茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記28年11月29日「腰痛の治療。」

2016-11-29 06:10:30 | 日記

ことぶき堂鍼灸院は「積聚治療」の鍼灸院です。どんな治療法か「腰痛」の治療を例に説明して見ます。

「積聚治療」の最大の特徴はその使用する鍼にあります、専用に開発された「積聚鍼」という銀製の鍼一本で基本治療(=本治法)と補助治療(=局所治療)を行います。

治療の順序に沿って説明しますと
①最初に望診・聞診・問診・切診を行います。

②主訴の腰痛以外に顔が赤く上実しており。中府・孔最・太衝の圧痛と頸部の凝りと下肢の冷えが著明でした、上実下虚の状態の様です。これから「気を動かして冷えを取る」治療を行います。

③まず腹部の観察をして、硬結、圧痛、冷え、熱感、肌の色艶などを観察し、その後腹部に接触鍼を行い、腹部の浅い気を調えます。

④脈診をして虚脈に補法の鍼をして脈状を調えます。今回は肺の脈が虚していたので、太淵を使用し脈を調えました。脈調整の間に上実していた気が下がってきたと患者さんから答えがありましたので気が動いたと判断し、脈調整を終了し次の段階に移ります。

⑤脈を調えた後に、腹診をして証を立てます。今回は曲骨上の圧痛が一番強かったので「腎積腎虚」と証を立て治療方針を立てます。

⑥証を立てた後に背臥位になって貰い、積聚治療の手順に従い、背部兪穴に鍼を軽く当て、気がいたるのを待ちます。今回は上実の症状が見られたので逆治を用いました。鍼は深く刺すことはありません。

⑦鍼を背部の兪穴に当てる程度の刺激ですが、兪穴から仙骨まで響くと患者さんから報告があったので、背部は兪穴四穴のみとし督脈上(脊椎線上)の圧痛点である腰の付近の命門上に箱灸による灸を置き熱を浸透させ、頸部に凝りが残っているので委中に鍼を軽く当て、頸部の凝りに意識を置き鍼を操作すると頸部の凝りが緩んで来ると同時に、足先を確認、『足先まで暖かくなってきました。』患者さんが教えてくれたので足先を触って確認し、仰臥位に戻り、曲骨上の圧痛が消えているのを確認し、最後にベット上に体を起こして貰い、気の最終調整の為「肩井穴」に鍼をして治療終了としました。


治療の結果、腰痛は勿論、上実と下虚・足の冷えも改善されています。
「積聚治療」は刺さない鍼なので、刺す鍼に抵抗がありる方でも安心して治療を受ける事ができます。

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