1955年のアメリカ映画だから私が5歳の時の映画
名作の一本で、私の中では「禁じられた遊び」と共に内容がわかっているようでわからない映画だ。
原作は世界的作家のジョン.スタインベック、監督はエリア.カザン 有名なテーマ曲はレオナード.ローゼンマン
主役は、ジェームス.ディン、1年の間に3作の名作に出演したが後の2作が陽の目を見る前に自動車事故で24歳で亡くなった。
日本でも若くして事故で亡くなった赤木圭一郎を日本のジェームス.ディンと言った。
スタインベックの長編の最終章を描いた映画だそうだ
聖書を自分の人生の中心において敬謙で正義をモットーに生きて来た父アダム
二人の息子、長男アーロンは父の教えを守って生きている真面目で正義感が強い父同様な青年、婚約まじかな恋人アブラがいる。
弟のキャルは、つかみどころのない目と反抗的な行動で不良を自認している高校生、まじめな父は反抗的なキャルを嫌い、自分に似たアーロンを愛している。
アブラもキャルのつかみどころがない性格を恐れている、しかしアーロンは、そんなキャルをかばう優しい兄だ。
二人の兄弟の母親は彼らが幼い時に死んだと言う、しかしあるときキャルは知人から母が生きていると聞き、隣町へ探しに行き、とうとう見つける。
母親は、その町で大きな酒場を経営するやり手の女実業家だった。
会いに来たキャルを用心棒に叩きださせる。
ドイツとの戦争にアメリカも参戦しようとしていた
父は農場を経営していて、レタスが東部の首都圏で不足するのを見越して、氷を大量に入れた貨物列車でレタスを輸送する方法を考え出して実行する。
しかし列車は途中で停まってしまい、氷が解けてレタスは全滅、父は数千ドルの大損害を被った。
キャルが父に反抗するのは、父親似の兄だけに父が愛情を注ぐ反面、何かと問題多いキャルを無視しているからだ。
そんなキャルの心を知った兄の恋人アブラは、自分も再婚した父親に反抗した経験からキャルに同じものを感じて、次第にキャルに惹かれていく。
そしてアーロンに愛されているが、結婚となるとアーロンの愚直なまでの正義感について行く自信がないとキャルに打ち明ける。
父に相手にしてもらいたい、兄同様に愛されたいと願うキャルは父の損失を取り戻して、父に褒めてもらおうと金儲けしようと思った。
キャルを認めてくれている数少ない実業家ウィルが、「アメリカが参戦すれば大豆の値が上がる」と以前キャルに話したのを思い出し、ウィルに相談する
彼は、資本金となる5000ドルをキャルが用意出来たら本気で応援すると言う
キャルは隣町に行って母に会い、5000ドルの出資を頼む
母はキャルと話してみてウィルがキャルに才能を見出していると知り、自分と同類だと見抜く
事業者としてのウィルを認めている母は、ウィルが協力するならと5000ドルを出してくれた。
ウィルは英軍や米軍に顔が利く人間で、大豆の販売先の心配はいらない
そして5000ドルで農家から農場を買って大豆の栽培と取引契約も結んでくれて、共同経営者になってくれた
ドイツとの戦争にアメリカが踏み切って、予想通り大豆の価格は3倍以上に跳ね上がり、キャルとウィルは大儲けする。
キャルは父の損失分だけを受け取って、事業はウィルに譲った。
母が離婚した理由は、父が美人の母を愛して結婚したが保守的で聖書通りの生き方を押し付ける夫に辟易したからだ、農業も彼女の肌に合わなかった。
もともと野心的な性格だった母は男に従順な女ではなかった
離婚を父に申し出て、引き留めた父を銃で撃ったのだった。
そして離婚してから、その才覚で役人たちも顧客の大きな酒場の経営者に昇りつめて儲けていた
父は母が生きていることは知っているが息子たちに死んだと嘘を言っていた、しかし居場所は遠い東部だと思っている
アーロンは父の話を信じて、母が死んだと思っている。 キャルだけが母の所在を知ったのだ。
キャルは父の損失を取り戻してプレゼントすれば、父からの感謝と愛を得ることができると考え、胸を躍らせてアブラに話した。
アブラも賛成して協力すると言ってくれた
父の誕生日に祝いをして、そこでプレゼントするという考えだ
誕生日の日、飾り付けられた家に入った父は大喜びする
キャルが誕生祝の5000ドルを渡そうとした瞬間、アーロンが先に「僕からのプレゼントを渡すよ」と言う。
父がアーロンにプレゼントは何かと聞くと「僕とアブラは婚約した」と言う
父は驚き、そして喜び「どんなプレゼントよりも嬉しい贈り物だ、アーロンありがとう」と抱きしめた。
呆気にとられたキャルだったが、自分のプレゼントも兄に負けないものだと信じて、父にプレゼントの紙包みを開けるよう促す。
札束を見て「これは何だ?」父が怪訝な顔をした
「とうさんがレタスで損をした全額だよ、これが僕からのプレゼントだ」
すると父は不機嫌になって「すぐに返してこい、こんな金は受け取れない」
「これは僕が事業をして儲けたお金だ、不当なお金ではない」と言うが
「騙した人に返すんだ」
「戦争を見越して大豆の事業で儲けたんだ、正直な商売で言い値より高い価格で買った大豆を売ったんだ」と必死に訴えた。
「儂は軍隊の募集人をしているのだぞ、儂が軍隊に送った若者が戦争で大勢死んでいる、その戦争で儲けた金など受け取れん、戦死したものに申し訳が立たない」父の持論の正義がここでもキャルを拒絶した
キャルは「もうどんな愛も欲しいとは思わない、この金で僕は事業を始める、父さんには失望した、父さんなんか大嫌いだ、二度と帰ってくるものか」
キャルは、いたたまれず家から飛び出した
アブラも追いかけようとしたが「行く必要なんかない」とキャルの父アダムは引き留めようとした、アブラはキャルの父に言った「私はキャルを愛しています」
アブラが後を追い、木にもたれて茫然としているキャルを抱きしめ「行ってはダメ、お父さんと仲直りして」
アーロンも追いかけてきて、抱き合っている二人を見て「アブラ、奴から離れろ!」と叫び、
キャルに「おまえの素行の悪さは子供の時からだ、僕もとうさんもずっと我慢してきたんだ、おまえは出来損ないの奴だ、アブラに近づくな離れろ汚い奴め手を出すな、許さない」と罵った。
キャルは急にふてぶてしい表情になってアーロンに言った
「かあさんは生きている、隣町にいる、これから会いに行こう、兄貴が天使をイメージしていた、優しいかあさんに会いに行こう」
驚いて呆然としているアーロンを無理やり母の酒場に連れて行き、母にアーロンを会わせた
アーロンは今まで心の中で作っていた天使のような母親像とあまりにかけ離れた母の姿に驚き、絶望して町に逃げ帰った。
頭が混乱したアーロンは酒に酔い暴れて、やけになった勢いで「軍隊に志願する」と言って列車に飛び乗った。
アーロンは参戦反対で、絶対志願などしないと言っていたのだったが・・・
慌てて駅に来た父の前で、酔ったアダムは列車の窓に頭を打ち付けて、ガラスを割って笑った、破片が父の顔に降り注ぎ、父はショックで脳溢血で倒れた。
体の自由も聞かず、目だけが開いている父を看護師が面倒見ているが、どう見ても手抜きの女でしかないように見える。
「こんな扱いやすい患者は居ないは、それに割と早くこの仕事は終わりそうだし」
言いたい放題の看護婦をキャルは大声で怒鳴り飛ばして部屋から追い出す。
アブラは目だけ開いてベッドに横たわっているキャルの父に言う
「おとうさん、私の言うことがわかるんでしょ? 全部聞こえているんでしょ聞いてください、キャルは寂しいのです、お父さんから頼りにされたい、お父さんの役に立ちたいとずっと思ってきました、愛されたいと願ってきたのです、おとうさんはそれをことごとく拒否してきました、彼の寂しさ、悲しさを理解してやってくれませんか」
そこにキャルが入ってきてドアの傍に立つと、「すまなかった、言い過ぎた、僕が悪かった」と父に謝った。
するとアブラが何かを言っているキャルの父を見て、キャルにそばに来るよう言う。
キャルが耳を父に近づけると「あの看護師は気に食わん、別の看護師と替えてくれ」
初めて父から願いの言葉を聞いたキャルは目を輝かせた、さらに父が何かを言っている、キャルはまた耳を近づけた
アブラが「なんて言ったの?」と聞くと、キャルは嬉しそうに言った
「『代わりの者はいらない、おまえがずっと傍で面倒を見てくれ』と言ったんだ」
The end
学生の頃に見たような気がしたがみていなかったのかなあ?
今まで持っていた映画のイメージは、最後に弟が兄を殺傷するような暗い映画だと思っていたが、アーロン以外はハッピーエンドだった。
アーロンが生きて戻るか、戦死するか?
戦死すれば、アーロンには申し分けないがキャルとアブラは結ばれて本当にハッピーエンド
アーロンが戻れば、また一波乱あるような・・・・・
そこまで考えなくてよいか。
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