時間のしずく time drops 

たいせつなもの。すきなこと。

ひとの文字の温度

2021-10-24 | essay


大抵いつも急を要する来阪。
今回も父の心臓手術の為の転院日に合わせて急遽行くことに。
まだコロナ禍の面会禁止が続いているため、転院手続きと手術説明のこの日が父に会える希少な機会。

信憑性100%とはいかないけれど、念の為薬局で抗原検査キットを買ってきてすぐ陰性を確認し、ワクチン接種証明用紙をカバンに、新幹線に飛び乗った。

果たして、手術無事成功!
またもや難を逃れることが出来た父の生命力は正に驚異的。
去年から日本でも認可されたらしい新しい方式の手術を受けることができ、体力を消耗し切ってしまうことなく無事に生還。
御尽力いただいた先生方にこころから感謝。。。

そして、大阪へ行くたびにいつも常宿にしている病院近くのビジネスホテル。

出張で使われるのがほとんどのようで、たいへんシンプルでお手頃価格。
小ざっぱりとした清潔感が気に入っている。
そして、いつ訪れても部屋のデスクの電話の横に
「この部屋の清掃を担当したのは○○です。ごゆっくりお寛ぎくださいませ。」と名前のところが直筆で書かれた小さなメモが置いてある。

いつでも父の病状に気を揉みながら辿り着くホテルの夜、このたった数文字の直筆サインの温かさに何度こころを持ち上げてもらったことか。

わたしはおセンチ過ぎるのかもしれないけれど、無機質なビジネスホテルの部屋が途端にほっとする空間に変るような気がするのだ。

そして翌朝、そのメモの端っこに
「ありがとうございました」とわたしも一言書いて、部屋を後にする。

たとえ一晩の仮の寝床でもたくさんの想いを抱えて過ごす場所。
わたしのように、人の字の温かさにひと時こころを緩めさせてもらったヒトは他にもたくさんいるはず。。。

ありがとうございます。
またお世話になりま〜す。

退院出来たら、父が夢に見るほど食べたがっている焼肉を食べに連れて行ってあげよう!


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