いせ九条の会

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【あらたまり 甦る】/山崎孝

2007-01-01 | ご投稿
皆様、明けましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

日本の修験道の流れを汲む民俗行事には、人間の魂や大地が一年を経ると衰えるという考え方があり、衰えた人の魂や大地の力を甦らす呪術を行っています。

新しい年を迎え、気持ちを新たにするという考え方は、これと共通する気持ちがあると思います。

私が見物した愛知県東栄町の「花祭」と呼ばれる湯立神楽、長野県の南信濃村の湯立神楽は、11月から1月に行われ、人が大きな鬼の面をかぶり榊鬼に扮して大地を踏みしめる「へんばい」の所作を行います。「へんばい」は大地の力を甦らすと信じられてきました。長野県の湯立神楽は、伊勢の外宮の湯立神事が伝わったものとも言われています。

「花祭」の中で行われていた「白山(死者の国)入り」は、人が現世の罪・穢れを滅ぼすために白山に入り、苦しむところを仏神の加護で、鬼に救い出され、この世に生まれ清まり、祝福を受ける行事があったと言われます。日本民俗大辞典を参考(吉川弘文館の出版物)

日本の近代の歴史は1945年の敗戦で、戦前と戦後と言う分け方をしています。戦前の軍事大国を志向した国から、戦後は平和憲法の理念に基づく国へと「あらたまり甦り」ました。

自民党政府は、この平和理念を衰えさせる方向の政治を行ってきて、遂には戦後体制の変革をするという首相が登場しています。戦前の日本への回帰の方向です。

私たちは、衰えさせられた平和憲法の理念を甦らすことをしなければならないと思います。