さて、レギュレーション(regulation)という言葉ですが、Jリーグではよく使われますね。本来の意味はどういうものなんでしょう? 「決まり事」のような感覚で使っていますが、厳密にいうと難しそうです。
出典:https://career-picks.com/
「regulation」を和訳すると、
『取り締まり、規制、加減、調節、調整、規則、規定、条例、法規』とあります。
よく言われるのは、レギュレーションを
「規則、規定、規制」を意味する言葉というものです。「ルール」と「レギュレーション」の大きな違いは、
ルールは「一般的な決まりごと」、
レギュレーションは「法律で決まっていること」のようです。破っても法的に罰せられないのがルール、破ると法で裁かれるのがレギュレーションということです。
サッカーでよく使われるレギュレーションは、『競技を運営するにあたってのすべての規則や規定』です。Jリーグの昇格・降格に関するレギュレーションというのは、こういう意味だったのですね。
さて、この昇格・降格に関する話題が唐突に出現しました。その背景には、4月3日再開を目指しているJリーグの雲行きが怪しくなってきたことがあります。先日、J1参入プレーオフの中止を検討するという記事を紹介しましたが、今度は今季に限って降格をなくする奇抜な案です。
JFAの田嶋幸三会長が新型コロナウィルスに感染しているというニュースが駆け巡ったのが一昨日のことです。Jリーグにとっては外堀が埋められたような息苦しさを感じるニュースでした。
ネット上に飛び交うサポーターの懸念が、現状の不安を駆り立てています。
「田嶋会長コロナ感染したけど、Jリーグはどうなんの?」
「JFA会長がコロナに感染したとなるとJリーグも簡単に再開に踏み切れなくなっちゃったかな?」
「あくまで一人感染したってだけなんだから、当然Jリーグや代表戦の再開の判断には何の影響もあっちゃダメだと思う」
「国も休校とかの自粛は緩和する方針みたいだし、イベントも屋外は大丈夫そうだから何とかなって欲しいなー」
ただ、あくまでも観客をスタジアムに動員してのJリーグ開催にこだわってきた村井チェアマンも態度が変わりつつあるようです。「最後の最後には無観客をお願いしないといけないかもしれない」という発言が見え始めました。
Jリーグ、4月3日リーグ再開の再延期案も選択肢に
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200319-23180710-nksports-socc
※以下、引用です。
Jリーグが4月3日のリーグ再開の再延期案も選択肢に入れていることが18日、分かった。
新型コロナウイルスの感染拡大による影響で、2月25日に3月15日までの公式戦94試合の延期を発表。3月18日の再開を目指していたが12日に延期を正式決定し、4月3日の再開に向けて日程調整、財務、競技運営、物資調達などを担当する4つのプロジェクトを立ち上げるなどして準備を進めてきた。
だが現時点では選手、スタッフ、サポーターらの安全を十分に確約できるかは難しい状況。事態の収束の見通しがつかない情勢だけに、各クラブから慎重な意見が出ている。再延期となれば再開が5月にずれこむ可能性もあり、東京五輪期間や国際Aマッチデーに試合を組み込むなど日程面の大幅な見直しも。J2降格は見送ってJ1昇格のみとし、来季J1を20チームで臨む案など、大会規定の変更も議題にのぼる。財政面でも新たな策を講じる必要性が出てくるのは必至だ。今日19日に中間ミーティングを実施するなど協議を重ね、23日の第4回新型コロナウイルス対策会議をへて、25日をめどに最終決断を下すことになる。
Jリーグ、今季は降格なし検討 再開は4月17日や5月1日案も
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200319-00000005-kyodonews-socc
※以下、引用です。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2月下旬から全公式戦を中断しているサッカーのJリーグが、今季はJ1、J2とも降格なしとする案をクラブ側に提示していることが18日、複数の関係者への取材で分かった。19日のウェブ会議で協議する。
4月3日の再開を目指しているリーグは情勢の不透明さを踏まえ、4月17日や5月1日の仕切り直しも検討している。
リーグ案ではJ2、J3とも上位2チームは自動昇格する。今季18チームのJ1は2021年シーズンに20チームで争い、4チーム降格として22年シーズンには18チームに戻すことを検討している。
これは、思い切ったというか、若干迷走しているというか。簡単にいうと、日程の完全消化ができなかった場合に、その不公平な状況下で降格チームを決めることを避けたいという意図が見えます。しかし、不公平な状況下で昇格させることは良いのでしょうか? 頭の良い方々が考えているのでしょうが、思考が行き詰まって来たかも知れませんね。
J2にとっては、2チームが昇格して抜けても、J3から2チームが昇格して来るので来季のチーム数に変動はありません。3位に入っても昇格できないという理不尽さは残りますが、こうなって来ると全てを当初のレギュレーション通りに遂行するには厳しくなっているのは間違いありません。
更に、日程以上の厳しい問題が出始めました。中断期間が延びれば、かなりシビアな状況に陥るかも知れません。
鳥栖が存続危機、主力協賛が相次いで離脱し資金難
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20200319-23180673-nksports-socc
※以下、引用です。
サガン鳥栖が、資金難によるチーム存続危機に立たされたことが18日、分かった。
ここ数年、攻撃的な経営で事業拡大を目指したが、逆にチーム経営を圧迫した。元スペイン代表FWフェルナンドトーレスを獲得するなどで話題は集めたが、スポンサー開拓には結びつかなかった。このほどJリーグに緊急事態を報告した。新型コロナウイルス感染拡大で他のクラブも経営圧迫されている現状で、Jリーグは「リーグ戦安定開催融資制度」適用などの解決策を模索している。
◇ ◇ ◇
鳥栖が資金難に陥ったのは、昨季からだった。ここ数年業績が悪く、昨年7月にJリーグが公開した18年度のクラブ決算ではJ1クラブ最多の5億8100万円の赤字。果敢な投資の一方で資金繰りに苦しみ、佐賀県などで薬局を経営する会社の経営者でもある竹原稔社長(59)が私財を投じて経営を維持してきた。その額は30億円を超えるともいわれる。当初は、今年初夏までは経営できるとの見通しでその間、新規のスポンサー探しに全力を注いだ。しかし、昨季前に背中スポンサーのcygames(サイゲームス)が離れ、今季直前に胸スポンサーのDHCが契約延長しないなど主力協賛会社が離れた。
Jリーグ幹部は「鳥栖が苦しんでいるとの報告は届いている。しかし今、新型コロナウイルスで経営が圧迫されているクラブは他にも多いので、リーグ戦安定開催融資制度を鳥栖1つのクラブにつぎ込むことは難しいかもしれない。まず理事会を通すことはできるかの問題もある。実行委員会でも相当な反対が予想される」と話した。
とはいえJリーグとして、鳥栖を消滅させるわけにはいかない。その救済策として、まず基金として約10億円を保有するリーグ戦安定開催融資制度を適用できるか模索。09年に資金難の大分がこの制度(当時は公式試合安定開催基金)を申請して6億円の融資を受け、その後チームを立て直した実績がある。しかし、今回は新型コロナウイルスの感染拡大で複数のクラブが経営圧迫されているため、融資できるかは未知数だ。
他には市民クラブへの移行が考えられるが、地元企業やサポーターで組織する持ち株会は不景気の現状で地元企業の賛同を得られるか予測できない。また、鳥栖がJリーグ子会社の「株式会社Jリーグ」に運営会社の株を譲渡し1年間、経営する案もある。経営しながら、チームを受け入れる企業などを探すことが考えられる。Jリーグの子会社が直接Jクラブの経営に携わることへの違和感があるため、株譲渡なしで「株式会社Jリーグ」の保証付きで、賛同するスポンサーを募っていくことなども方法の1つだ。
いずれにしても鳥栖の再建には障壁が高い。それでも、あるJクラブ幹部は「リーグとして鳥栖をつぶすわけにはいかないから、何らかの方策は出すはず。まずは今季、J1を鳥栖含めて18チームで乗り切ることが大事だから」と話した。
新型コロナウイルスの影響で、リーグ戦の再開日程が決まらないなど、当面の課題は山積み。世界保健機関(WHO)は「パンデミック(世界的大流行)」を表明し、東京五輪パラリンピックの中止、延期も取りざたされている中、Jリーグが打ち出す解決策に鳥栖の命運がかかっている。
○…鳥栖の竹原社長が日刊スポーツの取材に応じ、経営難は認めつつも、リーグ戦安定開催融資制度の利用には否定的な意見を述べた。「親会社のない地方クラブは今、どこも経営は苦しいし、特にJ1で戦うことは難しい」。またリーグ戦が延期になっていることにも触れ「選手のコンディション調整がすごく難しい。地域を盛り上げていくため、選手は頑張っているし、我々も頑張ってスポンサーも探している。Jリーグへ資金援助を求めることは考えてない」と話した。
◆サガン鳥栖 97年に創設され、99年のJリーグ2部制移行に伴い、J2参加。11年にJ2・2位でJ1昇格を決め、以降降格なし。J1最高順位は12年と14年の5位。今季は金明輝監督が指揮を執り、FW豊田陽平MF高橋秀人らが所属。チーム名は長い年月をかけて砂粒が固まって砂岩「サガン」となり小さな力を集結し立ち向かうことと「佐賀の」に由来。チームカラーはブルーとピンク。本拠地は駅前不動産スタジアム(2万4490人)。
◆リーグ戦安定開催融資制度 Jクラブの財政難によって公式試合の開催が危ぶまれる事態となった場合に、大会を無事に終了させる目的でJリーグがJクラブに融資を行うもの。融資開始日は1月1日。返済期日はJ1、J2の場合はJ1参入プレーオフの最終日、J3はJ3リーグ戦の最終節の日。融資を受けるJクラブに対する制裁として、融資の決定と同時に原則としてリーグ戦における勝ち点を10点減ずる。
<過去の公式試合安定開催基金の融資例>
◆J2草津(05年) スタジアム使用料滞納など(5000万円)
◆J2岐阜(08年) スポンサー離れ、入場料収入減少(5000万円)
◆大分(09年) 過剰な投資で経営圧迫(6億円)
◆J2水戸(11年) スポンサー離れなどで経営不振(3000万円)
サガン鳥栖の経営難は、DHCの胸スポンサー脱退の頃から伝えられており、シーズン開幕直前になっても胸スポンサーが決まらない為に今季のユニフォームが発表できないなど、かなり逼迫した状況ということが聞こえていました。ただ、コロナ禍がここまでスケジュールを混乱させることはその時点では全く想定していなかったでしょうから、現状で鳥栖にJリーグが大金を投入して助けるということも難しくなっています。延長期間が延びれば、純粋に経営破綻の危機に陥るクラブが後を絶たないという懸念がある為です。
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既に、世界経済が破綻しそうな混乱を引き起こしている新型コロナウィルスですが、いい加減に何とかしないと、コロナ感染以上に切迫しいてる方々の方が圧倒的に多くなっています。
もう、待ったなしの危機が訪れていますよ。
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話題は変わりますが、マスクの転売が厳しく規制されるようになってから、昨日あたりからSNS上のコメント欄に怪しい業者と思われるマスク販売のコメントが急増しています。マスクの在庫を抱えて販売経路を狭められた転売ヤーがなりふり構わずの行動に出てきたことも考えられます。マスクは早晩市場に復活しますから、変な奴らに引っかからないようにご注意ください。
不審なメールにも要注意ですよ。
閉塞感を打破したい!