じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

11月11日履正社 大阪桐蔭

2017-11-11 17:22:45 | 高校サッカー

※守備

履正社:1点目の失点は寄せが遅れたことによるもの、後半の2失点目はボ━ルを獲りにいく動きが足りなかったことによるもの。であるように見えました。全ての時間でそうであったわけではないので、大一番になればなるほど、少しのそうしたものが、命取りになるということかと、思われます。

大阪桐蔭:1失点におさえたのですからよく守ったと思います。単に守るだけでなく攻撃へとつながる守備がこの日もできていました。準決勝では許していたドリブルでの侵入も、今日の決勝では封じた場面が目立ち、準決勝ほど自陣での戦いを強いられなかったことが、終盤こらえるスタミナにつながり、終了間際の2度に渡る決定的な場面を防ぐことができた要因になったかと思われます。ただ、先制点をあげた直後に同点を許したことは課題として残りました。先制した直後は相手が追いつかんとむきになって攻めてくることは容易に予想でき、気をつけないといけない状況のひとつ。ですが得点した直後は獲った方は気をつけるというよりかはイケイケになってしまうものと思われ、大阪桐蔭も例外なくその落とし穴にはまってしまって見えました。





✳攻撃

履正社:終始パスミスが目立ったのは試合開始直後に相手にリズムを奪われたことが尾を引いたかなと思ってみてました。横浜Fマリノス内定のFW町野君11の同点ヘッドは身体能力の高さを感じさせる技ありのものでしたし、クロスをあげた選手の、その精度も高かったです。左SB坂東君3が相手に詰められた中でも球離れ早く精度の高いクロスをあげていただけに、この選手を何らかの事情で下げたことも、その後の攻撃に影響あったかもしれません。

大阪桐蔭:準決勝に続きこの日もスペースに向かってドリブルで突っ込んでしまう場面が目立ち、相手が与えてくれたスペースを活かしきれていないように見えましたが、先制ゴ━ルはスペース与えてもらった状態でパスを受けたFW菊井くん11がすぐさまミドルシュ━トを放ったものであり、プリンスリ━グでもちょいちょい見せている優れた決断力が光りました。後半15分のFW今岡君10の勝ち越しゴ━ルは、この選手の個人技も光りましたが、相手にパスコ━スを塞がれたなか、中央から自陣でパスをつなぎ続け、前線へのパスチャンスをうかがい続けたチ━ムとしての根気のよさが光り、そうして生まれた一瞬のチャンスを逃さず前線へ精度の高いロングパスをあげた右SB深澤君5の判断力とパスの精度がもたらしたゴ━ルに見えました。全体的にはもう少し点が獲れた試合に見えましたが、奪った2ゴ━ルはいずれも質の高いものでした。

 

履正社:この日は内容的にはもっと完敗でもおかしくなかったですが、それでもあわや同点まで相手を追いつめたということは、それだけ底力がある証拠だと思われます。テレビで履正社の白のユニフォームの由来について、上のレベルで何色にも染まることができるようにという監督さんの想いを込めてという紹介がありましたが、それが同校を見てて他校ほどチ━ムとしてのサッカースタイルを感じない理由なのかもしれません。それがよい方に転べば万能型につながりますが、そうでない場合は決め手のなさにつながってしまうのかもしれませんね。どっちに転ぶかはその時々。来季はよい方に転ぶと良いな🎵と、思います。

 

大阪桐蔭:9年ぶりの全国高校サッカー選手権出場を果たした最大の要因は、例年より守備で目立てる選手が多いことにあるかと思います。プリンスリ━グであまりスタメンの印象のない左MF西山くん20も、攻撃より守備で目立ててました。土壇場でゴ━ル前で2度に渡る決定的な場面を凌ぐなど終盤踏ん張り続けるメンタルの強さを発揮できたのは、日頃の練習でも自分を追い込むことができているからだと思われます。春先プリンスリ━グ初戦京都橘に大敗の時は、声がほんとうに出ておらずこんな元気のないチ━ムは初めてで、この先どうなるのやらという感じで、インターハイ予選でも最終順位決定リ━グまでは勝ち進むも、阪南大高のギアチェンジに全く反応できずスコア以上の完敗で2年続けて出場を逃しましたが、同校はそれを逃したときほど冬の全国大会予選になると覚醒する傾向があり、今季も例外なくそうだったと思われます。春先より声も随分出るようになってみえましたし、インターハイ予選の頃より守備が決め手になっていたように思います。現状の全国での立ち位置は何ともですが、インターハイ予選以降負けた印象のないプリンスリ━グ関西で首位を独走し、来季のプレミア参入を視野に入れるところまできているわけですから、やれる力はあるかと思われます。一方で2年前に見た市立船橋の全国制覇レベルの強さと比べると、骨太感満載の体格面など全体的にまだ差があるようにも感じます。勝ち進めるかどうかは大阪府予選で見せたような、全試合1失点以内という決め手になる守備を発揮できるかどうかとも思われ、この日のように先制した直後に見せた守備の緩みを見せてしまっては、全国では致命傷になるかと思われます。冬の選手権も大事ですが、その前にあるプリンス優勝、来季のプレミア参入も、ぜひとも果してほしいと思います。そして、神戸君、この選手が今後復帰できるかどうかも、今後のチ━ムの飛躍に大きな影響を及ぼすかも知れません。足腰など体全体の骨太感がよく、サイドバックでもボランチでも、光ることのできる選手です。

 

この日の決勝は試合開始直後に見せた大阪桐蔭の素早い寄せ、右MF木村くん20のように見えましたが誰だったかはっきりわかりません。誰であるにせよ、ほぼ履正社ボ━ルになるかと思われたルーズボ━ルを拾ったことが、終盤まで試合の流れに大きな影響を与えた値千金のプレ━であったと思われます。昨年に続き優勝候補同士のつぶしあいを2度制した学校が存在せず、今年も、大阪の高校サッカーは戦国時代、の印象が強く残った大会だったと思われます。ですので、昨年もそうでしたが、大阪府予選を勝ち上がるたった1校になるには、くじ運、巡り合わせといった、運、の要素も必要になってくるのが現状の、戦国大阪、の印象を今年もまた、強く感じました。

 

 

以上です。