さてカルトクイズの答えはだいぶ埋まったが、まだ調べ物はある。「Minervaファンクラブイベントのチラシの中に、ハートマークはいくつあるでしょう?」なんてものもある。
受付に行くと、昼に撮った中井広恵女流六段、石橋幸緒天河との3ショット写真がプリントアウトされていたので、ありがたく頂戴する。その近くには、ファンクラブイベントの告知用チラシが貼られてあった。ここにあるハートマークを数えるのだ。W氏と一緒に数えてみる。20個もある。と、W氏が「隠しハート」をさらに2つ見つけた。これはうっかりする。私は解答用紙に「22」と書いた。
ついでにW氏の解答用紙を覗いてみる。石橋天河の段位の問題を、「書道八段+将棋四段」で、「12」と書いている。ブフッ…W氏、1ケタの足し算もできないのか、と腹の中で嘲笑したが、よく考えたら私のほうが間違えていた。さっき書いた「十一段」を、こっそり「十二段」と書き直す。
会場の一隅では、山下カズ子女流五段と神田真由美女流二段が、大盤で詰将棋を出題している。正解者には記念品が出ているようだ。
鹿野圭生女流初段に、
「先生、一応確認したいんですけど、先生が出演されていたテレビCMって、『大阪ガス』でいいんですよね?」
と聞くと、鹿野女流初段は、ニコッと笑みを返してくれた。もちろん、これもカルトクイズの取材であった。
こうしてみると、かなりの女流棋士とお話をさせていただいた。今回のイベントスケジュールでは、女流棋士との交流があまりない。しかしこうして取材することが、自然と女流棋士との交流になっているのだと気がついた。
全部答えが埋まったので、受付へ投函に行く。と、島井咲緒里女流初段が目に入った。
「第1回1dayトーナメント優勝者は誰か?」という問題もあったが、これは島井女流初段と解答した。島井女流初段に一応確認するが、本人は記憶にないという。
ええっ!? そんなはずはない。絶対に島井女流初段である。第1回は中井女流六段も石橋天河も出場していないはずだし、消去法でいくと島井女流初段しか残らないからだ。
そこで第1回は何カップだったか? という話になり、「パールカップ」と分かった。
「それなら私です」
と島井女流初段が名乗り出たので、私は全部の答えを再確認して、回答箱に投函した。
午後2時30分からは、中倉彰子女流初段・宏美女流二段のインターネットラジオ「Positive de GO!」のライブバージョンである。
宏美女流二段がJR田町駅から芝浦サロンまで歩く映像をノーカットで公開し、それを観ながらトークを繰り広げるという趣向である。
映像が流れ始めたが、ドキュメンタリータッチである。カメラに向かってしゃべる宏美女流二段の行為そのものがなんだか艶めかしい気もするが、考えすぎだろうか。
運河にかかる橋の袂でポーズをとる宏美女流二段。これはなかなか絵になっている。先日私たちも入った居酒屋の前を通って、芝浦サロンに着いた。これからこの室内が、LPSAの主な活動場所となる。また多くの将棋ファンが訪れてほしいと思う。
午後3時からは1dayトーナメントの決勝戦である。この開始前までが、決勝戦勝者クイズとカルトクイズの投函〆切だ。
船戸陽子女流二段が、最後の回収にまわっている。船戸女流二段は今回も裏方に徹している。スケジュールも滞りなく進行しており、ヤマは越えた。
中井女流六段、石橋天河が壇上に登場した。やはり今回もこのふたりである。他の女流棋士は、この寡占状態を打破するべく、精進せねばならない。
きょうは指導対局ばかり受けていたので、初めて落ち着いて、プロの対局が観られる。
石橋天河の先手で対局開始。なんでも指す石橋天河は向かい飛車。対して中井女流六段の採った作戦は玉頭位取りだった。昔懐かしい構えだ。大盤解説は蛸島彰子女流五段と島井女流初段が務めた。
☗5五歩☖同歩☗同角。ここで中井女流六段が☖5四銀と出、以下スルスルと7六まで出てきた手がどうだったか。私も対ゴキゲン中飛車で、右の銀で7六(3四)の歩を取ることがあるが、存外うまくいかない。1歩得をしても銀がソッポに行ってしまい、割に合わないのだ。それに中井女流六段の作戦は玉頭位取りだったのである。右の銀は左のほうに持っていくべきで、これでは趣旨が一貫していない。
解説が多田佳子女流四段と松尾香織女流初段に代わったとき、その銀は8七に突っ込んだ。石橋天河はスッと☗7九飛と引き、この銀がもう動けない。これは中井女流六段、ヘタをやった。
ここからは石橋天河の軽快な指し回しを見るのみとなった。私ならバカバカしくて投げているところだが、公開対局でもあり、中井女流六段も戦意喪失を理由に投了するわけにいかない。
私は左に座っていたW氏と、カルトクイズの答え合わせをする。
「今回の1dayトーナメントは第何回?」に、私は「第38回」と答えたのだが、W氏は39回だという。いただいたチラシをよく見ると確かにそう書かれていて、私は自分の不注意をのろったが、いやしかし…と思う。
今回の1dayトーナメント「ファンクラブカップ」は、パラマス方式のトーナメント戦が9月上旬に指され、そのあと39回目の1dayトーナメント「GSPカップ」が行われた。順番でいけば、「ファンクラブカップ」が先で、これが第38回ではないだろうか。
W氏はまた、第1回の優勝者も、島井女流初段ではなく、中井女流六段だという。これは本人に聞いたから間違いないという。しかしこっちだって本人に直接確かめているのだ。しかししっかり者の中井女流六段と天然系の島井女流初段では、中井女流六段の言葉のほうが、信憑性がある。
なんだ…。全問正解を狙ったのに、2問も間違えてしまった…。
解説が中倉女流二段と渡部愛ツアー女子プロに代わる。渡部ツアー女子プロも、師匠(中井女流六段)の拙戦に一言言いたいところだろうが、さすがにそれはむずかしい。中倉女流二段も無理に誘導はせず、渡部ツアー女子プロと天然トークを展開する。これがまた爆笑で、このふたりの笑いのセンスはプロ級だと思った。
将棋は石橋天河の快勝。最近の両者の調子から見て、中井女流六段に分があるとフンだが、それが勝敗に直結しないのが勝負事の面白いところである。石橋天河、優勝おめでとうございます。
さてこのあとは、閉会式である。まず、「石橋天河の優勝」に懸けた観客全員に、記念品が授与された。
続いて船戸女流二段によるカルトクイズ正解発表である。
例の問題の正解は、やはり「第39回」「中井六段」だった。
後日調べてみると、第1回の1dayトーナメントは、決勝が中井女流六段-島井女流初段戦だった。島井女流初段は、準優勝の副賞で真珠か何かを戴き、それで勘違いしてしまったのかもしれない。
カルトクイズは、全問正解者がひとりだけ出た。これが何とW氏だった。W氏、将棋はスットコドッコイな指し手が多いが、こういうイベントでは抜け目がない。今回も実に綿密な「取材」を行い、完璧な解答だった。
2位は「18問正解の…」と言うから私の名前が読み上げられるかと思いきや、別の方だった。私は16問正解で3位。?? おかしい。私も18点のはずだ。入賞者は全員同じ賞品だから大勢に影響はなかったが、LPSA中心のブログを書いている者にとって、この得点は納得できない。
中井女流六段が閉会の挨拶に上がるが、その前にLPSAから中井女流六段へ金メダルが授与された。話をよく聞いていなかったので分からぬが、いままでの活動を讃えた「功労賞」だろうか。
中井女流六段の御礼の挨拶が終わり、散会。しかし私にはやることがあった。カルトクイズの正解確認だ。私はこういう、どうでもいいことを質さないと気が済まないタチなのである。
私は船戸女流二段を呼び止め、カクカクシカジカ、と述べる。と、船戸女流二段はすぐさま答案を確認しに行き、戻ってくると半分ムッとしながら
「18問正解でした。ハートマークの問題、20個って書いたと思ってました」
と言った。
ハートマークを数えているとき、私が「20個だ!」と叫んだのを船戸女流二段が聞いていて、それが脳裏に刻み込まれてしまったらしい。
もう1問の採点ミスは、推測するに、「LPSAが連載している雑誌名は?」という問題があり、これは「経済界」が模範解答だったのだが、私の書いた「NHK将棋講座」も立派な正解で、以上2問が間違いにされたようだ。
それにしても…と思う。私はきょう1日で、かなりの数の女流棋士を怒らせてしまった気がするのだが、どうなんだろう。まあ、気のせいであろう。
女流棋士全員に見送られ、会場を出る。そのまま帰宅するのもわるくはないが、せっかくなので、旧金曜サロン会員の有志と飲みに行く。6人で居酒屋に入り一息つくと、なんと4人が女流棋士提供のプレゼントを獲得していた。この日の観客は何十人もいたから、金曜サロン会員の当選率はすごかった。やはりヒキの力が違うのだろう。
このあとはさらに2人加わって、計8人で楽しい夜を過ごした。私のハナ水は相変わらず流れっ放しで、私の右隣にいたひとには、たいへんな迷惑を掛けてしまった。この場を借りて、深くお詫びいたします。
最後に、今回も楽しいイベントを企画してくれた、船戸女流二段をはじめ参加女流棋士の方々に、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
受付に行くと、昼に撮った中井広恵女流六段、石橋幸緒天河との3ショット写真がプリントアウトされていたので、ありがたく頂戴する。その近くには、ファンクラブイベントの告知用チラシが貼られてあった。ここにあるハートマークを数えるのだ。W氏と一緒に数えてみる。20個もある。と、W氏が「隠しハート」をさらに2つ見つけた。これはうっかりする。私は解答用紙に「22」と書いた。
ついでにW氏の解答用紙を覗いてみる。石橋天河の段位の問題を、「書道八段+将棋四段」で、「12」と書いている。ブフッ…W氏、1ケタの足し算もできないのか、と腹の中で嘲笑したが、よく考えたら私のほうが間違えていた。さっき書いた「十一段」を、こっそり「十二段」と書き直す。
会場の一隅では、山下カズ子女流五段と神田真由美女流二段が、大盤で詰将棋を出題している。正解者には記念品が出ているようだ。
鹿野圭生女流初段に、
「先生、一応確認したいんですけど、先生が出演されていたテレビCMって、『大阪ガス』でいいんですよね?」
と聞くと、鹿野女流初段は、ニコッと笑みを返してくれた。もちろん、これもカルトクイズの取材であった。
こうしてみると、かなりの女流棋士とお話をさせていただいた。今回のイベントスケジュールでは、女流棋士との交流があまりない。しかしこうして取材することが、自然と女流棋士との交流になっているのだと気がついた。
全部答えが埋まったので、受付へ投函に行く。と、島井咲緒里女流初段が目に入った。
「第1回1dayトーナメント優勝者は誰か?」という問題もあったが、これは島井女流初段と解答した。島井女流初段に一応確認するが、本人は記憶にないという。
ええっ!? そんなはずはない。絶対に島井女流初段である。第1回は中井女流六段も石橋天河も出場していないはずだし、消去法でいくと島井女流初段しか残らないからだ。
そこで第1回は何カップだったか? という話になり、「パールカップ」と分かった。
「それなら私です」
と島井女流初段が名乗り出たので、私は全部の答えを再確認して、回答箱に投函した。
午後2時30分からは、中倉彰子女流初段・宏美女流二段のインターネットラジオ「Positive de GO!」のライブバージョンである。
宏美女流二段がJR田町駅から芝浦サロンまで歩く映像をノーカットで公開し、それを観ながらトークを繰り広げるという趣向である。
映像が流れ始めたが、ドキュメンタリータッチである。カメラに向かってしゃべる宏美女流二段の行為そのものがなんだか艶めかしい気もするが、考えすぎだろうか。
運河にかかる橋の袂でポーズをとる宏美女流二段。これはなかなか絵になっている。先日私たちも入った居酒屋の前を通って、芝浦サロンに着いた。これからこの室内が、LPSAの主な活動場所となる。また多くの将棋ファンが訪れてほしいと思う。
午後3時からは1dayトーナメントの決勝戦である。この開始前までが、決勝戦勝者クイズとカルトクイズの投函〆切だ。
船戸陽子女流二段が、最後の回収にまわっている。船戸女流二段は今回も裏方に徹している。スケジュールも滞りなく進行しており、ヤマは越えた。
中井女流六段、石橋天河が壇上に登場した。やはり今回もこのふたりである。他の女流棋士は、この寡占状態を打破するべく、精進せねばならない。
きょうは指導対局ばかり受けていたので、初めて落ち着いて、プロの対局が観られる。
石橋天河の先手で対局開始。なんでも指す石橋天河は向かい飛車。対して中井女流六段の採った作戦は玉頭位取りだった。昔懐かしい構えだ。大盤解説は蛸島彰子女流五段と島井女流初段が務めた。
☗5五歩☖同歩☗同角。ここで中井女流六段が☖5四銀と出、以下スルスルと7六まで出てきた手がどうだったか。私も対ゴキゲン中飛車で、右の銀で7六(3四)の歩を取ることがあるが、存外うまくいかない。1歩得をしても銀がソッポに行ってしまい、割に合わないのだ。それに中井女流六段の作戦は玉頭位取りだったのである。右の銀は左のほうに持っていくべきで、これでは趣旨が一貫していない。
解説が多田佳子女流四段と松尾香織女流初段に代わったとき、その銀は8七に突っ込んだ。石橋天河はスッと☗7九飛と引き、この銀がもう動けない。これは中井女流六段、ヘタをやった。
ここからは石橋天河の軽快な指し回しを見るのみとなった。私ならバカバカしくて投げているところだが、公開対局でもあり、中井女流六段も戦意喪失を理由に投了するわけにいかない。
私は左に座っていたW氏と、カルトクイズの答え合わせをする。
「今回の1dayトーナメントは第何回?」に、私は「第38回」と答えたのだが、W氏は39回だという。いただいたチラシをよく見ると確かにそう書かれていて、私は自分の不注意をのろったが、いやしかし…と思う。
今回の1dayトーナメント「ファンクラブカップ」は、パラマス方式のトーナメント戦が9月上旬に指され、そのあと39回目の1dayトーナメント「GSPカップ」が行われた。順番でいけば、「ファンクラブカップ」が先で、これが第38回ではないだろうか。
W氏はまた、第1回の優勝者も、島井女流初段ではなく、中井女流六段だという。これは本人に聞いたから間違いないという。しかしこっちだって本人に直接確かめているのだ。しかししっかり者の中井女流六段と天然系の島井女流初段では、中井女流六段の言葉のほうが、信憑性がある。
なんだ…。全問正解を狙ったのに、2問も間違えてしまった…。
解説が中倉女流二段と渡部愛ツアー女子プロに代わる。渡部ツアー女子プロも、師匠(中井女流六段)の拙戦に一言言いたいところだろうが、さすがにそれはむずかしい。中倉女流二段も無理に誘導はせず、渡部ツアー女子プロと天然トークを展開する。これがまた爆笑で、このふたりの笑いのセンスはプロ級だと思った。
将棋は石橋天河の快勝。最近の両者の調子から見て、中井女流六段に分があるとフンだが、それが勝敗に直結しないのが勝負事の面白いところである。石橋天河、優勝おめでとうございます。
さてこのあとは、閉会式である。まず、「石橋天河の優勝」に懸けた観客全員に、記念品が授与された。
続いて船戸女流二段によるカルトクイズ正解発表である。
例の問題の正解は、やはり「第39回」「中井六段」だった。
後日調べてみると、第1回の1dayトーナメントは、決勝が中井女流六段-島井女流初段戦だった。島井女流初段は、準優勝の副賞で真珠か何かを戴き、それで勘違いしてしまったのかもしれない。
カルトクイズは、全問正解者がひとりだけ出た。これが何とW氏だった。W氏、将棋はスットコドッコイな指し手が多いが、こういうイベントでは抜け目がない。今回も実に綿密な「取材」を行い、完璧な解答だった。
2位は「18問正解の…」と言うから私の名前が読み上げられるかと思いきや、別の方だった。私は16問正解で3位。?? おかしい。私も18点のはずだ。入賞者は全員同じ賞品だから大勢に影響はなかったが、LPSA中心のブログを書いている者にとって、この得点は納得できない。
中井女流六段が閉会の挨拶に上がるが、その前にLPSAから中井女流六段へ金メダルが授与された。話をよく聞いていなかったので分からぬが、いままでの活動を讃えた「功労賞」だろうか。
中井女流六段の御礼の挨拶が終わり、散会。しかし私にはやることがあった。カルトクイズの正解確認だ。私はこういう、どうでもいいことを質さないと気が済まないタチなのである。
私は船戸女流二段を呼び止め、カクカクシカジカ、と述べる。と、船戸女流二段はすぐさま答案を確認しに行き、戻ってくると半分ムッとしながら
「18問正解でした。ハートマークの問題、20個って書いたと思ってました」
と言った。
ハートマークを数えているとき、私が「20個だ!」と叫んだのを船戸女流二段が聞いていて、それが脳裏に刻み込まれてしまったらしい。
もう1問の採点ミスは、推測するに、「LPSAが連載している雑誌名は?」という問題があり、これは「経済界」が模範解答だったのだが、私の書いた「NHK将棋講座」も立派な正解で、以上2問が間違いにされたようだ。
それにしても…と思う。私はきょう1日で、かなりの数の女流棋士を怒らせてしまった気がするのだが、どうなんだろう。まあ、気のせいであろう。
女流棋士全員に見送られ、会場を出る。そのまま帰宅するのもわるくはないが、せっかくなので、旧金曜サロン会員の有志と飲みに行く。6人で居酒屋に入り一息つくと、なんと4人が女流棋士提供のプレゼントを獲得していた。この日の観客は何十人もいたから、金曜サロン会員の当選率はすごかった。やはりヒキの力が違うのだろう。
このあとはさらに2人加わって、計8人で楽しい夜を過ごした。私のハナ水は相変わらず流れっ放しで、私の右隣にいたひとには、たいへんな迷惑を掛けてしまった。この場を借りて、深くお詫びいたします。
最後に、今回も楽しいイベントを企画してくれた、船戸女流二段をはじめ参加女流棋士の方々に、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。
それとも中倉彰子さんのつもりかな。
女流棋士・プレゼント抽選会で当たったときは、かなり興奮しました。
蛸島先生の段位はうっかり間違えてしまいました。もちろん「女流五段」です。皆さまにお詫びいたします。