茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記25年7月22日「鍼灸による不妊治療(腎虚症)。」

2013-07-23 06:00:26 | 日記
当院では刺さない鍼を使用した不妊治療を行っております。
不妊症の原因の多くは「冷え」と「お血」と「ストレス」です。

当院では「腹診」で証を立てそれに従い治療をして行くのですが私の臨床経験的には「腎虚症」の患者様が比較的多いのです。

東洋医学の古典である「難経」16難には腹診で「腎の病は臍の下に動気ありこれを按ぜば牢(=硬結)もしくは痛む。」とされています。
腹部に「お血」がある人は腎の領域に硬結や痛みや動気が出やすい傾向にあります。

ここで「腎虚証」とは何かについて簡単に説明してみたいと思います。
「腎」は六臓六腑の内の一つで「臓」=陰に属します。

東洋医学では「腎」は

①精(=腎精)を蔵する。
「腎」は発育成長と生殖機能を有しています。
その為「腎」に異常が起きると活動が低下、身体が冷え、生殖能力が低下したり疾病にかかりやすく治りにくい等の症状が出ます。

②津液を主る。
全身の水分代謝を調節する働きがあります。
その為「腎」に異常が起きると、浮腫み、尿閉、頻尿、下痢などの症状がでます。

③骨を主る。
「腎精」には髄を生ずる作用があり、髄は骨の中にあり骨は髄により滋養されています。
その為「腎」に異常が起きると、骨格の異常や発育不良などの症状がでます。

④髪に反映する。
毛髪は精と血によって養われており
その為「腎」に異常が起きると白髪、脱毛などの症状が出ます。

⑤耳と二陰に開窮する。
耳の聴覚機能は腎精と関係が深く、二陰とは前陰(外生殖器、小便口)後陰は(肛門、大便口)の二つを指します。
その為「腎」に異常が起きると耳鳴り、難聴、頻尿、遺尿、尿少、尿閉などの症状がでます。

⑥腎は納気を主る。
納気は気を受納することですが深い呼吸に関係し、吸気を臍下丹田まで取り入れて、精を元気(原気)に化し活性化しています。
その為「腎」に異常が起きると浅い呼吸や呼吸困難など「腎不納気」と言われる症状が起きることがあります。

以上の様な症状が「腎」が虚している事により生じている場合は「腎虚証」として「腎」を補う治療を進めて行く訳です。
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