『夜に布団に入り横になると、足が痛くて眠れない。』と患者さんが見えられました。
余りに痛くて夜通し足を揉んでいたそうです。
「どこが一番痛いですか?」と質問すると、右下腿の外側が痛いとのこと。
経絡的には胆経のライン上の風市付近が痛むと言う事ですね。
更に探って行くと右下腿の裏側の正中線の委中・殷門・承扶にも反応があります。経絡的には太陽膀胱経のラインになります。
殷門・承扶・委中と言うと坐骨神経の走行に合致します。小野寺臀部点を試しに押すと『ああそこを押されると、電気が足先まで走ります。』との事でした。
小野寺殿部点付近は中殿筋で上殿神経支配ですね。その興奮が坐骨神経に影響を与え、足の痛みを生じさせている様です。
小野寺殿部点というと胃潰瘍・十二指腸潰瘍の圧痛点として有名ですが、食べ過ぎなどの胃もたれでも反応が出ることがあります。
今回は「積聚治療」で本治法を行い補助治療として「澤田流鍼灸術」の刺入する鍼を用いて治療しました。
患者さんが『腰に置いた鍼から両足先まで響きます。痛みが引いて行きます。滞っていた物が流れる不思議な感覚がします。』と感じを話してくれました。
寒さに向かうこの時期は気血の流れが変調し易いので体調管理に注意が必要です。