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『日本近現代史研究事典』 1999年 東京堂

2016年07月20日 | 辞典・事典・道具

              ▲『日本近現代史研究事典』 1999年 東京堂  定価5000円+税

 

『日本近現代史研究事典』 1999年 東京堂

 

東京堂は、弘文堂などと並んで、様々な事典類を企画出版する会社として、評価が高い出版社である。

私は、以前から考古古代史に関わるものは現役時代の勤務先の関係から、それなりに入手してきたつもりなのだが、近現代史については、日本の戦後史の占領期前後のものに限定して読んできた経緯がある。趣味が読書といっても、その範囲は膨大だから、極普通の平均的市民生活をしていれば、書籍代に使える金額などたかが知れたものだからだ。

しかし、現役を退き、仕事上で使う本の制限が解かれた今、気になっていたものの、調べてみたいことはたくさんある。

それではと、私に遺された時間、近現代史も、すこしばかり系統的にやって見ようと思っているのだ。

東京堂から、出版していた本で、『日本古代史研究事典』というものがあった。この事典は時代別のシリーズになっていて、最初は『近世史研究事典』から始まっていたようだ。『古代史研究事典』、『中世史研究事典』までは、買っていたのだが、その次の刊行までは少し長い編集期間を要したのか、短い年月で出版されていなかったため、続けて入手していなかったのである。

このほど、ようやく、『日本近現代史研究事典』 1999年 東京堂 を入手した。時代別事典4冊のうち、3冊まで入手したのだが、考えてみれば、すでに人生の四分の三は消尽してしまっているようにも思えて、4冊目はふと後回しにしようなどと考えたりもするわけだ。

 

この本日本近代史の研究を1998年頃までの論文・著作から、144のテーマに分けて研究の現状を紹介している。

日本近代化の早さと変化速度が、妙にナショナリズムを伴って、高度成長とともに、自画自賛した時期もあったのだが、2016年の今、日本の現在と、将来を思う時、日本の近代化を礼賛一色で懐かしむことはできない。

近代化150年の迷路を解くことを課題としなければならないと思う。

 

▼ 『日本近現代史研究事典』 1999年 東京堂 目次 1-4

 

▼▲ 『日本近現代史研究事典』 1999年 東京堂 目次

 ▲▼ 『日本近現代史研究事典』 1999年 東京堂 目次

 

 ▲ 『日本近現代史研究事典』 1999年 東京堂 目次

 

この本1999年刊行で、出版から、15年以上も経過しているが、類似の書籍もまだ見あたらず、まだまだ使える事典だ。戦後史については『戦後史大事典』 三省堂 1995年 増補縮刷版が便利で、東京堂の事典の戦後史部分を補っている。三省堂の『戦後史大事典』 は、論者により少し偏りがあると思う人もいるかもしれないが、戦後史の詳しい文献案内もある。

東京堂のこの事典、事典というからには、改訂時には、事項索引とか、文献索引とかつけてもらいたい。これがあるとないとでは、使い心地が大違いだから。各項目ごとに参考文献が簡潔紹介されているのだが、項目によってはだぶりも多く、その文献の研究上の引用度もわかると、各論者の思惑を越えたその時代の歴史意識の思考・パラダイムが読み取れるはずだと思うのだが。

私としては、この本を使いながらも、大いにメディア・プロパガンダから読む歴史工作の痕跡を明治・大正・昭和・平成と探しに出かけたいところだ。

研究論者も、知らず知らずのうちに、時代の研究土台を意識する意識を明確にもたないと、「時代」という腑分け作業に無意識の観念を潜ませてしまうから・・・・・・

 

 つづく

 

 



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