ひょんなご縁で、本の話をするようになった方から薦められた本。
「偶然の装丁家」矢萩多聞 著。
時に、とてもおいしい湧水を飲んでいるような気持ちになる本がある。
この本は、そういう感じ。
するすると 自然にこころとからだに沁み入って来るような
穏やかでやわらかな流水のような文章。
こころのままに自然体で生きるって
こういうことなんだろうなあ・・・。
この著者は中学一年で学校へ行くことをやめて、
14歳からインドで暮らし、絵を描き続け、
現在装丁家。その他いろんな活動をしていらっしゃるようだ。
この本は「就職しないで生きるには」というシリーズの中のひとつ。
といっても、ノウハウ的な本ではありません。
こういう生き方もあるんだなあ。とか
こうやって、ひととひとの間に生きてこそ「人間」なんだよなあ。とか
元来、ヒトはムズカシイイキモノなんかとちゃうやんなあ。とかとか
いろいろと、ニンゲンの
とても根っこ的な部分を思い出させてもらえたような気がする。。。
本を薦めてくださった方は
わたしの息子が中学2年から学校へ行くのをやめ、
16歳の今も生きづらさを抱えていることを知らない。
モノヅクリの仕事のご縁で出逢ったその方に
息子の話をする機会がまだないだけのことなのだけれど。
それでも、偶然にも、わたしにこの湧水のような本を
薦めてくださった「フシギ」に感謝です。
こういうふしぎなご縁を
ひとつひとつ丁寧にありがたく受けとめて
たいせつにして生きてゆきたいものだなあ と しみじみ思うこの頃。
自分らしく生きるために、自分で自分を生きづらくしている若者たち。
ひとりひとり、みな違うけれど
それぞれに、それぞれのココロが なんとなく心地良いと思える「居場所」を
だんだんに見つけることができたら・・・と ハハは願います。