



四国八十八箇所霊場・第42番札所の「佛木寺」は愛媛県宇和島市にある寺院で本尊は「大日如来」である。
此の寺伝に寄ると大同2年(807年)に空海(弘法大師)が此の地で牛を牽く老人に勧められて牛の背に乗って進むと、唐を離れる際に有縁の地を求めて東に向かって投げた宝珠が楠の大樹にかかって居るのを見つけた。其処で、此の地が霊地で在ると悟り楠木で大日如来を刻んで、其の眉間に宝珠を埋め、堂宇を建立して開創したという。牛の背に乗って此の地に至ったと云う所から家畜守護の寺とされている。
鎌倉時代は宇和島領主、西園寺氏の菩提寺として栄えた。此の寺の弘法大師像は正和4年(1315年)10月5日開眼の胎内銘が入り、銘入りの大師像としては日本最古のものと云われて居る。本堂は享保13年(1728年)に、吉田藩主、伊達村賢が立てた物、毎年、四月十九日は此の寺の縁日で、本尊の大師像が開帳される。なお、不動堂は元の大師堂で現大師堂の場所から移動され、前立の大師像は現大師堂が昭和時代に成って建てられた時に共に造られた。



下段、二番目の写真は聖徳太子堂、最後の写真は珍しい茅葺屋根の鐘楼堂で2014年に葺き替えられた。