試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成200形モハ206 更新車 晩年仕様 TOMYTEC製TM-05R動力ユニット搭載,TNカプラーSP化:後退取付施工

2018-01-25 21:39:00 | 京成線
難敵。

第二次整備のためTOMYTEC製京成200形モハ206更新車晩年仕様(206F)を入場させた。
所有車両で17m級車両の動力車化は初となる。
基本的にTOMYTEC製TM-06R動力ユニット(18m級用)搭載と同一工程で構わないと考え作業に入った。


京成200形モハ206 更新車 晩年仕様。

モハ206は第一次整備中に動力ユニット搭載が決定し下廻りの整備を先送りにした。
将来の4両編成化に備え誘導無線アンテナの装着は行わない。
グリーンマックス製PT-43形パンタグラフへの換装も終えている。
よってTOMYTEC製TM-05R動力ユニット(17m級用)の加工が終わり次第竣工となる。
但し運転台側用TNカプラーSPのカバー整形は非動力車台枠との構造差異を考慮し中止された。
このTNカプラーSPはモハ207(206F)に転用し運転台側TNカプラーSPの装着位置基準車とした。
TM-05R動力ユニット搭載の工程で鍵を握る箇所と考えていたが予想外の方向へ進む事になる。


入工中のモハ206。

車体とTNカプラーSPの競合さえ乗り切れば床下機器部品の移設で大半の作業が終了すると思えた。
TM-05R動力ユニット単体はウエイト黒色化がTOMYTEC製動力ユニットでの標準化項目にしている。
モハ207で3H-67非動力台車の輪心黒色化を施してしまいモハ206用動力ユニットもこれに倣う。
床下機器部品移設は第二次整備の最終工程となる。
非動力車用床板からの床下機器部品撤去は取付方向誤認防止のため移設直前まで手を着けない。


TOMYTEC製TM-05R動力ユニット一式。

TM-05R動力ユニットは初投入部品である。
外観はTM-06R動力ユニットの台枠を短縮しただけと言え特に気になる箇所は見当たらなかった。
3種類が付属するスペーサーのうちどれがモハ206に適合するかの特定から開始した。
先ず車体にTM-05R動力ユニットを仮装着する。
ところがどうやっても車体が浮いてしまい嵌合できなかった。


尾灯セルを避けるように整形した台枠。

TM-06R動力ユニットとは勝手が違い戸惑った。
連結面側は問題無いが運転台側が嵌め込めない。
確認すると運転台側台枠が前面窓と一体成形されている尾灯セルと競合していた。
そこでスペーサー取付孔から前端側の台枠を斜めに切断している。
今まで運転台付車へ動力ユニットを組み込む機会が無く落とし穴だったと言えよう。
いきなり襲われた壁だったが無事乗り越えられた。


TNカプラー用取付ボスが無いSサイズスペーサー (Sサイズ,Mサイズ)。

動力ユニット仮装着でモハ206に使用するスペーサーはSサイズだと判った。
しかしSサイズスペーサーにはTNカプラー用取付ボス成形が無く再び壁にぶつかっている。
TOMYTEC製品はTNカプラー若しくはTNカプラーSPで統一されており206Fも踏襲したい。
Mサイズスペーサーを見ると前端側を切断すればSサイズスペーサー長まで短縮可能に思えた。
ダミーカプラー用取付孔は使用しないため構わずニッパーで切り落としている。


強引に整形したSサイズ擬スペーサー (Mサイズ,Sサイズ擬,Sサイズ)。

TM-05R動力ユニットへSサイズ擬スペーサーを嵌め込む。
そしてTNカプラーSPを装着したが何処か様子がおかしい。
予想よりTNカプラーSPが大きく前に張り出しこのままでは車体長へ収まらない様に見える。
取り敢えず車体と嵌合させ状況を確認した。
Sサイズ擬スペーサーは上手く嵌まった一方でTNカプラーSPは車体裾へ派手に干渉してしまった。


全く当てが外れたSサイズ擬スペーサー。

これと同時にSサイズスペーサーにTNカプラー用取付ボスが無い理由も判った。
Sサイズ擬スペーサーでも台枠と前面妻板の間にTNカプラーSPマウントを受け入れる寸法が取れない構造だった。
TNカプラーの取付が行えないSサイズスペーサーは当初から取付ボス成形を行わなかったと思われる。
全長だけを短縮したSサイズ擬スペーサーでは物理的にTNカプラーSPを装着出来ない。
今度はTNカプラーSPの整形に進み意地でも206FのTNカプラーSP化実現を目指す。


後退取付対応化したTNカプラーSP。

前面から張り出すTNカプラーSPは後退させる必要がある。
一方Sサイズ擬スペーサーのTNカプラー取付ボスは活かしたい。
良い参考になったのはグリーンマックス製京成3150形運転台付車で採用した前進取付である。
TNカプラーSPの前進取付対応化とは逆に車端側の嵌合部を逆コ字形へ整形した。
台枠と支障する車体中央側は復心スプリング引掛部へ向け切断し台形に近い形状とした。
更にTNカプラーSPカバーの凸部を切除し動力台車側への下垂を少しでも抑制している。
この際第一次整備で施した車体裾カバー前面側の整形も済ませた。


後退取付対応TNカプラーSPをSサイズ擬スペーサーに前進取付した運転台側。

TNカプラーSPカバー天面にゴム系接着剤を塗布し台枠へ装着する。
取付基準位置は前端寄ボスとし逆コ字形に整形した嵌合部を極力前進させた。
なお試行中に動力台車との干渉部を削り台車旋回半径を確保した。
施工部には復心スプリング引掛部両端のモールドも含まれる。
運転台側TNカプラーSP化は予想を上回る工程で大掛かりになってしまった。
後退取付したTNカプラーSPの後部は本来進入しないはずの動力台車上部まで達し上下方向の余裕を失った。
そのためモハ207との運転台側TNカプラーSP位置合わせは放棄せざるを得なくなっている。


カバー整形を省略した連結面側用TNカプラーSP。

運転台側のTNカプラーSP後退取付を終えたが連結面側は全く手を着けていなかった。
当然Sサイズ擬スペーサーと原形のTNカプラーSPでは車体に収まり切らず運転台側と同様の加工を施す。
幸い切妻のためTNカプラーSPのカバー細工を省略できたのは助かった箇所になった。
連結面側用TNカプラーSPへの細工はジャンパ連結器部以外運転台側用と変わらない。
台車旋回半径に支障するロアフレームは現物合わせで行っている。
丸妻の運転台側とは多少細工が異なると思えたが切除部は殆ど同じだった。
TNカプラーSPの嵌合部加工も後退取付対応化し台枠下部への張り出しを抑制した。




車体長に収まった運転台側TNカプラーSP。

連結面側も逆コ字形に整形した嵌合爪を端部嵌合ボス部に合わせゴム系接着剤で固定した。
やっとの思いでTM-05R動力ユニットのTNカプラーSP化を終え車体と嵌合させる。
まだゴム系接着剤が固着しておらず調整を行うには今が理想である。
最大の課題だった運転台側TNカプラーSPは前面車体裾と競合しない位置に定まっており大成功だった。
しかし連結面側は僅かに引き込まれた位置で止まってしまい調整が利かない。
もう少し逆コ字形整形部の立ち上がりを細くするべきだったらしい。


TM-05R動力ユニットを仮装着したモハ206。

前途の通りTNカプラーSPの固定はゴム系接着剤に頼っている。
連結面側の位置修正は床下機器部品移設前に施す事にした。
ゴム系接着剤固定でも牽引力や推進力に耐えられるのはグリーンマックス製3150形で証明されている。
現在に至るまで4+4編成の連結部でも特に不具合は生じていない。
従って再修正は何ら問題無いと思う。




モハ206(TOMYTEC製TM-05R動力ユニット仮装着:TNカプラーSP後退取付施工)。

まさかTM-05R動力ユニットが17m級車体のTNカプラー化に非対応だとは思わなかった。
3500形M1車へのTM-06R動力ユニット搭載とは全く工程が異なり苦戦を強いられている。
強引な手法ながらTNカプラーSP化を図れたのは収穫と言えよう。
その代わり3H-67動力台車組立や床下機器部品移設の時間を失ってしまった。
モハ206へのTM-05R動力ユニット仮装着を一区切りに第二次整備を一旦中断する。
残る工程はTOMYTEC製品共通のはずで次回こそ竣工まで持ち込めるだろう。

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