
■■■■■■■■■■■■有為転変■■■■■■■■■■■■
■「時代の変遷」
⚫️東京一極化による地方の人口減少が著しい。これにどう歯止めをか
けるか。政府は官民挙げて地方の活性化に取り組んできた。
・古里納税制度然り、
・高齢者の地方移住然り、
・地方創生然り、
特にコロナウィ^ルスを契機に、地方自治に力を入れる地方自治体首長
の存在が顕在化して来た。地方創生の足掛かりになればいい。
中でも、地方移住が台頭したのは、定年後を、住みやすい静かな田舎で
過ごしたいという高齢者が、増えてきたと言う。
⚫️今を去る20年前の2000年の事、
バブル後の定年者の増加と、その後に迫り来る団塊世代700万人の大量
一斉定年退職問題(俗に2007年問題)が、時の大きな社会問題として
台頭し 話題を集めていた。
おりしも日本政府は、欧州先進のコロンビア計画と言う海外移住ロング
ステイプロジェクトを導入、わざわざロングステイ推進財団まで立上げ
その推進を図る事にした。
バブルがはじけて、希望を失いがちな定年退職者に、予後の生活設計の
希望を与えるという目論見があったという。考えてみると今しがたの
コロナ後の地方創生のための地方移住計画とよく似た構図である。
●その5年後には、団塊世代700万人が一斉に退職するという2007年
問題が、様々な業界に大きなインパクトを与えた。
退職金総額たるや極めて膨大、それを狙う証券や金融業界も動き始めた。
シニアのリカレントの学校の高齢者大学校も相次いで開校した。
台頭著しい準先進国の中国や韓国の先進企業が、日本の人材会社を抱き
込み、有能な団塊定年技能者を狙い撃ちして、能力と経験を家族ぐるみ
高額で再雇用するという話が,誠しやかに伝わって来たものだ。
2007年問題から既に13年経過したが、当時世界GDP第3位の中国は、
その後またたくまに先進第2位の日本を大きく抜き去り、世界の工場と
して君臨している。それを見るにつけ、どうもそれが事実だったような
気がしてならない。
識者の話では、再雇用した団塊世代退職者を通じて 在職企業のノウハウ
が大量に海外に流出した恐れがあるという。日本で培った定年者の経験
と頭脳と希望を丸ごとセットで買い上げる その度量たるや大陸中国の
凄さというか、当時の日本にはない発想だった。
●話を本論に戻したい。
丁度20年前の2000年、大量に定年を迎えるシニアのための施策と
して台頭したのが、海外ロングステイプロジェクトだったが、それに
いち早く呼応したのがタイ商務省の古都チェンマイ、ロングスティ計画
だった。
新たにできたNPO法に則りNPO日タイ国際交流推進機構(JTIRO)が
産声をあげ、タイ商務省と連携して本格的ににチェンマイ、ロングステ
ィプロジェクトがスタートを切った。
当時既にロングスティを先行していたカナダ、豪州、ハワイなどは平均
5千万円から7千万円という高額のデポジットを条件に、日本の富裕層
にアプローチしていた。
一方タイ国の場合、都会派の日本の定年者ならば、一度はトライできる
ようにと、タイ政府は約80万バーツ(約250万円の現地預金)という
破格のデポジットで長期滞在の査証を出す事にした。世界の観光先進国
の中で、どこよりも安いタイ政府の計らいは,今も続いている。
●そして華々しく幕を開けたタイ・ロングスティは、予測通り多く
の関心を集めた。2000年のチェンマイ,ロングスティセミナーは、
いつも満員御礼。続くタイ下見ツアーは常時満席が続いた。
途中、2006年の政権クーデターや、2011年の大水害に見舞われたが、
ご存知のように0からスタートして、2010年には3000人という、
異例の好スコアーを記録した。
■「海外ロングスティの黄昏」
●その発展の経緯は、JTIROのブログでも縷々伝えてきたが、その10年
間の世界情勢や国際的な移り替わる経済動向は、海外ロングステイの
国際環境を否応なく変えていった。
なかでも タイ国の経済発展に伴う中進国化は、タイの生活環境を大きく
変えた。例えば20年前の当時1B(バーツ)4000円の兌換が、いまは,
2800円というタイ通貨の高騰による生活費の上昇は、年金ロングス
ティヤーの家計を不安に陥れて行った。
●最近、日本政府の「海外在留邦人数調査統計2020」が発表された。
■「チェンマイロングステイの近況(長期滞在統計)
(年次) (チェンマイ) (伸率)
平成25年(2013) 3920人 1,4%
平成26年(2014) 3843 -2,0
平成27年(2015) 3733 -2,9
平成28年(2016) 3318 -11,1
平成29年(2017) 3221 -2, 9
令和01年(2018) 3086 -3 2 ●
●タイの軍事クーデターの2014年以降、連続して退潮傾向が深まり、
遂にトレンドの終焉が見えてきた感じである。
そして当初60歳のロングスティやーは、いま 80歳を超えるという
高齢化問題に直面。新規参加者はなく、毎年急激な減少が続いている。
残念ながらシニアの海外ロングスティのトレンドは、遂に終焉したと
いう状況になった。JTIROも2015年にやむなく活動を停止した。
■「地方移住」
●海外長期滞在に代わる日本政府の新しいプロジェクトが「地方創生」
と「地方移住」という事になる。
政府の立場からすると、景気浮揚、産業振興、経済発展、人口政策が、
政策推進の命題であり、新しい需要の動向を探りながら、プロジェクト
のスクラップ&ビルドを進める立場にある事が明確になって来た。
一見、竜頭蛇尾に見える「海外長期滞在ロングスティ」だが、有為転変
して新たな「地方移住」や国際交流の推進に大きく寄与できたとすれば、
これほど嬉しいことはない。
プロジェクトは政府が仕掛け、それを民間が主導実行する。ただいつも
上手くいくとは限らない。経済環境にもよるし、時としてアクシデント
に見舞われる事もある。運と考えるしかあるまい。
しかし留まる事をしない前向きの行動力が、何時しか有為変転につなが
って行く事は確かだ。
(提供 京阪電車)
■「文月の歳時記」
●季句 世の中の重荷おろして昼寝かな 子規
大の字に寝て涼しさよ淋しさよ 一茶
夏草や兵どもがゆめの跡 芭蕉
●季節 夏の色、夏の夕、炎ゆ、涼し、夏深し、三伏、夏の暁、朝凪
●時候 夏生(1日)小暑(7日)梅雨明け、大暑(22日) 晩夏
●祭事 独立祭(4日)パリ祭(14日)海の記念日(20日)
鬼灯市(9日浅草) 朝顔市(7日) 黒船祭(14日九里浜)
祇園会(1日京都) 天神祭(中止) 吉祭(17日30~01日大阪)
●催事 七夕祭、お中元、サマーセール、夏休み
●風物 納涼、川床、露台、団扇、走馬灯、打ち水
●味覚 柏餅、冷汁、冷奴、瓜漬、茄子漬、、葛水、鮎、
●花木 マロニエ、白丁花、百日紅、紫陽花、牡丹、余花、合歓の花
●挨拶 盛夏の候、猛暑の候、書中お見舞い
●古文 「毎日毎日が、ことのほか暑く候」
■「日本と世界の行事」
●01日 プラスチック製レジ袋の有料義務化
●01日 祇園祭 博多祇園山笠
●01日 メキシコ大統領選挙
●01日 半夏生
●02日 日銀短観
●02日 ウインブルドンテニス選手権(ロンドン)
●05日 東京都知事選投開票
●07日 小暑 七夕
●13日 米国民主党全国大会(ウィスコンシン州ミルウオーキー)
●15日 お盆(旧暦)(セントジョンズ)
●16日 ゴルフ全英オープン
●18日 G20財務相中央銀行総裁会議(サウジアラビア)
●21日 土用の丑の日
●22日 大暑
●23日 海の日(祝日)
●24日 スポーツの日(祝日)
●27日 鹿児島県知事任期満了
■「タイの行事」■
●ろうそく祭り (ウボンラチャタニー県)
●16日 三宝節(全国) 仏教の休日。
●17日 入安居(全国) 雨季が始まる時期,僧侶が修業に入る日、
●28日 ワチャラーロンコーン国王誕生日
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