北海道の旅で(パック旅行)知床半島のウトロ側を訪れた方は多いと思うが羅臼側は意外と訪れる人は少ない。私は2009年に初めて訪れた時に阿寒湖側から釧路市~根室市~ノサップ岬~別海町~標津町を経由して羅臼町に入った。この時は7月の中旬で有ったが北海道は13年ぶりの冷夏で道東の朝の気温は10度前後で非常に寒かった。オマケに天気は雨降りか?濃い霧に覆われ視界が非常に悪かった事を覚えている。しかし無線運用は沢山の方から呼ばれ離島運用以外での二日間に渡る運用は全国で新潟県の聖籠町、秋田県の藤里町、其れと北海道の羅臼町の3箇所しかない。最近はどうか分からないが当時は可也のレアーな町で有った。
此の町での思い出は何と言っても「熊の湯」と「相泊温泉」の露天風呂、今回の北海道旅行の中で「熊の湯」に入浴する事は道東方面ではメインの計画で有ったので知床峠の頂上から羅臼側へと峠を下った。前回は羅臼岳の写真を撮る為に此の峠を日を変えて3往復したが濃い霧に覆われシャッターチャンスは一度も無かったが今回は到着時の夕方も翌日の出発の早朝も青空で信じられない好天気で写真を撮った後に先ずは「熊の湯」に入ろうと入口に行ったら「入浴準備中」で入浴出来ない旨の看板が吊り下げられていた。仕方がないので時間待ちを兼ねて羅臼の町筋に有る「道の駅・羅臼」まで下がり写真を撮った後、前回の運用地の有る「羅臼、国後、展望塔」に上がった。国後島を見たあと少し下がった前回の運用地である公園内の草地に入ったが途中にロープが張り巡らされ車は入れず歩いて運用場所に行き写真を撮りながら、あの時は朝方に起きると車の周囲を十数頭の野生の鹿に囲まれ「何か頂戴」とオネダリされた事を思い出しながら、あれから5年の歳月が流れた事を実感した。
相泊温泉に行く事も考えたが時間の関係で諦め知床峠を登り始めた直ぐの所に有る天然記念物の「間歇泉」を見に行く事にした。前回も訪問したが間歇泉が何故かストップしていて見る事は出来なかった。今回の出発前にインターネットで調べたら活動している事が解ったので訪れる事にしていたが道端に看板も無く、少し付近の状況が変化していたので付近を3回程往復したが見つける事が出来ず最終的にジョギングをしていた青年を呼び止めて教えて貰い漸く国道からの入口が解った。
入口は何の変哲もない場所から入り途中の道の状態も悪かったが5枚目の写真のその場所を突き止めた。前回は其の場所に1時間以上居たが現在は付近の状況は可也変わって居て観光客が訪れている気配は無かった。私の間歇泉のイメージだと一定間隔で数メートルの高さに温水が吹き上がる物と思って居たが20分程、待った段階で大きい蒸気が吹き出る音がするので其方を見たら水蒸気が上がるのは見えたが温水が噴水の様に吹き上がる事は無かった。数分間蒸気を吹き出しては居たが可也の期待外れ、しかし5年越しの見たい思いは達成出来た。
知床峠への道に出て少し登ると2番目の写真の「熊の湯」に入る橋が左側に見えて手前の道端に車を停め橋を渡って浴場に向かった。此の露天風呂は道東を旅した人なら誰もが知っている有名な無料の温泉、特に「良質な湯質と湯温が高い事」が有名・・・・此の温泉は地元の方々も入りに来るので地元の人が入っている時に勝手に浴槽に水を入れるとお叱りを頂く事でも有名な温泉なのだ。私が脱衣所に入った処で若い観光客がスキン・ヘッドの叔父さんに早速、説教されて居る所で有った。
多分、事前の了解を得ずに勝手に水を入れただろう事は容易に想像出来た。其の人は「熊の湯」への入り方を力説していたが私が洗い場に出ると此方に視線が向いた。私は一応経験者なので体を洗った後で浴槽に入り平気な顔をしていたら(実は痩せ我慢であったが)相手は驚いている様子で有った。普通の人は入った瞬間に「熱い」と一声出るのだがヘソ曲りの私は意地でも其の様な事は言わない覚悟、何か言おうものなら叔父さんの一講釈が始まる事は分り切って居たので敢えて我慢した。元々、私は熱いお湯は健康には良く無い事は知って居るのだが熱いお湯の方が好きな方なので10分間程、平然とお湯に浸かっていたら相手も言う事が無く成り静かに成った。
此の露天風呂は最初入ったら凄く熱いが其の熱さに慣れると次は随分楽に成り浴槽の回りは木々が生茂るだけの自然の世界(脱衣所側は囲いが有るが)浴槽側は何の囲いも無く川面から上がって来る風は涼しくて何回か出入りしている内に体が慣れてくる。地元の人は其の爽快感を味わう為に熱くても水を入れ無いのだろう。
其れと此の「熊の湯」は峠の上がり口に有り、羅臼の町からは距離が有る為に秋~冬の季節には湯冷めしない事と且つ露天風呂なので其の時期には外気温が低いので身体を温めるには調度良いのだろう。一年間を通じて此の湯温に慣らされた地元の人には水を入れると湯温が下がるので物足り無い感じするのだろうし利用する地元の方の大半が漁師さんなので此の温度に耐える事で意外と男気を表わして居る感じがした。とにかく風呂は熱かったが意地を通して観光客の中にも少し骨の有る所を見せて自己満足、心地よい火照りを感じながら「熊の湯」を後にした。
私が全国で入浴した湯温の高い温泉ベスト3
1、鹿児島県三島村の硫黄島の「東温泉」
浴槽が3段階の自然空冷式の温泉、昼間は一番低い浴槽で何とか入浴、夜には楽に入浴出来る温度と成るが最初の源泉が入る浴槽には滞在中に観光客は誰も入る事が出来なかったベルギー人が興味本位で足を浸けたが即座に「Oho No」と叫んだ。
2、長野県の野沢温泉の公共浴場
清掃後の朝一番に入浴したが此処は二槽式に成っていて知らずに源泉が流れる込む側に入り非常に熱く20秒も入って居られず飛び出した。其の湯温は大事な物が火傷したかと思う程で地元の人に大笑いされた。可也気合を入れて二槽目に漸く入れる程の湯温
3、今回の羅臼町の熊の湯、北海道では一番だが全国では3番目、最初は熱いが一度慣れると楽に成る。