茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記27年12月13日「不妊症の治療・胚移植と鍼灸。」

2015-12-13 06:21:37 | 日記

不妊治療で「胚移植」をされる予定の患者さんがお見えになりました。

「胚移植」の直前と移植後に鍼灸治療を受けると妊娠率や出産に至る確率が高まる事はよく知られており、当院には「胚移植」前後に治療を受けられる患者さん、採卵の前段階から鍼治療を受け「妊娠し易い体創り」の為に患者さんがお見えになります。

この元になった研究はアメリカのメリーランド大学医学部統合医療センターの研究員らの調査で

「体外受精時の胚移植の前後に鍼治療を受けることで、その後の妊娠率や出産に至る確率が高まることが明らかになった。」

と報告されています。

この報告は欧米4ヶ国で実施された1366名の女性を対象に、体外受精時の胚移植の前後に、伝統的な鍼治療を受けた女性のグループ、にせの鍼治療を受けた女性のグループ、そして、何も施されなかった女性のグループのその後の成績を比較したところ、伝統的な鍼治療を受けたグループは他のグループに比べて、妊娠した割合が65%、そして、出産に至った割合が2倍であることが分かったそうです。

体外受精時の胚移植の前後の鍼治療は、その後の妊娠率や出産率を向上させることがデータで裏づけたられた訳ですね。

鍼灸治療が不妊治療に有効であることを示す各国の論文としてはその他に代表的なものとして

・胚移植日に鍼治療を行うと体外受精、顕微受精の妊娠率を上昇させる。
 273例を研究対象とし、鍼治療を行わない群では22%の妊娠、鍼治療群では36%の妊娠率であり、鍼治療群が妊娠率が高かった。(アメリカ生殖医学学会誌2006年 デンマークでの研究結果)

・体外受精と顕微授精例の黄体期に、鍼治療を行うと、鍼治療群に妊娠率が高かった。
 225例を対象とした、鍼治療を行わなかった群では13.8%、行った群では28.4%の妊娠率で鍼治療群に妊娠率が高かった。
(アメリカ生殖医学学会誌2006年 ドイツでの研究結果)

・体外受精例に鍼治療を3回行い、鍼治療群に妊娠率が高かった。
228例を対象に、HMG(排卵誘発剤)注射時、採卵前、採卵直後に鍼を行い。行わない群では23%、鍼治療群では31%の妊娠率で、鍼治療群に妊娠率は高かった。
(アメリカ生殖医学学会誌2006年 オーストラリアから研究結果)

などがありますし、国内でも同様な研究成果が報告されています。

鍼治療がどのようなメカニズムで不妊治療の成功率を高めるのかはよく分からないとしていますが、ストレス緩和の効果も大きいのではないかとされています。

ストレスを受けることで、人の気血水の流れが変調します。

胚移植の前後の気血の流れの変調は、胚が着床し、妊娠が継続することに、何らかの影響を及ぼしていると考えられます。

体外受精を受ける女性にとって、胚移植の前後に鍼灸治療を受けて、気血の流れを調え、ストレスを緩和することはとても大切です。

当院では体外受精の胚を戻す前と後に鍼灸治療を受けることをお勧めしております。

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