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女を捨てず・女に甘えず・らしさを活かす

女性スタッフがビジネス社会で実際に体験したことを中心に「見たこと」「聞いたこと」「感じたこと」をありのままお伝えします。

幸せか否かの分岐点

2012-02-19 | インポート

こんにちは、辛島です。

前回よりスタートしたアンド株式会社代表 原 倫子さん第二弾。

「笑顔とあいさつ」が社長の目に留まり引き抜かれた原さん。

しかし社員になるのは絶対にだったらしい。
そりゃMacを買い、学校にも通って、自分にお金を使って投資していたのだから簡単に心は動かないだろう。

それでも結局心が動いて社員になった。

なぜ心が動いたのか?

それは・・・寿司

4回お寿司に連れて行ってもらい「社員になれ」とくどかれた。しかも、どんどんお寿司のグレードがあがり、最終的にはウェスティンホテルの高級寿司

「社員になったらいつでもこんなん食べれる」と言われ「いい物」につられて社員になった。

その後、結果的に8年間在籍し、バイトから始まった原さんは、最後は営業課長まで登り詰めた。

出世する。給与が上る。また一つ出世する。また給与が上る。
そうこうしている間に原さんは結婚もした。
旦那さんもいるのになぜ仕事を辞めようと思わなかったのか。
なぜそんなに上へ上へと目指せたのか、聞いてみた。

「贅沢したかったし、服とか欲しいだけ買いたかってん。結婚して旦那の給料で生活できるようになって、辞めるどころか、逆に『ラッキー』って思ったね。自分の給料でどんどん好きなもの買える!と思って(笑)」

根底にあったのは「贅沢したい」という思いだ。
「もっと稼ぎたい」という気持ちはパワーになってもっと改善すること、もっと考えることにつながる。

しかし、
だから「贅沢したい」という思いがあったら成功するよ

と言いたいのではない

原さんがその気持ちをもって自分を奮い立たせたのは事実。
いいスーツを着、いいカバンを持って、いい靴を履き、いい物を食べていたその裏で、
原さんは肌がボロボロになり、泣き、怒りながら、働いた。

「女なんやし、飯おごっといたらえーやろ。」とか「社長の愛人なんやろ?」と言って馬鹿にされたり、責任者としてお客さんのクレーム対応に行って「事務職の女はいらん!」と怒鳴られたり。

評価を得、給料を貰っている。
その水面下では、とんでもない時間に呼び出されるなんて当たり前。プライベートと呼べる時間が確保できているのかもわかない状況。

服や靴など、欲しいものは手に入った。
でも失ったものもたくさんあった。

果たしてこの時の原さんは幸せだったのだろうか?

「贅沢」はできているのだから、ある意味『YES』
でも失ったものも大きく、その意味では『NO』だ。

最初は「贅沢したい」と思ってはじめた社員生活も、いつしか「贅沢している」状況を守るための社員生活に変わった。

そして守りたいものは、好きなものを買うことやいいものを食べることから、いつしか「地位」「高い給料」に変わっていった。

「守らなくてはいけない!」この重圧は自分自身を追い込み、圧迫し、周りを見えなくする。いつ奪われるかわからない、皆が敵に見える状態だ。

この後、原さんは会社を辞める。

重圧も圧迫感も猜疑心もなくなり、「ホッ」っとした。さぞ、「安心感」を得たはずだ。
しかし同時に「地位」と「高い給料」を失った。

「贅沢」や「地位」を手に入れた時は「自分の時間」や「心のゆとり」を失った。

何かを得ると何かを失う。
失うことを恐れていても、この法則は変えられない。

よく就職活動中の学生から「やりがいのある仕事がしたい」という言葉を聞く。
でもその「やりがい」は何の苦労もなく、何の努力もなく得ることはできない。
苦労や努力があったから「やりがい」を感じるのだ。

自分が得たいものは何だ?
「失った=不幸」ではない。

得たいと思っていたものが得られたかどうか、なりたい自分になれたかどうか。

そのために努力していると感じられるかどうか。

これが幸せ不幸せかの分岐点

次回の更新は2月24日(金)。お楽しみに