試運転 ~TRIAL RUN~

初心者の拘りと見切りが激しい自己責任による鉄道模型軽加工記録

京成3500形3531[3532F-1] 更新車 現行仕様 PT-7113-B形パンタグラフ換装,側面黒色窓枠補修施工 ※TOMYTEC製

2018-06-18 22:07:33 | 京成線:3500形
換装。

TOMYTEC製京成3500形3532F更新車(3532F)の第二次整備に取り掛かった。
ようやくTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフが届きM1車の入場に間に合ってくれた。
初入場車は計画通り上野寄M1車の3531とする。


京成3500形3531 更新車(3532F)。

第一次整備で3530(3532F)の側面黒色窓枠モールドに塗料が行き渡っていない箇所を多数発見した。
3531も万全とは言えず処理の甘さが散見される。
対処はグリーンマックス製3700形3728F旧後期仕様(3728F-1:休車中)で初採用したマッキーでの補修とする。
3728,3721(3728F-1)は前面黒色塗装に掠れが生じ一部に下地の銀色塗装が見える状態だった。
改修により窓枠は黒色へ戻り失策が基ながら前面車体断面黒色化まで深化した。
この補修は3400形全編成,3700形一部編成に波及し実績がある。
同じ銀色塗装へのマッキー塗布で十分な効果を得られると思えた。
しかしTOMYTEC製3500形更新車への施工は当然ながら初となる。
モールド厚等の感覚を掴むため3530より軽い症状で留まっていた3531を補修試行車に抜擢した。


入工中の3531。

窓枠の補修は側面窓セルを取り外して行う。
完全分解には屋根板を撤去する必要があった。
3532FのM1車は第一次整備時にクーラーキセの溶着が時間都合から省略されていた。
パンタグラフ換装にも手を着けられずほぼ製品原形に近い。
分解で最初に取り外すのは屋根板である。
先に屋根板関連の整備を進めた後に窓枠補修へ移る工程とした。
固定式のPT-71系パンタグラフは2脚嵌合式でありグリーンマックス製PT-71C形パンタグラフも採用できた。
しかしマイクロエース製3520F更新車現行仕様(←中期仕様:3520F-3)にTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフを用いていた。
3500形更新車での統一を図るためTOMIX製PT-7113-B形パンタグラフの起用に拘っている。


TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフで置き換えられた固定式PT-71系パンタグラフ。

TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフでは4脚嵌合式に変わる。
装着時のクリック感こそ得られなかったが嵌合精度は比較的高い部類に入ると思う。
ただ何かと取扱いに苦慮しているシングルアーム式パンタグラフには不安が尽きない。
固定化した方が無難と思え屋根板裏面に突き出すパンタグラフ取付脚先端付近を木工用ボンドで固めた。
クーラーキセは一度撤去し再装着を行っている。
屋根板へ接するまで押し込み流し込み接着剤で溶着させる。
この際僅かに浮き上がる現象が生じしばらく圧を与え続けた。
パンタグラフ踏板,避雷器,ヒューズボックスはしっかり嵌まり込んでおり特に措置は施していない。


最初に嵌合を解いた側面窓セル押え(上野寄)。

いよいよ側面窓セルの撤去に入る
TOMYTEC製京成3500形3592F現行色(6次車),3556F朱帯色(3次車)では側面窓セルの撤去に難航し強引に作業を進めた。
嵌合の固さはTOMYTEC製京成200形更新車モハ206,モハ207にも引き継がれている。
モハ208更新車晩年仕様(206F)は中間組込車化に当たり運行番号表示器の消去を試行した。
力業での窓セルの取り外しは200形回着までに時間を要した経緯があり見合わせとなった。
その代わりニードルで側面窓セルを浮かせられると判明した。
現時点では安全な方法と言え3531でも採り入れている。
先ず上野寄車体妻板と側面窓セル押えの間にニードルを差し込み窓セル押えを撤去した。
次に成田寄車体側板端部と側面窓セルの隙間へニードルを立てる。
少しずつ挿入すると自動的に嵌合が解け第一段階を抜けた。


撤去まで至った窓セル。

第二段階は側面窓セルの撤去となる。
車体幕板上部内側に側面窓セル押えが存在するものの取り外し時には影響しない。
側扉窓から車体裾方向へ伸びる嵌合爪部を内側に倒し大半の窓枠から浮かせる。
最後に側面行先表示器部を車体外側から押し込み側面窓セルの撤去を終えた。
3500形未更新車での苦闘と200形更新車の慎重さが融合した側面窓セルの取り外し方法だと言えよう。
順調かつ瑕疵無く撤去を迎えられ当面TOMYTEC製品ではこの方式を踏襲する。


全周を塗り潰した窓枠(海側)。

車体を再確認したところ黒色塗装の甘い箇所は窓枠に留まっていなかった。
車体断面も濃灰色に近くはっきりした色合いではない。
製造ラインは車体外側から塗料を吹き付けたと思われる。
それを表すかのように天井には黒色塗料の飛沫が広がっていた。
当初は窓枠モールドをマッキーで塗り潰すだけの予定だった。
一部の補修を試みたが思ったより締まった雰囲気を醸し出せない。
黒色化は窓枠に加え車体断面にも施した。
これはTOMYTEC製200形モハ207を2000形クハ2003に形式変更する過程で車体断面を黒色化した前例が参考になった。
2000形への編入では側扉窓を押え金支持からHゴム支持に改める必要があり簡易再現を図った。
3531には窓枠モールドがありクハ2003の側面窓車体断面黒色化より難易度は低い。
全側面窓の車体断面も黒色化し見附を統一した。
マッキーは3700形の前面窓枠補修と同じく細字側を用いている。


側面窓セル取付の注意点となった行先表示器付近。

窓枠の補修を終え窓セルの復旧に入る。
撤去時とは逆の順番を辿るため成田寄妻面窓セルを装着した。
そして側面窓セルを車体幕板内側の嵌合爪内に沿わせる。
しかし側面行先表示器周囲だけ面が合わなかった。
この方法では差込角度からか行先表示器窓部が嵌合爪内に入り込んでくれない。
一旦側面窓セルを取り外し先に行先表示器へセルを押し込む。
再度嵌合爪内に沿わせ上段窓と車体にずれが無い事を確認する。
後は側面窓セル下段窓側と車体をクロスで入念に挟み付け確実に窓枠内へ収めた。
最後に上野寄の側面窓セル押えを梃子の原理で嵌め込み窓セル嵌合に至った。
TOMYTEC製3500形未更新車では下段窓側から組付を行ったが確実性や効率は3531の方が高く感じられた。


若干の反りが生じた屋根板。

車体関連では屋根板の取付を残すのみとなる。
PT-7113-B形パンタグラフの固定に用いた木工用ボンドは既に半透明化していた。
これで近接する押込式嵌合脚は安心して取り扱える。
クーラーキセは各台毎に溶着を施した。
本来よりも深い差込長に変わったため屋根板は全体的に円弧を描いていた。
先ず屋根板中央の押込式嵌合脚を車体に合わせる。
続けて嵌合爪部を押し込み仮装着した。
ここで車体中央部の屋根板を車体に密着させ屋根板の撓みを吸収させている。
最後に両端の屋根板を押さえ込み雨樋との隙間発生を防止した。


両端2箇所を溶着した各床下機器部品。

車体関連の整備は想定より順調に進んでいる。
余裕を持って床板関連の工程に入れた。
3532FのM1車は共に床下機器部品の安定性が劣っていた。
症状は3531より3530の方が酷く先行措置には相応しい。
床下機器部品は都合4ブロックに分かれていた。
各々に3脚の取付脚が存在する。
溶着は両端2脚に行い中央は未措置とした。
上下左右方向とも嵌合が緩く3点溶着は垂直が出し難い。
敢えて2脚溶着で留め角度調整を容易化すると同時に不意な台枠交換に備えられる態勢とした。
ウエイトは振動音を嫌いゴム系接着剤で台枠に固定している。


輪心黒色化を施したFS-389非動力台車(上野寄)。

3531は第一次整備で時間に追われたため金属車輪化のみ行い輪心黒色化を先送りしていた。
金属車輪のクリーニングまでは終えておりマッキーで輪心を塗り潰すだけでFS-389非動力台車の整備を終えられた。
最後は座席部品と台枠の一体化となる。
TNカプラーSPを撤去しダミーカプラー取付孔から流し込み接着剤を投入する。
更に座席部品と台枠の隙間から筒状のダミーカプラー取付孔成形部へ向け追加投入し溶着度を強化した。
座席部品及び台枠端部の平行保持を確認し床板関連の整備は完了となった。




3531更新車現行仕様(3532F-1:TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフ換装,側面黒色窓枠補修,輪心黒色化)。

一体化した床板は支障なく車体に収まった。
確実に剛性が高まり入場前とは異なる嵌合の手応えを得ている。
当初座席部品と床板の溶着は不意な床板脱落を防ぐための手段に過ぎなかった。
剛性向上は走行安定性にも関わる。
現在はTOMYTEC製品で欠かせない工程に格上げされている。
補修した黒色窓枠は銀色塗装が目立たなくなり黒色窓桟との一体感が増したと思える。
試行項目だったがこの結果であれば3530の改善も図れるだろう。


初登場となった側面種別,行先方向幕表示車。

なお恒例の側面行先表示器基準幕化は未施工とした。
3532F更新車現行仕様(3532F-1)は製品印刷による[特急 成田空港]表示を活用する。
そのため側面行先表示器基準幕化は必要無く製品原形を保った。
所有車両では原則的に側面行先表示器を無表示にしている。
例外は意図的に色地[普通]種別幕を存置した3500形3592F現行色晩年仕様(3592F-2)だけだった。
製品印刷による全表示車は初登場で異色の存在となる。




3532+3531 (M2車+M1車)。

TOMIX製PT-7113-B形パンタグラフへの換装により3531の外観は大幅に向上した。
初見ではある程度通用すると思えた固定式PT-71系パンタグラフだったがやはり物が違う。
輪心黒色化が施されたFS-389非動力台車は3532(3532F)のFS-089非動力台車と並ぶため効果的に映る。
第一次整備とは対照的な進捗で3531の竣工を迎えられた。
側面黒色窓枠の乱れが激しい3530だが結果的に3531は窓枠全周を補修しており基本的には変わらない。
ペン先の踏み外しに注意を払い3530も3531と同様の外観に至るよう整備を進める。

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