(140)アパッチの活躍
四百字詰原稿用紙換算10枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
北条愛(17)170㎝。主人公。性同一性障害の美少年だったが3話目から美少女に変身する
当たり屋のじじい(75)さもしさが顔に滲み出た、いかにも一癖ありそうな顔。
その他じじいの同類多数。
雨がやんだ空を見上げ、
修一「さあて、じじいもシュパっと煙みたいに消しちゃろかい」
修一「エンジン始動」と言うとプルンとエンジンがかかる。
○郊外のうらびれた道
空の絵に修一の声、
「なんとも不気味で気持ちが滅入るとこじゃのー」
トロトロ走るバイクの部分的な絵に二人の会話、
「じじいはこんなとこに住んじょるんか・・・?」
「愛一人だったらこんなとこ怖くて絶対来たくないわ・・・」
昔の朽ちた3軒続きの平屋がぽつんぽつんと建ち、人影もなく不気味な場所をトロトロ走っている。
修一「ナビどおりなら、じじいの家はこの辺なんじゃが・・・」と言ってる前方の電柱の陰にばばあが隠れて修一達の様子を伺っている。
突然ばばあがヨロッと出てくる。
そしてバイクの5m先に転げる。
「あいたたー」と痛がるばばあを呆れて見て(バイクは停車して自立している)、
修一「この手で大勢の人を強請ってきたんじゃろうのお」
修一「みんなどんなに不快な思いをさせられたじゃろうか・・・」
修一「おい、クソばばあ、そりゃあまりにも芸が無さすぎるぞ」
ばばあ、こけたマネをしたまま鬼の形相で修一を睨む。
修一「こけるんじゃったらもっと気合い入れて骨を折る覚悟でこけんかいや」
その時、どこからともなく、ぬーっと、棒やバットを持ったガラの悪いおっさん、ばあさんが湧いてくる。
中の一人がばばあに「安田のばあさん大丈夫か、骨折でもしたんじゃあるまいな?」と心配げに声をかける。
修一「(呆れ)この地区のヤツら、全員当たり屋で食うとるようじゃのお」
あっと言う間に、アゴを突き出して肩をいからせた不気味な輩がぞろぞろ湧いてきた。
修一「(呆れ)なんでこの手合いは皆アゴを突き出して肩をいからせるんかのう?」
修一「醜すぎて見とるこっちが恥ずかしゅうなるわいや」
修一「あれらのスッポンみたいに伸ばした首を斬り飛ばしてやりたいわい」
それらの中に愛の父を強請りに来るジジイを見つけ、
愛 「あっ修ちゃん、あのお爺さんよ」
じじいが愛に気付いて鋭い目でこちらを睨む。
修一「探す手間が省けたわい。全員皆殺しにしちゃる」
修一「こいつら全員を、いや、この地区すべてを殲滅できるか?」とメットに尋ねる。
『可能ですが、爆風を避けるためにターゲットから50m離れてください』とメットが応える。
愛 「(感激し)おおー、可能ですがだって。なんて頼もしいバイクちゃん」
修一「了解」とハンドルを切ってギュユーンとターンした瞬間、ゴミ共が「あっ、逃げるぞ!」と慌てる。
バイクがギューンと疾走する。
突然、ギュユーンとターンする。
50m向こうまで追いかけてきたクソ共が何事かと足を止める。
クソの一人が向こうの修一達を見て不敵な面で、
クソ「ほおー、突っ込んでくる気か・・・」
修一「クソ共とこの地区すべてをロックオンじゃー!」と言うとメットが『了解』と応える。
「ピピピピ」音と共に、風防にクソ共をロックオンしたマークが写る。
さっきとは別の射出口が開口する。
修一「発射!」
さっきの2倍あるミサイルが「シュポッ」と発射される。
それを見て不可解そうに、
クソ「ありゃなんじゃ?・・・」
「シュパ」と命中音と同時に猛烈な閃光が走る。
クソ共も周辺の建物もすべて霧散して消滅し、広範囲に地面が5センチえぐれている。
それをあ然として見てる修一の肩に顎を乗せて前のめりになり、
愛 「すごっ、圧倒されて言葉も出ない・・・」
修一「クソ共が霧の如く消えてヤツらに被害を受けた人らも気が済んだ事じゃろ」
愛 「パパも鬱寸前で助かったしね」
愛 「バイクちゃん、ご苦労様でした」
愛 「ねえバイクちゃん、名無しじゃ可哀そうだからアパッチって名前にしたらどう?」
修一「おお、勇ましそうでいいな。ヘリの名前とダブるが、まっいいか」
修一「これからはお前をアパッチと呼ぶからな」
メットから『了解しました。私の名前はアパッチ』と応答する。
車体下方を見渡しながら、
修一「ほかにどんな改造がされてるのか・・・?」
修一「まさか空は飛べないよな?」
愛 「それはいくらなんでもね」
『最高高度10m。巡航速度30キロで飛行でき、ホバリングも可能です』とメットが応える。
二人同時に驚愕して声を揃え「マジ―!」
空の絵或いはバイクの部分的な絵のアップに二人の会話、
「修ちゃん、試すんなら人目につかないとこでやんなきゃ」
「そ、そうだな」
○まったく人気のない綺麗な場所
停車(自立)して辺りを見回し、
修一「ここなら人に見られる心配ないだろ」
修一「(恐々)よーしアパッチ、飛べ・・・」
車体下部の両側からドローンと同様のプロペラを装備した小さな翼が出る。
「ヒューン」とプロペラが回転し始めたのを見て感心し、
修一「たまげた・・・」
愛 「愛はもう驚かないね」
アパッチが垂直にゆっくり上昇し、
修一「おお、浮いた・・・」
修一「垂直離陸できるとはハリアーみたいだな」
5mまで上昇したアパッチを下から見上げた絵。
バランスを崩し、
修一「おおっと・・・」と慌ててハンドルを握り、
愛は「きゃーっ」と叫んで修一にしがみつく。
体重を傾けて曲がり、
修一「なるほど。体重移動で方向転換するのか・・・」
10m上空から絶景を見下し、
愛 「うわーい、ピーターパンだー」
修一「おおお、10mって結構高いな」
修一「ミュージック」と言うとメットが『曲名をリクエストして下さい』と応答する。
修一「ワーグナーのワルキューレの騎行」と言うとメットが『承知しました』と応答する。
気持ちよさそうに飛行する二人のメットから音楽♪が流れ、
愛 「おー、地獄の黙示録でヘリが登場するシーンで流れる曲だー」
楽しげに海面すれすれに飛び、その横をイルカの群れが飛び跳ねながら併走している。
スクリーンに高度や様々なデーターが表示されており、
修一「どっか破壊したいとこないか?憎たらしいヤツの家とか?」
愛 「そんなの無いよー」
修一「ひょっとしたらアパッチ一台あったら、戦争出来るんじゃなかろうか・・・?」
愛 「修ちゃん、恐ろしいこと思いつかないでよー」
気持ちよさげに飛行しながら、
修一「アパッチのサイズなら海面すれすれに飛べばレーダーに探知される心配はないし」
修一「原発と石油、ガスなどの燃料タンクを一気に破壊したらもう勝ったも同然じゃぞ」
小さくなった彼らを後方から描いた絵に愛の声、
「修ちゃんはほんとにやっちゃいそうだからそんな恐ろしいこと考えないでよー」
修一「もし竜馬がこのバイクを持ってたら暗殺されず、他国の顔色を伺うような国に成り下がっちゃおらんかったじゃろうにのー」
愛 「竜馬ってだれ?」
修一「それがしが尊敬する幕末に活躍したアイデアマンでござるよ」
夜。美しい星空に声、
「夢のように楽しい一日だった・・・」
「俺も」
愛宅の上空で停止し、後ろ向きに座った修一と愛が抱き合ってキスしている絵にN『愛宅の上空――』
キスしていた唇を離し、残念そうに、
愛 「修ちゃんと会ってヤラなかったの初めてだね・・・」
修一が再度キスして愛の股間に触れ、
修一「早合点するでない。星空の下で肉ミサイルをぶち込んでやる」
大きな満月を背にアパッチの上で性交し「ああ、修ちゃん、気持ちいいよー」と愛が喘ぎ声をもらしてるのを地上から見上げて描いた絵にN『無敵のアパッチを手に入れた修一、いや、日光仮面の活躍に乞うご期待――』
つづく
四百字詰原稿用紙換算10枚
ページ数や内容に縛りのないweb漫画掲載を想定しておりネームがなくても順番にコマが起ち上がるように書いてあります。季節は常に真夏である。
登場人物
北条愛(17)170㎝。主人公。性同一性障害の美少年だったが3話目から美少女に変身する
当たり屋のじじい(75)さもしさが顔に滲み出た、いかにも一癖ありそうな顔。
その他じじいの同類多数。
雨がやんだ空を見上げ、
修一「さあて、じじいもシュパっと煙みたいに消しちゃろかい」
修一「エンジン始動」と言うとプルンとエンジンがかかる。
○郊外のうらびれた道
空の絵に修一の声、
「なんとも不気味で気持ちが滅入るとこじゃのー」
トロトロ走るバイクの部分的な絵に二人の会話、
「じじいはこんなとこに住んじょるんか・・・?」
「愛一人だったらこんなとこ怖くて絶対来たくないわ・・・」
昔の朽ちた3軒続きの平屋がぽつんぽつんと建ち、人影もなく不気味な場所をトロトロ走っている。
修一「ナビどおりなら、じじいの家はこの辺なんじゃが・・・」と言ってる前方の電柱の陰にばばあが隠れて修一達の様子を伺っている。
突然ばばあがヨロッと出てくる。
そしてバイクの5m先に転げる。
「あいたたー」と痛がるばばあを呆れて見て(バイクは停車して自立している)、
修一「この手で大勢の人を強請ってきたんじゃろうのお」
修一「みんなどんなに不快な思いをさせられたじゃろうか・・・」
修一「おい、クソばばあ、そりゃあまりにも芸が無さすぎるぞ」
ばばあ、こけたマネをしたまま鬼の形相で修一を睨む。
修一「こけるんじゃったらもっと気合い入れて骨を折る覚悟でこけんかいや」
その時、どこからともなく、ぬーっと、棒やバットを持ったガラの悪いおっさん、ばあさんが湧いてくる。
中の一人がばばあに「安田のばあさん大丈夫か、骨折でもしたんじゃあるまいな?」と心配げに声をかける。
修一「(呆れ)この地区のヤツら、全員当たり屋で食うとるようじゃのお」
あっと言う間に、アゴを突き出して肩をいからせた不気味な輩がぞろぞろ湧いてきた。
修一「(呆れ)なんでこの手合いは皆アゴを突き出して肩をいからせるんかのう?」
修一「醜すぎて見とるこっちが恥ずかしゅうなるわいや」
修一「あれらのスッポンみたいに伸ばした首を斬り飛ばしてやりたいわい」
それらの中に愛の父を強請りに来るジジイを見つけ、
愛 「あっ修ちゃん、あのお爺さんよ」
じじいが愛に気付いて鋭い目でこちらを睨む。
修一「探す手間が省けたわい。全員皆殺しにしちゃる」
修一「こいつら全員を、いや、この地区すべてを殲滅できるか?」とメットに尋ねる。
『可能ですが、爆風を避けるためにターゲットから50m離れてください』とメットが応える。
愛 「(感激し)おおー、可能ですがだって。なんて頼もしいバイクちゃん」
修一「了解」とハンドルを切ってギュユーンとターンした瞬間、ゴミ共が「あっ、逃げるぞ!」と慌てる。
バイクがギューンと疾走する。
突然、ギュユーンとターンする。
50m向こうまで追いかけてきたクソ共が何事かと足を止める。
クソの一人が向こうの修一達を見て不敵な面で、
クソ「ほおー、突っ込んでくる気か・・・」
修一「クソ共とこの地区すべてをロックオンじゃー!」と言うとメットが『了解』と応える。
「ピピピピ」音と共に、風防にクソ共をロックオンしたマークが写る。
さっきとは別の射出口が開口する。
修一「発射!」
さっきの2倍あるミサイルが「シュポッ」と発射される。
それを見て不可解そうに、
クソ「ありゃなんじゃ?・・・」
「シュパ」と命中音と同時に猛烈な閃光が走る。
クソ共も周辺の建物もすべて霧散して消滅し、広範囲に地面が5センチえぐれている。
それをあ然として見てる修一の肩に顎を乗せて前のめりになり、
愛 「すごっ、圧倒されて言葉も出ない・・・」
修一「クソ共が霧の如く消えてヤツらに被害を受けた人らも気が済んだ事じゃろ」
愛 「パパも鬱寸前で助かったしね」
愛 「バイクちゃん、ご苦労様でした」
愛 「ねえバイクちゃん、名無しじゃ可哀そうだからアパッチって名前にしたらどう?」
修一「おお、勇ましそうでいいな。ヘリの名前とダブるが、まっいいか」
修一「これからはお前をアパッチと呼ぶからな」
メットから『了解しました。私の名前はアパッチ』と応答する。
車体下方を見渡しながら、
修一「ほかにどんな改造がされてるのか・・・?」
修一「まさか空は飛べないよな?」
愛 「それはいくらなんでもね」
『最高高度10m。巡航速度30キロで飛行でき、ホバリングも可能です』とメットが応える。
二人同時に驚愕して声を揃え「マジ―!」
空の絵或いはバイクの部分的な絵のアップに二人の会話、
「修ちゃん、試すんなら人目につかないとこでやんなきゃ」
「そ、そうだな」
○まったく人気のない綺麗な場所
停車(自立)して辺りを見回し、
修一「ここなら人に見られる心配ないだろ」
修一「(恐々)よーしアパッチ、飛べ・・・」
車体下部の両側からドローンと同様のプロペラを装備した小さな翼が出る。
「ヒューン」とプロペラが回転し始めたのを見て感心し、
修一「たまげた・・・」
愛 「愛はもう驚かないね」
アパッチが垂直にゆっくり上昇し、
修一「おお、浮いた・・・」
修一「垂直離陸できるとはハリアーみたいだな」
5mまで上昇したアパッチを下から見上げた絵。
バランスを崩し、
修一「おおっと・・・」と慌ててハンドルを握り、
愛は「きゃーっ」と叫んで修一にしがみつく。
体重を傾けて曲がり、
修一「なるほど。体重移動で方向転換するのか・・・」
10m上空から絶景を見下し、
愛 「うわーい、ピーターパンだー」
修一「おおお、10mって結構高いな」
修一「ミュージック」と言うとメットが『曲名をリクエストして下さい』と応答する。
修一「ワーグナーのワルキューレの騎行」と言うとメットが『承知しました』と応答する。
気持ちよさそうに飛行する二人のメットから音楽♪が流れ、
愛 「おー、地獄の黙示録でヘリが登場するシーンで流れる曲だー」
楽しげに海面すれすれに飛び、その横をイルカの群れが飛び跳ねながら併走している。
スクリーンに高度や様々なデーターが表示されており、
修一「どっか破壊したいとこないか?憎たらしいヤツの家とか?」
愛 「そんなの無いよー」
修一「ひょっとしたらアパッチ一台あったら、戦争出来るんじゃなかろうか・・・?」
愛 「修ちゃん、恐ろしいこと思いつかないでよー」
気持ちよさげに飛行しながら、
修一「アパッチのサイズなら海面すれすれに飛べばレーダーに探知される心配はないし」
修一「原発と石油、ガスなどの燃料タンクを一気に破壊したらもう勝ったも同然じゃぞ」
小さくなった彼らを後方から描いた絵に愛の声、
「修ちゃんはほんとにやっちゃいそうだからそんな恐ろしいこと考えないでよー」
修一「もし竜馬がこのバイクを持ってたら暗殺されず、他国の顔色を伺うような国に成り下がっちゃおらんかったじゃろうにのー」
愛 「竜馬ってだれ?」
修一「それがしが尊敬する幕末に活躍したアイデアマンでござるよ」
夜。美しい星空に声、
「夢のように楽しい一日だった・・・」
「俺も」
愛宅の上空で停止し、後ろ向きに座った修一と愛が抱き合ってキスしている絵にN『愛宅の上空――』
キスしていた唇を離し、残念そうに、
愛 「修ちゃんと会ってヤラなかったの初めてだね・・・」
修一が再度キスして愛の股間に触れ、
修一「早合点するでない。星空の下で肉ミサイルをぶち込んでやる」
大きな満月を背にアパッチの上で性交し「ああ、修ちゃん、気持ちいいよー」と愛が喘ぎ声をもらしてるのを地上から見上げて描いた絵にN『無敵のアパッチを手に入れた修一、いや、日光仮面の活躍に乞うご期待――』
つづく
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