▲ 『西洋古代史研究入門』 1997年 東京大学出版会 定価3800円+税
伊藤貞夫・木村凌二編 『西洋古代史研究入門』 1997年 東京大学出版会
ほか西洋史研究入門2冊
伊藤貞夫・木村凌二編 『西洋古代史研究入門』 1997年 ほか西洋史研究入門2冊
▲左『西洋古代史研究入門』 中 『西洋中世史研究入門』 右 『西洋近現代史研究入門』
まずは左から、編者・タイトル・発行年月・出版社・価格ほか、目次などの情報
▲ 伊藤貞夫・木村凌二編 『西洋古代史研究入門』1997年 東京大学出版会 定価3800円+税
▼目次1
▲ 『西洋古代史研究入門』 目次1
▼ 『西洋古代史研究入門』 目次2
▲ 『西洋古代史研究入門』 目次2
▲佐藤彰一・池上俊一・高山博 『西洋中世史研究入門』増補改訂2005年 名古屋大学出版会 定価3800円+税 400頁
▼『西洋中世史研究入門』 目次 1
▲『西洋中世史研究入門』 目次 1
▼『西洋中世史研究入門』 目次 2
▲『西洋中世史研究入門』 目次2
▼ 『西洋中世史研究入門』 目次3
▲ 『西洋中世史研究入門』 目次 3
▲望田幸男・野村達朗・藤本和貴夫・川北稔・若尾祐司・阿河雄二郎 編 『西洋近現代史研究入門』増補改訂版 2001年 名古屋大学出版会 490頁 定価「3200円+税
現在は第3版が出ている。
▼ 『西洋近現代史研究入門』増補改訂版 目次1
▲『西洋近現代史研究入門』増補改訂版 目次 1
▼『西洋近現代史研究入門』増補改訂版 目次 2
▲ 『西洋近現代史研究入門』増補改訂版 目次 2
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比較的最近の世界史研究入門 3冊の後で、あまり関連はないかもしれないが、研究入門ということで、ここで紹介したいのは、京都大学学術出版会が出している世界古代史入門のシリーズである。名前は『諸文明の起源』という企画である。
はるか昔、新潮社で、考古学発掘発見シリーズ 『沈黙の世界史』という企画があった。1960年代末から1970年初頭頃だったと思う。当時の印刷技術と紙質のため、カラー頁は巻頭にあるのみで、本文内にある写真も網版の精度が低解像なのだったが、内容は面白く、世界古代史に興味を持ったのは、この本を店頭や図書館で見つけて以来である。今でも何冊か家のどこかにあるはずである。
さて下の本は京都大学で出している、学術選書の中の、『諸文明の起源』シリーズのひとつ。
値段も、入門書なので、1800円+税と学術出版会にしては、手の届く価格に設定されている。
▲ 周藤芳幸 『学術選書18 諸文明の起源7 古代ギリシア地中海への展開』 京都大学学術出版会 2006年 定価1800円+税
▲ 目次1
▲目次2
▲目次3
京都大学学術出版会が刊行している諸文明の起源シリーズ全15巻は以下の通り
また、学術選書シリーズ全体では、自然科学分野も含むのだが、以下のようなラインアップであり
なかなか興趣をそそるタイトルが見える。
「土とはなんだろうか」、「見えないもので宇宙を見る」、「究極の森林」 などなど
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ローマ時代 元老制・寡頭制などが、民主政体としてふさわしいのかが論議され、それは、その後歴史の中でその民主政体とは何なのかという論はどこへいったのか。あるいは、実は隠された形で、寡頭制のようなものは今日に至るも世界で継続されているのでは?
2014年末ー2015年、ピケティが来日した頃、その著書や講演などで、繰り返し論じられていたのは、100年前後徴税記録が残る国家の統計を整理すると、せいぜい上位10パーセントの寡頭勢力はその国の90パーセントの富・資産を独占していたことが統計資料で裏付けられ、これが一般的、通常的な歴史の状況であったこと。20世紀の二つの世界大戦後、やや、富・資産の独占がゆらいだように見え、富の平等化が進んだように見える時期があるが、それは、束の間であって、1980年代以降は再び富・資産の分布が20世紀初頭のように、下位90パーセントの人間が、10パーセントの富をほそぼそと分け合う世界になっていること、なりつつあることは確かな数字が証明しているようだ。
一見民主制そのものに見える現代が、なぜ、20世紀の幕開けの帝国主義時代にも劣る暴力と貧困の中にさらされているのか。
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第二次世界大戦のヨーロッパ戦線で勝利したアメリカが、連合軍として入った国で機密文書を差し押さえ発見したのだが、あるところに地下室保管の文書があった。
その極秘文書の中には「欧州で、各国の政治政策や政治運動などで、有力寡頭銀行や寡頭企業グループの利益が損なわれると判断できる時には、各国協調して、その利益を損なう政治勢力や運動に対し協調介入・排除を申し合わせた」約定文書があったという。そしてそれは、占領文書としてアメリカに運んだとされる。アメリカの歴史研究団体が、情報公開を求めて請求し確認した中に上のような趣旨の文書があったというのだ。(この点について、またシナルキー・シナルキズム(寡頭制)については、リンドン・ラルーシュ 太田龍 監訳 『獣人ネオコン徹底批判』2004年、成甲書房で触れているので参照願う。
この本については2015年の3月26日の当ブログで、紹介したことがある。 ここ ▼
リンドン・H.ラルーシュ &EIR誌 太田龍 監訳 『獣人ネオコン徹底批判』 2004 成甲書房
日本の731部隊の資料情報が密かにアメリカに渡ったように、欧州においても第二次世界大戦のさなかにおいても、欧州が抱えていた国境をものともしない寡頭政治の謎があったようであり、そのような約定はどこ由来のものなのか、興趣がそそられる。
それは、ギリシア・ローマ以来の歴史上のDNAであるかも知れないのだ。
アメリカの大統領選、白熱化してきたが、どちらが勝利しても、大統領府へのCFR(外交問題評議会)に出入りするメンバーの大量登用は避けがたい。ならば大統領、およびそれを取り巻くものについて考えるということは、一種の王朝における宮廷政治との比較も必要かも知れない。そこには、軍人も、元老も、女王も、背後の宦官たち、宮廷御用達の商人たちもいることだろう。
現代世界の合理的な民主主義制度における表向きの役割の背後に、古代王権や、古代帝国に見られた、さまざまな制度と人事・暗闘と同質のにおいが感じられる。
古代にさかのぼり、シナルキー、シナルキズム等を、考える必要を痛感する。
つづく