私は子供の頃から星を見る事が大好きだった。其処で小学校低学年時に紙筒と虫眼鏡を利用して小さな望遠鏡を作ったりしていたが(望遠鏡等と言える代物では無かったが)当然の如くまともに月面のクレーターさえ観測する事は出来なかったが結構其の気に成って楽しんで居た。とにかく小学校の低学年の時はテレビ等が一般家庭に普及して居なかったので夏休みの夜は「いっきゃく」と言われていた夕涼みをする涼み台の上に大の字に寝て夜遅くまで飽きもせずに星空を眺めて居た。其の後、兄が土木測量に使う廃棄したトランシットの鏡筒部を外して持帰り其れで月のクレーターを見せてくれたが倍率は高くは無かったが測量に使うほど精巧に出来た或る種、望遠鏡なので非常に綺麗に見えて感激をした事が有った。
其れから私の兄が在る日、雑誌の懸賞か?付録だったのかは忘れてしまったがポケットに入る様な小型の筒状の中央部に蚊やトンボの羽の一部を薄いガラス板に挟んでセットして片方の覗き窓から見ると其の部分が拡大して見られる小型の顕微鏡と言えるのか如何か解からないが怪しげなものを持っていた。此の時に驚いたのは蚊の体を見ている時に心臓なのか暫く体の一部が動いたり吸った赤い血が溜まって居る場所が拡大して見る事が出来て興奮した事を覚えている。
今思い返すと子供の頃から何かに興味を持つ時には必ず何かの形で兄の存在が大きく影響している。剣道や船やアマチュア無線に興味を持ったのもそうだしスク-ター等は小学校4年生頃には家の前の田んぼの中を乗り回して居たし(公道は走って居ません)空気銃等は田んぼの中に的を立てて家の中から射撃してハンディを貰って兄と争って居たHi、猟銃や当時としては珍しかったライフル銃も射撃で撃った経験が有るが私は小心者で飛び道具で動物を殺生する事は出来なかったので此の趣味だけは唯一兄の御伴をした記憶が無い。
本題だが少し前に兄の所に遊びに行ったらニコンの顕微鏡が有り多分、分解掃除する為に可也ばらした状態で組み立てるのが面倒くさく成ったのだろう「お前、要るんだったら遣るぞ!」と軽く言ったので「ほんま?」と聞き返すと「おう」と言ったので気が変わらぬ内に早く持帰ろうとしたら何と其の奥に程度の良い写真撮影用の筒が付いた同じニコンの顕微鏡が隠して有ったので駄目元で「同じくれるんだったら此方が良いなぁ」と言ったら「あほか?調子に乗るな!」と笑いながら怒られた。
ニコンの顕微鏡など欲しいとは思っても遊びでは中々手が出ないので有り難く頂戴したが予期せぬ事で有ったのでホクホク顔で家に持ち帰ったが家内が其れを見ると「此れ買ったの?」と早速に不審そうなチェックが入ったが今回は、やましい事が無いので何時に無く堂々と「兄貴から貰って来た」と言ったが本当かな?と少し疑っている様子、日頃の私の行動が怪しいので疑られても仕方の無い事だが今回は堂々と「嘘と思うなら電話でもしてみな」と胸を張る事が出来た。
其の後、趣味で色んな標本を顕微鏡で見て来たが標本の写真撮影が出来ない機種で有ったので写真撮影が出来る様にしたいな?と前々から思立ち半年以上前からオークションで双眼部分の後部に写真撮影用の鏡筒が付いている部材を物色していたが中々見付からなかった。偶に出品が有っても2個の必要ない接眼レンズ付きの物だと程度が良いと流石にレンズのニコンなので3~5万は軽く吹っ飛ぶ!接眼レンズは始めから双眼タイプが付いて居たので必要無かったので其の部分だけと成ると中々見付ける事が出来なかったが先週に偶々、此の部分が出品されていて競合も無くオークションの開始値段で其の侭落札、待ちに待った其の部分を手に入れる事が出来た。
写真の様に写真機(暗箱)は2台付いているがフィルムタイプの写真機では今の時代ではコスト的に合わないのでデジカメに変更したいのだが此のカメラのマウントをインターネットで調べたら「Lマウント」らしく現在では殆ど使われて居ない感じでアダプターを探すか無ければ作らねば成らない。
何せ型番が古いので其の辺の部材をメーカーで取寄せる事は出来ないので時間は掛かると思うが如何にかしてデジカメで写真撮影が出来る様にしたいと思うのだがひょっとするとフィルム撮影で終わってしまうかも知れない?「其れが出来て如何するの?」と家内の様な事を言われると返す言葉が無いのだが?何か興味有る事に夢中に成って居る時は非常に楽しい。まして中学生の頃に白衣で顕微鏡を覗く職業に憧れ一時は科学の道へと進みたいと思って居た私が腑とした事でアマチュア無線に興味を持ち足を踏み外し電気の道へ進んだので潜在的な思いが顕微鏡を手に入れた事で今、爆発して居るのかも知れない。家内にとっては困った爺さんて処だろうか?