三月場所で発生した事故により、三段目の響龍が亡くなるという悲しい事態に発展したのですが、日本相撲協会は「土俵上の応急対応処置講習会」を実施すると発表しました。

角界には、従前から「手をつくな、顔から落ちろ」という指導が徹底されてきました。最後まで勝負を捨てないという姿勢を示すための言葉ですが、多くの力士がそれを実践してきました。人間は転倒するときには無意識に受け身を取ります。それが手をつく行為に現れるのですが、恐怖心に打ち勝って顔から落ちるという姿勢で勝負への執着心を示すのは、今後は美徳とされなくなるのかも知れません。
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相撲協会7日に「土俵上の応急対応処置講習会」実施 芝田山広報部長「いち早く俊敏に対処するため」
https://news.yahoo.co.jp/articles/f38c045aa4f19797f5eff87acfdc193de20783ab
※以下、引用です。
日本相撲協会は30日、夏場所(9日初日、東京・両国国技館)前の7日に「土俵上の応急対応処置講習会」を国技館の土俵周りで実施すると発表した。外部から講師を招き、審判、警備担当の親方、医師、その他スタッフが参加する。
電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「専門家の先生にレクチャーしてもらって、来週やるとは決まっていた」と語った。初場所で幕下・湘南乃海(高田川)が脳しんとうの症状を見せ、立ち上がれなくなった一番をきっかけに検討されていたという。
ただ、3月26日の春場所13日目の取組で、三段目力士の響龍さんが頭部付近を強打。救急搬送されて入院し、4月28日に急性呼吸不全のため28歳で死去した。現時点で負傷との因果関係は不明としたが、緊急時における対応改善が求められている。関係者によると、土俵周りに医師を常駐させる提案が審判部内で出ているという。
これまで救急処置の講習なども行われてきたが、芝田山部長は「いろいろなケースがある。いち早く俊敏に対処するため」などと今回の講習について説明した。










確かに直接的な死因は寝たきりによる肺血栓の発生による急性呼吸不全と伝えられており、土俵上の負傷が直接起因しているとは言い難いのですが、寝たきりとなった原因が事故に繋がったのですから、事故発生時の応急措置の重要性はクローズアップされます。
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ボクシングなどでは、リング上の死亡事故は避けられない所がありますが、ドクターは必ずリングサイドについており、不測の事態発生時に最善を尽くす努力をしています。これは、野球などでも起こり得る問題ですから、今後は各競技団体で動きが出てくる可能性はあります。

只でさえ、コロナ禍で沈滞ムードの漂うスポーツ界ですが、それを振り払う意味でも安全な競技実施への尽力は推し進められるべきことと思います。
よろしくお願いします。