試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3500形3543[3544F-1] 更新車 現行仕様 黒色窓枠補修,クーラーキセ入替,動力ユニット搭載 ※TOMYTEC製

2018-06-26 22:15:30 | 京成線:3500形
中核。

第二次整備のためTOMYTEC製京成3500形3543更新車(3544F)が入場した。
3532F更新車現行仕様(3532F-1)は4Tでの暫定出場だった。
従ってTOMYTEC製京成3500形更新車回着整備では初の動力ユニット搭載施工となる。


京成3500形3543 更新車(3544F)。

3544F更新車現行仕様(3544F-1)は3532F-1との2+4+2編成(3532F-2)が基本組成で言わば日陰の存在になる。
その代わり3544F-1抜きでは3532F-2が成立しない。
3543はその軸と言える存在で重要な役割を担う。
TM-06R動力ユニットはTOMYTEC製品で多数採用しており細工内容は定番化されていた。
非動力車は下廻りから整備を開始したが3543は車体関連からの着手となった。


入工中の3543。

3543も3544(3544F)とのクーラーキセ振替を施す。
上野寄1台目への設置が決まっていたため屋根板撤去後に該当するクーラーキセを取り外している。
他3台のクーラーキセはこれと言った塗装乱れも無く配置換えは行っていない。
3544から移設したクーラーキセは天面の濃灰色が目立っていた。
パンタグラフ最寄位置への設置で汚れに見える演出とし誤魔化そうと考えた。
ところが駄目元で濃灰色部を拭ったところ除去できてしまった。


明灰色に復したクーラーキセ。

どうやら各所に付着する粘着物質だった。
色温度が成形色に近く塗装乱れと早合点したらしい。
先に竣工させた3542更新車現行仕様(3544F-1)も同様に明灰色へと戻りクーラーキセの交換は余計な工程となった。
クーラーキセとTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフを固定し窓セルを撤去する。
側面窓セルの粘着物質が窓サッシに掛かっており黒色印刷の剥離は避けられない。
案の定透明の窓サッシに変わってしまいマッキーで補修を行った。


清掃と補修を行った側面窓セル。

3542での失策を反省し最初からマスキングテープで養生した後にモールド天面を塗り潰している。
その結果窓サッシモールド断面へのインク進出を生じさせる事無く黒色サッシへ復活した。
3543の黒色窓枠状況は3542ほど酷くなかった。
しかし車体断面を塗り潰す際に多発するマッキーのペン先詰まりは相変わらずだった。


車体断面の黒色化まで進めた側面窓。

それでも約20分程度で全窓枠の補修を終えられている。
苦戦した3542の後だけに所要時間の割には短く感じられた。
側面窓セルの装着は3532F-1と同様に行えた。
現在のところ3542だけが異端車になっている。
まだ3544,3541(3544F)の入場が控えており引き続き気を付けたい。


動力ユニット搭載に移る3543。

入場から約45分で車体関連の整備を終えた。
以降は手慣れたTOMYTEC製TM-06R動力ユニットへの加工となる。
TOMYTEC製京成3500形は輪心黒色化を行っているため動力台車にも細工が必要だった。
動力台車の輪心黒色化当初はギアボックスカバーの嵌合を緩め車輪の自由回転を可能にさせていた。
しかし今になってフライホイールへの操作で全軸の回転が行えると気付いている。
これまでは輪心黒色化完了後にギアの噛み合わせを確認するため駆動試験まで行っていた。
誠にご苦労なこの方式はTOMYTEC製京成200形モハ208更新車晩年仕様(206F元モハ206)でモーター撤去式に変更したばかりだった。
両方式ともフライホイール回転策採用を以て廃止される。


輪心が黒色化された動力台車(上野寄)。

FS-389動力台車枠は京成3500形未更新車3592F現行色(6次車)と同一形状である。
3592F現行色後期仕様(3592F-1),3592F現行色晩年仕様(3592F-2)の出場により2両分の予備品を有していた。
3543にはこの予備品を充当する。
失敗に備えた措置だったが欠損を招く事無く切り出しを終えた。
動力台車への嵌合はかなり固い。
かつては接着剤の併用を強いられる個体が多かったが改善が進んでいると思われる。
なおロアフレームのアーノルトカプラーマウントは側面見附を崩すため撤去した。


アーノルトカプラーマウントが切除されたFS-389動力台車(成田寄)。

床下機器部品は流用となる。
非動力車用台枠との相性が悪かった床下機器部品だが動力車用台枠にはしっかりと嵌まり込む。
念のため中央の取付脚基部へゴム系接着剤を塗布し固定化した。
最後にウエイトを黒色化する。
施工はプライマーでの下処理は施さずマッキーの直塗りである。
対擦過性には劣るものの外観からその存在を薄めるのが名目であり簡易措置に留めている。


完成した3543用動力ユニット (非動力車用台枠,TM-06R動力ユニット)。

ウエイトを装着し3543用動力ユニットが仕上がった。
3543の非動力車用台枠はTNカプラーSPが装着されたままでの捻出となった。
3552F更新車(3552F)のM1車へ転用し有効活用を図る。
これで3520F(2両口)+3552Fに組まれる3両のM1車は1両のみTNカプラーSP対応化を行うだけで構わなくなる。
3編成が同時回着した3500形更新車は珍しく本線系統用の3532F,3544Fから入場させた。
結果的に3520F(2両口)+3552Fの第一次整備を簡略化出来る見通しが立ち入場への壁は少しだけ下がったと言えよう。




3543更新車現行仕様(3544F-1:側面黒色窓枠補修施工,クーラーキセ入替,TM-06R動力ユニット搭載)。


3500形未更新車モハ3590現行色晩年仕様(3592F-2:TM-06R動力ユニット搭載車)。


1000形モハ1031後期仕様(1029F-5:TM-06R動力ユニット搭載車)。


200形モハ208更新車晩年仕様(206F:TM-05R動力ユニット搭載車)。

動力車化され3543更新車現行仕様(3544F-1)が竣工した。
ウエイトの黒色化は車内に埋没させる視覚効果を得た。
黒色窓枠も幸いし竣工済のTOMYTEC製動力車より演出力が増したように見える。
無事整備を終えた3543だったが重大な失策に気付いた。
3532F-2は[特急 成田空港]設定のため動力車位置偏位を嫌い3542へ動力ユニットを搭載させる計画だった。
施工を取り違えたが幸い床下機器配置は3543と3542で変わらない。
相互振替は容易であり3544F-1の出場までに交換を行う。

京成3500形3542[3544F-1] 更新車 現行仕様 黒色窓枠補修施工,クーラーキセ入替,走行部品組込 ※TOMYTEC製

2018-06-25 21:36:33 | 京成線:3500形
配列変更。

TOMIX製京成3500形3544F更新車(3544F)の現行仕様化(3544F-1)化に向け第二次整備へと移行した。
入場1両目は成田寄M1車の3542である。
3544(3544F)でクーラーキセの塗装乱れが発覚したため3542との相互振替が工程に付加される。


京成3500形3542 更新車(3544F)。

暫定出場した3532F更新車現行仕様(3532F-1)で第二次整備は床板関連からの着手が効率を高めると判った。
これに従い3542はTNカプラーSP化以外に手を加えていない下廻りから整備を開始する。
入場前にTT-04R走行部品(廃車発生品)の清掃及び輪心黒色化を行い手際良く進行出来る環境を整えた。
車体整備は3531,3530(3532F-1)での工程に準ずる。
各々の比重は黒色窓枠の補修を行う車体関連の方が高い。
大幅に施工内容が縮小された第一次整備だったが床下関連で残る項目はTOMYTEC製品での標準的な作業である。
アーノルトカプラーのままで打ち切る案も存在した。
プラスチック製車輪で存置した代わりにTNカプラーSP化を施したのは結果的に当たりだったと思う。


入工中の3542。

床下機器部品は3532F-1と同様で嵌合がかなり緩い部類に入る。
山側を背に台枠を縦置きしただけで海側の床下機器部品は取付脚の基部が露出するほど傾いてしまった。
特に主抵抗器はこの傾向が強く現れている。
もしかすると台枠用金型が痛み始めているのかもしれない。
床下機器部品は両端2点溶着を採用し垂直に補正した。
続いてウエイトをゴム系接着剤で固定し座席部品と台枠の一体化へ移行する。
第一次整備でTNカプラーSPを取り付けていたため台枠端部へ流し込み接着剤を投入する新方式を試行した。
この方法は両側の溶着を終える前に頓挫を余儀なくされた。
固定部が車端寄に移動したことで若干湾曲する座席部品を許容出来なくなったらしい。
上野寄の溶着後に成田寄へ手を着けた次の瞬間にはあっさりと座席部品が外れた。
即従来方式に戻し一体化を済ませた。


整備を終えた3542用床板一式。

FS-389非動力台車はアプローチアングルを確保するためアーノルトカプラーマウントの切除まで施していた。
そのためプラスチック製車輪から整備済の金属車輪へ交換するだけで全てが終了する。
わざわざFS-389非動力台車を取り外す手間も掛からず効率的に金属車輪化が行えた。
なお廃車発生品の金属車輪は3532F-1でも再用を図っており3544F-1との外観差は無いに等しい。
早々に床板関連の整備を終わらせ車体を分解する。
3544で交換対象となる3台のクーラーキセは先に撤去し相互振替に備えておいた。
ところが3542の1台にも同じ様な塗装乱れがあり配列を再考した。
最終的に3544から移設した1台と並べ成田寄2台へ集約させた。
入場前とは3台のクーラーキセ配置が変更される予想とは異なる動きを見せている。
なお捻出された無瑕疵のクーラーキセは即3544に取り付けた。


固定したTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフとクーラーキセ。

クーラーキセの入れ替え後に屋根板取付口周囲へ流し込み接着剤を投入する。
完全に固着するまでは抑え続けないと浮き上がってくる。
各台毎に溶着を進め屋根板に接するよう改善を図った。
嵌め込みだけで済ませていたTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフも同時に固定している。
破損させる機会の多いシングルアーム式パンタグラフのため3532F-1に引き続き木工用ボンドを採用した。
ここまでの進捗状況は至って順調だった。
しかし窓セル撤去後に暗転する。
3544Fは全車で側面窓部への粘着物質付着が見られた。
先に側面窓セルの清掃を進めたところ粘着物質と共に黒色窓サッシ印刷まで失ってしまった。


マッキー再現に変わった行先表示器下部中段サッシ。

マッキーで補修を試みたが窓サッシモールドの断面までインクが広がる事態を招いた。
側面窓部をマスキングテープで養生し爪楊枝でモールド断面のインクを除去している。
取り敢えずユニット窓の片側だけが再現の異なる窓サッシからは脱出できた。
他形式で窓サッシ印刷の補修を行っていたため多少甘く見ていた。
油性ペイントマーカーとマッキーではインクの張力に差がある事を失念しその落とし穴に嵌まっている。
復活した黒色窓サッシだが印刷再現とは表面仕上げに差が生じており仔細に見るとすぐに判る。
ただ引きでは誤魔化せる程度になったと思う。
マッキーの取扱いを誤った直後だけに黒色窓枠補修及び側面窓車体断面の黒色化は慎重に行った。
窓枠モールドは一気にペン先を走らせず上段→下段→中段の三区分に分けた。
上段,下段の優先は窓枠角部に塗料が行き渡っていない箇所が散見されたためである。
一組は全体がモールドから外れ腰板赤帯付近まで印刷がはみ出す始末だった。
塗装剥離は見送り新たに窓枠モールドを塗り潰している。


車体補修を終えた3542。

3542の車体断面は3532,3529(3532F-1)の仕上がりに近く何度もペン先が詰まってしまった。
思うように進まない塗り潰しに業を煮やし細字側の使用を見合わせ極細字側へ持ち替えている。
これによりペン先が詰まる回数は減った。
しかし極細字では塗布面積が限られ作業は極端に遅くなる。
全箇所の修正が完了したのは黒色化開始から約40分後であった。
窓サッシ印刷での失策が無ければこの方式は採らなかったと思う。
塗装状況に左右されるが次に入場予定の3543(3544F)では再び細字側へ戻したい。
補修を終えた車体に窓セルを取り付ける。
何故か3542の側面窓セルは嵌合が固かった。
装着は下作用式で3532F-1から変えていないが肝心の下段窓側が非常に嵌まり難い。
無理に取り付ける訳には行かず各戸袋吹寄部を挟み側面窓中段まで組み付けた。
その後側面窓セル下段窓内側の凸形モールドを押し込み車体へ復旧させている。
今後もこの様な事例が生じる可能性があると思う。
その際には3542の取付方式が役に立つだろう。




3542更新車現行仕様(3544F-1:側面黒色窓枠補修施工,クーラーキセ入替,金属車輪化)。

窓サッシの補修から流れが悪くなりそれを引き摺ったまま作業終了を迎えた。
3542の側面黒色窓枠は3532F-1より厄介な状態だった。
M1車,M2車に関わらず3544Fの窓枠補修は時間を割かれるものだと考えたい。
当初の計画より遅れたが3542は日を跨がずに竣工させられた。
これも第一次整備の工程見直しが良い方向に転じた結果だと思う。
まだ時間の貯金は残っており確実性を重視したい。

京成3500形3544F 更新車 回着 (誘導無線アンテナ取付,パンタグラフ換装,TNカプラーSP化) ※TOMYTEC製

2018-06-24 21:19:47 | 京成線:3500形
特急。

TOMYTEC製京成3500形3532F更新車現行仕様(3532F-1)は暫定出場で正式編成(3532F-2)が組めない。
一旦別形式の整備を挟もうと考えたが完成線には3532F-1と自作ステッカー褪色試験車を含めた6両が留置されている。
このままでは満線を迎えるのが明らかでTOMYTEC製京成3500形3544F更新車(3544F)の整備を選択した。


京成3500形3544F 更新車。
3544F:[3544]-[3543]-[3542]-[3541]。
※PT-7131形パンタグラフ換装編成。

TOMYTEC製3500形更新車は想定より施工項目が増えた。
第一次整備に時間を要した3532F更新車での結果を基に3544Fから工程を大幅に改める。
車両毎の瑕疵を発見した際には第二次整備に廻す。
金属車輪装着は取り止め誘導無線アンテナ取付,TOMYTEC製PT-7113-B形パンタグラフ換装,TNカプラーSP化に絞った。


車体から浮いていた屋根板(3541)。

M2車からの優先入場も見直し車両番号順に加工を進める。
先ず運転台側屋根板が車体に収まっていなかった3541から作業に取り掛かった。
屋根板は誘導無線アンテナ取付孔開口のため取り外す。
同時に屋根板の嵌合不具合確認を兼ねる事にした。
3544F付属の誘導無線アンテナは3532Fと同じく3組とされ1組を予備品に廻せる。
予備品は袋毎で管理した方が何かと都合が良い。
3532F-1の両ユニットに挟まれる3544F更新車現行仕様(3544F-1)では製品付属品の使用を見合わせた。


京成200形LOTを転用した誘導無線アンテナ(3541)。

3544にはTOMYTEC製200形206F更新車晩年仕様(206F)で使用されなかったモハ208(←元モハ206)の発生品を充てた。
誘導無線アンテナは共用部品と思われ3500形更新車から仕様が改められた雰囲気もない。
成形色,取付脚径も同一でLOTを気にせず取り付けている。
屋根板の装着は問題無く単なる組立不良であった。


運転台側もTNカプラーSP化した床板一式(3541)。

3532,3529(3532F-1)の第一次整備ではTNカプラーSP化とスカートの両立に不安を抱えていた。
各種試行の結果運転台側のTNカプラー化に結び付け加工の要点も抑えられた。
3544,3541は金属車輪装着の代わりにスカート及びTNカプラーSPの暫定加工を施す。
TNカプラーSPフレームのTOMIX製スカート取付台座は分解せずに切り落とした。
但し前面車体裾と支障させない措置だけは行っている。




3541 [■■■ 特急 成田空港]:誘導無線アンテナ取付,TNカプラーSP化。


3529 [■■■ 特急 成田空港]:3532F(第一次整備完了時)。

運転台側のTNカプラーSP化により3541は上々の前面見附となった。
しかし助士側窓上部には印刷乱れがあり運転台側アンチクライマーの3段目に欠けが見られる。
たまたま3532F-2では中間組込車になるため大事には至らない。
個体差でも一定までは許容できる塗装乱れに対し打痕は手の施しようが無くもう少し配慮が欲しい。




3541更新車(誘導無線アンテナ取付)。

平時は車体や窓セルの軽い清掃を行っている。
3544Fはそれさえも省略し先を急ぐ。
黒色窓枠修正や側面窓車体断面の黒色化施工で完全分解する機会が訪れるため不都合は無い。
なお全車とも側面窓セルに粘着物質の付着が見られる不可思議な状態であった。
3541のアンチクライマーと言い3544Fは外れを引いた模様である。


挿入だけ行ったTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ(3542)。

3532FのM1車は準備が間に合わなかったため固定式PT-71系パンタグラフのまま第一次整備を終えた。
TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフの発注数は3532F,3544F,3520F(2両口)+3552Fに合わせており換装が行える。
固定化は施さずただ差し込むのみに留めた。
装着時には軽いクリック感が得られ3531,3530(3532F-1)より嵌合精度は高い。




3542更新車(TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装)。

3542のクーラーキセは成田寄から2台目に印刷乱れと見誤るような付着物があった。
GMカラーの灰色9号での塗装が浮かんだが青帯塗装の塗料滓でありその必要は無くなっている。
M2車よりM1車の黒色窓枠処理が甘いのは3532Fと同様だった。
TOMYTEC製3500形更新車に於ける癖かもしれない。


TNカプラーSPに干渉するアーノルトカプラーマウント(3543)。

FS-389,FS-089非動力台車のアーノルトカプラーマウント切除は平刃からニッパーへ再変更した。
プラスチック製車輪を取り外す手間を省くためかつての方式に戻したが仕上がりは殆ど変わらない。
特にFS-389非動力台車は3500形未更新車3592F現行色(6次車)の発生品があり余裕を持って作業に当たれた。
アーノルトカプラーマウントの切除はアプローチアングル確保が主名目である。
第二次整備に廻しても構わなかったがニッパーでの切断に改めたため同時に施工した。




3543更新車(TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装)。

最終入場車の3544は搭載するクーラーキセ天面に塗装乱れがあった。
4台中3台が外れで設置順変更では対応できない。
先ず2台は3543,3542のパンタグラフ側との交換が決定した。
最後の1台は成田寄に配置しどうにか誤魔化す方向である。
ここは先に3532F-1のクーラーキセを全て溶着した事が裏目に出てしまった。
個体差にも拠るが3520F(2両口)+3552Fとの振替も考えている。


交換を検討している塗装の乱れたクーラーキセ(3544)。

3544も運転台側のTNカプラーSP化を施した。
TOMIX製スカート取付台座の切除は3541より退化しスカートが想定位置に決まってない。
そのため枕木方向にずれが生じた。
しかしこの状況でも車体との嵌合は行えた。
TNカプラーSPフレームへの加工は線路方向の整形が重要だと判明している。
第二次整備では3541と共に分解しフレームの再修正を行う。


台枠取付脚が収まっていないスカート(3544)。

行先方向幕は3532Fと変わらず[成田空港]表示が圧縮されていた。
前面窓セルに頼る行先表示器窓の寸法都合によりこの印刷再現が限界だったと思われる。
既に変更してしまったが3500形未更新車では前面種別・行先方向幕への違和感は持たなかった。
何かしら手を打てたはずであり惜しまれる。




3544 [■■■ 特急 成田空港]:誘導無線アンテナ取付,TNカプラーSP化。


モハ3592 [■■■ 普通 普通 高砂]:3592F未更新車現行色(製品原形)。

また製品付属シールには色地[特急]種別幕,[成田空港]幕とも含まれていない。
原則的に[特急]若しくは[成田空港]を選択する際には製品印刷へ頼る仕様と言える。
種別幕はともかく付属シールの行先方向幕は印刷表示より天地が確保され圧縮表示にはならない。
個体差のあるTOMYTEC製品だけに製品印刷を補える付属シールの内容にした方が良いと思う。




3544更新車(誘導無線アンテナ取付)。

3544の誘導無線アンテナは3532Fの整備で使用されなかった予備品を搭載させた。
200形LOT誘導無線アンテナを採用した3541と全く外観差が無く転用による影響は見られない。
まだ2000形クハ2003更新車晩年仕様(206F←元モハ207)の発生品が残っており3520F(2両口)+3552Fへ充当できる。
しかし3532F,3544Fの誘導無線アンテナはM2車が3両となる3520F(2両口)+3552Fと共通化しただけかもしれない。
付属品検品時には判明するため3組であれば製品付属品を用いたい。


3541+3544 (200形LOT誘導無線アンテナ装着車+3500形更新車LOT誘導無線アンテナ装着車)。

簡略化の効果で3544Fの第一次整備は順調に進められた。
その代わり第二次整備の工程数は増える。
しかし時間を要する作業が重なるため大きな遅延には繋がらないと考えている。
新たな試行要素も無く3532F-1との施工差は3542に動力ユニットを搭載させる程度である。
従って3542の台枠は余剰となるが3520F(2両口)+3552Fへの転用が前提で無駄にはならない。




3544F (第一次整備完了)。

3544Fは3544,3541の運転台側TNカプラーSP化まで行ったためダミーカプラーが廃された。
ここは3532F-1での小細工が物を言った。
まだスカートの調整には手を着けていない状態ながらも十分な前面見附に至ったと思う。
富士川車輌工業製行先方向幕,グリーンマックス製3150形用運行番号表示器ステッカーの貼付は検討中である。
前面への各種施工も何処まで進めるか決まっていない。
3532F-2は2+4+2編成で中間組込車となる3544,3541をどの程度まで仕上げて良いか迷いがある。
第二次整備の進行次第では現状のまま竣工も有り得るだろう。




3544+3543 (TNカプラーSP化,TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装)。

全車TNカプラーSP化により3544Fは完成線への留置が実現した。
4両が入場待ちの状態だが空線は1線2両分しか残っていない。
ひとまず3544F-1の出場に全力を注ぐ。
ただ焦るつもりは全く無く第一次整備で生み出せた時間を有効に配分したい。

京成3500形3532F 更新車 現行仕様 PT-7131形パンタグラフ換装編成 (4両編成:暫定出場) ※TOMYTEC製

2018-06-23 21:35:32 | 京成線:3500形
主役。

TOMYTEC製京成3500形3532F更新車現行仕様(3532F-1)を4両編成で暫定出場させた。
行先表示類は[A01 特急 成田空港]で本線系統向けである。
京成線の[特急]運用は4両編成はおろか6両編成でさえ2006年12月のダイヤ改正を以て消滅している。




京成3500形3532F 更新車 現行仕様。
3532F-1:[3532]-[3531]-[3530]-[3529]。
※PT-7131形パンタグラフ換装編成:自走不能。

3532F-1は動力ユニットを搭載させず4Tでの仮出場となった。
自走が出来ず3544F更新車現行仕様(3544F-1)が出場するまで完成線に留置される。
正式組成は3532F-1の両ユニットで3544F-1を挟む2+4+2編成(3532F-2)とする予定である。
従って3532,3529は3544F-1の出場後も3532F-2で両先頭を締める。
編成の顔とも言える存在であり3544F更新車(3544F)より3532F更新車(3532F)の先行入場を選択している。


4両全車で見られた銀色塗装が露出する側面窓枠(3530)。

第二次整備は黒色窓枠及び側面窓車体断面の黒色化が3531の結果を経た後に本工程に格上げされ想定より時間を要した。
3500形3556F朱帯色後期仕様(3次車:3556F),3592F現行色後期仕様(6次車:3592F-1),3592F現行色晩年仕様(6次車:3592F-2)とは勝手が違った。
3500形未更新車は窓セルの撤去こそ手こずったものの車体断面の塗料滓除去を行っただけに等しい。
更新車とは異なりアルミ製窓枠再現のため成形色との差異が表面化せずTOMYTEC製品に於ける標準の整備に近かった。


窓枠との色温度差が少ない未更新車の車体断面(モハ3555:3556F)。

黒色窓枠及び車体断面はステンレス車体の銀色塗装と色温度差が大きく処理の甘さを隠せない。
マイクロエース製3500形更新車も3編成が在籍しており側面見附向上には拘りを持った。
3532F-1で敷居を高くしてしまった代償で3544F更新車の整備遅延は確定的になっている。
試行要素も多く集中力の維持が難しくなり一区切りを設けた。


3529 [A01 特急 成田空港]:運転台側TNカプラーSP取付,通過標識灯擬似点灯化,前面車体断面黒色化施工,運行番号表示器・行先方向幕貼付車。

第一次整備時の分解でM2車の運転台側はTNカプラーSP化に難航すると予想された。
よって整備はM1車を先行させたが前途の通り側面黒色窓枠の補修に加え車体断面の黒色化まで採り入れた。
35303531より塗装状態が悪く同一工程ながら神経を使った。
ユニット単位どころか2両単位での竣工にも繋がらず第一次整備の遅れを取り返せないまま終わった。
M2車の運転台側TNカプラーSP化は3529を試作車に充てている。
スカートは4点支持が幸いしダミーカプラー基部への2脚を撤去しても装着可能と判った。
但し2点支持では安定性が極端に劣るためゴム系接着剤で台枠への直接と固定した。


両立させたスカートとTNカプラーSP(3532)。

車体断面の黒色化は前面窓にも波及した。
入場前より引き締まった見附に改められ施工しただけの効果は得られたと考えている。
当初前面窓セルへの色挿しは予定しておらず急遽追加された工程となった。
M2車のうち3529だけは通過標識灯の擬似点灯化を施し[特急]運用に相当する外観とした。
試作品発表時から不安視していた行先表示類はステッカーの貼付で補えたと思う。
行先表示器は試験貼付を行った[泉岳寺 Sengakuji]幕で富士川車輌工業製ステッカーの採用が決定した。
製品印刷の[成田空港]幕は押し潰されたような見附で継続使用には気乗りしなかった。
そのため[成田空港]印刷の上に[成田空港]ステッカーを貼付する珍しい事例になっている。


止むを得ず表貼りを採用した運行番号表示器(3532)。

運行番号表示器は前面窓セル表面印刷の[■■■]表示が壁であった。
グリーンマックス製3150形用ステッカーの運行番号表示器に再現されている白枠を抜いた切り出しで凌いでいる。
表貼りの運行番号表示器は初採用で窓セルとの段差が心配されたもののフィルムタイプが味方し違和感無く落ち着いてくれた。
また製品仕様の[特急 成田空港]表示を受け継いだため側面種別・行先方向幕の基準幕化を見合わせた。
全車の側面行先表示器に表示がなされている編成も初となった。


3592F-2,3532F-1 (未更新車,更新車:TOMYTEC製)。

同じTOMYTEC製の3556F,3592F-1,3592F-2ではM2車へ車体不等沈下対策を施している。
貫通扉と台枠及びTNカプラーSPカバーが競合してしまい運転台側から連結面側へ向け傾斜が生じた。
支障するTNカプラーSPカバーと台枠を切除し線路方向との角度を平行に近付けた。
施工当時はTOMYTEC製京成3500形更新車がリリースされるとは全く想像できなかった。
先走った細工は裏目に出た可能性が否定できずM2車の全高差確認も3532F-1を仮出場させた一因である。
幸いにして心配は杞憂に終わった。
3592(3592F-2)と3532の車体高差は殆ど無く未更新車への車体不等沈下対策は正解だった。


3525 [A23 快速 宗吾参道]:3520F-2(マイクロエース製)。

在籍する3500形未更新車は前面窓セルの[■■■]印刷を消去し運行番号表示器を内側掲示に改めていた。
3532F-1でも追随したいところだったが前面窓セル上下に黒色印刷が施されている仕様を前に断念した。
そのため内側掲示の3592とは視認性に大きな違いが見られる。
マイクロエース製3500形更新車も点灯式運行番号表示器を最大限に活かすためプリズムケースへの直貼りを採用している。
TOMYTEC製3500形更新車だけの独自表示方式になってしまったが現状では致し方ない。


3532F-1サイドビュー(3529)。


3592F-2サイドビュー(モハ3589)。

3500形の更新修繕は車体改修以外にM2車の台車振替が行われた。
運転台側台車は主電動機付のFS-389に変更され未更新車のFS-089とは印象を異にする。
3連ユニット窓から2連ユニット窓に変更された車体にはFS-389の方が相応しく思える。
但し連結面側は両抱式ブレーキのFS-089でありユニット間はFS-389とFS-089が並ぶ形態となった。
輪心黒色化はTOMYTEC製3500形グループに於ける共通施工項目にしている。
3532F-1には廃車発生品を充当したが光輝面積の縮小により3592F-2との経年差は抑えられたと思う。

第一次整備から躓いた3532F-1は各種施工項目の追加により作業遅延が拡大し続けた。
その代わり第二次整備の工程順は大枠が決定し以後の標準となる。
3544Fの第一次整備は欲張らずに簡略化する。
ただ綱渡りの作業が続くため3500形更新車を連続入場させるべきか考えたい。

京成3500形3532[3532F-1] 更新車 現行仕様 運転台側TNカプラーSP化,運行番号・行先方向幕貼付 ※TOMYTEC製

2018-06-22 21:20:19 | 京成線:3500形
半数。

TOMYTEC製京成3500形3532F更新車(3532F)の第二次整備最終入場車は3532となった。
上野寄M2車である3529更新車現行仕様(3532F-1)は試行錯誤を繰り返し竣工した。
M2車の基本工程は決定したが進行順を模索しながらの作業となる。


京成3500形3532 更新車(3532F)。

計画に狂いが生じた3532Fの第一次整備だったがM2車は施工内容が深かった。
3532も床板関連は金属車輪化及び輪心黒色化まで終えている。
よって運転台側TNカプラーSP化が独自項目となった。
それ以外の第二次整備内容はTOMYTEC製品で共通化が図られた工程である。
スカートへの小細工が必要な運転台側TNカプラーSP化を先行させ車体関連項目は後に廻した。


入工中の3532。

3532の床下機器部品は3532Fで最も安定していた。
しかし嵌合精度が高いとは言えず固定化は欠かせない。
3500形M2車は上野寄,成田寄の床下機器を反転させただけである。
2脚嵌合部品の多用は3529と変わらず当該品は2点溶着とした。
座席部品と台枠の一体化施工前にダミーカプラーとスカートを撤去している。
これにより運転台側もダミーカプラー取付孔からの流し込み接着剤投入が可能になった。
但し座席部品が台枠の筒形成形部を覆いきれていないため前面側からも追加投入し溶着させた。


一体化された3532用座席部品と台枠。

早くも運転台側TNカプラーSP化に取り掛かる。
フレームのTOMIX製スカート用取付台座はニッパーで切除した後にクラフトナイフで断面を均す。
この箇所はフレームの剛性に関わる部分であり破断には十分な注意を払った。
整形が甘くなるとスカートを押し出してしまうため最後は刃先を滑らせ不要な部分を削り取っている。


完成したTOMYTEC製京成3500形更新車用TNカプラーSP。

スカートの措置は3529と同様にした。
嵌合爪を兼ねた縦桟はニッパーを斜めに入れスカート上部から切除部が見えない形状に仕上げる。
スカート裏面は嵌合爪の基部を存置し剛性確保を狙う3529と同一仕様を採り入れた。
並行して台枠嵌合脚前面側を車体裾に埋没させるためマッキーで塗り潰した。


スカート裏面に残る嵌合脚モールド。

細工した運転台側用TNカプラーSPを台枠に取り付けスカートとの競合を確認する。
3529での考証は正しかった模様でスカートはTNカプラーSPと干渉せず想定位置まで押し込めた。
角度も垂直に近く不都合は見られない。
このままゴム系接着剤でスカートを固定した。
塗布箇所は車体装着時の負荷を考えスカート取付脚と台枠が接する部分だけに留めた。


ゴム系接着剤で固定したスカート。

スカート固定後に前面車体裾がスカート取付脚を避けられるか試験装着を行った。
結果は良好で着脱に支障は無い。
入場予定の3544F,3520F(2両口)+3552Fでも床板関連から手を着けた方が無難だと思える。
両編成では都合5両のM2車が控えており3532で大まかな工程順を定められたのは大きい。
床板関連の整備を終え車体の分解に移る。
窓セルの取り外しはあっと言う間に完了した。
今後分解に戸惑う機会は確実に減るだろう。


窓セルを撤去した3532。

前面窓セルへの色挿しは3529とは異なる。
当面行先表示類を[特急 成田空港]で固定するため通過標識灯の擬似点灯化は行わない。
そのため通過標識灯レンズに塗料を触れさせないよう注意が必要となった。
念のためマスキングテープで養生し前面窓セルの色挿しを進めた。
通過標識灯以外は3529に揃えた。
行先表示器へ富士川車輌工業製ステッカーの貼付は可能と判っていたが敢えて青マッキーで塗り潰している。
これはステッカーの切り出しに失敗した際の救済策であり3529での施工とは意味合いが変わった。




小細工を終えた前面窓セル及び貫通扉。

3532の貫通扉赤帯は一部が欠け銀色塗装が目立っていた。
嫌でも目に入ってくる箇所のため赤マッキーで補修している。
塗装再現の赤帯とは色温度が異なるものの銀色塗装が残るよりはましだと思う。
各社京成形式の帯色補修には赤マッキー及び青マッキーを用いており3532でも踏襲した。
側面窓セルの清掃を済ませ車体断面の黒色化に突入する。
作業の流れから前面窓から塗り潰しに取り掛かった。
3529と同じ様に前面窓枠の黒色塗装には波打ちが生じていた。
先に爪楊枝で塗料を剥離しマッキーへ持ち替える。
窓枠モールドを黒色化した後に車体断面を塗り潰した。
3500形更新車は窓Rが緩くグリーンマックス製3400形,3700形の断面黒色化より施工し易かった。


車体断面が黒色化された前面。

側面窓枠は先ず爪楊枝と綿棒で清掃を行っている。
3529でマッキーのペン先が詰まったため平滑化を施したが全く効果を得られずに終わった。
ペン先の詰まりは定着度の低い車体断面の黒色塗料が原因だった。
窓枠モールドは何事も起きずに措置を施せた。
ところが車体断面へ移った途端に発症している。
3531,3530は窓枠モールドの塗装が甘かった一方で3532,3529は車体断面に塗り残しが多く見られた。
爪楊枝や綿棒では黒色塗料が取り除けず再び度重なるペン先の詰まりに悩まされた。
そこで黒色化を一断面毎に区分しその都度詰まりを解消させた。
これは今後の入場車でも採用する方向である。


引き立つ側面黒色窓枠。

3529では整備終盤まで運行番号表示器に使用するステッカーの選択に迷いがあった。
グリーンマックス製3150形用ステッカーの転用に決定したが行先表示類の貼付は最後に廻している。
しかし行先方向幕,運行番号表示器ステッカーは表貼りで前面窓セルの不安定さが微調整を難しくさせた。
前面窓セルを支持するには屋根板装着前が理に適っている。
そこで工程順を変更し車体への窓セル復旧後に行先表示類の整備を前倒しした。


ステッカーの貼付を終えた3532。

富士川車輌工業製行先方向幕の切り出しは失敗し若干狭幅になってしまった。
ただ前面窓セル行先表示器部周辺を青色化していた。
これが幸いし何とか見られる状態で留まったと思える。
グリーンマックス製運行番号表示器ステッカーは[■■■]印刷を完全に隠してしまう。
M2車での貼付誤差を最小限にするべく貫通幌座上部の水切りを基準に定めている。


車体裾との平行が保たれたスカート。

最終工程は誘導無線アンテナの再溶着となった。
第一次整備に固定化を施したが溶着度が低く傾きが生じた。
屋根板の装着後に垂直を保持しながら取付脚表面を流し込み接着剤で浸した。
傾斜が再発しないようしばらく誘導無線アンテナを押さえ続けた。
完全溶着は折損時の対処が厳しくなるため採り入れていない。
床板を車体に嵌合させ3532の全工程が終了した。
スカートは垂直に嵌まり車体裾との隙間は見られない。
ゴム系接着剤の塗布を台枠側に絞ったのは良い判断だったと思う。




3532 [A01 特急 成田空港]:運転台側TNカプラーSP化,運行番号・行先方向幕貼付。


3529 [A01 特急 成田空港]:3532F-1(通過標識灯擬似点灯化施工車)。

前面見附は行先方向幕へのステッカー貼付が効果的である。
TOMYTEC製3500形更新車は行先表示器窓セルの位置都合により天地が低く見える弱点があった。
これに圧縮された印刷済の[成田空港]幕が拍車を掛けた。
何れも富士川車輌工業製ステッカーで補えバランスの悪さが改善されている。
なお完成直後は行先表示器窓セルを車体前面に合わせていた。
記録を確認すると種別表示器との差が大きく感じられ従前の位置に戻した。
3532の通過標識灯レンズは原形のままである。
擬似点灯化を図った3529だが3532と比較して何となく判る程度の差しかないように映る。
点灯機構を持たない以上再現には限界があり俯瞰で手に取れる違いが演出できれば十分だろう。


3529+3532 (運転台側TNカプラーSP化)。

スカートの固定方式が異なっていた3529はスカートを押し込み車体裾に揃えた。
一応3532とはほぼ同一のスカート角度に見える。
但しゴム系接着剤を台枠嵌合脚の両面に塗布しており再び隙間が生じるかもしれない。
3532のスカート固定は3529より簡略化した。
再発した場合には仕様を揃える事になるが修正は容易だと思う。




3532更新車現行仕様(3532F-1:側面黒色窓枠補修,床板一体化)。

3532Fの第二次整備は3532更新車現行仕様(3532F-1)の竣工を以て完了となった。
黒色窓枠補修等の細かい作業が続きようやく出揃った感が強い。
但し4Tの3532Fは自走出来ない。
再び同じ作業を3544F更新車で繰り返す。
ひとまず3532F-1を仮出場させ一呼吸を置きたい。

京成3500形3529[3532F-1] 更新車 現行仕様 運行番号・行先方向幕貼付,通過標識灯疑似点灯化施工 ※TOMYTEC製

2018-06-21 21:21:21 | 京成線:3500形
結実。

TOMYTEC製京成3500形3529更新車(3532F)の運転台側TNカプラーSP化は一応結果に結び付いた。
しかし座席部品と台枠の一体化施工でスカート角度が変わる可能性がありまだ安心は出来ない。
更に車体関連では運行番号表示器の再現と行先方向幕の取扱いに悩んでいた。


京成3500形3529 更新車(3532F)。

TOMYTEC製品は前面窓セルの各種再現が表面側になされている形式が多い。
3500形更新車も同様で運行番号表示器の[■■■]表示は痛かった。
失敗もあったがTOMYTEC製3500形未更新車では薄め液で運行番号表示器を除去し内側掲示へ改めている。
3532Fでも同様の措置を採れない事はない。
しかし助士側窓上部の黒色印刷は3500形未更新車に比べ存在感が強く失いたくなかった。
付属のシールは厚みがある上に桁毎へ表貼りを行う方式である。
凹凸が目立つ運行番号表示器を採用する気にはなれず作業を進めながら対応策を探る。


入工中の3529。

3529の側面黒色窓枠はまずまずの塗装状態だった。
しかし3532F全車では側面窓枠の車体断面黒色化が決定している。
前面窓セルにも細工を施すため分解は必要条件になっていた。
M2車の分解は初となるがM1車と基本構造に変わりは無い。
上野寄車体妻板側の側面窓セル押えから撤去を開始し5分程度で分解を終えている。
前面窓セルの構造は3500形未更新車に近い。


窓セルを撤去した3529。

貫通扉は別部品化され前面窓セルに嵌め込まれている。
裏面の嵌合を解き貫通扉を取り外した。
種別表示器は交換せず製品印刷の色地[特急]種別幕を流用する。
文字に滲みが見られ本来なら富士川車輌工業製ステッカーに改めたい状態だった。
しかし種別幕部を切除すると貫通扉の赤帯及び青帯塗装が甘く逆効果になると思えた。
表貼りも種別窓セルが種別表示器と面一に近いため適さない。
行先方向幕も流用される可能性が残っており例外的に製品印刷の色地[特急]種別幕を存置した。


流用される色地[特急]種別幕。

第一次整備時に引っ掛かった車体と前面窓セルの隙間から生じる透過対策は京成2000形クハ2003更新車晩年仕様(206F)に倣った。
モハ207(→クハ2003)の側扉窓Hゴム支持化は当初側扉窓セル周囲だけ黒色化を施すいんちき細工だった。
Hゴム支持再現には物足りなかったが透過を抑えられると判った。
黒色印刷部の断面をマッキーで塗り潰し出来るだけ光の道を塞ぐ。
表面,裏面共に黒色化した事で光源に透かせても漏光が大幅に抑えられたと確認できた。
最終的には屋根板で覆われるため十分な対策だと思える。
行先方向幕周囲はマイクロエース製3200形3264F新赤電色後期仕様(3264F)で採り入れられた青色処理を参考にした。
圧縮された[成田空港]幕は車体より奥に位置しているため富士川車輌工業製ステッカーの貼付を考えていた。
しかし行先表示器内にステッカーが収まるか確証が持てない。


各部に色挿しを施した前面窓セル。

3531,3530更新車現行仕様(3532F-1)の側面行先表示器は[成田空港]採用を前提に基準幕化が見送られている。
行先変更が消滅した代わりに前面行先方向幕が流用となった場合への備えが必要になった。
押し潰された[成田空港]幕は改善しようがない。
これを周囲への青色化で行先方向幕の天地が広がる錯覚効果に期待を寄せた。
第一次整備で不発に終わった通過標識灯の擬似点灯化はグリーンマックス製3150形運転台側付中間組込車と同一方式に変更する。
一度銀色の油性ペイントマーカーで通過標識灯レンズを塗り潰した後にオレンジ色の水性マッキーを被せた。


黒色化された前面窓車体断面。

側面黒色窓枠の修正前に前面窓枠を補修した。
更なる車体と前面窓セルの一体感を目指し前面窓車体断面も黒色化している。
この措置はグリーンマックス製3400形,3700形での改修が良い前例になってくれた。
前面窓セルと車体断面の厚みを隠すには有効な手段と思える。
3529への各種施工は過去に施した工程が集約されたものとなった。
なお前面窓枠の黒色塗装に一部はみ出しが見られた。
側面寄の波打ちが目立ったため爪楊枝で剥離している。


車体断面の塗装が粗い側面窓。

3529の黒色窓枠は許容できる範囲に収まっていた。
その代わり車体断面は濃灰色に近く一部で銀色塗装の露出が見られる状態だった。
加えて塗料滓の付着が多く全窓の清掃から着手した。
窓枠の補修は車体断面から開始している。
途中でマッキーのペン先が詰まりインクが出なくなってしまった。
断面の清掃はクロスで拭き上げただけで余り力は加えていない。
黒色塗装の定着が悪いと思われ3532(3532F)では清掃方法を見直す必要があると思う。
度々詰まるペン先に苦労しながら車体断面の塗り潰しを終えた。
窓枠モールドは滑りが良く短時間で補修が完了した。


窓枠車体断面が黒色に改められた3529。

車体の補修が完了し前面窓セルを組み付けた。
ここで富士川車輌工業製ステッカーが採用可能か試験を行う。
使用機会に恵まれない[泉岳寺 Sengakuji]幕だが行先方向幕の寸法確認で必ず登場する。
かなり以前に切り出したもので本来よりも天地が狭い。
ただ確認用途では十分機能してくれる。
その結果ステッカーの厚みを含めTOMYTEC製3500形に適合すると判明した。
これで圧縮された[成田空港]幕からの解放が確実になった。
但し切り出しに失敗しない事が条件となる。


行先表示器内に収まった富士川車輌工業製[泉岳寺 Sengakuji]幕。

行先方向幕ステッカーの貼付は剛性確保の見地から組立後に行う。
窓セルは3531,3530と同じく下作用式で装着した。
M2車でも窓セルの復旧は容易に進められた。
TOMYTEC製3500形更新車の窓セル着脱はM1車,M2車とも同一方式で構わないらしい。
まだ回着編成が待機する状況で苦戦すると思われた工程が無いと判明したのは大きな成果だった。
誘導無線アンテナの溶着は第一次整備で済ませており特に手を加える事無く車体へ嵌合させた。


大方の車体関連整備を終えた3529。

まだ運行番号表示器への対処が決まっていない。
先に床板関連の整備を進めながら考える。
床下機器部品は3500形更新車共通になりつつある嵌合の甘さを露呈していた。
M1車に引き続き両端2点溶着とする予定が成形都合により採用できなくなった。
全4ブロックのうち3ブロックは2脚嵌合式だった。
将来の台枠交換を考慮し2点溶着を推進してきたがここで断念に追い込まれる。
ただ3530で極度に安定性を欠いていた主抵抗器部品を3点溶着にしたため諦めがついた。
3脚嵌合の1ブロックを除き2点溶着で固定している。


6口に対し4口しか埋まっていない台枠床下機器部品取付口(山側)。

床板周りでは座席部品と台枠の一体化が最終工程となる。
スカートと車体の位置関係を守るため運転台側から溶着を始めた。
完全固定を待ち上野寄へ流し込み接着剤を投入する。
恐らく台枠には変形を生じさせていないと思われた。
但しスカートのぐらつきは全く変わっていない。
座席部品はスカートの押えになり得なかった。
そこでスカート取付脚の台枠嵌合部にゴム系接着剤を塗布し完全固定化した。


ゴム系接着剤で台枠と一体化したスカート。

固定位置は従前を踏襲し極力TNカプラーSPに近接させた。
座席部品と台枠の溶着で恐れていたのは再びスカートと前面車体裾の競合が発症する事だった。
スカートの固定化を図った後に試験装着を行った。
心配は杞憂に終わり無事収まっている。
この結果で運転台側TNカプラーSP化に手応えを得られた。
ただ試行錯誤を経て辿り着いたため作業進行に問題が残る。
未入場車の3532では先ず床板一体化を施した上でスカートの位置を定めるよう変更する。


車体に触れる事無く嵌合出来たスカート付台枠。

スカートの固定化時に運行番号表示の措置が決定した。
製品仕様により表貼りは止むを得ない。
最優先は前面窓セルとの凹凸を極力減らす事になった。
残念ながらラベルタイプの富士川車輌工業製ステッカーは候補から漏れている。
フィルムタイプはマイクロエース製各種形式用とグリーンマックス製京成3150形用が手元にある。
マイクロエース製ステッカーの運行番号表示器は各桁が透過している上に寸法も小さ目で有利に思えた。
しかし肝心な桁幅が合わず脱落した。
残ったグリーンマックス製京成3150形用ステッカーは運行番号表示器周囲の白枠が再現されている。
3500形更新車には不要であり白枠内側だけを切り出した。




3529 [A01 特急 成田空港]:運行番号・行先方向幕貼付,通過標識灯擬似点灯化。

行先方向幕は無事切り出しに成功した。
印刷再現から富士川車輌工業製[成田空港]幕に変更され表示の違和感が払拭された。
ステッカーの厚みが味方し種別表示器との差異は大幅に縮小されたと思える。
苦肉の策となったグリーンマックス製運行番号表示器ステッカー採用は吉と出た。
前面窓セルとの段差は殆ど感じ取れず上手く収まってくれている。
製品印刷の[■■■]表示は覚悟していた一方で非常に落胆した箇所でもあった。
在籍する京成3150形,3200形,3300形では自作運行番号表示器ステッカーを主力にしている。
そのためグリーンマックス製京成3150形用ステッカーの運行番号表示器には余裕があり3529への貼付に繋がった。
まだ未使用の運行番号が残り入場待ちの3544F,3520F(2両口)+3552Fにも対応出来ると思う。
レンズ表面への施工に改められた通過標識灯擬似点灯化はそれなりの効果を得られた。
奥まっているレンズ位置都合により記録では余り目立っていない。
但し光源角度で煌めく時があり結果には納得している。




3529更新車現行仕様(3532F-1:側面黒色窓枠補修,床板一体化施工)。

数々の課題を克服し3529更新車現行仕様(3532F-1)が竣工した。
側面窓車体断面の黒色化が効果的だったと思う。
窓枠に限れば状態は悪くなく3530での工程追加が無ければ外観変化に至らなかっただろう。
同時にM2車の第二次整備工程も確定した。
3532では如何に効率化を図るかが鍵となる。


3530+3529 (3532F-1:M1車+M2車)。

ユニットを組む3530とも外観が統一された。
床板一体化後も車体不等沈下は伺えず別途工程を組む必要は無いと思われる。
しかしTOMYTEC製品は個体差が大きい。
3532でも上手く行くとは限らないため着実に工程を進めたい。

京成3500形3529[3532F-1] 更新車 現行仕様 運転台側TNカプラーSP取付試行(スカート整形施工) ※TOMYTEC製

2018-06-20 21:22:23 | 京成線:3500形
両立。

TOMYTEC製3500形3532F更新車(3532F)の第二次整備は3532,3529が入場対象車で残る。
第一次整備ではスカートの取付構造だけ確認しTNカプラーSP化は連結面側のみとした。
運転台側はTNカプラーSPとスカートの組み合わせ方式に難航しそうだった。


京成3500形3529 更新車(3532F)。

その他にも側面黒色窓枠補修,前面窓セル透過対策,運行番号表示・行先方向幕ステッカー貼付等の作業が待ち受ける。
先ずは運転台側のTNカプラーSP化に集約する。
スカートの予備品は無く一発勝負にならざるを得ない。
失敗は命取りであり切り分けを行いながら作業を進める。


入工中の3529。

先発は成田寄M2車の3529とした。
3529は失敗した通過標識灯擬似点灯化に再挑戦する。
擬似点灯化施工は3529に限るため3532は次発となった。
床板を分離しスカートとダミーカプラーを取り外す。
スカートは台枠両端とダミーカプラー台座に頼る4点嵌合式である。
主軸は爪嵌合式のダミーカプラー台座に置かれ台枠支持は補助的な役割に留まる。
TNカプラーSPの取付にはダミーカプラー台座用嵌合爪を撤去しなければならない。
ダミーカプラー台座の嵌合が無い状態でどの程度の安定性を維持できるか確認を行った。


ダミーカプラーの撤去後に試験装着したスカート。

その結果一応台枠の2点嵌合でも装着は可能だった。
しかしぐらつきが激しい上に位置も定まらない。
3532は構造確認時にスカート関連部品を一度分解していた。
そのため本来のスカート取付位置が分からなくなってしまった。
急遽代打にマイクロエース製3500形3525更新車中期仕様(3520F-2)を持ち出した。
根本的にTOMYTEC製とはデフォルメ方向が異なるものの同一形式に変わりなく参考にはなる。
取り敢えず3525に近ければ構わない。


スカート位置確認中の3525,3529 (マイクロエース製,TOMYTEC製)。

3529は床板嵌合猶予が大きい。
台枠は上野寄車体妻板とTNカプラーSPのジャンパ連結器モールドが重なる位置に定めた。
スカートは枕木方向,線路方向共に可動範囲が生じるほど嵌合精度が低かった。
枕木方向の角度は取付時の調整で対応出来る。
先に線路方向の許容位置を探る。
その結果台枠に対し最も深く押し込んだ箇所が3525と類似になると判明した。
従って台枠への加工は不要となっている。
続いてTNカプラーSPフレームの取付部と支障代を確かめる。
その前に嵌合爪を兼ねるスカートの縦桟を切り落とした。
まだTNカプラーSPが組み込めるか判っていない。
何れ不自然な縦桟は撤去される運命にあり先に細工を行った。


縦桟を切除したスカート。

2本の縦桟はスカート下部裏面から一体成形で立ち上がっている。
スカートの剛性低下を防ぐためリブ状に残る裏面立ち上がり成形分は存置した。
上部をスラント状に整形し外観から切除痕が突き出さないよう一捻りを加えている。
灰色成形密着自動式TNカプラーSPも3532F回着までに間に合わず整備開始を遅らせる原因になった。
しかも発注量を抑えたため所要数しか持ち合わせがない。
スカートとの競合部確認で手を加えられる状況ではなかった。


天面成形が近似のTNカプラーマウントとTNカプラーSP。

代役には保管品のTNカプラーマウントを起用している。
構造の異なるTNカプラーだがマウントの成形はTNカプラーSPフレームに類似していた。
用途を失った部品でもあり容赦なく加工出来る。
先に大凡のスカート取付位置が絞り込めていた。
TNカプラーマウントとスカートを見比べ競合箇所を切り分ける。
唯でさえ安定性に欠けるスカートはこれ以上手を加えたくない。
自ずから細工対象はTNカプラーマウントになった。
少しずつ切除を進めたところTOMIX製スカート用取付台座を切除した形態に辿り着いた。


スカート取付脚を回避するTNカプラーマウント。

この形状はグリーンマックス製京成3400形,3700形の一部で採用しているスカート付SPフレームTNダミーカプラーに近い。
少しだけスカートとTNカプラーSPの両立に光が見えた。
次はスカート内にTNカプラー本体が収まるかが課題となった。
他形式ではスカート天地が狭くTNカプラーSPを装着出来なかった車両が存在した。
一旦スカートを撤去しTNカプラーマウントにフレームを取付ける。
TNカプラーSPとは若干の寸法差異が存在するがスカートに接触しなければ問題無いと思われた。


胴受を収められたスカート。

再度スカートを装着すると何処にも当たらずに嵌め込めた。
これでTNカプラーSPの加工に移行出来る。
試験用のTNカプラー部品は一定の役目を果たしお役御免となった。
前途の通りスカート付SPフレームTNダミーカプラーの形状とほぼ同一で手慣れた作業になると思われた。
何も注意を払わずTOMIX製スカート用取付台座をニッパーで切除している。
これが後の追加作業に繋がってしまった。


TOMIX製スカート用取付台座を撤去したTNカプラーSPフレーム。

整形したTNカプラーSPを取付けスカートを装着した。
一見では成功したように見える。
ところが車体との試験嵌合時にスカート取付脚の張り出しが前面車体裾に当たり組み込めなかった。
スカートの角度を変更しても支障は解消に至らない。
物理的に収まらない寸法だった模様で仕切り直しに迫られた。


スカートを微妙に押し出すTNカプラーSP。

原因を探るべくTNカプラーSPとスカートの接触部を確認した。
スカートを定位置まで押し込むと全体が前傾し取付脚が迫り出してしまう。
TOMIX製スカート用取付台座の成形はTNカプラーとTNカプラーSPで若干異なっていたらしい。
更にTNカプラーSPの整形も拙かった。
スカート付SPフレームTNダミーカプラーと同様にした切除方法だったが細密さが必要だった。
TNカプラーSPの取付脚側断面にはニッパーを起用した弊害でリブ状のようなものが残っている。
これがスカートを押し出す主要因だった。
僅かな張り出しが車体との嵌合を阻害するほどTNカプラーSPとスカートの余裕は無い。
クラフトナイフで抉り取るように再加工しスカートを取り付けた。


リブ状のようなものを廃したTNカプラーSP整形部。

床板単体ではスカートの前傾が生じなくなった。
スカート角度を保持したまま慎重に車体へ組み込む。
今度は前面車体裾をぎりぎりで回避し嵌合まで至った。
3500形M2車の運転台側TNカプラーSP化に大きく前進した瞬間でもあった。
まだ座席部品と台枠の溶着を行っておらず完成形とは言えない。
車体に組み込んでもスカート自体のぐらつきは残るため更なる細工が必要だと考えている。


黒色化した前面側スカート取付脚。

3532,3529共に第一次整備時で前面車体裾から覗く銀色塗装のスカート取付脚が気になっていた。
そもそも銀色塗装を採用した理由に苦しむが車体裾からはみ出す取付脚は違和感の基だった。
そこで取付脚前面側をマッキーで塗り潰す影絵手法を採用した。
更なるスカートへの追加加工を避け車体裾に埋没させる簡便な方式で留めている。


3529+3532 (TNカプラーSP交換車+ダミーカプラー装着車)。

ダミーカプラーで残る3532を持ち出し3529のスカート取付状況を確認した。
4点嵌合を維持する3532のスカートだが微妙な傾斜がある模様で車体裾との間に空間が生じている。
一度分解した影響かもしれないが3529と同様に見えた。
現状まで漕ぎ着けられれば十分だろう。
まだ線路方向,枕木方向のずれは抑え込めていない。
床板一体化後も車体との嵌合に影響が出なければ固定化も一つの手段だと思える。




3529 [■■■ 特急 成田空港]:運転台側TNカプラーSP化。


3525 [A23 快速 宗吾参道]:3520F-2(マイクロエース製)。

床板を仮嵌合させた状態ではダミーカプラーが廃され理想形に一歩近付いた。
3529のTNカプラーSP化はこのまま進められそうな予感がする。
床板一体化は全工程の最後を締める。
この床下見附を維持したまま竣工させられると期待したい。
なおスカート位置の参考用に登場した3525(マイクロエース製)とは共通項が生まれた一方で差も広がった。


3529+3528 (TOMYTEC製+マイクロエース製)。

運転台側TNカプラーSP化により連結器位置とスカートの間隔差が更に浮かび上がっている。
3500形未更新車に続く競作になったが両社のデフォルメ差は全く変わっていない。
スカートを有する3500形更新車はこの差異を強調させる結果に繋がっている。
但し双方での個性と言え優劣を付けるものではないだろう。

3529の運転台側TNカプラーSP化は一応成功した。
しかしその他の細かな対策を数多く抱えている。
何れも優先順位が付け難い工程と言える。
初施工となる前面窓セルの小細工から着手し3532の第二次整備に繋がるよう努めたい。

京成3500形3530[3532F-1] 更新車 現行仕様 PT-7113-B形パンタグラフ換装,側面黒色窓枠補修施工 ※TOMYTEC製

2018-06-19 21:59:47 | 京成線:3500形
底上。

TOMYTEC製京成3500形3531更新車現行仕様(3532F-1)の第二次整備は概ね製品固有の弱点を潰せたと思う。
当初は3530の事前補修扱いとしたが結果的に内容が深まり一定の基準点に達した。
黒色窓枠の修正は3531の施工結果を基にM2車(3532,3529:3532F)でも行う事にする。


京成3500形3530 更新車(3532F)。

3532Fの第二次整備入場2両目は成田寄M1車の3530である。
黒色窓枠の乱れは3531より目立ち各所で下地の銀色塗装が顔を覗かせている。
上記の通り3530の窓枠補修は予定を上回る工程に至り車体断面の黒色化まで施工した。
そのため3531を先発させた意味は薄くなっている。
代わりにほぼ同一施工で構わなくなった3530の第二次整備は3531と同様の態勢で着手出来た。


入工中の3530。

3530の第一次整備は4両で最も簡略化されていた。
未だにプラスチック製車輪を装着する状態で見劣りが激しい。
床下機器部品の嵌合精度はかなり悪く嵌め直しても台枠から取付脚が見える有り様だった。
工程は神経を使う窓枠補修から開始する。
その後は屋根板整備から床板関連へと渡る流れにした。
先ず窓セルの取り外しに取り掛かった。
3531で要領を掴めたニードルに頼る撤去方式とする。
窓セルの嵌合具合は3531と変わらない。
上野寄妻面窓セル押えを解いた後に成田寄車体側板と側面窓セルの間にニードルを挿入した。


効率の良い分解に貢献したニードル。

ニードルは極力妻面窓セル寄に差し込む。
徐々に侵入長を増すと太くなるニードル径に比例し側面窓セルが撓み始める。
針先が幕板上部に達する直前で側面窓セルが浮いた。
たまたま持ち合わせのニードルがセル同士の嵌合を解くのに適していたと言えよう。
両側面窓セルを撤去すると成田寄妻面窓セルは支えを失い自動的に脱落してくれる。
車体だけになった3530の窓枠補修に取り掛かった。


銀色塗装が露出する原形の側面窓枠。

黒色窓枠の塗装乱れは大半が窓枠モールドに黒色塗料が乗っていないためだと思われた。
先ずマッキーの細字側で窓枠モールドを塗り潰す。
それでも銀色塗装を隠しきれなかった。
窓枠モールドの黒色化施工によりある程度見付が整えられると考えていた。
よって銀色塗装の隠蔽不発は全くの予想外と言えた。
3530は車体断面への塗料吹き付けが足りなかった模様である。
窓枠モールドへの単独施工でも露出し続けた銀色塗装は車体断面の黒色化で全て消え去った。
M1車同士で異なる外観には至らず3531で窓枠の車体断面黒色化に踏み切った事が奏功している。


全窓枠の修正が完了した3530。

車体への装着前に側面窓セルを拭き上げた。
窓サッシ端部に塗料滓の様なものがこびり付いており組立後では除去が難しくなる。
謎の物質はクロスで上手く取り除けずゴム系接着剤巻取用の爪楊枝で削ぎ取った。
適度な硬度を保つゴム系接着剤はエアーダスターで吹き飛ばせない埃の除去に適していると思う。
セル表面を傷付ける事無く清掃が行えるため今後も登場機会があるだろう。
清掃は妻面窓セルも含めて施した。
霞の無い窓セルを車体へ戻す。
側面窓セルは3531に倣い車体幕板上部内側の嵌合爪部を合わせ下作用で嵌め込んでいる。


TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフを搭載した3530用屋根板。

3530もクーラーキセの浮きは押し込みだけで対処していた。
バリ取付が今ひとつのクーラーキセが1台存在したが3529(3532F)ほど酷くはなく措置は施していない。
搭載位置は成田寄から3台目で配置変更を行った3529と符合する。
妙な合致点になったため上野寄端部への移設は見送った。
2脚嵌合のクーラーキセは双方に流し込み接着剤を投入している。
溶着完了後は屋根板に反りが生じるものの組付に差し障り無い事は3531で証明されており気にしていない。
更に固定式PT-71系パンタグラフはTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフに交換した。
取付脚先端の木工用ボンド固定施工は3531と同様である。


3脚溶着で安定化を図った主抵抗器。

車体に屋根板を取付け車体関連の整備が完了した。
床板関連では不安定さが際立つ床下機器部品の溶着が最重要項目となった。
特に主抵抗器は傾斜どころか脱落にまで至る。
垂直を維持するのが難しく台枠外側に倒した後に流し込み接着剤を投入した。
僅かな時間で主抵抗器の位置を調整する。
一度固定された主抵抗器部品だったが2脚溶着では心許ない。
結局3脚溶着化し台枠へ完全固定した。
その他の床下機器部品は2脚溶着を採用している。


金属車輪化したFS-389非動力台車。

プラスチック製車輪のまま存置されたFS-389非動力台車は発生品で金属車輪化する。
クリーニングに時間を割かれたが3532,3531,3529と同等の輝きを取り戻している。
輪心黒色化も併せて行った。
何度か極細字側マッキーのペン先が引っ掛かったため余り状態は良くないと思われる。
近年のTT-03R,TT-04Rでは生じなかった現象で経年を感じさせる。
塗り斑を押さえるべくペン先は置くように捌いた。
仔細に見ると成形不良が浮かび上がるが車体に組み込むと全く判らなくなるため問題は無い。




3530更新車現行仕様(3532F-1:TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装,側面黒色窓枠補修施工,金属車輪化)。

3532Fで一番作業が進んでいなかった3530は面目を一新した。
黒色窓枠の補修結果も上々で入場前より引き締まった側面見附に変わったと思う。
輪心黒色化を施した金属車輪も独特の存在感を放つ。
いんちき黒染車輪まで進めればマイクロエース製3500形更新車との差異は更に縮まる。
しかし輪心黒色化だけでも軸箱が浮き立って見えるため今のところは現状維持としたい。




3531+3530 (3532F-1:黒色窓枠補修施工車)。

第一次整備完了の時点で既に3531と3530は外観差が生じていた。
更に3531の第二次整備を先行したため格差が広がり特に側面窓枠の仕上がりには大きな違いがあった。
今入場で両車の差異は解消されている。
なお上野寄腰板端部の塗装乱れは赤帯にだけマッキーを挿した。
車体成形から漣が立っておりこれ以上の修正は不可能だと思う。

3530更新車現行仕様(3532F-1)の竣工で3532FのM1車は整備に区切りが付いた。
残るM2車は各方面で課題を抱える。
その中でも運転台側のTNカプラーSP化は最重要項目である。
3532Fの後には3544F,3520F(2両口)+3552Fが入場を待っており解決の糸口を見つけ出したい。

京成3500形3531[3532F-1] 更新車 現行仕様 PT-7113-B形パンタグラフ換装,側面黒色窓枠補修施工 ※TOMYTEC製

2018-06-18 22:07:33 | 京成線:3500形
換装。

TOMYTEC製京成3500形3532F更新車(3532F)の第二次整備に取り掛かった。
ようやくTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフが届きM1車の入場に間に合ってくれた。
初入場車は計画通り上野寄M1車の3531とする。


京成3500形3531 更新車(3532F)。

第一次整備で3530(3532F)の側面黒色窓枠モールドに塗料が行き渡っていない箇所を多数発見した。
3531も万全とは言えず処理の甘さが散見される。
対処はグリーンマックス製3700形3728F旧後期仕様(3728F-1:休車中)で初採用したマッキーでの補修とする。
3728,3721(3728F-1)は前面黒色塗装に掠れが生じ一部に下地の銀色塗装が見える状態だった。
改修により窓枠は黒色へ戻り失策が基ながら前面車体断面黒色化まで深化した。
この補修は3400形全編成,3700形一部編成に波及し実績がある。
同じ銀色塗装へのマッキー塗布で十分な効果を得られると思えた。
しかしTOMYTEC製3500形更新車への施工は当然ながら初となる。
モールド厚等の感覚を掴むため3530より軽い症状で留まっていた3531を補修試行車に抜擢した。


入工中の3531。

窓枠の補修は側面窓セルを取り外して行う。
完全分解には屋根板を撤去する必要があった。
3532FのM1車は第一次整備時にクーラーキセの溶着が時間都合から省略されていた。
パンタグラフ換装にも手を着けられずほぼ製品原形に近い。
分解で最初に取り外すのは屋根板である。
先に屋根板関連の整備を進めた後に窓枠補修へ移る工程とした。
固定式のPT-71系パンタグラフは2脚嵌合式でありグリーンマックス製PT-71C形パンタグラフも採用できた。
しかしマイクロエース製3520F更新車現行仕様(←中期仕様:3520F-3)にTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフを用いていた。
3500形更新車での統一を図るためTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフの起用に拘っている。


TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフで置き換えられた固定式PT-71系パンタグラフ。

TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフでは4脚嵌合式に変わる。
装着時のクリック感こそ得られなかったが嵌合精度は比較的高い部類に入ると思う。
ただ何かと取扱いに苦慮しているシングルアーム式パンタグラフには不安が尽きない。
固定化した方が無難と思え屋根板裏面に突き出すパンタグラフ取付脚先端付近を木工用ボンドで固めた。
クーラーキセは一度撤去し再装着を行っている。
屋根板へ接するまで押し込み流し込み接着剤で溶着させる。
この際僅かに浮き上がる現象が生じしばらく圧を与え続けた。
パンタグラフ踏板,避雷器,ヒューズボックスはしっかり嵌まり込んでおり特に措置は施していない。


最初に嵌合を解いた側面窓セル押え(上野寄)。

いよいよ側面窓セルの撤去に入る
TOMYTEC製京成3500形3592F現行色(6次車),3556F朱帯色(3次車)では側面窓セルの撤去に難航し強引に作業を進めた。
嵌合の固さはTOMYTEC製京成200形更新車モハ206,モハ207にも引き継がれている。
モハ208更新車晩年仕様(206F)は中間組込車化に当たり運行番号表示器の消去を試行した。
力業での窓セルの取り外しは200形回着までに時間を要した経緯があり見合わせとなった。
その代わりニードルで側面窓セルを浮かせられると判明した。
現時点では安全な方法と言え3531でも採り入れている。
先ず上野寄車体妻板と側面窓セル押えの間にニードルを差し込み窓セル押えを撤去した。
次に成田寄車体側板端部と側面窓セルの隙間へニードルを立てる。
少しずつ挿入すると自動的に嵌合が解け第一段階を抜けた。


撤去まで至った窓セル。

第二段階は側面窓セルの撤去となる。
車体幕板上部内側に側面窓セル押えが存在するものの取り外し時には影響しない。
側扉窓から車体裾方向へ伸びる嵌合爪部を内側に倒し大半の窓枠から浮かせる。
最後に側面行先表示器部を車体外側から押し込み側面窓セルの撤去を終えた。
3500形未更新車での苦闘と200形更新車の慎重さが融合した側面窓セルの取り外し方法だと言えよう。
順調かつ瑕疵無く撤去を迎えられ当面TOMYTEC製品ではこの方式を踏襲する。


全周を塗り潰した窓枠(海側)。

車体を再確認したところ黒色塗装の甘い箇所は窓枠に留まっていなかった。
車体断面も濃灰色に近くはっきりした色合いではない。
製造ラインは車体外側から塗料を吹き付けたと思われる。
それを表すかのように天井には黒色塗料の飛沫が広がっていた。
当初は窓枠モールドをマッキーで塗り潰すだけの予定だった。
一部の補修を試みたが思ったより締まった雰囲気を醸し出せない。
黒色化は窓枠に加え車体断面にも施した。
これはTOMYTEC製200形モハ207を2000形クハ2003に形式変更する過程で車体断面を黒色化した前例が参考になった。
2000形への編入では側扉窓を押え金支持からHゴム支持に改める必要があり簡易再現を図った。
3531には窓枠モールドがありクハ2003の側面窓車体断面黒色化より難易度は低い。
全側面窓の車体断面も黒色化し見附を統一した。
マッキーは3700形の前面窓枠補修と同じく細字側を用いている。


側面窓セル取付の注意点となった行先表示器付近。

窓枠の補修を終え窓セルの復旧に入る。
撤去時とは逆の順番を辿るため成田寄妻面窓セルを装着した。
そして側面窓セルを車体幕板内側の嵌合爪内に沿わせる。
しかし側面行先表示器周囲だけ面が合わなかった。
この方法では差込角度からか行先表示器窓部が嵌合爪内に入り込んでくれない。
一旦側面窓セルを取り外し先に行先表示器へセルを押し込む。
再度嵌合爪内に沿わせ上段窓と車体にずれが無い事を確認する。
後は側面窓セル下段窓側と車体をクロスで入念に挟み付け確実に窓枠内へ収めた。
最後に上野寄の側面窓セル押えを梃子の原理で嵌め込み窓セル嵌合に至った。
TOMYTEC製3500形未更新車では下段窓側から組付を行ったが確実性や効率は3531の方が高く感じられた。


若干の反りが生じた屋根板。

車体関連では屋根板の取付を残すのみとなる。
PT-7113-B形パンタグラフの固定に用いた木工用ボンドは既に半透明化していた。
これで近接する押込式嵌合脚は安心して取り扱える。
クーラーキセは各台毎に溶着を施した。
本来よりも深い差込長に変わったため屋根板は全体的に円弧を描いていた。
先ず屋根板中央の押込式嵌合脚を車体に合わせる。
続けて嵌合爪部を押し込み仮装着した。
ここで車体中央部の屋根板を車体に密着させ屋根板の撓みを吸収させている。
最後に両端の屋根板を押さえ込み雨樋との隙間発生を防止した。


両端2箇所を溶着した各床下機器部品。

車体関連の整備は想定より順調に進んでいる。
余裕を持って床板関連の工程に入れた。
3532FのM1車は共に床下機器部品の安定性が劣っていた。
症状は3531より3530の方が酷く先行措置には相応しい。
床下機器部品は都合4ブロックに分かれていた。
各々に3脚の取付脚が存在する。
溶着は両端2脚に行い中央は未措置とした。
上下左右方向とも嵌合が緩く3点溶着は垂直が出し難い。
敢えて2脚溶着で留め角度調整を容易化すると同時に不意な台枠交換に備えられる態勢とした。
ウエイトは振動音を嫌いゴム系接着剤で台枠に固定している。


輪心黒色化を施したFS-389非動力台車(上野寄)。

3531は第一次整備で時間に追われたため金属車輪化のみ行い輪心黒色化を先送りしていた。
金属車輪のクリーニングまでは終えておりマッキーで輪心を塗り潰すだけでFS-389非動力台車の整備を終えられた。
最後は座席部品と台枠の一体化となる。
TNカプラーSPを撤去しダミーカプラー取付孔から流し込み接着剤を投入する。
更に座席部品と台枠の隙間から筒状のダミーカプラー取付孔成形部へ向け追加投入し溶着度を強化した。
座席部品及び台枠端部の平行保持を確認し床板関連の整備は完了となった。




3531更新車現行仕様(3532F-1:TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装,側面黒色窓枠補修,輪心黒色化)。

一体化した床板は支障なく車体に収まった。
確実に剛性が高まり入場前とは異なる嵌合の手応えを得ている。
当初座席部品と床板の溶着は不意な床板脱落を防ぐための手段に過ぎなかった。
剛性向上は走行安定性にも関わる。
現在はTOMYTEC製品で欠かせない工程に格上げされている。
補修した黒色窓枠は銀色塗装が目立たなくなり黒色窓桟との一体感が増したと思える。
試行項目だったがこの結果であれば3530の改善も図れるだろう。


初登場となった側面種別,行先方向幕表示車。

なお恒例の側面行先表示器基準幕化は未施工とした。
3532F更新車現行仕様(3532F-1)は製品印刷による[特急 成田空港]表示を活用する。
そのため側面行先表示器基準幕化は必要無く製品原形を保った。
所有車両では原則的に側面行先表示器を無表示にしている。
例外は意図的に色地[普通]種別幕を存置した3500形3592F現行色晩年仕様(3592F-2)だけだった。
製品印刷による全表示車は初登場で異色の存在となる。




3532+3531 (M2車+M1車)。

TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフへの換装により3531の外観は大幅に向上した。
初見ではある程度通用すると思えた固定式PT-71系パンタグラフだったがやはり物が違う。
輪心黒色化が施されたFS-389非動力台車は3532(3532F)のFS-089非動力台車と並ぶため効果的に映る。
第一次整備とは対照的な進捗で3531の竣工を迎えられた。
側面黒色窓枠の乱れが激しい3530だが結果的に3531は窓枠全周を補修しており基本的には変わらない。
ペン先の踏み外しに注意を払い3530も3531と同様の外観に至るよう整備を進める。

京成3500形3532F 更新車 回着 (3531,3530 TNカプラーSP化,第一次整備完了) ※TOMYTEC製

2018-06-17 21:40:01 | 京成線:3500形
後編。

TOMIX製京成3500形3532F更新車(3532F)の第一次整備は一旦仕切り直しとなった。
第一次整備そのものを中止し第二次整備へ移行する手段も採れた。
ただ4両の施工内容がばらばらになってしまうため最低限の状態に揃えるべく作業を続行する。


京成3500形3529 更新車(3532F)。

3532(3532F)の第一次整備が完了し3529(3532F)もそれに準ずる施工内容になるはずだった。
しかしクーラーキセに乱れがあり修正を要している。
バリ取りで露出した成形色を隠蔽するためGMカラーの灰色9号で部分塗装を施した。
これが当初の計画を大幅に狂わせる原因となった。
ひとまず床板関連の限定整備を区切りに中座した。
作業再開はクーラーキセの再装着から始まる。


入工中の3529(クーラーキセ配置変更)。

3529のクーラーキセは4台中2台に瑕疵があった。
修正を行ったのはバリ取り不良品の1台のみである。
灰色9号での塗装はどうにか成形色の誤魔化しまで漕ぎ着けた。
当初は成田寄から2台目に設置されていたが配置順を入れ替え屋根上見附の向上を目指す。
先ず未修正の成形不良+塗装乱れ品を上野寄に取り付けた。
乱れは連結面側に位置しており3530(3532F)との並びで埋没すると思われる。
無瑕の2台は成田寄へ並べ替えた。
必然的に修正品位置は成田寄から3台目となる。
バリ取りを優先した関係でクーラーキセ基部には歪みが残る。
幸い灰色9号が屋根板色温度との差を埋めてくれた。
製品レベルを考えればまずまずの結果になったと思う。


3529 [■■■ 特急 成田空港]:誘導無線アンテナ取付,通過標識灯疑似点灯化。

3532とは異なり誘導無線アンテナは溶着を施した。
車体との角度も誤差の範囲内で修正は無用だろう。
試行した通過標識灯疑似点灯化は殆ど効果を得られなかった。
予想通りの結末であり余り気にしていない。
第二次整備で前面窓セルへの細工を予定しており表面から再施工するかもしれない。




3529(誘導無線アンテナ取付,クーラーキセ入替,溶着施工,金属車輪化)。

クーラーキセの浮きは溶着により収まった。
仕上がりに問題があった2台は上野寄に纏められ一定の効果が伺えると思う。
TOMYTEC製誘導無線アンテナは両側で若干の質感差がある。
取付方向に悩んだが3532と統一している。
ようやく3529の第一次整備を終えた。
入場時間は約60分に達し3532を上回ってしまった。
残るM1車はTNカプラーSP化が主工程となる。
3531,3530を同時入場させ一気に作業完了を目指した。


入工中の3531,3530 (3532F)。

3531の床板を取り外そうとしたところ床下機器部品だけが脱落してしまった。
車体と台枠の嵌合がおかしくどうにも外れる気配がしない。
止むを得ず車体中央の嵌合爪付近にプラスチックドライバーを差し込み嵌合を解いた。
このままでは整備性に劣る。
床板を確認したが共通部品でもあり特に問題は見られなかった。
車体側に目を向けると山側の嵌合爪が浮いていた。
原因は側面窓セルの組付不良である。


完全に嵌まり切っていない側面窓セル(3531:山側)。

TOMYTEC製3500形未更新車でも側面窓セルの組付が芳しくない個体が存在した。
車体と側面窓セルの嵌合方式は未更新車と同様だった。
3500形未更新車では側面窓セルの着脱に苦戦を強いられた。
よって今後の整備に不安を抱かせる箇所となっている。
第一次整備終了時には床板を再嵌合させる。
ひとまずクロスで車体と側面窓セルを挟み付け復旧させた。


輪心黒色化を先送りにしたFS-389非動力台車(3531:成田寄)。

床板撤去に時間を要しますます時間が押されてしまった。
FS-389非動力台車のTNカプラーSP対応化と同時に金属車輪への交換を施した。
金属車輪は廃車発生品のため清掃を伴う。
取り敢えずクリーナーにて状態を上げたが作業簡略化都合により輪心黒色化は第二次整備へと廻した。
3531でも3532,3529と同じくクーラーキセの浮きが目に付いた。
しかしTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフがまだ手元に無い。
溶着はパンタグラフ換装時に行う事とし押し込みだけで済ませた。




3531更新車(金属車輪化,クーラーキセ押込)。

TNカプラーSP化が主工程だった3531でも余計な横槍が入った。
側面窓セルの構造が掴めたのは数少ない収穫である。
固定式パンタグラフが存置され輪心黒色化も行われなかった3531は中途半端な外観となった。
また黒色窓枠の塗装が甘く各側面窓の天地が異なって見える。
締まりに欠ける側面見附と言え補修が必要となった。
M2車に続きM1車も第二次整備で側面窓セルの撤去が待ち構える厄介な流れが確定した。


固定式にしてはまともな形状だと思えるPT-71系パンタグラフ(3530)。

更に床下機器部品も不安定さが目立つ。
これは3530でも変わらなかった。
3532Fには動力ユニットを組み込まない。
よって台枠に溶着させ傾斜及び脱落を防ぐ予定である。
手配都合で生き残った固定式PT-71系パンタグラフは思いの外良好な形態だった。
単純な2pcs式ながらディスプレイ用途であれば通用すると思う。
ここはPT-43系パンタグラフと大きな違いと言えよう。
なお避雷器は屋根板取付でTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装に支障しない。




3530更新車(クーラーキセ押込)。

3530の第一次整備では遂に金属車輪化すらも見送りとなった。
床板関連はFS-389非動力台車のTNカプラーSP対応化と台枠へのTNカプラーSP取付だけに限っている。
クーラーキセの浮きも3531に続き押し込みしか行っていない。
完全に屋根板へ接触させるまでには至っておらず溶着前の着脱が必要だろう。
プラスチック製車輪のまま整備が打ち切られた3530は入場した4両で一番変わり映えがしない。
しかも黒色窓枠の塗装状況が3531より酷かった。
マッキーに頼る補修方法はグリーンマックス製3400形,3700形と変わらない。
だが試行要素が多分に含まれるため3530の先行入場は止めた方が無難だと思われる。




3531+3530 (TNカプラーSP化)。

実働約180分に渡る3532Fの第一次整備に区切りが付いた。
全車のTNカプラーSP化に拘ったのは製品仕様のアーノルトカプラーが全く役に立たなかったためである。
第一次整備後は完成線に留置し順次入場させるのが恒例である。
転動防止には連結機能確保が必要条件だった。
原形のアーノルトカプラーは単なる飾りに過ぎなかった。
わざわざカプラースプリング付アーノルトカプラーに交換するのは非効率的と言えた。
今回は走行部品(TT-04R)を導入しておらず未使用の保管品を探る手間も生じる。
何れは廃されるカプラースプリング付アーノルトカプラー化より直接TNカプラーSP化した方が有利だった。
付帯工程に振り回されたが3532Fは無事完成線留置に至っている。




3532F (第一次整備完了)。

第二次整備も難航が予想される。
TNカプラーSP化を前提としながらダミーカプラーのまま仮竣工した編成は3532Fが初だと思う。
何としても運転台側のTNカプラーSP化に漕ぎ着けたい。
スカートの取扱いが曲者でどの様に梶を切るかが課題となる。
[特急 成田空港]の設定は引き継ぐ。
ただ3532,3529とも[成田空港]幕が圧縮された様な印刷で見映えが宜しくない。
やや奥まった行先表示器窓セルも気になり行先方向幕ステッカーの貼付を考えている。
しかし重宝している富士川車輌工業製ステッカーが収まるか微妙な寸法に思える。
試験貼付用の[泉岳寺 Sengakuji]幕で採用出来るか確認を行う。
その結果次第では行先変更に迫られるかもしれない。


3532+3531 (M2車+M1車:床板一体化未施工)。

3500形未更新車ではM2車の車体不等沈下対策を行ってきた。
現状では特に手を加えなくても良さそうに見える。
まだ座席部品と台枠の一体化には進んでおらず答を出すには早い。
余りに車体傾斜が生じるようであればTNカプラーSPカバーの細工まで加わる。
M2車は何かと問題が山積するため第二次整備はM1車の3531から開始する。

京成3500形3532F 更新車 回着 (3532,3529 誘導無線アンテナ取付,第一次整備中断) ※TOMYTEC製

2018-06-16 22:29:58 | 京成線:3500形
前編。

先日TOMYTEC製京成3500形更新車が3編成がリリースされた。
編成は3250F(2両口)+3552F,3232F,3544Fで何れも前期更新車がPT-7131形パンタグラフへ換装された後の仕様である。
全編成が回着し千葉線仕様と本線仕様へ各々充当する。


京成3500形3532F 更新車。
3532F:[3532]-[3531]-[3530]-[3529]。
※PT-7131形パンタグラフ換装編成。

3532F,3544Fの行先表示類は[■■■ 特急 成田空港]が印刷済である。
基本仕様は両編成を組合せる4+4編成,2+4+2編成とされた。
種別幕は色地[特急]幕で現行仕様に近い。
京成3500形更新車はマイクロエース製3520F,3528F中期仕様PT-43形パンタグラフ搭載編成が先発している。
現在3520F+3528F中期仕様(3520F-2),3520F現行仕様(3520F-3),3540F中期仕様(3540F-1)が在籍し見慣れた域に入った。
マイクロエース製は全体的なディテールこそ厳ついものの特徴を掴めていると思う。


3520F-3 (マイクロエース製)。

これに対しTOMYTEC製はあっさりして見える。
この印象差は未更新車の3504F朱帯色登場時仕様(1次車→後期仕様:3504F),3556F朱帯色(3次車→後期仕様:3556F)と重なる。
三平面折妻の前面は角度が緩く感じられもう少し深くても良かった。
更にライトケース枠とライトレンズのバランスがいまいち釣り合っていないように思う。
もちろん独自の強味も垣間見える。
前面の額縁再現はTOMYTEC製に軍配が挙がった。
加えて幌座の塗装色を変え質感の違いを再現している点は高評価に値する。


入工中の3532(3532F)。

但し余計な縦桟が目立つスカートと表面印刷による運行番号表示器は頂けない。
後者は200形206F晩年仕様(206F)を除き製品印刷を消去してまで内側掲示に拘ってきた。
206Fの運行番号表示器は[93 ]が印刷済で無表示を防げたが3500形更新車は[■■■]であり手の打ちようがない。
黒色塗装を失わせる訳には行かず運行番号はステッカーの表貼りで対処するしかなく惜しまれる箇所となった。
回着した3編成の入場は本線系統となる3532F,3544Fを先発させ3250F(2両口)+3552Fを次発にする。
先ず動力ユニットを搭載させない3532Fが第一陣を切る。
第一次整備では3532,3529の誘導無線アンテナ取付に留めるつもりだった。
しかし各方面で誤算が生じ全車の入場に至る長丁場となった。


整形が必須となったTNカプラーSP取付(3532)。

試作品から気になっていたM2車のスカート嵌合方式を確認するため上野寄の3532から整備を開始した。
ダミーカプラーは従来製品と同一の箱形台座が採用されている。
スカートはコ字形の形状を持つ取付脚が台枠と噛み合う他に箱形台座へ爪嵌合がなされる4点支持だった。
運転台側にTNカプラーSPを取り付けるにはスカートを整形する必要がある。
尚且つTNカプラーSPマウント取付部との競合をどの様に防ぐかが課題になった。
従来TOMYTEC製品では第一次整備時にTNカプラーSP化を行ってきたが3500形更新車の運転台側に限り先送りとする。


金属車輪化したFS-389非動力台車(3532)。

FS-389,FS-089非動力台車にはTNカプラーSP対応化を施す。
走行部品は他形式での廃車により発生品を多分に有していた。
早速これらを再用する。
但し金属車輪は捻出車都合で輪心黒色化が行われていない。
マイクロエース製3500形更新車との差異を埋める名目で輪心をマッキーにて塗り潰した。
TNカプラーSP対応化はアートルトカプラーマウント台座を切除する毎度の方式である。
なお金属車輪への交換はある程度の作業時間が確保出来ると思い施工となった。
この時点で第一次整備が押すとは全く読めなかった。


TNカプラーSPとの両立が難航すると予想されるスカート(3532)。

FS-389,FS-089非動力台車のTNカプラーSP対応化を終えスカートとダミーカプラーを一旦撤去した。
目視で予想できたが改めてTNカプラーSPとスカートの組み合わせ方法に壁を感じる。
各々の嵌合が妨害し合う構造に見え一筋縄では行かなく思える。
最終手段はTNカプラーSPを通常装着させスカートを台枠若しくは車体直結式にするしかないだろう。
運転台側のTNカプラーSP化はM2車の第二次整備で本格検討する。


誘導無線アンテナを取り付けた屋根板(3532)。

ようやく誘導無線アンテナの取付に入った。
取付孔の開口は屋根板を装着したまま行った。
しかしクーラーキセの浮きが気になり分解している。
屋根板まで押し込んでも浮き上がってくるクーラーキセに手を焼き全て流し込み接着剤で溶着した。
付属品が3セットに増えた誘導無線アンテナだが嵌合精度は高くなく容易に着脱出来てしまう。
クーラーキセに続き溶着を行い屋根板へ固定した。
この頃から第一次整備の雲行きが怪しくなる。


3532 [■■■ 特急 成田空港]:誘導無線アンテナ取付。

第一次整備工程を終え3532を組み立てた。
誘導無線アンテナの角度は調整を行わなくても良さそうである。
但し種別表示器上の赤帯にある印刷乱れはかなり気になる。
第二次整備で赤マッキーでの修正を試みるが前面の目立つだけにこのエラーは痛い。
スカートは縦桟が強調され嫌でも目に入ってくる。
TNカプラーSP取付が実現した際には撤去されると思われそれまでの辛抱と言えよう。
但し肝心な運転台側TNカプラーSP化は妙案が浮かんでこない。
従ってM2車の第二次整備は課題が満載となる。




3532(誘導無線アンテナ取付,クーラーキセ溶着施工,金属車輪化)。

3532の第一次整備は約45分だった。
スカート構造の確認工程が入った事により想定より伸びている。
ただ大凡の流れは押さえられた。
そのため3531以下3両は労せず整備を終えられると考えた。
M1車はTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフの手配が遅れTNカプラーSP化しか工程を組めない。
よって成田寄M2車の3529を入場させている。


入工中の3529(3532F)。

3529は3532での工程からスカートの取付構造確認を省くだけのはずだった。
但し3532で採用したクーラーキセの浮き上がり防止策を3529に適用するため当初から分解している。
3529のクーラーキセはバリ取り不良と成形不良+塗装乱れが1台ずつ含まれていた。
特にバリ取り不良の1台は外観を大きく乱す元になっている。
放置は出来ず修正に取り掛かった。
クーラーキセは濃灰色成形品を塗装したものだった。
バリを切除すると成形色との差が激しく現れてしまう。
しかし塗装を保持したままの整形は難しかった。
結局切除するしか手段が無く加工前とは別の乱れを生じさせる状態に陥った。


成形色が覗くクーラーキセ整形部(3529)。

整形を終えただけのクーラーキセを屋根板に取り付けたがやはり色温度が違い過ぎる。
どうにか誤魔化せる術を考えた。
持ち合わせの明灰色系塗料からGMカラーの灰色9号で成形色を隠蔽する作戦に出た。
その代わり塗料乾燥までに時間が開いてしまう。
手を着けられる範囲で3529の整備を進めた。
クーラーキセは全台同時に溶着する。
乱れのある2台を目立たなくするため4台の配置変更を思い付いた。


誘導無線アンテナ取付孔を設けた3529用屋根板。

灰色9号を塗布したクーラーキセはどの様な仕上りを迎えるか判らず全て撤去し配列を考える。
この間に誘導無線アンテナ取付孔を開口した。
施工を終えた屋根板は各種用途の取付孔が並ぶ異様な姿となった。
誘導無線アンテナ取付孔の開口には指示通りΦ1.0mmのドリルを用いている。
それでも3532と変わらず脱落し易い状態から抜け出せない。
クーラーキセに先んじて溶着を行った。


疑似点灯化を試行した通過標識灯(3529)。

TOMYTEC製品は点灯機構を持っておらず灯具類は透明のまま部品が取り付けられている車両が大半を占める。
3500形更新車は尾灯レンズ以外への色挿しが施されていない。
無駄とは分かりながらも通過標識灯を疑似点灯化した。
前面窓セル通過標識灯部裏面をオレンジ色の水性マッキーで塗り潰すだけの簡易措置である。
プリズムも無く天井は屋根板で塞がれてしまい導光は望めない。
ただどうしても試行したく3529で実行に移した。
ここで明らかになったのは前面窓押えと窓セル黒色塗装部の光漏れだった。
視認角度によっては大幅な透過が目立つ。
窓セル周囲の黒色化で一体感を演出出来る可能性が考えらた。
第二次整備は窓セル撤去を伴う完全分解に至る。


一定の方向性だけは整えた3529用床板。

クーラーキセの塗料が乾燥しておらず床板整備にまで突入した。
金属車輪は再用前の状態が余り良くなかった。
クリーナーで清掃を行った後に輪心黒色化を施している。
TNカプラーSP化は上野寄だけで3532と共通の課題を抱える。
また床下機器部品の安定度が低く溶着は避けられない。

3529の第一次整備はクーラーキセ取付を前にして中断される。
予想より塗料乾燥が遅くなり間を繋いできたが自身の間が持たなくなってしまった。
未入場の3531,3530(3532F)も検品時に床下機器が脱落する憂き目に遭っていた。
作業続行には向かない環境と言え中座し工程を考え直す。
取り敢えず3529は3532と同等まで仕上げる。
3531,3530の第一次整備は一部を簡略化する方向である。
間もなく届くTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフへの換装とを併せ第二次整備項目に廻す工程を増やしたい。

京成3500形モハ3553[3556F] 3次車 朱帯色 後期仕様 運行番号表示器設置,前面種別板・種別幕・行先方向幕変更

2017-07-15 21:35:05 | 京成線:3500形
埋没。

TOMYTEC製京成3500形3556F朱帯色モハ3553の第二次整備は車体整備に移行した。
モハ3556(3556F)では助士側前面窓セルに亀裂を走らせる大失策をしてしまった。
何とか誤魔化せる状態に持ち込めたが同じ失敗を繰り返さないよう心掛ける。


京成3500形モハ3553 3次車 朱帯色(3556F)。

薄め液に頼る印刷除去方式は変更しない。
他に妙案が浮かばず事実上の一択となった。
消極的選択だが手段が無い以上どうしようもない。
TOMYTEC製京成200形206Fや新たな3500形のバリエーションリリースに備え良い方法を探る。
モハ3556の失敗は切り替えたつもりだった。
しかし何処かに引っ掛かりがあったらしく外観から伺えない箇所は雑な仕上がりになっている。


引き続き入工中のモハ3553。

モハ3556と同じく屋根板整備から着手した。
クーラーキセの着脱を行った後に屋根上機器を溶着している。
第一次整備で傾きが見られた誘導無線アンテナはこの時修正した。
屋根板周りで雑になった箇所は誘導無線アンテナの溶着である。
微量しか用いて来なかったが切りが甘かった模様で多目に投入してしまった。
更に塗り方も酷く取付孔ボス周囲には筆の痕が残る。


雑な仕上がりになった屋根板裏面誘導無線アンテナ取付孔周囲。

クーラーキセは取付孔と脚の位置関係が逆転するため誘導無線アンテナほど酷くはない。
再分解の確率は限り無く低い。
但しモハ3556,モハ3555,モハ3554よりも投入量が多く注意を要する。
屋根板とは対照的に側面窓セル撤去は慎重になった。
ところが予想に反しモハ3553の全窓セル撤去は速攻で終了した。
前面窓セルのストッパーを避けるため側面窓セルを下方向へ向けたところ勝手に脱落した。
これは海側,山側に関係無く起きた現象だった。


自動脱落した側面窓セル。

嵌合には個体差があるためモハ3553だけで現れたのかもしれない。
3592F現行色後期仕様(3592F-1),3592F現行色晩年仕様(3592F-2),モハ3556では苦戦を強いられた。
少々真正面から挑み過ぎたのかもしれない。
確かに側面窓セルを下方向へ動かした記憶は無い。
今後のTOMYTEC製3500形導入時に試行しようと思う。
M1車へ応用出来れば整備性は大幅に向上するだろう。


バリの目立つ貫通扉下部断面。

前面窓セルは尾灯レンズが繊細のため車体表側から押し込み撤去している。
モハ3553は貫通扉が渡り板に引っ掛かる傾向が見られた。
恐らく貫通扉下部のバリが原因だと思われる。
種別板は[]に変更する工程があり同時にバリ取りを施す。


全窓セルが撤去されたモハ3553。

予想より早く側面窓セルの撤去が行えた。
そのため全窓セル撤去までの時間はモハ3556より短くなっている。
生まれた時間は運行番号表示器印刷痕の隠蔽へ廻せる。
印刷消去痕は残るものと考え完全剥離は最初から放棄していた。
仕上げで如何に誤魔化すかが鍵となる。




誤魔化きれなかった運行番号表示器印刷消去痕。

薄め液で運行番号表示器部の消去に取り掛かった。
モハ3556と同じく白印刷と黒印刷はあっさり溶けてくれた。
しかし運行番号表示器枠の銀印刷だけは一向に剥がれない。
ここで薄め液から消しゴムでの印刷消去に切り替えた。
ところがこれも大失敗に終わっている。
マイクロエース製3200形3298Fリバイバル開運号(二代目)の復活赤電色化(3298F-3)で失敗した例を生かせなかった。
弱まった印刷部を消しゴムで擦ると逆効果になり被膜が強化されてしまう。
モハ3296(3298F-3)で[指定特急]ステッカー印刷剥離に早くから消しゴムを持ち出し大苦戦した。
この教訓を活かせないまま銀印刷消去に取り掛かってしまい余計に作業が進まなくなった。
最終的に何とか銀印刷は落とせたがモハ3556より酷い曇りを生じさせている。


隠蔽出来るか微妙な運行番号表示器。

銀印刷を剥離した下端は直線状に曇りが出てしまった。
しかも横方向のため追設する運行番号表示器に合わせるのが難しい。
今考えると無理に銀印刷は剥離せず運行番号表示器枠として活用した方が得策だったと思う。
これ以上の曇り除去は諦め全Hゴムをマッキーで塗り直し尾灯レンズに色を挿した。
尾灯レンズの色挿しはモハ3556で効果が見られたため同一方式により継続採用した。
運行番号表示器は下部を出来るだけ消去痕に近付け設置している。
前面窓セル単体では曇りを隠し切れていない。
後は屋根板装着後の遮光に頼る事になる。


グリーンマックス製[]種別板化した貫通扉。

モハ3556に引き続きグリーンマックス製京成3150形用ステッカーから[]種別板を切り出した。
予め[=通勤特急=]表示板を消去したがここでも失敗している。
ステンレス地を出すだけのはずが銀塗装まで剥がれてしまった。
試しに赤マッキーで塗り潰すと成形色部分はモハ3556の[=]より斑が酷くなった。
このままでは[]表示板ステッカーに透過してしまうため大半を成形色化した。
もう一度赤マッキーを塗り直し[]表示板化している。
同時に貫通扉下部断面のバリ除去も施した。
しかしバリは貫通扉前面下部に重なるように張り出していたため余計に見附が悪化した。


清掃を終えた車体と側面窓セル。

逆に見附が向上したのは窓枠である。
モハ3553は塗料滓の付着が多かった。
3592F-1から工程に採り入れたがこの判断は当たりだったと思う。
側面窓セルは拭き上げだけとした。
一部の窓サッシ印刷が浮いており貫通扉下部断面のバリと併せてやや外れを引いたらしい。
なお浮いた窓サッシ印刷はクロスで包んだ爪楊枝で除去している。
側面行先表示器の基準幕化を済ませ組み立て工程に入った。


偏位の激しい[乗務員室]印刷。

第一次整備で気付いていた[乗務員室]印刷のずれは特に手を加えなかった。
代替手段がステッカーに限られたため目を瞑っている。
もちろん運行番号表示器印刷消去失敗も根底にあった。
これ以上外観を悪くする訳には行かない。
3592F現行色から進化した箇所ではあったものの精度が伴わなかったのが惜しまれる。
この程度での返品交換は要求できず仕方が無い。


無事全車へ優先席マークを転写出来た3556F。

組立を終えジオマトリックス製優先席マークインレタを転写した。
モハ3553も一度で転写を終えられている。
手元に残った優先席マークインレタは2両分で4両編成には対応できなくなった。
200形206Fの導入は引き運次第である。
理論上206Fまでは対応出来る。
しかしモハ206,モハ207は運行番号表示器が助士側窓内に設置された頃には4編成化されていた。
そして1976年11月に京成線から姿を消している。
よって優先席マークインレタは206Fへ使用出来ず補充待ちとなる。




消去痕が運行番号表示器に埋没してくれたモハ3553。


ほぼ同じ外観となったモハ3556。

かなり粗雑な作業が目立ったがモハ3553の第二次整備が終了した。
外観確認は再び運行番号表示器部から入った。
屋根板の遮光に加え横方向に走る銀印刷消去痕が運行番号表示器の下端に重なってくれた。
セルの厚みにより光線都合では目立つ機会も有り得ると思う。
ただ曇りを含めモハ3556に近い状態に持ち込めたのは奇跡的である。
なお貫通扉下部断面のリブ切除は余計だったらしい。
傾きには繋がらなかったものの嵌合が緩く貫通路と当たる音がするようになっている。




モハ3553朱帯色後期仕様(金属車輪装着,側面行先表示器基準幕化)。

苦しめられながらもモハ3553が竣工した。
3592F-1,3592F-2とは勝手が異なり予想以上に手こずった作業だった。
ここは先入観が邪魔をしたのかもしれない。
竣工時は達成感より安堵の方が強かった。


モハ3554+モハ3553 (3556F:非動力車+非動力車)。


モハ3556+モハ3555 (3556F:非動力車+動力車)。


モハ3590+モハ3589 (3592F-1:非動力車+非動力車)。


モハ3590+モハ3589 (3592F-2:動力車+非動力車)。

車体不等沈下対策の結果はモハ3556と変わらなかった。
妻面の傾斜は3592F-1,3592F-2を含めほぼ同じになった。
自重が軽く記録用のダミーレールでは余計に強調されてしまう。
走行用レール上はもう少し緩和されるため納得している。

第二次整備が大幅に遅れた3556F朱帯色後期仕様はようやく出場を迎えられる。
残念ながら3592F現行色とはプロトタイプ時期が違い過ぎ離合には齟齬を抱える。
現時点ではTOMYTEC製3500形全編成の設定が異なる状態になった。
これを逆手に取り各編成毎の特徴を活かしたい。

京成3500形モハ3553[3556F] 3次車 朱帯色 床板一体化,成田寄TNカプラーSPカバー一部切除:車体不等沈下対策

2017-07-14 21:26:47 | 京成線:3500形
切替。

TOMYTEC製京成3500形3556朱帯色の第二次整備はモハ3556(3556F)で大きく躓いた。
最終入場車のモハ3553も同一工程を辿るため多少の不安が残る。
一応モハ3556はそれなりの見附に至っており同じ失敗を繰り返さないよう気を付ける。


京成3500形モハ3553 3次車 朱帯色(3556F)。

モハ3553も第一次整備は簡易的な内容に留めた。
まだ下廻り関連は運転台側のTNカプラーSP化を図っただけである。
車体関連の整備は間を開けるため別工程とする。
先ず車体不等沈下対策を含む床板の整備から着手した。
モハ3556のTNカプラーSPカバー部分切除は体裁が悪かった。
台枠に隠れ失策は表には出ていないものの今後のTOMYTEC製京成3500形リリースに備えなければならない。
基本的な細工に変更は無いが以後を考えての作業になっている。


入工中のモハ3553。

TNカプラーSPカバー部分切除から開始したモハ3556とは異なり金属車輪化に手を着けた。
モハ3556までは1軸毎に輪心黒色化を施してきたがどうも効率が良くない。
そこで先に4軸の輪心をマッキーで塗り潰した。
これにより都度マッキーを手にするよりも圧倒的に作業が早まった。
TOMYTEC製京成形式導入時には付いて回る工程で標準化する。


4軸同時に輪心を黒色化した金属車輪。

TOMYTEC製3500形系列は輪心黒色化のみで統一している。
リム黒色化も含めたいんちき黒染車輪化でも有効だと思う。
今のところ京成形式での採用例は無い。
ただ他形式でいんちき黒染車輪を採用しており施工の際はこの方式を活かしたい。


カプラーマウント切断を誤ったFS-389非動力台車。

アーノルトカプラーのまま存置されていたFS-389非動力台車のカプラーマウントを切除した。
何故か3556Fでは失敗を重ねているがここでも小さな間違いをした。
台車方向の確認をし易くするため敢えてカプラーマウントの一部を存置している。
ところがこの存置長が長過ぎ後になってTNカプラーSPとの支障に気付いた。
カプラーマウント撤去済のFS-089非動力台車が間近にあり端梁の位置に惑わされたらしい。
3500形M2車は前後で台車形式の異なるため車輪交換をFS-089非動力台車と同時に行おうとしたのが失敗の元だろう。
更に車軸位置で誤りに気付けなかったのも頂けなかった。


車輪交換を終えたFS-389非冷房,FS-089非動力台車。

FS-389非動力台車のカプラーマウント切断失敗を見落としたままTNカプラーSPカバー部分切除に取り掛かった。
TNカプラーSPは第一次整備で成田寄台枠に装着済だった。
台枠の切り欠き部をなぞる様にニードルでTNカプラーSPカバーを罫書いている。
罫書いた溝はモハ3556程ではなく目視で判る程度とした。
カバー切断方法変更に伴い深く掘る必要が無くなった。
ニードルでの罫書きは各部を2往復させるだけで終了している。


切除部が判るTNカプラーSPカバー。

この程度でもTNカプラーSPカバーには十分な目安を設けられた。
モハ3556の施工は不安定な体勢を強いられ切除部が不格好になった。
体勢さえ整えられれば平刃が使える。
そこでウレタン台座の上にカッティングマットを敷きこの段差を活用した。
カッティングマットはジャンパ連結器モールド以上の厚みがある。
切除部はぎりぎりマットに乗るため不安定にはならない。
TNカプラーSPカバーを押え垂直に平刃を押し込み切除を行った。


モハ3556用に比べ体裁の良くなったTNカプラーSPカバー切除部。

さすがに平刃を用いただけあり自分にしてはそこそこに纏められた。
TNカプラーSPカバー裏面の補強リブも垂直に落とした平刃のお陰で全く気にならない。
クラフトナイフで切除せざるを得なかったモハ3556用を考えれば大幅な進歩と言えよう。
罫書いた溝は浅めにしたが平刃こそ深くすれば良かったと思える。
この点は今後の反省材料としたい。


モハ3553用TNカプラーSP (上野寄,成田寄)。

早速成田寄台枠へ加工したTNカプラーSPを試着した。
モハ3553はTNカプラーSPとの嵌合がきついため着脱は普段より丁寧に行った。
カバー切除部は台枠切り欠きとほぼ揃っており目的は果たせている。


台枠切り欠き部と揃ったTNカプラーSPカバー切除部。

その代わり嵌合の固さは引き続きの課題として残ってしまった。
予備の少ない密着自動式TNカプラーSPは破損させたくない。
床板整備を進めながら対策を考える。


隠蔽済の床下機器部品湯口痕。

第一関門のTNカプラーSPカバー切除を済ませ床下機器部品固定に着手した。
第一次整備時に試行した床下機器部品湯口痕白濁部は上手く隠蔽されている。
3556Fでは数少ない第一次整備での成果だった。
モハ3553で気付けたためモハ3556の湯口痕隠蔽に繋がった。
床下機器部品を溶着しTNカプラーSPの嵌合調整に移った。
3556Fのうちモハ3556以外はTNカプラーSPの嵌まりが悪い。
モハ3555(動力車)はアダプターに助けられたがモハ3554は強引に押し込むしかなかった。
これよりも更に嵌合のきついモハ3553では解決法を探った。


リブを切除したTNカプラーSP取付部(成田寄)。

台枠を確認するとTNカプラーSP取付部に成形都合と思われる直線状のリブが残っていた。
これがTNカプラーSPの嵌まり具合に関係していると思われた。
上野寄,成田寄共にクラフトナイフでリブの切除を行っている。
リブが一番張り出していたのは成田寄山側だった。
先頭部でもあり誤って取付ボスを削らないよう細心の注意を払った。
施工を終えTNカプラーSPを試着するとまだ固さは残るものの強引に押し込む必要が無くなっていた。
もう少し早くリブの存在に気付いていればモハ3554で採用していただろう。
既に押し込んでしまったモハ3554は分解を要する入場があった場合に追加施工したい。


台枠と溶着させた座席部品(成田寄)。

TNカプラーSP取付に一応の目処が立った。
ここからは一気に作業速度を上げ床板一体化に取り掛かった。
これまでTOMYTEC製品の台枠一体化は座席部品両端のみに頼ってきたが更に強化する。
先ずウエイトにゴム系接着剤を乗せ台枠へ落とし込む。
続いて座席部品裏面のウエイトと接する箇所にもゴム系接着剤を塗布した。
その後台枠両端を流し込み接着剤で溶着させている。
これで座席部品は3点止めに変わり捻り剛性は高まったと思う。
当然万が一の分解に備えゴム系接着剤は微量しか用いていない。


完成したモハ3553用床板一式。

最後にTNカプラーSPとFS-389非動力台車,FS-089非動力台車を装着しモハ3553用床板一式が完成した。
ちなみにFS-389非動力台車のカプラーマウント切除失敗に気付いたのはこの時だった。
床板一式は車体整備まで完成線へ留置する。
この間にゴム系接着剤の固着が進むためモハ3553が竣工する頃には安定するだろう。
しかしモハ3553の竣工には再び運行番号表示器印刷消去に挑まなければならない。
モハ3556の二の舞にならない事を願う。

京成3500形モハ3556[3556F] 3次車 朱帯色 後期仕様 運行番号表示器設置,前面種別板・種別幕・行先方向幕変更

2017-07-13 21:40:00 | 京成線:3500形
失地回復。

TOMYTEC製京成3500形モハ3556朱帯色(3556F)の運行番号表示器印刷除去に失敗してしまった。
側面ならまだしも前面窓セルの亀裂は痛過ぎる。
ここで見切る訳にも行かず気持ちを入れ直し作業を再開した。


京成3500形モハ3556 3次車 朱帯色(3556F)。

前面窓セルのHゴム色挿しまでは意地で終わらせた。
助士側窓セルの亀裂を如何に目立たなくするかを考えるための間を設けた。
しかし試行錯誤中に必ず目に入る亀裂が思考回路を停止させる。
誤魔化す手段を見出すまで何度も前面窓セルから目を切った。


気分を滅入らせる助士側窓セルの亀裂。

亀裂の隠蔽検討は運行番号表示器を持ち出し現物合わせで行った。
保管品の[B29]を使用し亀裂部と重ね合わせた。
亀裂はほぼ垂直に走っている。
そのため運行番号表示器の幕間が合えば誤魔化せそうに思えた。
幕間は黒地で幅は十分に確保できる。
この方式での運行番号表示器装着を決断した。
運行番号表示器は自作ステッカーを起用している。
少しでも窓セルの亀裂を誤魔化すため運行番号表示器枠をプラ板再現とした。
設置位置は亀裂が幕間の黒地部へ留まるように調整している。






亀裂を隠す様に設置した運行番号表示器。

粗を薄くするため前面窓セルには新たな細工を施した。
現行色とは違い朱帯色では通過標識灯兼尾灯がステンレス車体に埋没する様に感じる。
そこでレンズ表面を赤マッキーで塗り潰し後端部室内側をマッキーで黒色化した。
これで多少存在感が高まる事を期待する。
効果が得られない場合にはモハ3553での施工は行わない。


グリーンマックス製京成3150形用ステッカーを起用した[]表示板。

ここで貫通扉種別板差しにも手を入れている。
当初は製品付属シールの起用を検討していた。
ところが印刷枠のまま切り出すと種別板差しを含めた大きさになってしまう。
更に種別板差しモールドを活かすためには薄い[]表示板ステッカーを用いた方が都合が良い。
手元にあるステッカーで一番薄いと思われたのがグリーンマックス製京成3150形用だった。
赤マッキーで[=通勤特急=]印刷を塗り潰し[]表示板ステッカーを貼付した。
ところがステッカーが薄過ぎ赤マッキーで隠蔽できなかった[=]が透過してしまう。
そこで[=通勤特急=]を剥離しステンレス地を露出させ赤マッキーで塗り潰した。
多少の斑が出たものの実車も染みや剥げがある[]表示板が使用されていたため納得出来る範囲と言えよう。


青マッキーを厚く塗布した側面行先表示器。

前面関連の整備が一定点に到達し側面窓行先表示器の基準幕化に着手した。
モハ3555,モハ3554(3556F)では青マッキーの被膜が薄く[通勤特急 西馬込]が透過していた。
幸い車体構造により基準幕に見えたがモハ3556から青マッキーの被膜を厚くしている。
光源直下で浮かび上がっていた[通勤特急 西馬込]はほぼ隠蔽された。
効果が無いと判りつつも幕間を残した点だけはこれまでの工程を踏襲している。


黒地化した運行番号表示器ベース。

車体窓枠はモハ3555,モハ3554と同様に清掃を施した。
モハ3556も清掃に用いた綿棒が灰色に変わっている。
側面窓は拭き上げのみに変更し作業を簡略化した。
モハ3556の側面窓セル取付は容易に行えた。
前面窓セルのストッパーへ楽に嵌め込めたのがM1車との大きな違いである。
運行番号表示器印刷消去が無ければM2車は比較的楽に整備を行えると思う。
全窓セルを嵌め終えたところで運行番号表示器の亀裂を確認した。
すると運行番号表示器枠風に残したプラ板が逆効果を招き亀裂部が輝くように見える。
結局3592F現行色後期仕様(3592F-1),3592F現行色晩年仕様(3592F-2)に揃えた。
一度運行番号表示器を撤去しプラ板ベースをマッキーで塗り潰し黒色化している。
この後行先表示器へ富士川車輌工業製ステッカーを貼付した。
前面用は英字併記幕しか持ち合わせが無く側面用の転用である。
マイクロエース製3504F朱帯色後期仕様(3504F)ではグリーンマックス製京成3150形用ステッカーを用いた。
3504Fは成形都合で富士川車輌工業製ステッカー(側面用)と比較する前に貼付を終えてしまった経緯がある。
ようやく3500形未更新車朱帯色で富士川車輌工業製ステッカーの採用が実現した。


忘れずに転写した優先席マーク:ジオマトリックス製。

屋根板と床板を嵌合させ車体を組み上げた。
ここで優先席マークインレタを転写した。
モハ3554では完全に失念しモハ3555で思い出した工程である。
モハ3556の入場に備えステッカーやインレタ類を予め用意した。
これにより優先席マーク転写忘れを防げている。
優先席マークは一発で転写を終えモハ3553用の確保が確実になった。
失敗さえ繰り返さなければ3556Fは賄えるだろう。
優先席マークインレタ転写後に前照灯ライトベゼルの塗料剥離を追加施工した。
強引に手を出すと朱帯自体を傷める可能性がある。
剥離は爪楊枝式で慎重に行い前照灯の輪郭をはっきりさせている。




予想より亀裂の目立たなかった助士側窓セル。

モハ3556は一連の工程を終えた。
先ず確かめたのは当然助士側窓セルの状況である。
上部に亀裂と曇りのある助士側窓セルだが屋根板装着により導光されなくなったため意外に目立たない。
かなり落胆した亀裂発生だったが最低限の見附は確保出来たらしい。
一番心配していた箇所が上手く誤魔化せたのは非常についていた。
亀裂部を運行番号表示器の黒地部に合わせた成果もあると思う。
次に通過標識灯兼尾灯の色挿し具合を確認した。
現行色とは異なり引き締める青帯が無いため存在感は施工前より高まったと思える。
単に赤マッキーだけで済ませず黒マッキーを併用した効果で[普通]運用としては程良い表情になったと言えよう。
[]へ改めた種別表示板は組み上げるとステッカーの歪みが目立つ。
今後位置調整を施すか考えたい。




モハ3556朱帯色後期仕様(金属車輪装着,側面行先表示器基準幕化)。

とんでもない事故に襲われたがモハ3556の竣工に漕ぎ着けた。
一時はボナファイデ製前面窓セルの採用も考えた。
幸い外観を乱す程ではなく今回は見送りにしている。
運転台側の車両番号標記が表面印刷で残るため場合によっては3592F-1,3592F-2も含め交換するかもしれない。


モハ3556+モハ3555 (3556F:非動力車+動力車)。

車体不等沈下対策としてTNカプラーSPカバーの切除を行ったが結果は予想通りだった。
やはり車体の精度に依存する都合で完全には解消できていない。
しかし運転台側の車体高が下がったのは間違い無く未施工よりは良かったはずである。

3556F朱帯色の第二次整備はモハ3553が最終入場車となる。
運行番号表示器剥離はモハ3556と変わらないと予測する。
多少の曇りは我慢する代わりに亀裂だけは防がなければならない。
何とか成功に結び付け3556F出場を迎えたい。

京成3500形モハ3556[3556F] 3次車 朱帯色 屋根板整備,運行番号表示器印刷除去 ※失敗記録:前面窓亀裂発生

2017-07-11 21:30:58 | 京成線:3500形
痛恨。

TOMYTEC製京成3500形モハ3556朱帯色(3556F)の下廻り整備を終え車体関連に移行した。
M2車で立ちはだかるのは前面運行番号表示器印刷の消去である。
3592F現行色後期仕様(3592F-1),3592F現行色晩年仕様(3592F-2)ではそれなりに仕上げられた。


京成3500形モハ3556 3次車 朱帯色(3556F)。

TOMYTEC製3500形は運行番号表示器のセル表面印刷が自分にとって一番の障壁である。
3592F-1,3592F-2では消去そのものは上手く行った方だと思う。
しかし車両毎に個体差があり薄め液でも完全に剥離できないケースが生じた。
当然モハ3556でも同じ事が言える。
ある程度の苦戦は予想していたが結果はそれを上回るものだった。


引き続き入工中のモハ3556。

工程はM1車の手順に準拠した。
運行番号表示器消去は窓セル関連への措置時に行う。
そのため先に車体から取り外される屋根板の整備から開始している。
モハ3556のクーラーキセは屋根板に接しているものと離れているものがばらばらに配置されていた。
屋根板から浮いたクーラーキセの一部はバリが残っており物理的に押し込めない状態だった。
1台は取付脚,もう1台はクーラーキセ下部に湯口痕があり丁寧に除去している。
屋根板に接していたクーラーキセも一度取り外し嵌め直した。


溶着された誘導無線アンテナとクーラーキセ。

第一次整備で装着した誘導無線アンテナは仮止めで留めた。
クーラーキセと同時に溶着させ屋根板に完全固定している。
この時誘導無線アンテナの傾きには十分注意を払った。
TOMYTEC製誘導無線アンテナは予備品が無く代打はグリーンマックス製に限られる。
よって今後の取扱いは慎重さが要求される。


全窓セルを撤去したモハ3556。

いよいよ主工程が待つ窓セル関連の整備に取り掛かった。
M1車の側面窓セルストッパーは妻面窓セルに設けられている。
一方M2車では前面窓セルに変わる。
側面窓セルは全て窓枠から浮かせた後に運転台側隅柱部へ爪楊枝を差し込みストッパーから外した。
M1車よりもストッパー高が低い模様で思ったよりも早く全窓セルの撤去を終えた。
ただ前面窓セルは前照灯,尾灯レンズがモールドされているため慎重を期した。
貫通扉と前面窓を綿棒で,前尾灯レンズを爪楊枝で押し込み取り外している。




銀枠が残った運行番号表示器痕。

第二次整備成功の鍵を握る前面窓セルの運行番号表示器の消去から手を着けた。
薄め液に浸け運行番号表示器を筆で払いながら溶解を待った。
白印刷部はあっと言う間に溶け出し黒印刷もろとも消え去った。
しかしここから先が一向に進まない。
銀印刷の運行番号表示器枠が全く溶けずに残ってしまう。
痺れを切らし極細綿棒を持ち出し銀印刷を擦った。
その極細綿棒も銀印刷には歯が立たず側板寄の一部が除去できただけだった。
ここで薄め液での消去を諦め乾式での印刷除去へ切り替えた。
マイクロエース製品で活用してきた爪楊枝式ならしつこい銀印刷を取り除けるかもしれない。
これが大失敗の元になるとは思いもしなかった。


亀裂の入った助士側窓セル。

爪楊枝で擦ると瞬く間にセルが曇った。
しかも肝心の銀印刷は剥離されないまま残っている。
おまけに薄め液で硬度が下がった影響か助士側窓セル上部に亀裂を走らせてしまった。
亀裂と白濁したセルを見て愕然としたが既に手遅れである。
ここまでやらかしてしまったため憎き銀印刷は爪楊枝で強引に削ぎ落とした。
爪楊枝で生じた小傷は曇りと共に消しゴムと磨きクロスで誤魔化す作戦に出た。
その結果やや曇りは残ってしまったが小傷は目立たなくなった。
但し亀裂は手の施しようが無く悔いの残る工程になっている。


全Hゴムを塗り直した前面窓セル。

亀裂は運行番号表示器設置時に何とか誤魔化せる方法を模索する。
取り敢えず前面窓セルの修正に取り掛かった。
薄め液に触れた箇所はHゴム支持まで失われる。
これは3592F-1,3592F-2に倣いマッキーで全窓支持を黒色化した。
印刷除去の影響が無かったHゴム印刷も被膜を揃えるため上塗りしている。
当初前面行先表示器の[通勤特急 西馬込]はペイントリムーバーで剥離する計画だった。
しかし助士側窓セルの亀裂で消沈し青マッキーでの基準幕化に変更された。
この基準幕化はステッカー貼付時の余白調整用で側面行先表示器基準幕化とは意味合いが異なっている。

まさかの前面窓セル亀裂発生で集中力が途切れそうになった。
このまま作業を続けると更なる失敗が懸念される。
一度作業を中断し残る工程は先送りとした。
この間に少しでも亀裂を目立たなくする方法を考える。