
■■■■■■■■■■■季冬を往く■■■■■■■■■■■
■「78回目の128」
●12月8日と言っても、殆どの人には伝わらないようだが、かって日本
が世界の超大国アメリカに宣戦布告をした日である。 それは,今から
78年前の事になる。結果はわずか4年で敗れた。しかしその後の日本
の復興の道のりは、極めて厳しかったが、反面、世界が驚くほど、ドラ
ステックで、しかもドラマチックなものだった。
●当時の日本の人々、そう、私どもの先輩たちは、負け戦の屈辱感が
漂う中で歯を食いしばって、焦土と化した国土の復興に立ち上がった。
そして「戦後昭和」の長い道のりを、たゆまぬ英知と努力で再興の軌道
に乗せ、オリンピックや新幹線、万博へと世界へ雄飛する王道を切り拓
いていった。
この国の戦後の復興を主導した世代といえば、総じて大正と昭和シング
ル前期の人たちだが、ほとんどの人たちはもういない。しかしこの人たち
が、営々と築いた 「戦後昭和」と「世界平和」は、今の日本の基盤とも言
えるもので、78回目の12月8日を迎えるにあたり、いまこそ現存する国民
挙げてその偉業を心から顕彰すべき時だと思う。
■「景気動向に注目」
●国会も終盤を迎えて、慌ただしい。野党は、相変わらず、政治論争を
放擲して,些細とも言える桜の会などにこだわり続ける。これでは、ます
ます野党の存在が、なくなると思うが、ご本人たちは、気ずいていない
のだろうか。野党の平和ボケも、ここまでくると、腹だたしい。
●所で、今年の新年度の国家予算も決まり、執行が始まった。
国民は、増え続ける社会保障費の事は、気にするが、毎年の国家予算
について、その全容を見る人は、意外に少ないという。これもまた困った
ことだ。
特に高齢者の年金族にしては、この予算案が、年金の全ての出どころと
なる。また5年前、10年前の国家予算と比較すると、国の成長が数字で、
把握することができる。
やはり国も、企業も、家庭も、つまるところ経済に全てを依存している。
経済を支える景気がいいと、全てが上手くいくのである。
●12月2日、株価は今年の最高値を付けた。米中貿易摩擦や韓国問題
が揺れ動く中で、日本経済は堅調を保つ。そして政治の安定が、株価を
押し上げている。株価から政治を評価するのも一つの方法といえる。
●この予算と経済と景気がうまく絡んで、季冬から新しい令和2年の首歳に
スムーズに経過することを、ただひたすら祈りたい。
■「ぬか漬けの妙味」
●5年ぶりに糠ずけを再開した。
理由は、平素ス-パーで仕込む漬物の味が、どうもしっくりこない事に
きずいたからだ。加えて知人から素晴らしいぬか床を紹介してもらった。
このぬか床が、なんとも素晴らしい。普通,いいぬかずけを作るためには、
毎日手を入れることが,必至の条件だったが、新しいぬか床は、3日に1
度でいい。いわゆる手抜きができるわけだ。
なんといっても、一夜付けた浅漬けのなすを手で縦にさばき、生(き)醤
油を付けて、あついご飯で食べる食感は、また格別である。
本来、漬物は、さまざまな食材を,食塩と酢、醤油、酒かす、ぬか,味噌な
どで漬け込み熟成させて、保存性を高めたうえで、、格別の風味を生み
出した、日本独自の食品だ。
特に野菜を漬け込むと,酵母菌や乳酸菌が発酵して、漬物独自の味わ
いが生まれてくる。
これを食すると,腸内の善玉菌を増やし、栄養価も高く、健康にすこぶる
良い。私の知る限りでは、京都の旧家で、江戸時代よりぬか床を受け継
ぎ、今もその糠ずけを欠かすことなく、愛用しているという。
最近のテレビ報道番組では、パリの一流ワインバーで、ワインのあてとして、
日本のナスやキュウリの漬物がたいへん好評だと伝えていた。
インバウンドの外国人が、食材に漬物を指名するケースが増えているという。
糠ずけは、日本人の伝統的な生活の知恵から生まれた、日本独自の食材
といっていい。
今年の冬は昨年と違い、冬野菜の値段が比較的安定しており、しかも安い。
健康のためにもぜひ、糠ずけに挑戦していただきたい。
■「師走の歳時記」
●季句 おでん酒くむや肝胆相てらし 山口誓子
咳をしても一人, 尾崎放哉
●時候 冬将軍、玄冬、冬暁、山眠る 雪明かり、寒夜、冬の暮、風花
●祭事 ・針供養(関西では8日ごろ) ・事始め(13日)・松迎え(13日)
・秩父祭(2日)・義士会(14日)・終天神(25日)・終大師(21日)
・第2次大戦開戦記念日(8日) 終弘法(21日)
●野菜 冬菜 白菜 花キャベツ 葱 大根 蕪
果物 柑 冬林檎 晩三吉 柿落葉
●魚介 鮪 かじき 鰤 寒鯛 甘鯛 寒鯔 むつ ひらめ 河豚 牡蠣
●草花 寒菊 水仙 冬葵 カトレア 葉牡丹 枯芭蕉
●樹木 冬紅葉 木の葉 落葉 冬木 寒林 枯木
●情緒 風邪 湯冷め 咳 雪見 懐手 日向ぼこ
■「日本内外の主な行事」
1日 皇太子夫妻長女、愛子さま誕生日
3日 米ソ首脳のマルタ会談、冷戦終結宣言から30年、
6日 高知県知事任期満了
7日 大雪
8日 事納め 針供養
8日 ●第2次大戦78回目の開戦記念日
9日 皇太子妃雅子さま56歳の誕生日
10日 ●ノーベル賞受賞式
12日 EU首脳会談(ブリュッセル
13日 正月事始め すす払
15日 12月日銀短観
16日 歳の市
22日 冬至 ゆず湯
22日 福井市長任期満了
28日 餅つき 門松の準備
30日 東証 大納会
31日 大晦日
■「タイの主な行事」
5日 前国王ラーマ9世の誕生日(父の日)
10日 憲法記念日
31日 大晦日
■■■■■■■■■■■■古都散策■■■■■■■■■■■
■「初冬の古都」
●12月2日初冬の古都東山の名刹「泉涌寺」を訪れた。紅葉が散り始め、
歩む足元の地面は、満面、紅葉の絨毯である。この季節ならではの趣で
ある。
京都の観光情報サイトによると、この時期は、内外の観光客で人垣が
できる という。比較的少ないという予測の月曜日で、小雨模様の2日を、
わざわざ選 んで出かけて来た。まさに正解だった。人はまばらで 東山
山麓の散りゆく紅葉を堪能した。
初時雨これより心定まりぬ 高浜虚子
●泉涌寺は、古都京都東山七條界隈では、東福寺、智積院が程近い
由緒ある 名刹である。流れるような雄大な屋根の瓦に、心惹かれる。
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