試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3500形3529[3532F-1] 更新車 現行仕様 運行番号・行先方向幕貼付,通過標識灯疑似点灯化施工 ※TOMYTEC製

2018-06-21 21:21:21 | 京成線:3500形
結実。

TOMYTEC製京成3500形3529更新車(3532F)の運転台側TNカプラーSP化は一応結果に結び付いた。
しかし座席部品と台枠の一体化施工でスカート角度が変わる可能性がありまだ安心は出来ない。
更に車体関連では運行番号表示器の再現と行先方向幕の取扱いに悩んでいた。


京成3500形3529 更新車(3532F)。

TOMYTEC製品は前面窓セルの各種再現が表面側になされている形式が多い。
3500形更新車も同様で運行番号表示器の[■■■]表示は痛かった。
失敗もあったがTOMYTEC製3500形未更新車では薄め液で運行番号表示器を除去し内側掲示へ改めている。
3532Fでも同様の措置を採れない事はない。
しかし助士側窓上部の黒色印刷は3500形未更新車に比べ存在感が強く失いたくなかった。
付属のシールは厚みがある上に桁毎へ表貼りを行う方式である。
凹凸が目立つ運行番号表示器を採用する気にはなれず作業を進めながら対応策を探る。


入工中の3529。

3529の側面黒色窓枠はまずまずの塗装状態だった。
しかし3532F全車では側面窓枠の車体断面黒色化が決定している。
前面窓セルにも細工を施すため分解は必要条件になっていた。
M2車の分解は初となるがM1車と基本構造に変わりは無い。
上野寄車体妻板側の側面窓セル押えから撤去を開始し5分程度で分解を終えている。
前面窓セルの構造は3500形未更新車に近い。


窓セルを撤去した3529。

貫通扉は別部品化され前面窓セルに嵌め込まれている。
裏面の嵌合を解き貫通扉を取り外した。
種別表示器は交換せず製品印刷の色地[特急]種別幕を流用する。
文字に滲みが見られ本来なら富士川車輌工業製ステッカーに改めたい状態だった。
しかし種別幕部を切除すると貫通扉の赤帯及び青帯塗装が甘く逆効果になると思えた。
表貼りも種別窓セルが種別表示器と面一に近いため適さない。
行先方向幕も流用される可能性が残っており例外的に製品印刷の色地[特急]種別幕を存置した。


流用される色地[特急]種別幕。

第一次整備時に引っ掛かった車体と前面窓セルの隙間から生じる透過対策は京成2000形クハ2003更新車晩年仕様(206F)に倣った。
モハ207(→クハ2003)の側扉窓Hゴム支持化は当初側扉窓セル周囲だけ黒色化を施すいんちき細工だった。
Hゴム支持再現には物足りなかったが透過を抑えられると判った。
黒色印刷部の断面をマッキーで塗り潰し出来るだけ光の道を塞ぐ。
表面,裏面共に黒色化した事で光源に透かせても漏光が大幅に抑えられたと確認できた。
最終的には屋根板で覆われるため十分な対策だと思える。
行先方向幕周囲はマイクロエース製3200形3264F新赤電色後期仕様(3264F)で採り入れられた青色処理を参考にした。
圧縮された[成田空港]幕は車体より奥に位置しているため富士川車輌工業製ステッカーの貼付を考えていた。
しかし行先表示器内にステッカーが収まるか確証が持てない。


各部に色挿しを施した前面窓セル。

3531,3530更新車現行仕様(3532F-1)の側面行先表示器は[成田空港]採用を前提に基準幕化が見送られている。
行先変更が消滅した代わりに前面行先方向幕が流用となった場合への備えが必要になった。
押し潰された[成田空港]幕は改善しようがない。
これを周囲への青色化で行先方向幕の天地が広がる錯覚効果に期待を寄せた。
第一次整備で不発に終わった通過標識灯の擬似点灯化はグリーンマックス製3150形運転台側付中間組込車と同一方式に変更する。
一度銀色の油性ペイントマーカーで通過標識灯レンズを塗り潰した後にオレンジ色の水性マッキーを被せた。


黒色化された前面窓車体断面。

側面黒色窓枠の修正前に前面窓枠を補修した。
更なる車体と前面窓セルの一体感を目指し前面窓車体断面も黒色化している。
この措置はグリーンマックス製3400形,3700形での改修が良い前例になってくれた。
前面窓セルと車体断面の厚みを隠すには有効な手段と思える。
3529への各種施工は過去に施した工程が集約されたものとなった。
なお前面窓枠の黒色塗装に一部はみ出しが見られた。
側面寄の波打ちが目立ったため爪楊枝で剥離している。


車体断面の塗装が粗い側面窓。

3529の黒色窓枠は許容できる範囲に収まっていた。
その代わり車体断面は濃灰色に近く一部で銀色塗装の露出が見られる状態だった。
加えて塗料滓の付着が多く全窓の清掃から着手した。
窓枠の補修は車体断面から開始している。
途中でマッキーのペン先が詰まりインクが出なくなってしまった。
断面の清掃はクロスで拭き上げただけで余り力は加えていない。
黒色塗装の定着が悪いと思われ3532(3532F)では清掃方法を見直す必要があると思う。
度々詰まるペン先に苦労しながら車体断面の塗り潰しを終えた。
窓枠モールドは滑りが良く短時間で補修が完了した。


窓枠車体断面が黒色に改められた3529。

車体の補修が完了し前面窓セルを組み付けた。
ここで富士川車輌工業製ステッカーが採用可能か試験を行う。
使用機会に恵まれない[泉岳寺 Sengakuji]幕だが行先方向幕の寸法確認で必ず登場する。
かなり以前に切り出したもので本来よりも天地が狭い。
ただ確認用途では十分機能してくれる。
その結果ステッカーの厚みを含めTOMYTEC製3500形に適合すると判明した。
これで圧縮された[成田空港]幕からの解放が確実になった。
但し切り出しに失敗しない事が条件となる。


行先表示器内に収まった富士川車輌工業製[泉岳寺 Sengakuji]幕。

行先方向幕ステッカーの貼付は剛性確保の見地から組立後に行う。
窓セルは3531,3530と同じく下作用式で装着した。
M2車でも窓セルの復旧は容易に進められた。
TOMYTEC製3500形更新車の窓セル着脱はM1車,M2車とも同一方式で構わないらしい。
まだ回着編成が待機する状況で苦戦すると思われた工程が無いと判明したのは大きな成果だった。
誘導無線アンテナの溶着は第一次整備で済ませており特に手を加える事無く車体へ嵌合させた。


大方の車体関連整備を終えた3529。

まだ運行番号表示器への対処が決まっていない。
先に床板関連の整備を進めながら考える。
床下機器部品は3500形更新車共通になりつつある嵌合の甘さを露呈していた。
M1車に引き続き両端2点溶着とする予定が成形都合により採用できなくなった。
全4ブロックのうち3ブロックは2脚嵌合式だった。
将来の台枠交換を考慮し2点溶着を推進してきたがここで断念に追い込まれる。
ただ3530で極度に安定性を欠いていた主抵抗器部品を3点溶着にしたため諦めがついた。
3脚嵌合の1ブロックを除き2点溶着で固定している。


6口に対し4口しか埋まっていない台枠床下機器部品取付口(山側)。

床板周りでは座席部品と台枠の一体化が最終工程となる。
スカートと車体の位置関係を守るため運転台側から溶着を始めた。
完全固定を待ち上野寄へ流し込み接着剤を投入する。
恐らく台枠には変形を生じさせていないと思われた。
但しスカートのぐらつきは全く変わっていない。
座席部品はスカートの押えになり得なかった。
そこでスカート取付脚の台枠嵌合部にゴム系接着剤を塗布し完全固定化した。


ゴム系接着剤で台枠と一体化したスカート。

固定位置は従前を踏襲し極力TNカプラーSPに近接させた。
座席部品と台枠の溶着で恐れていたのは再びスカートと前面車体裾の競合が発症する事だった。
スカートの固定化を図った後に試験装着を行った。
心配は杞憂に終わり無事収まっている。
この結果で運転台側TNカプラーSP化に手応えを得られた。
ただ試行錯誤を経て辿り着いたため作業進行に問題が残る。
未入場車の3532では先ず床板一体化を施した上でスカートの位置を定めるよう変更する。


車体に触れる事無く嵌合出来たスカート付台枠。

スカートの固定化時に運行番号表示の措置が決定した。
製品仕様により表貼りは止むを得ない。
最優先は前面窓セルとの凹凸を極力減らす事になった。
残念ながらラベルタイプの富士川車輌工業製ステッカーは候補から漏れている。
フィルムタイプはマイクロエース製各種形式用とグリーンマックス製京成3150形用が手元にある。
マイクロエース製ステッカーの運行番号表示器は各桁が透過している上に寸法も小さ目で有利に思えた。
しかし肝心な桁幅が合わず脱落した。
残ったグリーンマックス製京成3150形用ステッカーは運行番号表示器周囲の白枠が再現されている。
3500形更新車には不要であり白枠内側だけを切り出した。




3529 [A01 特急 成田空港]:運行番号・行先方向幕貼付,通過標識灯擬似点灯化。

行先方向幕は無事切り出しに成功した。
印刷再現から富士川車輌工業製[成田空港]幕に変更され表示の違和感が払拭された。
ステッカーの厚みが味方し種別表示器との差異は大幅に縮小されたと思える。
苦肉の策となったグリーンマックス製運行番号表示器ステッカー採用は吉と出た。
前面窓セルとの段差は殆ど感じ取れず上手く収まってくれている。
製品印刷の[■■■]表示は覚悟していた一方で非常に落胆した箇所でもあった。
在籍する京成3150形,3200形,3300形では自作運行番号表示器ステッカーを主力にしている。
そのためグリーンマックス製京成3150形用ステッカーの運行番号表示器には余裕があり3529への貼付に繋がった。
まだ未使用の運行番号が残り入場待ちの3544F,3520F(2両口)+3552Fにも対応出来ると思う。
レンズ表面への施工に改められた通過標識灯擬似点灯化はそれなりの効果を得られた。
奥まっているレンズ位置都合により記録では余り目立っていない。
但し光源角度で煌めく時があり結果には納得している。




3529更新車現行仕様(3532F-1:側面黒色窓枠補修,床板一体化施工)。

数々の課題を克服し3529更新車現行仕様(3532F-1)が竣工した。
側面窓車体断面の黒色化が効果的だったと思う。
窓枠に限れば状態は悪くなく3530での工程追加が無ければ外観変化に至らなかっただろう。
同時にM2車の第二次整備工程も確定した。
3532では如何に効率化を図るかが鍵となる。


3530+3529 (3532F-1:M1車+M2車)。

ユニットを組む3530とも外観が統一された。
床板一体化後も車体不等沈下は伺えず別途工程を組む必要は無いと思われる。
しかしTOMYTEC製品は個体差が大きい。
3532でも上手く行くとは限らないため着実に工程を進めたい。

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