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マーケティング研究 他社事例 その262 「一億倍高速の夢マシン1」 ~量子コンピューター~

2018-11-21 08:09:01 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 その262 「一億倍高速の夢マシン1」 ~量子コンピューター~


「2018年度予算の概算要求に32億円」

文部科学省による「量子コンピューター」に向けた集中投資が話題を呼んでいます。

10年間で数百億円をつぎ込む予定ですが、欧米では既に桁が違う資金が動き始めているのです。

夢物語とさえ言われた量子コンピューターの実用化が、にわかに現実味を帯びて来ました。

2011年にカナダのベンチャー企業のディーウエーブシステムズが商用化した後に、アメリカ航空機製造大手のロッキード・マーチン社やNASAなどが相次いで採用したのです。

グーグルなどのIT大手も技術開発を本格化し、IBMが2017年5月に最新の試作機を公開するなど、開発競争はさらに激化しているのです。

量子コンピューターが画期的なのは、圧倒的な計算速度です。

最新のスーパーコンピューターでさえ数百年かかるとされている膨大なデータ量の計算を一瞬で終え、処理能力は従来型の1億倍になるとの試算もあります。

この結果、膨大な計算能力が求められる、創薬やAIの分野で新発見が相次ぐ可能性が大いにあるのです。

消費電力の低さも桁違いです。

IT業界では「将来、スパコン1台を動かすためには発電所が必要になる」とさえいわれているので、量子コンピューターは計算が一瞬で終わるために、1世帯分の家電とほぼ同等の消費電力で済んでしまうのです。

各社が開発を急ぐのは、コンピューターに関するこれまでの常識が一変する手ごたえをつかんでいるからに他なりません。

実は、従来型のコンピューターの進歩には限界が見え始めています。

「半導体の集積率は18か月ごとに2倍になる」

インテル共同創業者であるゴードン・ムーア氏が1965年に提示した「ムーアの法則」は半導体業界は過去50年間、回路を微細化するなど1つのチップに多くのトランジスタを搭載するものでした。

処理速度は年々向上し、半導体の技術革新は、大量のデータを処理する現代社会の基礎になったのです。

(続く)


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