試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成200形206F 更新車 晩年仕様 前面種別表示板常設編成 (2000形クハ2003 組込,4両編成化)

2018-03-27 21:35:12 | 京成線出場
達成。

TOMYTEC製京成2000形クハ2003更新車晩年仕様(206F)が竣工した。
200形モハ207(二代目)の回着から時間を要したが拘っただけの外観に辿り着いたと思う。
これにより206F更新車晩年仕様(206F)は4両編成化され念願の正式出場を迎えた。


京成200形206F 更新車 晩年仕様。
206F:[206]-[2003]_[208]-[207]。
※前面種別表示板常設編成:2000形クハ2003 竣工,4両編成化。

京成形式の中でも2000形の生い立ちは異色である。
戦災の影響で稼動車が激減し資材不足も重なり車両不足に陥った。
そこで1948年以降から国鉄形式の払い下げを受ける。
戦争被災車のモハ30形,モハ31形,モハ50形,クハ65形,サハ39形計18両を2000形へ復旧した。
2000形化は外板を叩き直し車両限界に合わせ車体幅を200mm詰める荒療治だった。
車体は中央部を,台枠は連結器部両側を切断及び短縮する大工事だったらしい。
そのため側面は種車の原形を保ちつつも前面貫通扉が極端に狭い独特の風貌になった。
ちなみに資料ではクハ2003は国鉄クハ65069が種車とされている。
最後に竣工したクハ2017,クハ2018は台枠のみが流用され大榮車両製の新造車体が奢られた。
新たに採用された青電色とを併せクハ2016までとは別形式に見える。
戦後の混乱期を支えた2000形は車体状態が悪く100形に次ぐ更新修繕対象形式となった。
1957年からクハ2001,クハ2002を皮切りにクハ2017,クハ2018を除く16両の更新が行われている。
2100形に準じた車体ながらもベンチレーターは側面幕板上部への埋込式とされた。
通風量確保のためか天井がやや低く連結面側に丸蓋で覆われた換気口があった事を憶えている。


2000形クハ2008更新車。

雨樋は埋込式ベンチレーターを挟むよう上下に設けられ独特の外観になった。
この二段雨樋と埋込式ベンチレーターは更新進行中だった100形にも途中から採用されている。
よって100形後期更新車と2000形更新車のMT編成,MTM編成は均整の採れた組成となった。
なおクハ2001,クハ2002だけは車体幅が狭くクハ2003以降とは前面見附が若干異なっていた。
1964年から他青電形式に連動し新京成への譲渡が開始される。
先陣は更新修繕から外れたクハ2017,クハ2018だった。
新京成移籍後の車体更新では何故か1100形サハ1111,サハ1112へ編入された。
1966年以降は更新車も譲渡対象に含まれる。
最終的にクハ2001,クハ2002,クハ2004,クハ2007,クハ2008,クハ2012の6両を残し新京成へ移籍した。
車両番号を整えるためかクハ2003は新京成入籍時にサハ2007へ改番編入されている。
青電形式の4両編成固定化以降から2000形はクハ2008を除き先頭に立つ機会が失われた。
吊掛駆動形式の4両編成はMTMM編成,MMTM編成(⇦⇨⇦⇨)で纏められたため各種改造対象から外されている。
※除704F:モハ704-クハ1601-モハ1602-クハ2203 (吊掛駆動)。
そのため更新修繕で3000形,3050形から運転台側窓上部通過標識灯が廃された後も2000形は原形が維持された。
仮にTMMM編成やMMMT編成であれば別の道を歩んでいただろう。
その後3000系列の増備により青電形式は勢力を縮小の一途を辿る。
輸送力増強で8両編成まで登場した新京成移籍形式群とは対照的な末路だった。
1980年に入ると2000形更新車は510形514Fのクハ2012を残すだけになっていた。
◆514F:514-209_2012-513。
この時点で青電色を維持する形式は200形,210形,510形,700形,2000形,2100形,2200形に絞られた。
既に210形,2000形(クハ2008),2100形は新赤電色への塗装変更が開始されており700形と2200形が青電形式の最期を飾る。
但しモハ704+クハ2203はカルダン駆動改造車で吊掛駆動の青電形式としては514Fが最終編成だった。
その514Fは1980年4月を以て引退の時を迎え同時にクハ2012も廃車されている。
大半が中間組込となった2000形だがクハ2008のみ210形,2100形との4両固定編成に引き当てられた。
◆2008F:2008-219-210-2109。
これは先にクハ2010が700形との4両固定編成へ充当されていたためだった。
2100形と時を同じくして特別修繕が行われ下段雨樋の撤去やFS-28への台車交換等が施される。
一新されたクハ2008だったが埋込式ベンチレーターや二灯化された前照灯位置がその出自を伺わせた。
前照灯位置の違いは後の3100形冷房改造車と類似の前面見附に変わった3050形冷房改造車同様に鋼体都合だと思われる。
1980年には新赤電色への塗装変更まで行われ2000形では出色の存在となった。
カルダン駆動及び中間電動車化へ梶が切られた210形の更新修繕はクハ2008の運命を変えたと言えよう。
クハ2008は戦争被災車が種車ながら異例の長寿車となり1987年9月の3600形増備まで生き残っている。


側扉窓のHゴム支持が目立つクハ2003 (モハ206,クハ2003,モハ208,モハ207)。

暫定3両編成だった206Fはクハ2003の竣工で4両全車が出揃った。
組成はMTMM編成で206-2003_208-207に変わる。
1両だけの2000形を強調すべく側扉窓をHゴム支持化した。
簡易再現の域を抜け出せていないが引きでも200形との側扉窓支持差が感じ取れる。
妻面貫通扉窓での車体断面黒色化試行までは単に断面だけを施工する予定だった。
作業失敗により側板一部の黒色化が決定しモハ206,モハ208,モハ207とは異なる雰囲気に繋がった。


全車の屋根上見附が異なる206F (モハ206,クハ2003,モハ208,モハ207)。

モハ208は4両編成対応化入場でパンタグラフ撤去車へ改装した。
200形は偶数車と奇数車で屋根上機器配置に違いがある。
屋根板を新規製作したクハ2003は特例だが206Fの屋根上見附は4両毎に差別化が図られている。
パンタグラフ取付孔を埋め込んだモハ208は加工痕にF_MODEL製ねずみ色1号を塗布した。
クハ2003の屋根板も同色を採用しており暫定3両編成時代より隠蔽度が高まったと思う。


クハ2003,モハ206 (206F:中間組込車,先頭車)。

製作したクハ2003用屋根板は雨樋付近のR整形が難しかった。
モハ206の外観に比べクハ2003は屋根板を装着していないようにも見えてしまう。
もう少し屋根板端部の厚みを持たせても良かった。
但しモハ207用屋根板を加工せずに済んだ点は収穫だった。
新たに2000形を竣工させる場合の種車はモハ206,モハ207の何れでも構わない。
また使用中止となったモハ207用屋根板を転用すればモハ206を奇数車に方転出来る。
今後種車の手配は多少楽になるかもしれない。


クハ2003,モハ208 (206F:中間組込車)。

先にモハ208で運行番号表示器印刷を除去し中間組込車化した。
クハ2003も同一方式での中間組込車化を行っており類似の前面見附を持っている。
通過標識灯追設は雰囲気重視のため余り追求していない。
前面窓寸法の差異も再現は難しいと考えていた。
ところが側扉窓Hゴム支持化の影響を受け窓セルと車体断面を黒色化した効果が意外に大きかった。
クハ2003はモハ208の前面窓と同一天地のままで前面窓下部車体の窪みも再現していない。
それにも関わらず車体断面の黒色化が前面窓を拡大した様に見せる錯覚を生んでくれた。


クハ2003,モハ208 (車体断面黒色化施工車,車体断面黒色化未施工車)。

この錯覚は俯瞰で更なる印象差に繋がった。
側扉窓セルと同じく前面窓セルHゴムモールドの断面もマッキーで塗り潰した。
前面窓セルの成形形状が黒色化済の車体断面と重なり前面窓を大きく感じさせる。
クハ2003は200形の基本成形に一切手を加える事無くモハ208との差異強化を図れた。
これは偶然の産物に過ぎない。
屋根板,埋込式ベンチレーター以外でも2000形の特徴を引き出せたのは幸いだった。




クハ2003+モハ208 (206F:4両編成化)。

206Fはクハ2003の増備で暫定3両(⇦⇦⇨)編成から4両(⇦⇨⇦⇨)編成へ組成変更された。
暫定3両編成時代はモハ206とモハ208が同一方向に連なる変則組成とした。
MTM編成であれば荷電代走運用になり得た。
種車都合から3M編成にせざるを得ず4両編成化前にモハ206とモハ207へ普通[]種別板と捲り式行先方向板を取り付けている。
今考えるとクハ2003竣工後のモハ206,モハ207再入場は効率が悪く先行して正解だったと考えている。


モハ206+クハ2003 (206F:先頭車+中間組込車)。

心配されたモハ206とクハ2003の車体高差は殆ど生じなかった。
これでモハ206の不安要素も拭え206Fが再出場を迎えている。
念願の正式出場となったが離合に相応しい編成が他に在籍しない弱点を抱える。
何れは新たな青電形式編成を出場させる方向で考えている。
モハ206,モハ207は再び中古市場での動きが鈍くなった。
この時間を利用しプロトタイプの絞り込みと2000形用屋根板製作を進めるのも一手だろう。

この記事についてブログを書く
« 京成2000形クハ2003[206F] 更... | TOP | モハ101-236[ツヌ115F] 車体... »