備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

53.宗形神社(赤磐市)

2008-06-07 23:10:32 | Weblog
宗形神社(むなかたじんじゃ)。
場所:赤磐市是里3235。県道26号線(津山柵原線)沿いにある美咲町立柵原西小学校の東側の道路を南下し、自動車で約6.5kmで鳥居前に到着。やや遠回りになるが、常に片側1車線が確保されている道路なので、不安はない。南側からのアプローチならば、国道374号線から県道265号線(周匝久米南線)に入り、(滝川を渡った「中村橋」交差点。「ツチノコ発見場所」の看板が出ている。)、「リゾートハウス是里」の看板が出ているところで、その方向に右折。あとは道なり、約4km。こちらの道路はやや狭く、1車線しかないところも多いが、特に危険というほどではない。当社に駐車場はないが、鳥居前の道路はやや広いので、邪魔にならないよう駐車するか、当社の裏側に「リゾートハウス是里」があるので、その駐車場を利用。
上記の行き方でわかるように、ほとんど美作国との国境に近い山の中である。それでなぜ海の神である「宗形神社」なのか(しかも式内社)。海人族が移住してきて、その神を祀ったとも考えられる。仁徳天皇を吉備国海部直女黒比売が当社に奉迎し歓饗したという伝承があり、崇神天皇の治世に創建されたという。なぜ、海人族が移住してきたかというと、彼らが鉄や銅の採掘・精錬などの先進技術を持っており、その原石確保のためではないか、という説も有力。
なお、明治43年に国内神名帳に載る「神峯神社」、「神峯伊勢神社」、「剣抜神社」等を合祀したので、当社に参ると国内神名帳所載の4社にお参りしたことになる。

Web魁さんのHP:http://websakigake.sakura.ne.jp/06-116.html

玄松子さんのHP:http://www.genbu.net/data/bizen/munakata_title.htm

52.鴨神社三座(赤磐市)

2008-06-07 22:02:33 | Weblog
鴨神社(かもじんじゃ)。
場所:赤磐市仁堀西678。赤磐市街地からは、県道27号線(岡山吉井線)を北上し、国道484号線を左折(西へ)、県道255号線(仁堀中御津線)への分岐を過ぎると(実際は右折)、すぐ左に「雷の神様 鴨神社」の案内看板があり、狭い道を上ると、ほどなく鳥居前に到着。道が狭いが、鳥居前に1台程度は駐車できよう。
式内社だが、備前国内神名帳西大寺本などにはその名がなく、旧赤坂郡に「鴨布勢明神(神社)」が2社あるので、そのどちらか(多分、神階上位の方)が当社であろうと考えられる。
往古、京都上加茂の神(賀茂別雷神社)を勧請したものといい、近世を通じ周辺地が山城国賀茂社領であり、上加茂社の神官が代々社務取扱いを行っていた。
当社の北わずか約1kmにある式内布勢神社が郷社(当社は村社)とされたため、当社は目立たなくなっていったらしい。宮司・氏子が重複し、祭日も同じだそうである。
ところで、なぜ当社は三座なのか。志賀剛氏の「式内社の研究(第五巻)」によれば、鴨(加茂)神社は全国の式内社に15社あるが、三座になっているのはここだけだそうである。同氏によれば、あるいは次項の「宗形神社」(赤磐市)の三神と間違えたのではないか、としている。

Web魁さんのHP:http://websakigake.sakura.ne.jp/06-113.html

玄松子さんのHP:http://www.genbu.net/data/bizen/kamo_title.htm

50.殿上東神社

2008-06-07 20:35:00 | Weblog
殿上東神社(とのがみひがしじんじゃ?)。
場所:備前市佐山。地番が不明だが、1700番の民家の裏(北)にある。goo地図をみると、佐山簡易郵便局(県道39号線沿い)の北に神社があるように記されているが、実際には小祠しかなく、当社の旧址である旨の石碑が立っている。なお、備前国総社宮HPの神名帳リストでは、カッコ書きで殿上西神社の住所をあげておられる。
備前市佐山の北に「元山」という山があり、その山の尾が三方に延びている。その中央を殿上山といい、かつて高貴な方の屋敷があったという。殿上山(中央)に春日神社、東の尾に殿上東神社、西の尾に殿上西神社が置かれたという。このうち現存しているのは殿上西社のみで、明治42年に春日神社、殿上東神社を合祀したという(春日神社は「フルーツパーク備前」の入り口近くに石鳥居と古址の石碑がある。)。なお、瀬戸内市邑久町山田庄にある貴船神社の摂社である東神社、西神社が殿上東神社、殿上西神社であるとする説もあるが、疑問。


写真上:殿上東神社(跡)


写真下:「殿上東神社之旧址」の石碑

49.品治神社

2008-06-07 20:05:51 | Weblog
品治神社(ほんじじんじゃ?)。
場所:瀬戸内市邑久町山田庄字本神。詳しい地番は不明だが、邑久小学校の真裏(東)にある。駐車場は無く、鳥居前の道は農道だろう。
「改訂邑久郡史」(昭和29年10月)下巻228ページによれば、旧村社で、祭神は息長日子王、火牟都和気皇命で相殿は朝倉曙立命である。「社記」に「本社の祭神は開化天皇五代孫息長宿禰王の御子にして、吉備品治君の始祖なり。嵯峨天皇の御代に近江の国阪田郡息長村より勧請す。」とある、という。
岡山県神社庁傘下でないようで、それ以上の詳細は不明。
鳥取市に今も同名の「品治神社」があり、かつて備後国には品治郡・品治駅家(福山市駅家町)があったが、関係は不明。品治郡は、垂仁天皇の皇子・品牟都和気(ホムツチワケ)のために設定された部民である「品遅部」に因むともいう。


環境省のHP、「身近な林のプロフィール」から(品治神社林):http://www.biodic.go.jp/cgi-db/gen/kn06mh.kn06_profile?t_code=33&id=635&start_row=1&end_row=20#

48.靭負神社(瀬戸内市)

2008-06-07 02:25:55 | Weblog
靭負神社(ゆきえじんじゃ)。
場所:瀬戸内市長船町長船1151。国道2号線「おさふねサービスエリア」の向かい側(南)にある。当社に駐車場はない。サービスエリアから、国道の下を潜る歩道があり、当社入り口まで至近。
「靭(うつぼ)」というのは、矢を入れて背負ったり腰に付けたりする細長い筒のことで、岡山市芳賀にも同名の古社があるが、関連は不明。長船は、言わずと知れた日本刀の産地で、当社の南約300mに「備前長船刀剣博物館」もある。当社は通称「天王社」と呼ばれ、鍛冶屋の神である一つ目(片目)の神を祀る(鍛冶屋の神が片目なのは世界的に共通。)。

岡山県神社庁のHP:http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=12067
Web魁さんのHP:http://websakigake.sakura.ne.jp/07-206.html

47.湯次神社

2008-06-07 02:00:57 | Weblog
湯次神社(ゆつぎじんじゃ)。
場所:瀬戸内市長船町磯上3277。国道2号線の「香登」交差点を東に曲がり、県道381号線(牛文香登本線)を自動車で約2km進むと、県道425号線(磯上備前線)への分岐があり、その角のところに鎮座。鳥居の右側に駐車場がある。
「湯次」の名は、当神社の南にある「湯杉」(湯杉山古墳がある。)という地名に由来するとされるが、あるいは、秦の始皇帝の5世の孫で、渡来人の秦氏の祖とされる「弓月君(ゆづきのきみ)」を祀ったともいわれる。

岡山県神社庁のHP:http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=12065

Web魁さんのHP:http://websakigake.sakura.ne.jp/06-032.html

46.麻御山神社

2008-06-07 01:39:17 | Weblog
麻御山神社(おみやまじんじゃ)。
場所:岡山市東区邑久郷2948。県道28号線(岡山牛窓線)を「神崎町」交差点で牛窓方面(東)に曲がってすぐ、「吉塔(きっとう)」バス停がある。ここから狭い道を殆ど真っ直ぐ北に上って行くのだが、かなり狭いので、軽4くらいならよいが、普通自動車で行くのはあまりお勧めしない(鳥居付近に駐車スペースはある。)。バス停から約800m。
当社は大雄山の中腹にあり、やはり神武東征伝説と縁がある。

岡山県神社庁のHP:http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=12034

45.松江伊津岐神社

2008-06-07 01:25:21 | Weblog
松江伊津岐神社(まつえいつきじんじゃ)。
場所:岡山市東区邑久郷1500。県道28号線(岡山牛窓線)を「神崎町」交差点で牛窓方面(東)に曲がり、約1.5km、「邑久郷東」バス停前。鳥居前には狭いスペースしかない。東側から当社の裏に回りこむと、1~台程度の駐車スペースがある。
当社も神武東征伝説との縁が深く、「安仁神社」の摂社としているが、同社とは自動車で4kmほど離れている。

岡山県神社庁のHP:http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=12033
Web魁さんのHP:http://websakigake.sakura.ne.jp/07-039.html

44.豊原角神社

2008-06-07 01:10:16 | Weblog
豊原角神社(とよはらすみじんじゃ)。
場所:岡山市東区西大寺浜104-1。会陽(裸祭り)で有名な「西大寺観音院」の、吉井川を隔てた反対側(左岸)にある。「西大寺観音院」方向から来ると、県道28号線(岡山牛窓線)の永安橋を渡ったところ、「永安橋東」を左折してすぐ右下にある。鳥居の前の道路は狭いので、堤防の広いところに駐車してお参りするほうが気楽。
岡山県では珍しい白山比大神を祀る。かつて西大寺は水上交通の拠点であり、交易を通じて北陸とのつながりがあったとも思われる。

岡山県神社庁のHP:http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=12030
Web魁さんのHP:http://websakigake.sakura.ne.jp/07-038.html