備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

コラム268.一宮(その31・上野国・一之宮貫前神社)

2013-01-12 23:36:42 | Weblog
一之宮貫前神社(いちのみやぬきさきじんじゃ)。
場所:群馬県富岡市一ノ宮1535。国道254号線「一ノ宮」交差点から南西に約600mで右折(北へ)、約200m。または、国道254号線「田島」交差点から北に約800m。駐車場有り。
社伝によれば、物部姓の磯部氏が氏神の経津主神を現・群馬県安中市鷺宮に奉斎したのが始めで、その後南下し、安閑天皇元年(531年)に現在の蓬ヶ丘綾女谷(よもぎがおかあやめだに)に祀ったのを創建とする。延喜式式内社(名神大)「貫前神社」とされるが、鎌倉時代から江戸時代までは「抜鉾明神」と称されていた。「貫前神」と「抜鉾神」は本来は別神で、「抜鉾神」は男神で経津主神、「貫前神」は女神で、配祀されている比売(姫)大神であるともいう。比売大神の名は伝わっていないが、おそらく元々この地にいた神で、綾女谷の名のとおり、養蚕機織の神とされる。また、鏑川の水源の神として、水神、農業神の性格もあるともいわれる。「貫前神」が女神であるというのは、次のような説話によっても知られる。即ち、上野国では元々「赤城明神(赤城神社)」が一宮であったが、「貫前神」は「財の君(さいのきみ)」であり、他国に取られてはならないということから、一宮を譲ったという。


一之宮貫前神社のHP

玄松子さんのHPから(一之宮貫前神社)


写真1:「一之宮貫前神社」正面参道。台地の中段から見上げると巨大な鳥居(大鳥居)が見える。


写真2:同上、総門。台地上にある。


写真3:総門を過ぎると、石段を下って社殿に向う。


写真4:同上、楼門。参拝時には社殿は改修中で、シートで覆われていた(残念)。楼門・社殿は国の重要文化財。