茂原市ことぶき堂鍼灸院

茂原市で鍼灸治療院を営んでおります。
東洋医学や日常生活のあれこれを日々綴っています。

壽堂日記6月16日「美容鍼と白髪予防」

2012-06-16 20:28:02 | 日記
本日治療した美容鍼のお客様から、『次は髪の黒くなる鍼をお願いします。』と言われました。
東洋医学では「髪」は血余と言われ、腎精と血によって養われます。
白髪・脱毛などは、腎の気の衰えを反映するものです。
腎は「先天の精」を蔵する場所であり、「先天の精」は両親より受け継いだ精のことであり、生命の本となる物です。
「先天の精」は五臓の腎にしまわれ「腎精」とよばれます。
「先天の精」は「後天の精」により補給され生きている間は枯渇することはありません。
「後天の精」とは食物から脾・胃で造られるもので、気・血・津液の素となる物です。

さて年齢より早い白髪は「腎の経絡病症」の一つですが、実は「先天の精」を補給する「後天の精」の不足が原因であることもあります。
臨床的には鍼灸治療で頸部の気血の巡りを良くしたり、頭部の気血の巡りを良くすると、髪の色艶が良くなったり、黒くなったりする事は良く経験します。これは「腎精」の問題より気血の偏りが原因だった訳です。

白髪の治療は単純に「腎虚証」の治療をするのでは無く、四診により虚している経絡を適切に補うことが必要ですね。

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