抗がん剤の副作用で悩まれる方が相談に来られました。主治医に相談はしてあるそうです。
当院では「ガンの疼痛緩和ケア」をしておりますが、抗がん剤の副作用の症状の緩和にも鍼灸治療は有効です。
服用されているのは TS-1と言う抗がん剤ですがTS-1は、胃癌などに使用される経口の抗悪性腫瘍剤(抗がん剤)の一種で、代謝拮抗剤に分類され一般名は「テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム」です。
TS-1は副作用が少ない抗がん剤とされていますが一般的にどんな抗がん剤を使用しても副作用は現れると考えられています。
抗がん剤のおもな副作用には、白血球減少、貧血、血小板減少、下痢、吐き気、食欲不振、身体がだるくなる、毛が抜ける、口内炎、感染症にかかりやすくなる、皮膚や指の先・爪が黒くなるなどの症状があります。
今回のご相談は鍼灸による「食欲不振」と「吐き気」の改善でした。
TS-1は脳の中の吐き気を感じる部分を刺激する作用があるため、吐き気・嘔吐や食欲不振などの症状があらわれることがあります。
当院では体の中に刺入しない鍼を使用する「積聚治療」で患者さんの「気」を調えることを主眼とし、今回は食欲を増す配穴を加えました。
鍼灸治療をしても抗がん剤の効果・作用を阻害することはありません。
闘病のためには栄養補給が大切ですし、食べる喜びが生きる力につながるのだと思います。