じゅんなおひと

スポーツジャーナリストもどき

第104回夏の全国高校野球選手権大会展望

2022-07-31 15:36:04 | 高校野球

※本命:大阪桐蔭(大阪)

 総合力が高い上に2年生左腕前田投手が決め手になり得る力量とくれば春に続き夏も同校が単独本命で良いであろう。史上初の3度目の春夏連覇及び同校史上初の秋春夏三期連続優勝の鍵は、この前田投手はじめとする投手陣の起用法がはまるか否かかと思われる。
 
 
※対抗:愛工大名電(愛知)智弁和歌山(和歌山)近江(滋賀)天理(奈良)星稜(石川)九州国際大付(福岡)明秀日立(茨城)
 対抗馬の面々も総合力では大阪桐蔭に負けていない。名電の左腕有馬投手は決め手になり得るだけの力量を誇る。バックの守備次第では大阪桐蔭と双璧となりうるであろう。大阪桐蔭以外の近畿勢も負けていない。夏二連覇を目指す智弁和歌山は塩路武元両右腕投手中心に分厚い投手陣を誇る。近江天理は2番手投手次第 近江は山田投手 天理は南澤投手とエースはしっかりしている。2番手投手次第という点では星稜も同様。マーカード投手を支える2年生右腕武内投手の出来次第では、打線の迫力鋭さは時として大阪桐蔭をも凌ぐものがあるだけに、同校悲願の春夏通して初優勝の期待もより膨らんでくる。九州国際大付はエース香西投手不在を右腕池田投手が見事に埋めてみせた。打線が額面通りに機能すれば大阪桐蔭に対抗できる。明秀日立も右腕猪俣投手に左腕石川投手と大会を戦い抜ける投手力を誇る。野手も攻守に鋭いがセンバツで垣間見えたちょっとした粗さの有無が、夏の浮沈の鍵かと思われる。
 
 
※ダークホース:旭川大高(北北海道)札幌大谷(南北海道)能代松陽(秋田)海星(長崎)鳴門(徳島)京都国際(京都)
 旭川大高札幌大谷能代松陽の北海道東北勢に九州の海星あたりは高い前評判を得る可能性は低いが実際には先に挙げた本命対抗に負けずとも劣らぬ戦力と夏を制する雰囲気を兼ね備えている可能性を秘める。旭川大高の右腕池田投手 札幌大谷左腕森谷投手はいずれも全国制覇に足るストレートを投げていた。2番手投手と打線次第ではだが旭川大高は投手力の高いクラーク国際を攻略 札幌大谷はチーム全体にスケール感があった。能代松陽打線はしぶとさを感じるヒットが県大会決勝では目立ち全国でもそんな感じなら、相手投手が被るダメージは想像以上かと思われる。エース三浦投手のストレートの球筋も及第点。2番手投手次第では一気に駆け上がる可能性も秘める。海星の大型右腕宮原投手にも注目だがここは県大会決勝で投げた右腕塚本投手も力量は高い。野手もボコ!ボコ!っとした体型の選手が多く派手さはないが夏型のしぶとさを誇る。鳴門京都国際も投手力は高い。得点力が上がっていれば真にダークホースに名乗りを上げることになるが、夏の戦いぶりを見る限り、両校ともにその匂いは感じた。
 
 
※ジョーカー:明徳義塾(香川)市立船橋(千葉)二松学舎大付(東東京)県岐阜商(岐阜)三重(三重)
 ここに挙げた学校はここまで先に挙げた学校を奈落の底に叩き落とす力がある学校かと思われる。明徳義塾はいわばその急先鋒と言えるであろう。吉村投手矢野投手の左右の両輪は共に全国レベルにあり打線も名将馬渕監督に鍛え抜かれた点をとる術で相手を崩していって勝ち進む可能性が十分考えられる。市立船橋は県大会決勝で好投手を攻略。左腕森本投手がフル稼働出来れば勝ち進む可能性も増してくる。二松学舎大付はセンバツ以降エースになった左腕辻投手の力量が高い。打線次第では、初戦敗退に終わったセンバツの借りも返せるであろう。県岐阜商三重といった東海の常連校も投打にバランスがとれており、上位を脅かす力はあると見る
 
 
 
※シンデレラ:高松商(香川)社(兵庫)富島(宮崎)
 ここに挙げた学校は総合力ではこれまでに挙げた学校よりやや落ちるかも知れないが、いずれも先に挙げた能代松陽のような、いわばかつての佐賀北チックな活躍で全国の高校野球ファンを魅了する雰囲気を感じさせる公立校である。高松商は注目のスラッガー浅野選手右打ちを擁するがチーム全体としても体格のしっかりした選手が多く打線の力強さは十分全国レベルかと思われる。投手陣の踏ん張りとそれを支えるバックの守備次第では勝ち上がる可能性も十分考えられる。ここまで近畿勢で唯一名前が上がっていないが初出場の社の県大会決勝での戦いぶりは感動的なものがあった。このチームの最大の売りは守備。県大会決勝でもタイブレーク最終回のピンチで飛び出たビッグプレーが、同校初の夏切符を大きく手繰り寄せた。上半身下半身共に分厚く骨格のしっかりした夏型の選手が多い。全国の舞台でも粘り強く戦い抜く事であろう。富島の本格派右腕日高投手の140後半のストレートの球筋は綺麗で力強い。バックの援護次第では、まさに漫画のようなシンデレラ投手になる可能性を秘める。

大阪桐蔭 履正社

2022-07-30 18:52:00 | 高校野球
※投手力
大阪桐蔭:前田投手8回無失点。仰星戦とは見違える内容。ストレートのキレと強さが戻る。中三日の間に何があってここまでもってきたか不明だが、打たれてもいい、細かいコントロール気にしなくていいから思いっきり投げろ!的な声かけがチームの誰彼からあったものとベタではあるが推察。消耗した終盤は仰星戦を思い出させる投球術でピンチを凌ぐ。まさにエース格の投球だったと思います
履正社:小柄な2年生左腕増田投手10のストレートも前田投手に負けず劣らず見るべきものがありました。変化球のキレが今後の課題かと思われます。それだけに勝負所になればなるほど変化球が多くなった配球は捕手のリード含め悔やまれるかもしれません。リリーフしたエース右腕近藤投手、背番号18の右腕田中投手いずれも力のあるストレート投げてました

※打力
大阪桐蔭:丸山選手の安定感が勝負所になればなるほど光りました。先制点は伊藤選手、試合を決定づけるタイムリーは星子選手鈴木選手 打つべき人が打つべくして打って下位の伏兵の畳み掛けにつながり試合を決定づけて見えました。甘い変化球を逃さずしっかり引き付けて弾き返すバッティングがチームで徹底して出来ていた点も光りました
履正社:完封負けこそ喫しましたがチームとしての打力は大阪桐蔭と比べても遜色なかったと思います。基本的には前田投手を褒めるべきと思いますが、後手を踏んだ展開でも自分たちのバッティングを見失わないという点では、来季に向けて課題が残ったかと思われます


※大阪桐蔭
最後の最後前田投手が間に合った事が予定に反する完勝につながる。この決め手になる投手を持っている上に総合力も高いとくるので全国でも春に続き優勝候補筆頭格かと思われ、同校史上初の秋春夏制覇も現実味を帯びているかと思われます。それを現実のものとするには前田投手等投手陣の起用法が大阪大会のときのようにハマるか。大阪では接戦が無かったため事無きを得たが時折見られた守備の見様によっては軽く見えるプレーが競った展開で出ないか といった点が鍵になるかと思われます。今日の前田投手の投球を観る限り、全国では18人に絞らなければならないメンバー選考に大きな動きはないかと思われますが、ひょっとしたら3人外して投手1人新たに入れることも考えられるかと思われます。


※履正社
投手力の差は相手を褒めるべきとしても守備走塁の集中力の差は来季に向けて大きな課題として克服に向き合わないといけないと感じました。ああ大阪桐蔭ならとれてたなと思うのがポテンになったりああ大阪桐蔭なら三塁打だったなというのが二塁打止まりだったりとちょっとした部分に大きな差を感じました。これは今季に限った話ではなく、ネット裏で観戦するより横から観るとそれがより分かるかと思われます。同校の守備走塁のレベルだって十二分に高いのですが、大阪桐蔭というライバルがいる以上は、より高いレベルでそこに向き合わないといけないかと思われます。2015年夏の初戦の同カードでも似たような事を思いましたが、単なる相性ではないものを、この日の試合でも改めて感じました。





履正社ー大阪桐蔭展望

2022-07-29 14:56:31 | 高校野球

※大阪桐蔭が僅かに優位か。履正社の打線、大阪桐蔭の投手陣の出来が鍵

履正社は準決勝で打線が湿ったのが気がかりだが一方で大阪桐蔭投手陣もここまで大会通して1失点とはいえ未知数 その上履正社打線が本来の姿に戻れば、その強力さは大阪桐蔭がここまで対戦した相手の比ではない。大阪桐蔭は打線も強力でここまで全試合7点以上奪っている。履正社は投手力もこれまで対戦した相手の比ではないが、それでも大阪桐蔭が4点以上奪う確率の方がどちらかと言えば高いかと思われる。となると履正社打線vs大阪桐蔭投手陣の攻防をどちらが制するかが試合の焦点かと思われ、履正社としては大阪桐蔭投手陣を攻略し4点以上奪うことが条件かと思われ、その可能性は十分あるかと思われる。大阪桐蔭の決勝の先発は川原投手か前田投手か。総動員になる可能性も考えられる。準決勝で産みの苦しみを味わった履正社だが、それは大阪桐蔭の、特に首脳陣にとって嫌な感じかもしれない。だとすれば、履正社は準決勝を肥やしにすることであり、大阪桐蔭としては、気にしないことである。

 


近大付 大商大堺 東海大仰星 大阪桐蔭

2022-07-26 15:54:03 | 高校野球
※投手力
近大付:エース左腕西平投手上手から完投換算で投げてもキレと力強さを感じるストレート投げてました。制球も良く四死球はほとんどなかったように思い、チームの守備のリズムにもつながってました。右腕前田投手 大木投手次第では、チームとしても十分戦える投手陣かと思われます
大商大堺:エース左腕武田投手こちらも西平投手同様でした。打線の援護に恵まれませんでしたがナイスピッチングでした
東海大仰星:リリーフした背番号10の右腕河内投手上手からキレと力あるストレートにスライダーも鋭かったです。3番手でマウンドに上がったエース岩切投手大型の本格派右腕でストレートのみならず変化球も出し入れ出来てました。もちろん力強かったです
大阪桐蔭:今大会初先発初マウンドの2年生左腕前田投手抜きスラが効果的で数多くの三振を奪ってました。強敵相手にまだまだながら4回無失点は下級生とは思えぬ老獪さでした。リリーフした別所投手は今大会に入りまた上体開き気味。リリーフでも先発でも長いイニング投げるつもりでゆったりと投げることを心がければ良いように感じました。最後は左腕小林投手で締めて完封リレー。小林投手はもっとストレートで押し込んでも良いと感じました。


※打力
近大付:3番日和佐選手左打ち、4番高村選手右打ちの強く振っても綺麗なスイング軌道が印象的でした。
大商大堺:素振りみてると全体的に力みがちに見えたのは気になりました。来季以降素振りの数だけでなく質にもこだわれば、得点力はもっと上がるかと思われます
東海大仰星:全体的に振りがガチャガチャして見えましたので来季以降腰の座ったスイングをチーム全体として取り組めばよいのではないかと感じました
大阪桐蔭:伊藤選手松尾選手丸山選手の3人で相手の奇策な投手起用を攻略。この3選手はいつ見ても力入れて見えなくても強く振れて軌道もきれいだからか、変則投手が相手でも全く関係なく見えました。


※近大付
守備は良く鍛えられており走塁も及第点。この日出番のなかった投手の出来と攻撃の引き出し次第では、大阪桐蔭履正社の牙城を崩しての全国もあるかと思われます。明日の履正社は素直に考えればエース連投ですが前田投手の先発マウンドもあるかもですね


※大商大堺
敗れたとはいえ守備走塁も鍛えられた好チームでした。甲子園を知ってる強豪に勝つには、基礎的な力をいかに上げていくかかと思われます。いつの日か春夏通して初の甲子園なると良いですね


※東海大仰星
投手起用が悔やまれます。相手がどれだけ強かろうが自分たちのチームを試合で素直に表現することの大切さを感じさせられた試合に見えました。本来もっと喰らいつけたように思います


※大阪桐蔭
守備走塁も言うまでもなく鍛えられてますが、であるがゆえの軽さも時折垣間見える。まだまだチームは道半ば。投手陣含めてこれからさらにチームは引き締まり、さらに強くなっていくものと思われます。



インターハイ男女高校バスケットボール展望

2022-07-24 19:57:24 | 高校バスケット

※男子

本命:仙台大学付属明成(宮城)中部大第一(愛知)

対抗:福岡第一(福岡)洛南(京都)開始国際(新潟)

ダークホース:能代科学技術(秋田)白樺学園(北海道)駒大苫小牧(北海道)北陸(福井)北陸学院(石川)東海大諏訪(長野)尽誠学園(香川)阪南大高(大阪)大阪桐蔭(大阪)等


※女子

本命:明星学園(東京)桜花学園(愛知)京都精華学園(京都)大阪薫英女学院(大阪)

ダークホース:札幌山の手(北海道)大阪桐蔭(大阪)柴田学園(青森)岐阜女子(岐阜)等


※男子ゾーン毎展望

 屈強な日本人選手プラス強烈な外国人選手という点で上記2校を本命に推した。両校は決勝まで当たらない組み合わせに。仙台大学附属明成の初戦の相手は大阪桐蔭ー美来工科(沖縄)の勝者と。大阪桐蔭は近畿大会で全国クラスの東山に競り勝ち大物食いの力を秘める。他このゾーンでは北陸 北陸学院といった北信越勢が面白い存在かと思われる。

 上記ゾーンの勝ち上がりと準決勝で相まみえるゾーンは福岡第一と洛南を中心とした争い。福岡第一も強力な外国人選手を擁する。日本人の目で見て感じる強さという点で本命2校にじゃっかん後塵を拝するかと思われ対抗としたが彼らのテクニックは本命2校に勝るとも劣らないものがあるだけに注目の1校かと思われる。昨年のウインターカップを制した福岡大大濠もパット見の強さに特別なものは感じなかっただけに、可能性は十分あるかと思われる。洛南は逆に日本人選手の雰囲気では本命2校に劣らない。総合力で優勝を目指す。だが能代科学技術や白樺学園と序盤から戦う可能性があり、予断を許さない

 反対側のゾーンはどうだろう。中部大第一のゾーンでは初戦の相手となる可能性がある阪南大高も面白い存在。強力な外国人選手を擁するだけに日本人選手次第では優勝候補に喰らいつく事もあり得るかと思われる。

 残る一つのゾーンは開始国際を中心に混戦の可能性も。同校の外国人選手も強力。日本人選手次第では優勝も狙える。駒大苫小牧 東海大諏訪 尽誠学園あたりとの争いが予想される


※女子ゾーン毎展望

 昨年の桜花や京都精華のような本命が見当たらず例年になく混戦模様かと思われる中、実績などから上記4校を本命とした。そのうち桜花と京都精華が3回戦までで潰し合うゾーンは激戦。桜花は相変わらず強いが昨年ほどの雰囲気はまだ出ていない。京都精華もふたりの強力な外国人選手等下級生が多く残るが3年生の抜けた穴を埋めきれてなく見える。ここにはベストメンバーが組めればの大阪桐蔭も控え予断を許さない

 上記ゾーンの勝ち上がりと準決勝で相まみえることになるゾーンは混戦。札幌山の手や柴田学園を中心とした争いが予想される  

 反対側のゾーンはどうであろう。明星学園は強力な外国人選手等下級生が多く残り単独本命に推してもいいくらいの力を秘めていることも考えられる。順当なら準決勝までは駒を進める可能性が高いかと思われる

 残る一つのゾーンは大阪薫英女学院が中心かと思われる。下級生からのメンバーが多く残るが抜けた3年生の強さを埋めきれていない。今年の東海大会で桜花に大敗した岐阜女子の巻き返しにも注目したい