備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム266.美作国分寺跡

2012-04-28 23:39:02 | Weblog
美作国分寺跡(みまさかこくぶんじあと)。
場所:岡山県津山市国分寺483。国道53号線「国分寺」交差点から南に約1km。河辺小学校の西隣。駐車場なし。
美作国の国府(現・真言宗「龍起山 国府台寺(りゅうきさん こうだいじ)」付近)、「美作国総社」、更に美作国一宮「中山神社」は、いずれも現在の津山市街地(JR姫新線「津山」駅の北、吉井川を渡ったところ)の北にあるが、「美作国分寺」は少し離れ、国府址の東南、約5km(直線距離)のところにある。JRの駅でいうと「東津山」駅のほうが近い(同駅の東南、約1.3km)。それでも、「国分寺」という名の寺院が現存すること、その周辺から礎石と思われる大きな石や古瓦が見つかっていたこと等から、昭和51~54年に発掘調査が行われ、その結果、方2町の寺域に、南から南門、中門、金堂、講堂が一直線に並び、中門と金堂を回廊で連結して、その東南に塔が位置するという典型的な国分寺式の伽藍配置であったことがわかったという。
現在の「国分寺」は、「龍寿山 国分寺(りゅうじゅさん こくぶんじ)」と称し、全国の現存する国分寺の中では珍しい天台宗の寺院である。寺伝によれば、天平9年(737年)、聖武天皇の詔により行基菩薩を開基として創建。本尊は薬師如来。承安2年(1172年)に兵火に遭って堂塔伽藍悉く焼失し、以後寺勢は衰えたが、元和9年(1623年)に国主森氏により再建されたという。


「津山瓦版」さんのHPから(史跡 美作国分寺跡)


写真1:「国指定史跡 美作国分寺址」の案内板。旧国分寺の寺域は、今は殆どが民有田で、公園化などはなされていない。


写真2:石碑と「国分寺」山門。石碑の背後にある石も旧国分寺の礎石らしい。山門の奥に石の鳥居がみえるが、これは聖天を祀るもの。


写真3:こちらは上面が平らで巨大な旧国分寺礎石