✳守備
大阪学院:無失点に抑えましたがサイドの守備にはやや課題が残ったかと思われます。サイドから攻められるとゴール前に入れられるかファウル犯す場面が目立ちました。ゴール前は堅かったです。
大阪桐蔭:自陣での戦いを強いられる時間が長く、決定的なピンチもあった割には終始落ち着いて守れて見えたことが、延長も含めて1失点で済んだ要因かと思われます。ベストメンバーが組めて見えませんでしたので、そういう試合になる想定ができていたのかも知れません。直近のプリンスの仰星戦のときと違い、個々だけでなく、束でもしっかり守れていました。
興国:2失点と言っても内一つは延長でのものですからよく守ったと思います。ただ、今月はじめに見たとき同様、寄せがやや甘く見えたのは気になり、最後はそこが命取りになったかもしれません。
※攻撃
大阪学院:春先同様、前線での足元の攻防の強さには目を見張るものがありました。一方でアーリークロスを駆使したダイナミックな攻撃には課題も感じたのも春先同様。少しでもスペースができ相手の寄せが甘くなるとシュートを振り抜く足元の速さにも目を見張るものがありました。
大阪桐蔭:ロスタイムの同点ゴールまではこれまで同様、各選手の球もちの長さが目立ちましたが、そこでのGKのロングボールからのカウンターからのFW木村君10の素早い球離れからのシュートは決断力を感じさせるものがありました。相手がゴール前で人数揃った状況でも、それが出来るようになればもっと得点力が上がってくると思いますし、それが出来なかったことが、延長を除けば一点に終わった要因かと思われます。
興国:この日も上質のパスサッカーができていたように思います。ただ、こぼれ球を拾えない場面が目立った事が、一点に終わった要因かと思われます。同校に限らず、組織的にパスを回すチームにとって、こうしたボールへの対応は宿命的な課題のようにも感じます。
✳大阪学院
今期も大阪府予選の優勝候補の一角かと感じ、うまさより強さを感じるカラーはインターハイより選手権予選向きかもと春先に感じた通りのここまでの圧勝続きの戦績。強さを前面に押し出した中でもちろんうまさも見せる事ができるため、見ごたえのあるサッカーを展開することができる。狭い局面での押し合いへちあいに強さを感じさせる同校の全国への鍵は、左右に大きく振られた時の対応力にあるかも知れないという印象も春先と変わらずかと思われます。
※大阪桐蔭
インターハイを逃すと大体、この時期くらいからチーム力が上がってきて見えるものですが、今期はまだそうした傾向が見られなかったように思われ、まるでインターハイに出場したチームの、この時期の試合を見ているようだったという印象はこれまでと変わらず。このままいくと2年連続の選手権出場は厳しいという印象も、まだ変わらず。相変わらずベストメンバーが組めない状況に見えますが、ここまで安定の控えだったGK12西岡選手の攻守の判断力には光るものがあり、実際後半ロスタイムの同点ゴールはこの選手の思いきった前への飛び出しからの縦パスからのものでした。ただ、特に後半先制点を奪われてからは、前に横にと思いきった飛び出しが目立ちすぎ、時に結果オーライに見えた場面もありました。GKの思いきった飛び出しがあまり頻繁に目立つと、最後はそれが命取りになるものかと思われ、そうした飛びだしを最小限に防ぐことも、チームとして求められるかと思われます。単に思いきりが良いだけでなく、決定的なピンチも含めて、セービングに落ち着きも感じました。
✳興国
スマートさに良い意味での荒々しさも出てくるか、特にディフェンスでそれが出るかが、浮沈の鍵かも知れないと思いましたが、残念ながらそこが命取りになったように思います。後、失点後に下を向いてしまう選手が多かったことも、優劣を分けたかもしれません。今年も、全国で勝ち進む力があったかと思います。