じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

綾羽 大阪桐蔭 智辯和歌山 神港学園 智辯学園

2021-05-30 15:51:15 | 高校野球

✳️投手力

綾羽:エースの本格派右腕矢野選手はストレート変化球共に全国レベルで見ても十分及第点。逆クロスにもしっかりとコントロール出来ていた点が光り、この日は大阪桐蔭の右打者にも果敢に膝元をついて見せる。だがやや強気一辺倒だったところが悔やまれ、内外角を広く使ったバッテリーのインサイドワークがあれば、大阪桐蔭をかわす事も出来たかも知れません。夏に向けての腕試し。夏も当たればもっと散らしてくるのもですね。

大阪桐蔭:背番号16の本格派右腕川原選手のストレートはなかなか見るべきものがあり、変化球もしっかりしてました。決して弱くはない打線に6回2失点は来期のエースに向けて合格ではあるが、そうなると言い切れる内容には及ばずと綾羽戦では感じましたが決勝の智辯学園戦でも先発し6回2失点は。来期のエースの座がさらに近づいたかと思われますし、夏は竹中投手松浦投手関戸投手の一角を崩しさらに若い番号の可能性も出てきたかと思われます。綾羽戦では7、8を投げたこれも2年生の別所投手(17)は目一杯で投げても上体が一塁側へ流れないようになれば、もっと相手を差し込ませれるかと思います。ラストはこの日投げた唯一の3年生右腕西川投手(20)は1イニング3失点であわやというとこまで詰められた割りには落ち着いて締めていた点がどう評価されるかで、夏もメンバー入り出来るか否かが決まるかもしれません。智辯和歌山戦はエース竹中選手が2失点完投。下級生時よりストレートの球筋が良くなってますし直球変化球とも両コーナーに投げ分けられる点も良いですね。連投となった決勝でも7回からリリーフし4回無失点。夏もエース十分あるかと思われます。

智辯和歌山:エースの本格派右腕中西投手、評判に違わぬ力強いストレートで相手をねじ伏せてました。だが大阪桐蔭戦では序盤元気のないボールが目立ち失点を重ねる。味方の守備での好判断に気を取り直したのか三回以降は力強いストレートがいくように。

神港学園:4人投げましたが中でも最後3イニング投げたエースの本格派右腕加藤選手のストレートが力強かったです。県大会では決勝等で先発してるだけに、長いイニング投げてどうかを観てみたかったです。

智辯学園:センバツの大阪桐蔭戦で9回リリーフしたオーバーハンド右腕小畠投手が春近畿のエース。10回完投サヨナラ負けも大阪桐蔭相手に9回2失点はエースとして合格点。県立岐阜商業の時より球威だけでなく切れも感じました。ここ1番での気迫も見るべきものがありました。

 


✳️打力

綾羽:県大会で栗東の好左腕を攻略してるだけあってなかなかしぶとかったです。相手がガチの投手起用できても食らい付いたかも知れません。

大阪桐蔭:花田選手を4番に据えてる目的は打線に厚みを持たせる為かと推察。全国的に見ても及第点レベルにある投手を攻略できた要因は、ひとえに各選手の振りそのものの強さにあって見えました。ただ智辯和歌山戦では走塁ミスをきっかけに流れを失いサヨナラ勝ちも三点しかとれず攻略出来ず。個々の打力で得点を重ねられる打線ではなさそうで、得点力を上げるにはもっと緻密に攻めないといけないかと思われますし夏はそうしてくるかと思われます。決勝でも準決勝と同じ印象を持ちました。各打者の振りはしっかりしており、とにかく広い球場のせいもあったかもですね。

智辯和歌山:相手の4投手から1点のみと攻略できませんでしたが、チームとしての打力は力強いものは感じました。ただこちらも往年のような個々の打力で得点を重ねられる打線ではなさそうで、得点力を上げるには足を絡めるなど緻密にやる必要があるように感じました。

神港学園:相手の本格派右腕に力負け。全国レベルで見ればやや厳しいかもしれません。

智辯学園:各打者振りが鋭く相手に怖さ与えるといったセンバツ程の恐さを感じなかったのは相手投手が変わればの側面もあるかと思われます。得点力という点から気になったことがありましたがそれは後程。

 


✳️綾羽

滋賀学園のような派手さはないが同校とタメはれる夏の滋賀県大会優勝候補かと思われます。

 


✳️大阪桐蔭

綾羽戦ではしっかりした各打者の振りと一歩目の速さ等からくる広い守備範囲等高い守備力で相手より勝り勝利。投手陣は夏のみならず、秋からの新チームのエースが誰になるかも、全く分からないかと思われます。センバツの時よりイニング間のボールまわし等、守備の凄みに丁寧さもしっかりついてきて見えました。智辯和歌山戦のように流れを失いかけたところを踏ん張れたのは収穫ですが、そんな中でもいかに得点を重ねるかという課題は残ったかと思われます。決勝では走塁で相手より勝って見える。これをどう活かすかが、夏へ向けての得点力アップの鍵かと思われます。

 


✳️智辯和歌山

守備は各選手機敏。走塁も鋭くチームとしての穴は特に見当たらず。夏、市立和歌山に勝って甲子園に出れるか否かは、チームとしてのインパクトが出てくるかどうかかと思われます。大阪桐蔭戦ではサード高嶋選手の判断力が光りました。

 


✳️神港学園

どちらかと言えば守りのチーム。ベンチワークを駆使した攻撃の精度が上がってくれば、得点力も増してくるかもしれません。

 


✳️智辯学園

走塁がやや気になりました。先の塁いけたかなをタイムリーで終わってしまってたのはもったいなく見え、畳み掛けるに至らなかった要因かと思われます。投打守はしっかりしてるだけに、ここを磨けば、夏の全国制覇も見えてくるかと思われます。


R3年度男子高校サッカーインターハイ大阪府予選展望

2021-05-24 15:08:06 | 高校サッカー

※次戦よりシードのプリンスリーグ勢が登場する表題の大会。プリンスリーグ関西で上位を走る阪南大高、大阪桐蔭、東海大仰星、履正社、興国を中心にインターハイ出場2枠を争う展開が予想される。これらの学校と同じくプリンスリーグ関西に所属する金光大阪、大阪産大附、U18大阪一部リーグで上位に位置する大阪学院、近大付、関大一、さらには同リーグ2部ながら首位をひた走り昨年度の選手権予選で大阪桐蔭を追い詰めた香里ヌヴェール、さらには同リーグ3部首位を走るアサンプションをPKの末に撃破した大商学園あたりがどう絡んでくるかが、大会の行方を左右するものと思われる。

※金光大阪~東大阪大柏原のゾーン

順当なら阪南大高と東海大仰星が準々決勝で潰しあう組み合わせ。阪南大高は昨年は同校には珍しくフィジカルよりテクニックが目を引くチームカラーだったが今年はどうだろう。画像見る限りでは屈強そうな選手も結構見かける。確か昨年目を引いた小柄なボランチは下級生だったかと思われ、屈強そうな選手とこのボランチが融合すれば今大会の本命一番手であることも考えられる。ただ2戦目の相手として大阪学院がスコアメイクして順当に上がってくるようだと、仰星戦を前に最初の関門が待ち受けることになりそう。一方の東海大仰星はここ1,2年と比べるとやや小粒とも聞くがプリンスリーグの戦績見る限りでは今季もその強さを保持しているものと思われる。地力は阪南大高にやや分があるかもだがクジ的には仰星の方がやや恵まれても見え予断を許さない。反対側のゾーンは順当なら金光大阪と近大附の争いか。金光大阪は初戦勝てば次は賢明学院と大商学園の勝者との戦いが待っており、ここが最初の関門になりそう。近大付にとっては大阪一部リーグに所属する常翔学園を破った商大堺あたりが曲者かと思われる。準決勝では優勝候補同士のつぶし合いを迎え撃つ図式になるため、もし金光大阪か近大附がそのステージに勝ち上がれば、仮に地力は劣ったとしてもインターハイ出場枠ゲットのチャンスもあるかと思われる。

 

※履正社~清風のゾーン

順当にいけば履正社と興国が準々決勝で潰しあい、その勝者を大阪桐蔭が迎え撃つという図式になった。履正社は選手権出場を果たした旧チームと比べるとやや線の細い選手が多いと聞くがプリンスリーグの戦績見る限り、今季もその強さを保持しているものと思われる。初戦の相手槻の木、さらにはその次の清明学院ー桃山学院の勝者がいかに立ち向かうかにも注目。興国はJリーガー5人を輩出した昨季と比べれば話を聞かないが実力はどうなのだろう。プリンスリーグ関西では初戦の三田学園戦こそ落としたが以降は大阪のトップを走るチームにふさわしい戦績を残している。今季も優勝候補の一角に違いはないだろう。ただ周りの学校を見ると優勝候補の中では最も激戦ブロックに入ったと言えるかもしれない。初戦の相手香里ヌヴェールは旧チームは太さ分厚さを感じさせる屈強な体格をした選手を揃え、そんな彼らがテクニックにも秀でたものを見せ、選手権予選では敗れはしたものの大阪桐蔭と好ゲームを演じた。今季も2部ながらU18大阪で首位をひた走り、初戦から大きな関門とみてよさそうだ。そこを突破してもU18大阪一部に所属する関大一ー桜宮の勝者が待ち受け、予断を許さない戦いが続く。これらの学校と反対側に入った大阪桐蔭はプリンスリーグ関西での戦績見る限り例年以上に決定力が高そうだ。昨年同様、優勝候補の一角であることは間違いないであろう。順当にいけば準々決勝で大産大附か清風との戦いが待ち受けていそう。大産大附はプリンスリーグ関西では苦しい戦いが続いているが、分厚い体をした選手が多いらしくなかなかしぶといと聞く。U18大阪一部に所属する清風も含め簡単に勝てる相手ではないであろう。巡りあわせ的には大阪桐蔭がやや優位なところに陣取れているが、履正社~清風のゾーンは優勝候補を脅かす伏兵が多い感じがするため、これらの学校の奮戦次第では、優勝候補の立ち位置の優劣も大きく変わってくるかと思われる。

 


綾羽

2021-05-22 07:17:02 | 高校野球

本格派右腕矢野選手はストレート変化球共に全国レベルで見ても十分及第点。打線も右と左の違いはあれど自軍と同レベルの栗東の投手を攻略。滋賀学園のような派手さはないが同校とタメはれる夏の優勝候補

 


奈良ヤング 奈良北ボーイズ 奈良西シニア 香芝ボーイズ

2021-05-22 07:13:24 |  中学野球

✳️奈良ヤング

1右二投大前選手右右1:華奢だがガッチリした体型。オーバーハンドからなかなか強さは感じるストレート投げていた。担ぎ投げ。この日はリリーフだったが背番号のままに長いイニング投げるとこが見たい。打っても外いっぱいの切れのあるストレートを引っ張ってレフトオーバー。見ごたえのあるパンチ力を披露。外の抜き球をバットコントロールで運ぶ柔らかさも

3三井上選手右右5:ガッチリした体型。下半身だけでなく上半身もなかなか分厚い。振りは強い。

8投右森下選手右右11:長身細身だがガッチリした体型。サイドから切れだけでなく強さも感じるストレート投げる。

 

✳️奈良北ボーイズ

2捕平井選手右右2:小柄だががっしりしており上半身下半身共になかなか分厚さもある。強くコンパクトに振れるため強く切れのあるストレートにも振りまけない。走塁意識が高まれば。肩も強くモーションしっかりしてるが回を追うにつれ乱れが。スタミナは課題か。課題は多いが面構えは良い。首が太いから高校できつい練習を課されても怪我につながりにくそうなため、良き指導者に恵まれ細かい指導を受ければ、大阪桐蔭等全国制覇クラスの学校でやれる選手に育つかもしれない。
4一中井選手右右3:上半身下半身共に分厚い体型。強く振れる。肩も強い。守備走塁に課題は感じるが面構えが良く首が太いから高校できつい練習を課されても怪我につながりにくそうなため、高校で良き指導者に恵まれ細かい指導を受ければ、大阪桐蔭等全国制覇クラスの学校でやれる選手に育つかもしれない。
8投杉本選手右右1:小柄で華奢だが昨年冬よりはがっしり感が増してるか。オーバーハンドから下半身を使って勢い良く伸びのある強いストレートを投げ込める。緩い球も強く投げられるため打者はストレートとの見極めがしづらい。そうした腕の振りで投げた抜き球がベース付近から落ちるのだから尚更である。そうした球を最後まで投げることが出来る。

 

✳️奈良西シニア

3投浅井選手左左1:長身細身の本格派。しなやかな腕の振りからまずまずなストレート。決めにいくそれは強くくる。制球良い

 

✳️香芝ボーイズ

4一投喜多村選手左左3:上半身下半身共にガッチリ体型。首も太く怪我が長期化しにくそう。打球への反応早い。肩が強いだけでなく常に相手の胸元へ強い送球。球際がもう少し強くなれば。打ってもしっかり壁を作って大きなスイング。勿論振り強い。バットコントロールでも強く運べる。精悍な顔つきに全国制覇クラスの高校でもやれる可能性を感じた。


滋賀学園4ー3水口 ちょっとした気の緩みが生んだ好ゲーム

2021-05-03 15:22:53 | 高校野球

7回表終わり滋賀学園2-0水口。その裏の滋賀学園の攻撃あたりから、それまで威力あるストレートに切れの鋭い変化球で強力打線を最小失点に抑え込んできた水口のオーバーハンド右腕藤原選手の握力が落ちてきたのか変化球の切れが明らかに衰えはじめる。これで滋賀学園はストレートに的を絞りやすくなり一点追加。その後の打者は結果は抑えるも明らかに捉えた打球。これらのことからまだワンチャンス圏内のリードながら8回裏も得点が入る可能性が高い等でその前の守備で相手が2番からの好打順であるにも関わらず、阿字投手だけでなくチーム全体がこの回の守備をややふわっと入って見える。結果先頭のサードゴロを後逸。次の3番にも中に入れてしまい二三塁に。4番は抑えるも次の打っても5番の藤原選手に外スラをちょこんと合わされ一点返され尚も二死二三塁で相手の打者は7番のごつい右。強くは振れるが巧くは打てないところを過去の打席で見せてもらってるのに捕手の配球は中に入れさせるばかりの力勝負を挑んでしまい結果は同点タイムリー浴びる羽目に。3-0とはいえ諸々の状況からして勝ったと感じるのは無理もないかと思われますが、そこで手綱を締める事が出来なかったことが、終盤もつれる羽目になったかと思われます。

 

とはいえ、この試合はなかなか見応えがありました。水口のエースは投球だけでなくフィールディングに牽制にも強さ鋭さがあり、相手の攻撃に驚異を与えて見えました。ストレートが全てクロスファイヤーだったため、逆クロスでも強いのがいけるようになれば、もっと的が絞りづらく攻略が難しい投手になれると思います。

 

やや厳しい書き方もした滋賀学園でしたが全国クラスの力は十分に感じました。相手エースのストレートの特徴(クロスファイヤー)を二順目には既に感じとり強く対応できて見えましたし、甲子園に直結はしない春の大会でこうした厄介な投手を擁する相手に送りバント以外は選手の力で最後には攻略することが出来たことも、地力の証明かと思われます。この日やや感じられた三遊間の粗さと捕手の配球力が増せば、全国で旗も狙える存在になるかと思われます。