いせ九条の会

「いせ九条の会」の投稿用ブログです(原稿募集中)。
会の趣旨に賛同される方、メールでご投稿ください。

日本の政治動向を見つめる世界の目/山崎孝

2007-01-21 | ご投稿
シンガポール紙論評で警戒心 安倍首相、改憲へ「猪突猛進」(1月19日「しんぶん赤旗」ニュース)

 シンガポール紙・聨合早報十二日付は、「安倍は今年、『猪突(ちょとつ)猛進』しようとしている」と題する同紙元論説委員・コラムニスト、黄彬華氏の論評を掲載し、改憲に執念を燃やす安倍首相の政治姿勢にたいし強い警戒心を表明しました。

 論評は、安倍首相が年頭から「『美しい国』の目標に向け勇気を奮い起こす」「憲法改正をめざす」とのべたことにふれ、「タカ派本来の面目を現しつつある」と指摘。小泉政権の時のように「日本がまた、『世界の問題国家』になる可能性がある」とのべています。

 また、「自民党は五年以内に『平和憲法』を廃棄すると宣言している。『教育改革』や『防衛庁の省への昇格』、『国民投票法』制定の目標は、『平和憲法』を除去する道を開くためのものだ」と指摘。「安倍氏の政治目標は、日本が『戦後状態』から脱け出して、(戦争ができる)『普通の国』になることだ。憲法第九条は戦争と武力の放棄を宣言しているが、安倍氏は首相就任後、自衛隊に国家の軍隊の地位を与える『防衛庁昇格法案』をただちに成立させた」とのべています。

 論評は、「日本の主要政党の自民党と民主党の間に左右や保守と革新の区別はない。政党では(改憲)反対勢力は、日本共産党と社民党だけである」と指摘しています。(以上)

盧武鉉大統領は昨年の3・1独立運動記念日に、「日本が世界の指導国家となろうとするならば、法を変え、軍備を強化するのではなく、人類の良心と道理にあわせて行動し、国際社会の信頼を得なければならない」と述べています。

今年の1月、中国の軍関係の新聞も改憲の動きに警戒心を抱く考えをしています。

安倍首相が1月12日、ベルギーを訪問しNATO理事会での演説して「いまや、日本人は自衛隊が海外で活動することをためらわない」と、歌舞伎役者が”見得を切る”ような発言したことを、ベルギーの新聞「ソワール」は「軍事的に筋力を鍛え、国際舞台での重みを増すことにある」と指摘しています。

ドイツの新聞「ターゲス・シュピーゲル」は「安倍首相は攻撃部隊を保有し、世界政治に決定的な意味を持つ国として登場したいと思っている」と述べています。

私は先日、日本の政治家は「軍事力で国威を発揮するような考えを持っている」と述べましたが、西洋の新聞もそのことを指摘しました。

そして日本の動向を、日本の軍国主義の被害を受けた国は警戒心を抱くようになっています。

イラク戦争を始めたときに、米国人は国際社会の声を無視しました。そして現在その大きなツケを払わなければならない羽目に陥っています。日本人は戦前のことだけではなく、現在の国際社会、特に日本軍国主義の被害を与えてしまった国の人たちの声に耳を傾けて、日本の基本政策を誤らないようにしなければならないと思います。

日本は自覚的で主体的な力はあります。シンガポール紙・聨合早報の論評は、「日本の主要政党の自民党と民主党の間に左右や保守と革新の区別はない。政党では(改憲)反対勢力は、日本共産党と社民党だけである」と述べました。しかし、憲法9条を守れという考えは、共産党と社民党の支持者だけではないことは「九条の会」に結集した人たちは、よく知っています。このことを大切にして憲法を守っていかなければならないと思います。