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たいせつなもの。すきなこと。

哀しき童謡

2013-12-01 | essay



「やぎさんゆうびん」は有名な童謡。


しろやぎさんが送った手紙をくろやぎさんが食べちゃって
さっきの手紙のご用はなあに?って返事を送るんだけれど
それをしろやぎさんがまた食べちゃうんだよね。

結局手紙の用事はなんだったのだろうね?

子どもの頃、手紙を読みたいのに食べてしまう・・というところが
可笑しくもなんだか悲しかった。

ヤギさんのサガ・・・みたいな。
我慢できずに食べてしまうやるせなさ、みたいな?

もうひとつ、なんだかせつなかった童謡と言えば、
「森のくまさん」だ。
森の中でばったり出会ってしまったお嬢さんに、
「お嬢さんお逃げなさい」ってクマが自分で言うところ。
これ、すごく哀しい。


子どもごころに、傷つけたくないのに、近づけば傷つけてしまう・・・という、
野性の本能の哀しさみたいなものを感じてしまって、なんだかこころが痛かった。

でも、最後にクマは図らずもお嬢さんと踊ることになってしまって・・・。

クマさん、なんとか自制できたのね。

でもなんだか、危うい。
お嬢さんはのんきにしているけれど
クマさんは、内心きっと複雑で心臓バクバク。
自分がいつ強靭なチカラを出してしまいやしないかと、
自分自身を信じきれないハラハラ感が伝わってきてしまう。

いやいや、そこまで思うようになったのは大人になってからかも。

映画「シザーハンズ」みたい。

「お嬢さんお逃げなさい」 なんて、この一言がなければ
くまさんと人間のなかよしファンタジーで楽しかったものを。。。


いずれも童謡だもの、アップテンポでハッピーな曲調。
それでも、モノ想うコドモには、クマさんやらヤギさんやらの胸中まで
深く考えさせられてしまう童謡なのでした。 
そうそう。って思う元コドモ・現コドモも実は多いんじゃないかなあ。 


 
こちら、上野の森のくまさん。



 


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