オリックスの西村監督が解任されました。本人の立場を考えて、自ら身を引く形でという球団発表が多い中で、明らかに解任と言うプレス発表は珍しいのですが、それだけ重く考えてのことと思います。
交流試合の話題を今更何だ、と言う声もあるでしょうが、私自身引っ掛かっていた仙台育英のエース・向坂の続投に対する疑問を解決してくれそうな記事がありましたので、この場で取り上げたいと思います。私以外にも「あり得ない起用」と考えた方が多かったのではないかと思います。そこには、いつものトーナメントと違う交流試合ならではの心の動きと葛藤があったのでしょう。『交流試合最大の大番狂わせ』がなぜ起こったかの謎に迫ります(笑)
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なぜ監督はエースを降板させなかった? 仙台育英の“あり得ない起用”の真実。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f5483a7b3337ad5263b58c4a61fe3ef8eda365a9
※以下、引用です。
いつもの仙台育英なら、継投してもおかしくはない展開であっても、エースの向坂優太郎はマウンドに立ち続けた。
8月15日、倉敷商との甲子園交流試合。先発の向坂は3回まで1安打無失点に抑えながら、1点を先制した直後の4回裏に同点とされ、完全に主導権を相手に奪われてしまった。
「1イニング13球前後」がベストな球数と言われるなか、この回まで平均13.5球とゲームを作ってきた。
そのエースが、生命線であるツーシーム系のボールを相手打線に見極められ、ことごとく痛打される。5回には1安打3四死球と乱れ31球も要し、1-2と勝ち越しを許してしまった。
ゲーム展開を考えれば、この時点で向坂を降板させてもよかったはずだ。というのも、仙台育英は東北大会までの9試合で延べ32人の投手が投げ、1試合平均でも3.6人で継投してきた。したがって、エースといえど交代は十分に考えられたわけだ。
しかし、こちらの予測とは裏腹に、向坂は6回のマウンドに上がった。ところが、さらに1点を与え1-3。さすがに交代だろうと思われた7回も続投したが、4長短打を浴び3点を追加されたところで降板した。
「『行けるところまで投げさせよう』と」
6回1/3を投げ6失点。
球数は109。
監督の須江航は「100球を目処にはしていた」と述べたうえで、向坂の起用法を明かした。
「行けるところまでは、と。たとえ相手の打線に捕まったとしても、『行けるところまで投げさせよう』と考えていました」
エースに全幅の信頼を置くのは当然である。とはいえ、まさか須江の口からこのような言葉が出るとは思わなかった。
なぜなら彼は、現代の高校野球において先鋭的な投手起用を実践する監督だからだ。
先進的なコンディショニング体制の仙台育英。
「目的意識を持ってコンディショニングできる選手を起用する」という方針のもと、投手には事前に登板日を伝える。
試合では須江らチームの指導者たちが、ストレートや変化球の精度の指標となるストライク率や被打率など、登板した選手のパフォーマンスを詳細にデータ化。「先発」「ロングリリーフ」「ショートリリーフ」など適性を見極める。前述した今夏の投手起用でもわかるように、仙台育英の試合はほとんどが継投である。
そのため、選手のコンディショニングにも細心の注意を払う。
投手陣は、実戦登板や練習での投げ込みを含め「1週間最大300球」が原則。チーム首脳陣と理学療法士、トレーナーといった外部スタッフが連携し、SNSなどを活用して選手の状態を共有しながら、故障防止などにも努めている。
「このチームは向坂の成長とともに歩んできましたから」
綿密な育成法で築かれた土台があるからこそ、先発完投型の「絶対エース」に依存することはない。須江は自信と信頼を持って、投手たちをマウンドに送り出すことができる。
倉敷商戦でも向坂が降板後、伊藤樹、阿部恋、笹倉世凪と繋いだように、指揮官のなかで継投プランはできあがっていた。それでもなお「行けるところまで」と、エースの続投を期待していたわけである。
その理由には人間味があった。
「東北大会の決勝戦で投げさせずに済んだことも、理由のひとつとしてあります。それよりも、このチームは向坂の成長とともに歩んできましたから」
甲子園ベスト8だった昨年夏。1年生の笹倉と伊藤がマウンドに立つなか、2年生の向坂はベンチ入りすらできなかった。秋もエースナンバーを与えられず、背番号は「8」だったが監督の信頼を勝ち取り、実質的なエースとしてチームを東北大会優勝へと導いた。
「向坂を中心に」
投手起用の基軸は継投ではある。それでも、今年の春を迎える頃には、須江は枕詞のように必ずエースの名を挙げ、そうプランを説明するようになっていった。
「そういう自分の姿を、後輩たちにも見せられたかな」
背番号「1」で夏を迎えた向坂にとって、甲子園交流試合は高校最後の大舞台である。だからこそ、須江は人間味のある采配でもって、チームの功労者であるエースに、できるだけ長くマウンドを託したかったのだろう。
須江がしみじみと話していた。
「センバツでベンチ入りさせる予定がなかった選手が、夏のメンバー入りを勝ち取ったりして・・・・・今年の3年生は年長者としての気概がありました。そのなかでも向坂は、『後輩を育てたい』という気持ちを持って頑張ってくれました」
仙台育英の成長の「証」である向坂は、倉敷商戦で公式戦最多となる6失点を喫した。
だが、試合後の表情には充足感すらあった。
結果ではなく、歩みを誇る。そんな想いをにじませ、甲子園初登板を振り返っていた。
「マウンドでは『平常心』をテーマに投げてきて、夏は県大会、東北大会、甲子園でもブレずにできました。そういう自分の姿を、後輩たちにも見せられたかな、と思います」
監督の“あり得ない起用”に、エースは自らの姿勢を全うすることで応えた。
1試合限りの甲子園。仙台育英の指導者と選手の、深い信頼関係に触れた気がした。
(「野球クロスロード」田口元義 = 文)
結びで「感動秘話」に持ち込みたいような文脈が見受けられますが、概ね状況をよくとらえていただいたと思います。トーナメント形式のいつもの甲子園であれば、「勝負に徹する」采配ができたでしょうが、「1試合限りの甲子園」の交流試合では、監督、選手にも想い入れが強すぎる場面が散見されました。これは仕方のないことだと思います。
倉敷商は独自大会から交流試合に対する考え方は「勝ちに徹する」という構えを貫いていました。それも一つの考え方ですから、どちらが正解ということはできません。
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それでは、昨日の6試合の結果です。
【セ・リーグ】
*東京ドーム
阪 神
000 000 000│0
000 001 01X│2
巨 人
(勝)戸郷 6勝2敗
(S)デラロサ 5S
(敗)青柳 5勝3敗
(阪)青柳・岩貞・馬場-梅野
(巨)戸郷・高梨・中川・デラロサ-炭谷
*神宮
中 日
001 100 001│3
000 250 00X│7
ヤクルト
(勝)高梨 2勝2敗
(S)石山 2勝1敗8S
(敗)柳 2勝3敗
◇本塁打:(ヤ)坂口3号②,青木8号①,西浦6号①
(中)柳・岡田・濱田達・木下雄・山井・ゴンサレス-木下拓・加藤
(ヤ)高梨・マクガフ・長谷川・大西・石山-中村
*マツダスタジアム
DeNA
000 301 240│10
000 010 000│ 1
広 島
(勝)ピープルズ 1勝1敗
(敗)K.ジョンソン 5敗
◇本塁打:(D)ソト9号③,(広)堂林10号①
(D)ピープルズ・平田・エスコバー・武藤・進藤-嶺井
(広)K.ジョンソン・菊池保・中田・矢崎・ケムナ-石原慶・坂倉
【パ・リーグ】
*札幌ドーム
楽 天
000 000 003 0│3
100 100 100 0│3
日本ハム (延長10回引き分け)
◇本塁打:(楽)島内5号③,(日)中田19号①
(楽)松井・J.T.シャギワ・安樂・牧田・ブセニッツ-足立・太田
(日)マルティネス・堀・玉井・宮西・秋吉・金子-清水・宇佐見
*ZOZOマリン
ソフトバンク
010 100 000 2│4
000 000 200 3x│5
ロ ッ テ (延長10回)
(勝)フローレス 2勝1敗
(敗)嘉弥真 2勝1敗
◇本塁打:(ソ)松田4号①,(ロ)中村奨4号①,安田4号①,マーティン14号②
(ソ)笠谷・松本・モイネロ・森・泉・嘉弥真・椎野-甲斐
(ロ)岩下・小野・唐川・ハーマン・フローレス-田村
*京セラドーム大阪
西 武
110 201 001│6
000 002 101│4
オリックス
(勝)平井 5勝2敗
(S)増田 2勝12S
(敗)吉田一 1勝1敗
◇本塁打:(西)木村3号①,外崎3号②,(オ)T-岡田7号②
(西)平井・今井・野田・宮川・平良・ギャレット・増田-森
(オ)吉田一・荒西・小林・山田・吉田凌-松井雅・伏見
オリックス 来季見据えた“辞任劇” 昨秋から中嶋2軍監督は次期監督筆頭候補
https://news.yahoo.co.jp/articles/131d5fc029cc7262fd9c3770799f00010dde3030
※以下、引用です。
◇パ・リーグ オリックス4-6西武(2020年8月20日 京セラドーム)
オリックスは20日、西村徳文監督(60)の辞任を発表した。中嶋聡2軍監督(51)が監督代行に就き、21日の西武戦から指揮を執る。20日の西武戦に競り負けて4度目の4連敗。16勝33敗4分けとなり、21日にも自力優勝の可能性が消滅する危機は続く。コーチ陣も大幅に入れ替え、新体制での巻き返しへ打って出た。
福良GMは中嶋監督代行について「昨年から2軍監督をやって、もらっているのですが、コーチ経験も長いし、若手の育成にもたけている。ゲームメークもできる。最適という判断で、お願いしました」と明かした。
2人は現役だった阪急時代から親交が深く、同GMは育成手腕を評価するなど互いに信頼を寄せる間柄。昨オフに西村監督と単年契約を結んで続投した時点で、球団内では次期監督の筆頭候補とみられていた。シーズンを半分以上残している段階で西村監督に辞任を求め、コーチ陣も含めた大幅な入れ替えを決行したのは、巻き返しへのテコ入れと同時に、来季を見据えた決断であることは間違いない。
同GMは「16勝33敗ですか。こういうチームではないし、もっとポテンシャルの高い選手もたくさんいる。巻き返せる能力があると思っている」と言い切る。残り試合の結果次第で「代行」を外して来季も任せることができる。 (オリックス担当・湯澤 涼)
オリックスは鉈を振るいましたが、セ・リーグにも厳しい球団がありますから、今後の動きが注目されますね。球団によっては動き辛いところもあるでしょうが(笑)
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酷暑の連戦でブルペン陣の疲労がたまってくると、順位争いに異変が生ずるかもしれませんね。注視しましょう。
よろしくお願いします。