原作は川口松太郎による同名小説。この作品(+他二短編)で川口は第1回(昭和10年)直木賞を受賞しました。
舞台は門前仲町界隈。
深川名物とうたわれる料理茶屋「深川亭」は、そこにあります。看板娘のおせつ(美空ひばり)は生ツ粋の深川育ち。
女房を早く亡くした父の伊三郎(伊志井寛)は常盤津師匠・文字力(山田五十鈴)と再婚してから、おせつに店の切り廻しをまかせています。伊三郎は、おせつを助ける板前の長蔵(鶴田浩二)といずれ夫婦になり店をまかせようと思っていました。
祭の一夜が明けた深川亭に思わぬ運命がまいこみます。普選運動に加担しているかどで官憲に睨まれている恩人の元代議士・太田(山村聰)のために店を担保に金を作った伊三郎の好意があだとなって、深川亭が差し押さえになります。伊勢春(柳永二郎)を筆頭に親戚縁者は激怒。
おせつは暖簾に未練があったものの、長蔵との新生活に希望をもっていました。二人の結婚の約束に長蔵の母・お滝(杉村春子)は驚きます。二人の仲をさきおせつを邦栄堂の若主人に嫁がせ、深川亭再建を画策する伊勢春。
おせつと長蔵の関係に暗雲がたれこめます。長蔵は兄貫分の板前・助二郎(宮口精二)に身柄をあずけます。長蔵の決意の変らぬことに絶望したおせつは、邦栄堂との話にのりますが・・・。
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