世に「悪の栄えたためしなし」とは言うものの、世の中悪い奴ばかりが甘い汁を吸っているとお嘆きの方が多いと察します。古来から、日本人は「正義の味方」の出現を心待ちにしてきました。
日本人はお金よりも義理と人情が大事で名誉を重んじる国民性なのですが、世の中に悪い奴らの何と多いことか? しかし、日本には「勧善懲悪」という言葉があります。
出典:https://www.amazon.co.jp/
「勧善懲悪」とは、読んで字のごとく「善を勧め、悪を懲らしめる」ことです。日本の物語にはこの思想が大きな柱となって成立するものが多くありました。
悪事はいずれ露見して天罰が下る、と信じていた人も多いことでしょう。人は元々はみんな善人です。そして「勧善懲悪」を望む気質が根底に根付いているのです。
出典:https://kaikai.ch/board/53896/
最近、時代劇が極端に少ないですよね。NHKなどは比較的予算がありますから、大河をはじめ、BS時代劇、土曜時代劇などを断続的に放送できますが、コストの割に視聴率が取り辛いこともあって、かつて何年も続いたような民放の時代劇シリーズはとんと見かけなくなりました。NHKもシリーズものではなく単発が多く、中身も日本古来の時代劇とは様変わりしてきました。
かつては、民法各局が看板時代劇をシリーズ化していました。それを視るのが日本人の楽しみだったからです。
出典:https://www.jidaigeki.com/regular/kinsan/
中村梅之助の遠山の金さんは最高でしたね(笑)
出典:https://www.nicovideo.jp/watch/sm20333371
銭形平次と言えば、大川橋蔵です(笑)
出典:https://www.webtsc.com/program/momotarou/
「桃から生まれた桃太郎」は高橋英樹のはまり役、桃太郎侍です。
https://blog.goo.ne.jp/yuusakata/
マツケンの暴れん坊将軍は比較的新しい方ですね。
にほんブログ村
かつて日本人は何故、時代劇をこれほどまでに好んだのか?
それは最後には「正義は必ず勝つ」からです。悪い奴らをやっつけてくれる痛快時代劇は、現実に苦しむ人々を救ってくれたからです。そして、子供たちは「悪いことをしても必ず懲らしめられる」という教訓を時代劇から学んできました。
今、世の中が「何だかおかしい」と思えるのは、子供たちが勧善懲悪を知らずに大きくなったからではないでしょうか?
悪代官も悪徳商人も懲らしめられる様を目にすることなく大人になったことで、善悪の境が分からなくなったのではないでしょうか?
出典:https://www.toei.co.jp/tv/ichikacho2021/index.html
そこで、そういうお嘆きの方にもお勧めです。一部ではファンタジーとも評せられる『警視庁 捜査一課長』をご覧ください。時代劇要素をふんだんに取り入れた勧善懲悪刑事ドラマです。可能ならば、そのあとの『桜の塔』と見比べるのも楽しいと思います。「桜の塔」はどちらかというと白い巨塔と半沢直樹を合わせたような設定なのですが、何とも納得できない不条理が理不尽なほど襲い掛かるので、ストレスがたまった時は「必ずホシを挙げる」と叫んでみると落ち着きますよ(笑)
出典:https://dorama9.com/sakuranotou_netabare4wa/
ドラマが人生を照らしてくれることを望む時代ではありませんが、それに癒される空間が人の心を豊かにするのも間違いではないでしょう。
嫌な世の中ですが、そういうものに救われて生きるのも悪くないのかも知れませんね。
それもこれも、あなた次第です!
にほんブログ村