昨日のブログにも書いたが四国も急激に寒く成って来たので早朝の受信が大変に成って来た。昨日の夕方に石油ファン・ヒーター用の灯油を買いに走った。燃料も2週間前と比較すると円安の関係か?ガソリンも3円程安く成って居たし灯油も少し値下がりした感じがする。日頃の買物の中で1~2円の高い安いで気を揉む事は無いのだが私の場合は「事、ガソリンに関しては」少し気に成る。車は軽四なので満タンにしても30L未満で3円高くても90円しか違わないのだが出来るだけ安い給油所に出向いてしまう。さりとてセルフには行かない。スタンドでの給油中の車に対するサービスを期待している訳でも無いので値段を考えるならセルフを選ぶべきなのに此処らに我ながら矛盾を感じながら毎回、通常のガソリン・スタンドに行ってしまう。
帰って来て石油ファン・ヒーターのフロント・パネルをはずし内部のほこりを落とし8ヶ月振りに着火テストをしたら問題なく動作したので明日からの朝起き受信は楽になるだろう。ついでに家内が使う台所用のファン・ヒーターも確認する事に、多分シーズンオフの空焼きと残った灯油の対応はしていないだろうと思ったら案の条にカートリッジ・タンク内も本体の補助タンクも古い灯油が其の侭残っている。其の後 これ等の対応をした後に試運転して正常燃焼を確認した。
私は現役の家電メーカーのサービスマン時代は此の時期には山済みされた石油暖房機器と毎年格闘していた。シーズン初めには毎日、数十台の石油ストーブやファンヒーターが持ち込まれ修理後の燃焼テストは常に10台以上の機器が燃焼して居る空気の悪い部屋で終日過ごしていた。若い頃は外回りのテレビやビデオ関係の修理を遣っていたが後半は常に社内で残って居る立場に成ったら残って居るのは私一人なので従って若い技術者が嫌がる商品の修理が回って来たと言うか?誰も手掛け無いので遣らざるを得なかった。出張修理担当の良い所は自分の一日の仕事の予定が片付けば後は比較的自由に成るのだが早く仕事が片付いて会社に帰ると余分な仕事や石油機器を直す事に成るので皆、要領良く立回り帰って来たり等しない。定時を過ぎる頃に成ると皆申し合わせた様に「今日は忙しくて大変だった」とさも忙しかった様子で私の所に報告に来る始末、大体の様子は此方も遣って来た事なので総て御見透しなのだが細かい事を言うと仕事の効率を上げる事に取組まず定時に終わる様な段取りで仕事をする様に成るので此処はじっと我慢の子で辛抱し心の中で「やがてお前らも何時かは順送りで同じ立場に成るんだ覚悟をしておけ」と呟いて居た。
石油暖房機(石油ストーブ・石油ファンヒーター)の故障の80%以上は年越しの不良灯油を其の侭、燃焼させた為に起こる特にガラス繊維の芯を利用した石油ストーブは前シーズンの灯油がタンクに残った状態で燃焼させれば基本的にアウト、万一正常に燃焼している様に見えても必ず燃焼中の匂いや火力の減少につながる。理由は年越しの灯油は変質して(元々の性質から日にちの経過に伴い油と水に分離する性質が有り)其の変質油が灯芯で燃焼した場合タールとして芯の繊維に詰まり灯油と空気の混合比が変わり即ち燃焼状態が変化する。其の時の最悪が途中失火で燃焼し続けても特に匂いや目がシバシバするなどの症状が現れる。修理としては芯の交換しかなく最近の低価格化に伴い此の修理は新品の購入と大差が無い位コストが掛かる。空焼きという手段も有るが此れはシーズンオフにタンク内の灯油を消費させるには効果があるが灯芯にタールが溜まった状態では其の効果は殆ど期待できない。従ってシーズンオフにはカセットタンク内の灯油を抜き補助タンク内の残りの灯油はスポイドで抜いた後に灯芯が吸い込んだ灯油を燃焼させる為の空焼きをする事が最善の方法と成る。
石油ファンヒーターの場合
10年位の前の機種だと灯油を気化さえる気化器が分解できる構造で有ったので不良灯油を間違って燃焼させても気化器内に発生したタール(灯油の焼け残りの不純物)を取り除けたが最近のファンヒーターの気化器は分解できず(密閉型)金属で出来た容器の中に綿状のものが詰まっており(気化をさせる為の物)最初は余熱ヒーターで熱せられた気化器本体に燃料ポンプで送られて来た灯油が其れに浸み込み暖められて灯油が気化しガス化され其れに点火プラグで火花を飛ばし着火させている。内部の気化を助ける物質にタールが詰まると石油ストーブの芯と同じ様に灯油の流量、即ちガス化の量も少なく成り燃焼状態が変化する。此処で人体に対する保護装置が自動的に働き燃焼をストップさせてしまう。
ファンヒーターは燃焼カロリーが高い上に燃焼した空気を強制的に室内に循環さえる為に不完全な燃焼空気が室内を回る事となる従って其の空気による人体への悪影響が出る前に機器を停止させる安全装置が備えられなければ成らない事と成っている。此の仕組みはフレーム・ロッド(炎検出器)と言われ燃焼中は絶えず炎で赤熱されている此の電極には一定の電圧が印加されており燃焼する炎のイオン電子を通じて微弱な電流を流している。当然燃焼していない時は炎が無いので電流は流れないが燃焼中は絶えず流れるので着火しているか如何かと?燃焼が正常な範囲内で有るかを?電流値の巾で電気的に観測している。此の測定値を予め設定されたマイコンで絶えず検証し正常な燃焼で有るか否かを?判断してしている。従って作動中に保護装置が働き自動的に停止する場合は気化器の不良の可能性が高く電気回路に問題が無ければ気化器の交換と成る。当然に修理代も嵩む。
但し例外として燃焼が正常でも此の保護装置が働く場合がある 其れは電流値で成否の判定をしている以上、其の電極間に外部的要因による抵抗値が増大すると正常燃焼中で有っても電流値が変化してファンヒーターは運転を停止する事は余り一般には知られていない そして其の原因は下記の条件で使用すると発生する。
他の要因に寄る故障でない故障
1 加湿器の同時使用
2 化粧品やヘヤースプレーの多用する場所
3 新築間もない壁紙が張ってある部屋での使用
1)の場合は加湿器に寄って細かい霧状の水滴に成った物がファンヒーターの後面のファンにより吸い込まれ燃焼部分やフレーム・ロッドに当り水分は瞬間に蒸発するが水道水のカルキや不純物は電極やアース側の金属面に白く付着し電気的電導率を下げる(抵抗を持つ)
2)も同じ様に電極やアース面に付着し白色化する 従ってスプレーを多用する美容室や理容室ではファンヒーターの使用は適さない。一般の家庭でも起こり得る症状である
3)此れも同じ様な理由だが壁紙の接着剤が時間をかけて気化し空気中を飛ぶのでフレーム・ロッドに付着して誤動作を起こす。しかし此の場合は一定の期間が過ぎると解消されるが機関は1年以上掛かる。
余談だがファンヒーターに加湿器を同時併用される方が多いが此れは必要が無い 何故ならば灯油1Lを燃焼させれば保々1Lの水を蒸発させたに等しい水蒸気を発生するので室内の湿度は極端に下がる事は無く基本的には加湿器の必要性は無い。
一般的な石油暖房機器の故障原因で部品不良は全体の5%程度(長年の燃焼部分での消耗が進む)残りの80~85%の故障は結果的に人為的なミスに寄るものが多い 特に購入後の1~2年以内で発生する比較的初期の不良原因の大半は長期に機器に残った変質油をシーズン始めに油断して燃焼させる事により発生する。其の対策として石油暖房機器のシーズン後の灯油の抜取りと空焼き動作が如何に重要で有るかを理解して頂き実行されたら其れ等の機器は長年の使用に耐えてくれる筈である。