」 ジョン・デンバー。


John Denver - Annie's Song  

 

**絵葉書の掲載について

絵葉書の掲載について発売元の「絵葉書資料館」様(神戸市)に問い合わせたところ、
個人のブログの場合、出所を明記することで容認とのご沙汰をいただきました。
ご厚意に感謝申し上げます。
そのお礼と言ってはなんですが、「絵葉書資料館」様のホームページアドレスを掲載させていただきました。

絵葉書資料館  http://www.ehagaki.org/
〒655-0037 神戸市垂水区歌敷山1-7-20
電話 078-705-1512

 

 

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金沢今昔物語2 タテマチ・ストリート

2018-02-28 | 抒情的金沢

当ブログ、「抒情的金沢」というカテゴリーで拙いながらも地元金沢の風物を紹介している。

前回の投稿を振り返るが...。

なにげなく入った書店で見つけた絵葉書、

そこには直前まで眺めていた金沢の繁華街が戦前の姿として写し出されていたのだけれども、

それがヒントとなって金沢の今昔に触れることになった。

金沢は藩祖前田利家が入城以来、420年以上も大きな災害や戦禍に見舞われていない。

聞いた話で真偽のほどは定かではないが、

このような都市は世界でたったの二つ、スイスのチューリヒと金沢だけらしい。

そして、その災害や戦禍がなかったことが金沢の今昔にとって重要なことだと気づいた。

金沢は日本各地の都市同様、市街地はビル街となっているが、

その一方で、特にかつて御山(おやま)と呼ばれた地域、

つまりは金沢城を中心に形成された中心部においては

道や街そのものの区割りが昔のまま残っているところが多い。

それで、現在の風景がかつてはどうだったのか、対比してみたくなり、

それならと...、購入した絵葉書と同じ場所から今の金沢を撮ってみようと思い立った次第である。

 

その絵葉書の中の一枚。 


                                                                      絵葉書資料館 所蔵

大雪に見舞われた金沢の様子だ。

一連の絵葉書の中で季節を明確に写しているのはこの一枚だけだったが、

折しも今日は2月28日で暦の上では冬最後の日。

つまり春が来ないうちにと、急ぎ掲載することにした。

屋根に積もった雪は1メートル以上もあるだろうか。

さらに、立ち並ぶ商店の前には、屋根と同じ高さのところに雪の道ができている。

「金沢市の大雪 竪町」との記載があるが、

自分にとっての大雪の記憶、三八豪雪をも超えるたいへんな積雪だ。

 

そして、その竪町、現在の様子。


Sony α99  Vario-Sonnar  24-70㎜/f2.8 (f/5.6,1/160sec,ISO100) 

 

現在は通称タテマチ・ストリート。

元々の建物を建て替える時には道路後退が義務付けられていて写真当時に比べて道は広くなり、

今や、金沢のみならず北陸を代表するファッション・ストリートとなっている。

今年は37年ぶりの大雪というが、それも最大積雪は80センチを超えた程度で、

その雪もすでに消え、今はもう春の様相である。

かつて、この街が氷河期のように雪に埋もれたことがあるという記憶を持って、

この街を眺める人はもうほとんどいないのかもしれない。


 折にふれての選曲...というか

この日、タテマチ・ストリートに流れていたフリートウッド・マックの小気味よいロックナンバー。


Fleetwood Mac - Go Your Own Way  

 

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金沢今昔物語 市電が走る風景 

2018-02-11 | 抒情的金沢

毎月11日は「鉄写同好会」の日。

詳しくは発起人てくっぺさんのブログ「高橋さんの写真記念館」をご覧ください。


金沢の雪はいったん峠を越えて、昨日は午後から雨。

85センチあった積雪はかなり目減りしたものの、

依然として、幹線道路は除雪された雪で車幅が狭まって渋滞をまねいているし、

いったんわき道に入ると除雪の山があちこち高く積まれ、車はもちろん歩行もままならない。

いずれにしても平常に戻るにはまだ時間がかかりそうだ。

そして昨夜のこと。

こんなときではあるが、どうしても外せない所用があって市街へ 。

ここは香林坊交差点。

金沢のメインストリートとあって、道路の除雪は完ぺきで円滑な交通が確保されているようだ。

 

余裕をもって出かけたので、すこしこの辺りをぶらぶらした後、

金沢では老舗の本屋へ入り、時間を潰すことにした。

市街へ出るたびに立ちよる店で、

どこにどんなカテゴリの本があるかだいたいは把握しているのだが、

ふと、見慣れない一画で足が止まった。

レジ横のいわば死角ともいえる場所で、

そこには金沢の古い写真を絵葉書にしたものが20種類ほど置いてあった。

金沢城や兼六園、繁華街など誰もが知っている場所が

モノクロや色褪せたカラーの風景として収まっていて、

それぞれ興味深いものだったが、中でもつい今しがた歩いてきた香林坊の風景に釘づけとなった。

                                                               絵葉書資料館 所蔵

2台の市電が合流しようとするあたりが香林坊交差点。

金沢の市電については、以前、当同好会で投降した記事 「晩秋 都電が走る風景」で触れた。

触れた、といっても市電が廃止されたのが昭和42年のことだから、

昭和30年代、子供の頃のほんのわずかな記憶のことを書いたに過ぎない。

一方でこの写真、表示される横書き文字が右から始まっていることから、明らかに戦前の風景である。

したがって、自分の記憶の中にある香林坊や市電の車両はこの写真の風景と様子は違うのだが、

金沢の今昔として眺めるなら、市電が走る懐かしい風景と思えるのである。

 

さて、外せない所用とは卒業した大学のOB役員会のこと。

参加者の年代は40代後半から80代半ばまで、

この写真も含め買い求めた絵葉書を披露したところ大盛り上がり。

金沢の今昔が思わぬ酒の肴となった次第だ。

 


 

なんとなくの選曲はライ・クーダー。


Across the border line Ry Cooder

しみじみとした歌声、伸びやかなスライド・ギターが

この夜の気分にハマった。

 

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あめりか楓通りから  金沢広坂

2017-10-31 | 抒情的金沢

金沢の中心部、広坂のアメリカ楓が色づいている。

旧県庁のしいのき迎賓館と四校記念館 の間を抜ける小路の街路樹で、

毎年この時期になると、秋の深まりを告げてくれる。

それでいつからか、この通りも「アメリカ楓通り」と呼ばれるようになったが、

実は「アメリカ楓」そのものも通称らしく、学名としては「モミジバフウ」というらしい。

「モミジ」はともかく「バフウ」とはなんだ?

情緒のカケラも感じない語感になってしまっているが、

「紅葉葉楓」をカタカナ読みしたものと知れば頷けないこともない。

 

さて、そんな広坂界隈で見かけた光景を点描。

すこしでも深まりゆく金沢の秋を感じていただけたなら幸いだ。

 

ところで...先のカタカナ表示と情緒のこと。

国名だから「アメリカ楓」が正しく、それにならって「アメリカ楓通り」としたのだろうが、

兼六園や金沢城に近い広坂の地にあってはどうもカタカナ語感はしっくりこない。

それでタイトルでは「あめりか楓通り」としたのだが...いかがだろう。

ひらがなにするだけで、より金沢らしい情緒を醸しだすと勝手に名づけたのだが、

ぜひ関係部署のご意見も伺ってみたいものだ。


なんとなく深まった秋を思わせる曲。

ラヴァーズ・コンチェルト  サラ・ボーン

sarah vaughan - A Lover's concerto  

 

※コメント欄閉じています。 

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「“今日も” 無事」  倫敦屋酒場にて

2017-08-24 | 抒情的金沢

書きそびれていたが、盆休最終日のこと。

長い休みはありがたいが、翌日からの仕事を思うと気が滅入るもので、

この気分、サラリーマンなら多かれ少なかれ共感いただけることと思う。

いつもなら、できるだけ安穏に過ごそうとするのだが、

むしろ「街」へ出て大騒ぎをしたほうがかえって気分転換になるのではと、ふと思い立った。

帰省ピークも過ぎた頃ともなれば観光客も減っているだろうし、休みとはいっても曜日としては平日、

早い時間ならどこでも空いているだろうと意気揚々と「街」へと繰り出した。

ところがである。

普段から通いなれた店はどこも予約でいっぱい。

ガイドブックで紹介される店などは開店前と言うのに長蛇の列ができている。

新幹線の開業以来、金沢の飲食事情が大きく様変わりしたことを、

甘く見るべきではなかったと痛感した。

繁華街を行きつ戻りつしながら、これじゃかえって気分が滅入る、いっそ帰ろうかと思った時、

思いついたのがこの店、倫敦屋酒場である。

金沢の繁華街の裏通り、そこからさらに路地に入ったところにこの店がある。

流行っていないということを言っているのではない。

おいしい食べ物もあるが、「酒場」(ちなみに、これを当て字として「倫敦屋バー」と呼ぶ)とあるように

酔客は2軒目、3軒目に洋酒やカクテルをひっかけにやってくる、つまりは客足が遅いのだ。

ひっそりとした佇まい...つい、「人知れず」などど表現してしまいそうだが、

多少なりとも酒をたしなむなら、金沢でこの店を知らない人はいない。

1969年創業とあるから、すでに半世紀近い歴史を刻んでいるわけだが、

自分としても社会に出て間もない頃から来ているので、

途中、金沢を離れたときのブランクはあるものの、かれこれ40年近くはお世話になっている。

そして、この日の乾杯は...

ギネスをはじめとしたスタウトビールにスコッチやアイリッシュなど...

さらには日本の洋酒も含めてその種類が豊富なことが、くどいが「酒場(バー)」たる由縁だろう。

そして...それらを供してくれるのがこのバーテンダー。

先に「金沢で知らない人はいない店」と書いたが、

それどころか、倫敦屋酒場は全国でも屈指のバーでその顔がこのひと、戸田マスターなのだ。

そのマスターの後ろに掲げられた色紙に書かれた言葉が「今日無事」。

マスターと交流が深かった作家山口瞳氏の直筆だ。

さて、その言葉を繁々と眺めながら...

明日、仕事があろうとなかろうと、とりあえずは、“今日も”無事なら、それで充分ではないか。

多少の酔いも手伝ってか、いつしかそんな楽観的な気分になっていた。

そして、「ひょっとしたら...」、

「そんな気持ちになりたくてこの店に来たのかもしれない」とも思えてきたのである。

ともかくも「今日無事」、そして明日からも「とりあえずは無事でありたい」と。


ということで、サラリーマンの愚痴めいた話は置いといて

このすばらしい夜にあらためて乾杯!

Eric Clapton- Wonderful Tonight

 

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