備前の古社を訪ねる(備前国内神名帳の研究)

備前の由緒ある神社を巡礼する

121.八幡神社(旧児島郡)

2008-06-26 23:39:47 | Weblog
八幡神社(はちまんじんじゃ?)。
場所:不明。
神名帳の旧児島郡「八幡明神(神社)」が、式内社鴨神社(玉野市)とは別だとすると、ほかに探さなくてはならない。しかし、八幡神社又は八幡宮と称する神社は児島地区でも相当数ある。
神名帳西大寺本の一つ「明治七年注進本」には、「曾原村」という脚注がある。また、「総社本」には、「三家郷小林庄清瀧座シヲ、今曾原村ニ遷奉、児島総鎮座氏子二十二ヶ村アリ」との脚注がある。根拠が不明で、後世の脚注であろうから、そのまま信じることはできないが、これを信じるなら、児島一島の総鎮守といわれた通称「清田八幡神社」であろう。旧児島郡最古の八幡神社ともいわれており、ありそうなことである。
一方、岡山県神社庁のHPによれば、「鴻八幡宮」(「鴻の宮」)が、神名帳所載の「八幡明神」であると主張されている。同社は旧県社であり、少なくとも近世以来は旧児島郡内で最も隆盛していたといえるだろう。なお、「岡山県神社誌」(昭和56年4月)では、神名帳云々には全く触れられていない。
ほかに、「本荘八幡宮」(「通生八幡」)も大宝元年(701年)豊前国宇佐宮から勧請したという古社である。
ちなみに、「児島郡神社誌」(昭和3年4月)では、「清田八幡神社」が「式外」「神名帳所載の八幡明神」であるとされており、「鴻八幡宮」のほうは「大宝元年宇佐ノ宮から勧請したという・・・が、諸書には見えない。」などと書かれており、神名帳云々には触れられていない。

岡山県神社庁のHP(八幡神社(清田八幡)):http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=06017
同(鴻八幡宮):http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=06035
同(本荘八幡宮):http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=06005

120.木華佐久耶比神社

2008-06-26 22:25:34 | Weblog
木華佐久耶比神社(このはなさくやひめじんじゃ)。
場所:倉敷市福江1671-4。瀬戸中央自動車道「水島」ICの南、約2km。県道21号線(岡山児島線)を南下し、福林湖の北端の堤防上の道路を左折(東へ)してもよいが、その先の交差点で「サノヤス福南山団地」方面(当社の案内板も出ている。)に左折するほうが道路もやや広く安全。駐車場あり。
岡山県神社庁のHPでも触れられているように、修験道の「新熊野五流」(修験道総本山「五流尊瀧院」は当社の北、自動車で約5km。)との関係が深かったようだ。往古は福南山山上にあり、「福南山明現宮」と称されていた。現在も山上に奥宮があり、その石鳥居の扁額は「福南山明現宮」となっているという(未見)。また、現在の社殿は北西を向いているが、山上にあるときは南面していたという。
なお、福南山は別名「狗浜山(ぐひんさん)」(本来は「狗賓山」か)といい、当社の式神に12天狗があり、それぞれ「○○坊」と名がついていた、という。これも修験道ないしは山岳信仰との関連を示すものと言えよう。

岡山県神社庁のHP:http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=06018

119.玉比神社

2008-06-26 21:33:58 | Weblog
玉比神社(たまひめじんじゃ)。
場所:玉野市玉5-1-17。玉野市役所の南西、約2.5km。国道430号線沿い「玉比メ神社前」交差点に面する。「玉野市市民会館」の隣にあり、その駐車場に駐車可。
臥龍山の山麓ではあるが、十分「街なか」と言える場所にこんな巨大な岩があることにまず驚く。この巨岩だけを「立石神社」として祀っている。
万葉集にも歌われた「玉の浦」はこの辺りのことだとする説もあり、もともと、この巨岩「立石」も浜辺にあり、波に洗われていたと言われている。また、臥龍山山腹に「臥龍稲荷神社奥宮」があるが、それが磐座であるとされている。
海岸線からやや離れたが、往古から海の交通の守護神であっただろう。なお、現在は、安産の神様でもある。

岡山県神社庁のHP:http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=04004

Web魁さんのHP:http://websakigake.sakura.ne.jp/06-034.html


写真上:「玉比神社」の巨岩


写真中:上の写真の反対側。「立石神社」として巨岩を祀る。


写真下:「臥龍稲荷神社」。磐座?

118.早瀧比神社

2008-06-26 20:26:58 | Weblog
早瀧比神社(はやたきひめじんじゃ)。
場所:玉野市滝773・774。県道427号線(槌ヶ原日比線)と県道62号線(玉野福田線)がぶつかる「長尾」交差点(南西角にコンビニ「サークルK玉野長尾店」がある。)を西に進み(東に行くと式内社鴨神社。)、次の「滝」交差点で左折(南西へ。由加神社方面でない方)、県道266号線(長尾児島線)に入る。そこから約500m、「滝」バス停のところ(「玉野自然公園」の大きな案内板がある。)で右折(西へ)。狭い道路(旧県道62号線であるらしい。当社を過ぎて更に進むと由加神社方面)を進めば、当社に到る。駐車スペースあり。ただ、当社の手前あたりの道路は特に狭く、注意。
玉野市には、至るところに巨岩・奇岩がゴロゴロしているが、当社の鳥居の脇にある「龍岩」などもあり、岩・滝川など自然信仰の場所としてふさわしい。なお、式内社鴨神社と当社は約1.5kmの距離を隔てておおよそ東西に向かい合っている(厳密ではないが、式内社鴨神社は西を、当社は東を向いている。)。

岡山県神社庁のHP:http://www.okayama-jinjacho.or.jp/cgi-bin/jsearch.cgi?mode=detail&jcode=04017
Web魁さんのHP:http://websakigake.sakura.ne.jp/08-008.html