試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3500形3529[3532F-1] 更新車 現行仕様 運転台側TNカプラーSP取付試行(スカート整形施工) ※TOMYTEC製

2018-06-20 21:22:23 | 京成線:3500形
両立。

TOMYTEC製3500形3532F更新車(3532F)の第二次整備は3532,3529が入場対象車で残る。
第一次整備ではスカートの取付構造だけ確認しTNカプラーSP化は連結面側のみとした。
運転台側はTNカプラーSPとスカートの組み合わせ方式に難航しそうだった。


京成3500形3529 更新車(3532F)。

その他にも側面黒色窓枠補修,前面窓セル透過対策,運行番号表示・行先方向幕ステッカー貼付等の作業が待ち受ける。
先ずは運転台側のTNカプラーSP化に集約する。
スカートの予備品は無く一発勝負にならざるを得ない。
失敗は命取りであり切り分けを行いながら作業を進める。


入工中の3529。

先発は成田寄M2車の3529とした。
3529は失敗した通過標識灯擬似点灯化に再挑戦する。
擬似点灯化施工は3529に限るため3532は次発となった。
床板を分離しスカートとダミーカプラーを取り外す。
スカートは台枠両端とダミーカプラー台座に頼る4点嵌合式である。
主軸は爪嵌合式のダミーカプラー台座に置かれ台枠支持は補助的な役割に留まる。
TNカプラーSPの取付にはダミーカプラー台座用嵌合爪を撤去しなければならない。
ダミーカプラー台座の嵌合が無い状態でどの程度の安定性を維持できるか確認を行った。


ダミーカプラーの撤去後に試験装着したスカート。

その結果一応台枠の2点嵌合でも装着は可能だった。
しかしぐらつきが激しい上に位置も定まらない。
3532は構造確認時にスカート関連部品を一度分解していた。
そのため本来のスカート取付位置が分からなくなってしまった。
急遽代打にマイクロエース製3500形3525更新車中期仕様(3520F-2)を持ち出した。
根本的にTOMYTEC製とはデフォルメ方向が異なるものの同一形式に変わりなく参考にはなる。
取り敢えず3525に近ければ構わない。


スカート位置確認中の3525,3529 (マイクロエース製,TOMYTEC製)。

3529は床板嵌合猶予が大きい。
台枠は上野寄車体妻板とTNカプラーSPのジャンパ連結器モールドが重なる位置に定めた。
スカートは枕木方向,線路方向共に可動範囲が生じるほど嵌合精度が低かった。
枕木方向の角度は取付時の調整で対応出来る。
先に線路方向の許容位置を探る。
その結果台枠に対し最も深く押し込んだ箇所が3525と類似になると判明した。
従って台枠への加工は不要となっている。
続いてTNカプラーSPフレームの取付部と支障代を確かめる。
その前に嵌合爪を兼ねるスカートの縦桟を切り落とした。
まだTNカプラーSPが組み込めるか判っていない。
何れ不自然な縦桟は撤去される運命にあり先に細工を行った。


縦桟を切除したスカート。

2本の縦桟はスカート下部裏面から一体成形で立ち上がっている。
スカートの剛性低下を防ぐためリブ状に残る裏面立ち上がり成形分は存置した。
上部をスラント状に整形し外観から切除痕が突き出さないよう一捻りを加えている。
灰色成形密着自動式TNカプラーSPも3532F回着までに間に合わず整備開始を遅らせる原因になった。
しかも発注量を抑えたため所要数しか持ち合わせがない。
スカートとの競合部確認で手を加えられる状況ではなかった。


天面成形が近似のTNカプラーマウントとTNカプラーSP。

代役には保管品のTNカプラーマウントを起用している。
構造の異なるTNカプラーだがマウントの成形はTNカプラーSPフレームに類似していた。
用途を失った部品でもあり容赦なく加工出来る。
先に大凡のスカート取付位置が絞り込めていた。
TNカプラーマウントとスカートを見比べ競合箇所を切り分ける。
唯でさえ安定性に欠けるスカートはこれ以上手を加えたくない。
自ずから細工対象はTNカプラーマウントになった。
少しずつ切除を進めたところTOMIX製スカート用取付台座を切除した形態に辿り着いた。


スカート取付脚を回避するTNカプラーマウント。

この形状はグリーンマックス製京成3400形,3700形の一部で採用しているスカート付SPフレームTNダミーカプラーに近い。
少しだけスカートとTNカプラーSPの両立に光が見えた。
次はスカート内にTNカプラー本体が収まるかが課題となった。
他形式ではスカート天地が狭くTNカプラーSPを装着出来なかった車両が存在した。
一旦スカートを撤去しTNカプラーマウントにフレームを取付ける。
TNカプラーSPとは若干の寸法差異が存在するがスカートに接触しなければ問題無いと思われた。


胴受を収められたスカート。

再度スカートを装着すると何処にも当たらずに嵌め込めた。
これでTNカプラーSPの加工に移行出来る。
試験用のTNカプラー部品は一定の役目を果たしお役御免となった。
前途の通りスカート付SPフレームTNダミーカプラーの形状とほぼ同一で手慣れた作業になると思われた。
何も注意を払わずTOMIX製スカート用取付台座をニッパーで切除している。
これが後の追加作業に繋がってしまった。


TOMIX製スカート用取付台座を撤去したTNカプラーSPフレーム。

整形したTNカプラーSPを取付けスカートを装着した。
一見では成功したように見える。
ところが車体との試験嵌合時にスカート取付脚の張り出しが前面車体裾に当たり組み込めなかった。
スカートの角度を変更しても支障は解消に至らない。
物理的に収まらない寸法だった模様で仕切り直しに迫られた。


スカートを微妙に押し出すTNカプラーSP。

原因を探るべくTNカプラーSPとスカートの接触部を確認した。
スカートを定位置まで押し込むと全体が前傾し取付脚が迫り出してしまう。
TOMIX製スカート用取付台座の成形はTNカプラーとTNカプラーSPで若干異なっていたらしい。
更にTNカプラーSPの整形も拙かった。
スカート付SPフレームTNダミーカプラーと同様にした切除方法だったが細密さが必要だった。
TNカプラーSPの取付脚側断面にはニッパーを起用した弊害でリブ状のようなものが残っている。
これがスカートを押し出す主要因だった。
僅かな張り出しが車体との嵌合を阻害するほどTNカプラーSPとスカートの余裕は無い。
クラフトナイフで抉り取るように再加工しスカートを取り付けた。


リブ状のようなものを廃したTNカプラーSP整形部。

床板単体ではスカートの前傾が生じなくなった。
スカート角度を保持したまま慎重に車体へ組み込む。
今度は前面車体裾をぎりぎりで回避し嵌合まで至った。
3500形M2車の運転台側TNカプラーSP化に大きく前進した瞬間でもあった。
まだ座席部品と台枠の溶着を行っておらず完成形とは言えない。
車体に組み込んでもスカート自体のぐらつきは残るため更なる細工が必要だと考えている。


黒色化した前面側スカート取付脚。

3532,3529共に第一次整備時で前面車体裾から覗く銀色塗装のスカート取付脚が気になっていた。
そもそも銀色塗装を採用した理由に苦しむが車体裾からはみ出す取付脚は違和感の基だった。
そこで取付脚前面側をマッキーで塗り潰す影絵手法を採用した。
更なるスカートへの追加加工を避け車体裾に埋没させる簡便な方式で留めている。


3529+3532 (TNカプラーSP交換車+ダミーカプラー装着車)。

ダミーカプラーで残る3532を持ち出し3529のスカート取付状況を確認した。
4点嵌合を維持する3532のスカートだが微妙な傾斜がある模様で車体裾との間に空間が生じている。
一度分解した影響かもしれないが3529と同様に見えた。
現状まで漕ぎ着けられれば十分だろう。
まだ線路方向,枕木方向のずれは抑え込めていない。
床板一体化後も車体との嵌合に影響が出なければ固定化も一つの手段だと思える。




3529 [■■■ 特急 成田空港]:運転台側TNカプラーSP化。


3525 [A23 快速 宗吾参道]:3520F-2(マイクロエース製)。

床板を仮嵌合させた状態ではダミーカプラーが廃され理想形に一歩近付いた。
3529のTNカプラーSP化はこのまま進められそうな予感がする。
床板一体化は全工程の最後を締める。
この床下見附を維持したまま竣工させられると期待したい。
なおスカート位置の参考用に登場した3525(マイクロエース製)とは共通項が生まれた一方で差も広がった。


3529+3528 (TOMYTEC製+マイクロエース製)。

運転台側TNカプラーSP化により連結器位置とスカートの間隔差が更に浮かび上がっている。
3500形未更新車に続く競作になったが両社のデフォルメ差は全く変わっていない。
スカートを有する3500形更新車はこの差異を強調させる結果に繋がっている。
但し双方での個性と言え優劣を付けるものではないだろう。

3529の運転台側TNカプラーSP化は一応成功した。
しかしその他の細かな対策を数多く抱えている。
何れも優先順位が付け難い工程と言える。
初施工となる前面窓セルの小細工から着手し3532の第二次整備に繋がるよう努めたい。

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